2019.9.7(土)
男の言葉は的を得ていた。
秘裂から槍が引き抜かれた後も身体のほてりは治まるどころか、逆にひどくなり「熱い、熱い」と訴え続け、観衆からも一目で分かるほど息遣いが荒くなっていた。
さらに、陰部の痒みは尋常なものではなく、もし今磔台に拘束されていなければ体裁構うことなく掻きむしりたいほどであった。
全裸で腰をもじもじさせ懸命に痒みに耐えるありさ姫の姿が、黒岡たちの偏執じみた加虐心をひときわ煽った。
ありさ姫は苦悶の表情を浮かばせ、その白い肌には珠のような冷汗を滲ませていた。
「あぁ……あっ、あっ……ああっ……」
黒岡は床机から立ち上がり磔台近くまで歩み寄ると、痒みに耐えるありさ姫にわざと大声で尋ねた。
「姫よ、もしかしていづこか痒いのか?」
「ううっ……うぐぐっ……」
ありさ姫は憤怒と恨みの形相で黒岡を睨みつけた。
「いづこが痒いのか言ってみよ」
「くっ…………」
「首か? 背中か? 痒いところを言ってみよ。処刑中ではあるが姫のことなれば格別に役人に命じて掻いてやっても良きぞ」
「いづこも痒くなどなしな」
「ふふふ、本当にそうかのぅ? あまりに腰をくねらせるものなれば女陰でも痒くなってきしやと思ったがのぅ。違っておったか。わはははは~」
「うううっ……」
やがて媚薬はさらなる効果を発揮し始めた。
ありさの額にあぶら汗が光る。
「ううっ……か、かゆい……」
「ほほう、ついに痒いと申したな? もう我慢しきれなくなってきたか。姫、もう一度尋ぬ。いづこが痒いのじゃ?」
「くっ……さることは申せぬ……」
「正直に言ってみよ。女陰ならざるや?」
「ううう……うぐっ……か、かゆい……」
ありさ姫の腰の振り方が先程より激しくなってきた。
もう我慢の限界なのだろう。
「ひぃ~~~!! か、かゆい……!! ううう~~~~~~~!!」
「はっはっは~、かなり薬が効きて来たようじゃのぅ。ありさ姫、女陰が痒くて堪らなくなってきたのじゃろう?」
「ああっ……いったいあの壷に……あの壷にいかなる薬を入れしや……?」
「それは良き質問じゃ。壷の中の薬とは、わずか塗るのみで激しき痒みをもよおし、やがては男が欲しくて堪らなくなる薬じゃ。わははははは~~~」
「お、おのれ! 黒岡めぇ……卑怯なる真似を!」
「ほざけ! 恨むならば無能なうぬの父を恨むべし!」
「それは聞き捨てならぬ言葉! 父の
「さして大口を叩いていらるるもあとわずかじゃ。まもなく『女陰を擦って欲しき』と泣きて頼むじゃろうて。ほえ面が楽しみじゃあ! がははは~!」
「くっ! なんと無礼な! 卑劣なる男め!」
散々辱めの言葉を並べ立てた黒岡は、すたすたと元の床机のある方へと戻っていった。
ありさ姫の身体に媚薬による新たな変化が現れ始めていた。
ほてりが更にひどく燃えるように熱くなり、更には花芯がびっしょりと濡れそぼり、痒みと相まって肉壷を掻き毟りたいような心境に陥っていた。
それでもありさ姫は歯を食いしばって必死に耐えた。
誇り高き自尊心がありさ姫を懸命に耐えさせたのだった。
それでも激しいほてりと痒み、それに強い性欲は怒涛のように押し寄せありさ姫を苦しめた。
「うううっ……くぅっ……! あ、熱い! か、かゆい! ひぃ! うぐぐぐぐぐっ……!!」
その頃、柵の向こうが興奮の坩堝と化していた。
ありさ姫のあられもない姿に鼻血を垂らしてぶっ倒れる若者から、大勢の前だというのに褌の紐をほどき怒張した肉竿をしこしこと擦る者まで現る始末であった。
「うわ! 汚ねい! こっち向いて擦るなよ!」
「こらぁ! おらにぶっかけるとぶっ殺すぞ!」
大笑いする者、嘲笑する者、眉をひそめる者、逃げていく者……。
ぴんと張りつめた緊張の糸がほんの一瞬だがぷつりと切れ、刑場とは思えないような賑やかな空気が流れた。
だがそんな空気も、ありさ姫がもらす悲痛な声にすぐにかき消されてしまった。
観衆の目は再びありさ姫に注がれた。
「痒みと疼きが続くとどうなるんじゃ?」
「んだな、おらにはよく分からんが、狂い死にするんじゃねえべか?」
「そうか。かわいそうになあ」
「あんなきれいなお姫様に『べっちょ掻いてくれ』と頼まれたら、おら何をおいても絶対にえぐよ」
「わっはっはっは~、そりゃ、おらも同じだべ」
「おらぁ、あのお姫様がだんだん哀れに思えてきた……」
「んだなこというと役人にしょっ引がれるぞ」
「だけど何で今、槍責め休んでるんだんべい?」
「挿し込まないで放置しておく方がかえって堪えるからではねえべか」
そんな観衆のざわめきをよそに槍責めが続行されようとしたとき、再び黒岡が立ち上がった。
「おい、余にその槍を貸せ」
「はっ? ははぁ!」
執行役人は思いも寄らない城主からの下知に一瞬戸惑いを見せたが、すぐさま張形の着いた槍を黒岡に手渡した。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2019/09/07 06:53
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痒い話
身近な痒みと云えば……。
蚊でしょう。
不思議なことに、今年はこいつが少なかったように思います。
昨年から、水やりや草刈りのときには……。
↓フマキラーの『ヤブ蚊バリア』なる商品を使うようになりました。
https://item.rakuten.co.jp/oosaki-st/4902424442021/
↓フマキラーの製品情報ページ(https://fumakilla.jp/insecticide/367/)の説明書きです。
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●作業前に、茂みや地面にスプレー!
