Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 2853
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「編集者には、きみの性器が隠すものなく見えてたわけだ。
 彼は、黒塗りが入れられる前のプリントを、ぜったいに持ち帰ったはずだ。
 そして……。
 毎晩、オナニーしているんだ。
 きみの陰唇を凝視しながら。
 そして、射精する。
 もちろん、写真の陰唇に向かってだ。
 写真のきみに、臭い精液がぶちまけられる。
 きみは精液で、真っ白に埋め尽くされるんだ」

 妻の呼吸が速くなった。
 過呼吸じゃないかと案ずるほどだった。
 妻は、震える手で雑誌を床に置くと、わたしに向き直った。
 挑みかかるような目をしていた。

「抱いて。
 いえ……。
 犯して!
 わたしを犯して!」
「よし。
 それじゃ、同じ格好をしろ。
 テレビ枕で」

 妻は跳ね起きると、クローゼットに飛びついた。
 扉を開けた。
 何をするのかと思った。
 テレビ枕は、クローゼットの外にあったからだ。
 しかし、次の所作で、妻の意図を悟った。
 テレビ枕を、開いたクローゼットの扉の前に置いたんだ。
 扉の裏には大きな鏡が造りつけられている。
 鏡には、テレビ枕が大写しになっていた。
 鏡を見ながら、犯される自分を凝視したいんだ。

 しかし……。
 妻の上に、わたしが重なってしまったらどうだろう。
 妻は、わたしの肩越しに鏡を見られるだろうが……。
 妻の身体のほとんどは、わたしの下になってしまう。
 これでは、犯される自分の身体を十分には見られない。

 妻はあっという間に、着ているものを脱ぎ散らかした。
 ものの見事な素っ裸だった。

「やっぱり起って」

 テレビ枕に腰を落とそうとした妻を引っ張りあげる。
 クローゼットの扉は、90度開くと壁にあたる。
 壁には、扉がぶつかる場所にゴムの緩衝材が設置されていた。
 勢いよく扉を開いても、壁が傷つくことはない。
由美と美弥子 2852目次由美と美弥子 2854


コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2019/08/24 06:48
    • 今日は何の日
       8月24日は、『愛酒の日』。
       酒をこよなく愛した歌人、若山牧水(わかやまぼくすい/1885~1928)の誕生日であることから。
       牧水は、北原白秋らと親交があり……。
       旅と自然を愛し、豊かな情感と寂寥感を歌いあげた歌風で知られてます。
      ●白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり
       各所を旅して歌を詠みました。
       日本各地に歌碑があります。
       本名は繁(しげる)。
       18歳のとき、「牧水」と号したそうです。
       由来は、「当時最も愛していたものの名二つをつなぎ合わせたものである。牧はまき、即ち母の名である。水は生家の周りにある渓や雨やから来たものであった」とのこと。
       大の酒好きで、一日一升の酒を呑んでたそうで……。
       死(享年43)の大きな要因となったのは、肝硬変でした。
       夏の暑い盛りに死亡したのにもかかわらず、死後しばらく経っても死体から腐臭がしなかったそうです。
       「生きたままアルコール漬けになったのでは」と医師を驚嘆させたとの逸話があります。
       上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/108241.html)のページから転載させていただきました。
       続きは次のコメントで。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2019/08/24 06:48
    • 今日は何の日(つづき)
       俳人は俳号ですが……。
       歌人は何というのでしょうね。
       普通に、雅号でいいんですかね。
       「牧水」の由来は、初めて知りました。
       母の名を取ったというところにも驚きましたが……。
       それを公言してることに、もっとたまげました。
       お母さんがいつ亡くなったのか知りませんが……。
       「当時最も愛していたもの」とあるからには、存命だったはず。
       18歳と云えば、少年から青年になりかけのころです。
       母との距離が、離れていくころだと思うのですが。
       ま、しかしながら……。
       酒を愛し、それが元で亡くなった歌人には、親しみを覚えます。
       ↓わたしの一番好きな歌です。
      ●足音を忍ばせて行けば台所にわが酒の壜は立ちて待ちおる
       お酒は、奥さんに止められてたようです。
       ↓こんな歌もあります。
      ●妻が眼を盗みて飲める酒なれば惶(あわ)て飲み噎(む)せ鼻ゆこぼしつ
       親近感が湧きます。
       さて、わたしとお酒。
       わたしもお酒が大好きです。
       お酒を飲まない日は、年に2日だけです。
       まず、胃の内視鏡検査の前日。
       昔はこの日も飲んでました。
       でも、検査中、えずいてしまうようになり、我慢することにしました。
       おかげで、検査後に飲むビールの美味しいこと。
       もう1日は、職場健診の前日。
       これは、少しでも数値を良くしようという、さもしい心からです。
       でもおかげで、健診後に飲むビールの美味しいこと。
       続きはさらに次のコメントで。

    • ––––––
      3. Mikiko
    • 2019/08/24 06:48
    • 今日は何の日(つづきのつづき)
       だけどね。
       二日酔いはしないんですよ。
       朝食を食べない日は、年に1日もありません。
       ご飯は必ず、2膳いただきます。
       何で、二日酔いをしないか。
       特別にお酒が強いわけではありません。
       若いころは飲み過ぎて、しょっちゅう二日酔いしてました。
       でも、歳を重ねるうち、飲み方が変わってきました。
       薄めて飲むんです。
       今、夕食後のお酒は、赤ワインのロックです。
       赤ワインは冷やしてないので、氷がすぐに解けて薄まります。
       冬は、赤ワインの燗。
       氷を入れるわけにはいかないので、あらかじめ水で薄めて燗を付けます。
       薄いお酒のいいところは、長時間飲み続けられることです。
       わたしの場合、18時から22時過ぎくらいまでですかね。
       もちろん、その前には夕食でビールを飲んでます。
       日曜日は、さらにその前に、昼酒も飲んでます。
       その後、4時間、赤ワインなわけです。
       薄めずに飲んでたら、潰れてしまいますよ。
       こういうお酒を楽しめるのは……。
       わたしの舌が鈍感なおかげだと思います。
       薄めたワインでも、美味しく飲めるのです。
       おかげで、楽しく長く飲めるわけですから……。
       鈍感舌に、乾杯!

    • ––––––
      4. ☆・雅之
    • 2019/08/24 22:33
    • お酒を 愛すれば こそ、このような 歌人の句を
      したためることにもなるのでしょう。
      内視鏡と 職場の健診と それだけの用心をしていれば」
      肝硬変まではいかないでしょう。
      でもそれほど 好きではない 吾輩にしてみれば チト
      過ぎるようにも感じるのですがね。
      飲んでも、飲まなくても なる人はなります。
      それを事前に察することが大切なのです。
      粋な句じゃ ありませんか。
      どこか 中京に 歌が好みの奥様が居たようですが
      お元気でしょうかね。

    • ––––––
      5. Mikiko
    • 2019/08/25 06:41
    • 百薬の長か毒薬か
       好きなものを楽しんで、早死にするか……。
       好きなものを止めて、長生きするか。
       ま、その中間がいいのでしょうが……。
       それが難しいのが人間です。
       でも、好きなお酒を止めたのに死病を得たら……。
       さぞ無念でしょうね。
       中京の歌好みの奥方。
       うーむ。
       思い出せません。
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