虫を寄せつけたくない場所にスプレーするだけで、蚊よけ空間をつくります。
パワフルなジェット噴射なので、茂みの奥などにもしっかり薬剤が届きます。
●効果が8時間持続!
草木などに付着した薬剤が再蒸散することにより、バリア効果が最大8時間※も持続します。
※茂み処理の場合(天候、環境により異なります)。
●マダニにも効く!
●植物にかかっても安心の水性タイプ
薬害を起こしにくい水性タイプなので、草木を傷める心配がありません。
●ニオイの気にならない無香料タイプ
●バーベキューや屋外作業、ガーデニングなどに
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なるほど。
わたしは実は、効能に疑念を持ってました。
なぜならわたしは、空中に散布してたので。
当然、薬剤は、撒いたとたんに風に流されてしまいます。
「8時間も効くはずがねえだろ」と思ってました。
空中ではなくて、「茂みや地面にスプレー!」なんですね。
つまり、薬剤が付着するものにスプレーすべきだったんです。
キンチョールのつもりで撒いてました。
水やりなら、空中ではなく、足元の地面ですね。
よくわかりました。
でも、残念ながら……。
今年はもう、使う用事がなさそうです。
あ、草刈りなら、もう1回あるか。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2019/09/07 06:53
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痒い話(つづき)
この商品が、いつ発売されたのかわかりませんが……。
ホームセンターで見つけて使うようになったのは昨年からです。
それまでに使ってたのは、虫除けスプレーでした。
でもこれ、出来れば使いたくないアイテムです。
自分の肌に噴きつけるからです。
「虫除けスプレー」なんて、一見害のなさそうな名称に騙されますが……。
早い話、農薬ですよ。
それを肌にかけるんです。
なので、作業後にはシャワーを浴びたりしてました。
面倒くさいです。
あと、草刈りなど長時間のときは……。
腰に蚊取り線香を下げ、頭には蚊よけのネットが付いた麦わら帽子を被ってました。
↓こういうやつ。
https://item.rakuten.co.jp/moccasin/kjcoolmaxhat/
↑こんな爽やかな顔ではいられません。
暑い上に見た目が異様なので、通行人と目が合うのが嫌でした。
テレビの「蜂の巣ハンター」に間違えられないかって。
なぜわたしが、これほど蚊を恐れるかと云うと……。
肌が、蚊の毒に異様に反応するからです。
尋常じゃなく膨れます。
真っ平らな田んぼの中にある古墳みたいになりますから。
肌が引き伸ばされるからか、膨れたところは真っ白になってます。
その周りが赤く発色するので、余計に目立ちます。
端の人が気づくと、「どうしたのこれ!」と驚かれるほどです。
もちろん、痒みもあります。
でも、あそこまで膨れると、怖くて掻けません。
痒み止めを塗って絶えるしかないです。
ということで、蚊に刺されることは、ぜったいに避けたかったんです。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2019/09/07 06:54
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痒い話(つづきのつづき)
ところが昨年、『ヤブ蚊スプレー』を見つけました。
半信半疑でしたが……。
思い切って、虫除けスプレーも、蚊取り線香も、ネット帽も止めてみました。
なんと……。
刺されなかったんですよ。
こりゃいいわいと喜びました。
難点は、すぐになくなること。
そりゃそうです。
虫除けスプレーは、自分の肌にかけるだけです。
対して、『ヤブ蚊スプレー』は、その日作業するエリア全体に撒かなければならないのです。
フマキラーさん、考えましたね。
使う量が、ぜんぜん違うんです。
なので、容器が巨大です。
30㎝はあるでしょう。
ガスボンベよりデカいです。
小さい容器だと、あっという間になくなってしまうからだと思います。
ホームセンターでも、2本セットとかで売ってますね。
実際、1本なんかすぐ使っちゃうんです。
でも、虫除けスプレーを肌にかけるよりはいいので……。
これからも使うと思います。
しかし今……。
一抹の疑念が生じてます。
『ヤブ蚊スプレー』の効力と云うより……。
蚊自体が少なくなってるのではないかと。
今年は特に猛暑で、水の溜まってるところなんか無かったでしょうしね。
用水路などは、ことごとく蓋がされるようになりましたし。
ま、でも、いることはいるわけです。
今度から、『ヤブ蚊バリア』、地面に撒くことにします。
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4. 手羽崎 鶏造- 2019/09/07 08:31
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今年の夏、確かに蚊は少なかったです。
はい、炎暑が原因とのことです。
蚊も過酷な暑さには、夏負けするのでしょう。
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5. Mikiko- 2019/09/07 12:31
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炎暑帰り
台風のせいで、再び猛暑が戻ってきました。
午後は、猛暑日になるかも。
気になるのは15号ですが……。
新潟はほとんど影響なさそうです。
少し、雨を降らせてくれないと……。
また、水やりを再開しなければなりません。