2019.6.12(水)
その橋は、もともと歩行者は多くなかったんだけど……。
冬場になって、さらに少なくなっていた。
この日も、橋の上を歩いてたのは、わたしと妻だけだったんだ。
人通りが多かったら、わたしもあんなには積極的になれなかったかも知れない。
「目眩とか、しない?」
「ええ」
「ちょっと、後ろ頭見せて。
……。
どうやら、血は出てないようだ。
でも、内出血でもしてると……。
後から症状が出ることがあるからね。
救急車、呼ぼうか?」
「そんな……。
平気です」
「実は、わたしの叔父が……。
酔っ払って、駅の階段で転んだんだ。
そのときはすぐに起きあがって、なんでもない様子だったので……。
一緒にいた同僚も、そのまま別れた。
でもね。
タクシーの中で昏倒し……。
結局、そのまま亡くなってしまった。
脳で出血が、だんだん広がっていったんだね」
妻は、うなずきながらも路面に手を着いて、起ちあがろうとした。
「痛っ」
押さえたのは腰だった。
どうやら、腰も打ったみたいだった。
「ここからだと、会社と家、どっちが近いの?」
「家です。
そこから歩いてきましたから」
「それなら、会社は休んだ方がいいな。
家まで送っていくよ。
ここにいたんじゃ、身体が冷えてしまう。
この時間だと、喫茶店とかも開いてないしね」
「でも、あなたが遅れてしまいます」
「うちの会社は、フレックスタイムなんだ」
ウソだった。
でも、現場に直行するってメールを打てば、なんとでもなる。
「立てそう?
掴まって」
わたしは、妻を腕にすがらせ、橋の高欄を掴みながら、ゆっくりと起ちあがった。
「また転ぶと大変だから、しっかり掴まって」
妻は、わたしの右腕にぶら下がるように掴まり……。
わたしは左手を高欄に伝わせながら、ゆっくりと橋を下った。
その橋は、一番河口寄りに架かる橋でね……。
下を漁船なんかも通るんだ。
だから、橋桁が高くてね。
そのため、下の道路と橋を繋ぐスロープ部分が長い。
そのときの光景は、今でもはっきりと覚えてる。
朝の光に、橋の路面の氷の粒が、キラキラと輝いてたよ。
ウミネコが、しきりに鳴いてた。
冬場になって、さらに少なくなっていた。
この日も、橋の上を歩いてたのは、わたしと妻だけだったんだ。
人通りが多かったら、わたしもあんなには積極的になれなかったかも知れない。
「目眩とか、しない?」
「ええ」
「ちょっと、後ろ頭見せて。
……。
どうやら、血は出てないようだ。
でも、内出血でもしてると……。
後から症状が出ることがあるからね。
救急車、呼ぼうか?」
「そんな……。
平気です」
「実は、わたしの叔父が……。
酔っ払って、駅の階段で転んだんだ。
そのときはすぐに起きあがって、なんでもない様子だったので……。
一緒にいた同僚も、そのまま別れた。
でもね。
タクシーの中で昏倒し……。
結局、そのまま亡くなってしまった。
脳で出血が、だんだん広がっていったんだね」
妻は、うなずきながらも路面に手を着いて、起ちあがろうとした。
「痛っ」
押さえたのは腰だった。
どうやら、腰も打ったみたいだった。
「ここからだと、会社と家、どっちが近いの?」
「家です。
そこから歩いてきましたから」
「それなら、会社は休んだ方がいいな。
家まで送っていくよ。
ここにいたんじゃ、身体が冷えてしまう。
この時間だと、喫茶店とかも開いてないしね」
「でも、あなたが遅れてしまいます」
「うちの会社は、フレックスタイムなんだ」
ウソだった。
でも、現場に直行するってメールを打てば、なんとでもなる。
「立てそう?
掴まって」
わたしは、妻を腕にすがらせ、橋の高欄を掴みながら、ゆっくりと起ちあがった。
「また転ぶと大変だから、しっかり掴まって」
妻は、わたしの右腕にぶら下がるように掴まり……。
わたしは左手を高欄に伝わせながら、ゆっくりと橋を下った。
その橋は、一番河口寄りに架かる橋でね……。
下を漁船なんかも通るんだ。
だから、橋桁が高くてね。
そのため、下の道路と橋を繋ぐスロープ部分が長い。
そのときの光景は、今でもはっきりと覚えてる。
朝の光に、橋の路面の氷の粒が、キラキラと輝いてたよ。
ウミネコが、しきりに鳴いてた。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2019/06/12 05:56
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時計がいっぱい②
さて、月曜日の続きです。
電波時計の3つめは……。
トイレにあります。
これは、比較的最近、買いました。
実は、時計を設置することは、本来の目的じゃなかったんです。
温度と湿度を知りたかった。
トイレには、ガジュマルくんが住んでます。
何度も書いてきましたが……。
かなり前のお正月、剪定した枝を、お榊代わりに榊立てに挿して置いたのが、根を出したものです。
今は、茶碗が小さくなったので、ガラス壜の中で暮らしてます。
冬は、このガジュマルくんのために、トイレ内の温度が下がりすぎないようにしなければなりません。
オイルヒーターのサーモスタット機能を使ってますが……。
あまり信頼の置ける性能じゃないんです。
なので、トイレに入る度に……。
温度を確認しながら、ヒーターのダイヤルを調整したかった。
で、探してたら、そんなに高くないもので、温湿度計に電波時計が付いてるのを見つけたんです。
ていうか、電波時計に温湿度表示が付いてたわけですけど。
↓これです。
https://item.rakuten.co.jp/ajewelry/8rz166sr03/
楽天だと、1,500円くらいですが……。
↓アマゾンなら、1,000円ちょっとで買えると思います。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01718VCIW/ref=ppx_yo_dt_b_search_asin_title?ie=UTF8&th=1
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2019/06/12 05:57
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時計がいっぱい②(つづき)
でも、設置してみると、時計機能の方が便利でした。
朝は、家を出る時間を睨みながらの身支度になります。
特に、トイレの大のときは気になるもの。
わたしは便秘ではありませんが……。
便秘の方は、きっとトイレ時計が必需品なのでしょうね。
さて、4つめ。
これは、2階廊下の窓台の上にあります。
かなり昔から、置いてありますね。
廊下ですから、しょっちゅう見る用事はありません。
見るのは、出勤間近だけ。
コートを着たり、リュックを背負ったりしながら睨むわけ。
ときおり、駅まで小走りになってる女性を見かけますが……。
あれはやりたくありません。
夏はもちろんですが……。
冬でも、コートを着てれば、駅に着いた途端、汗が噴き出すと思います。
特に、わたしは汗かきなので。
5つめ。
洗面台を兼ねたシンクの脇です。
正直、これはあんまり見ませんね。
ここのをどこかに転用しようと、動かしたことは何度かあると思います。
でも、無くなってみると、妙に物足りないのです。
結局、買い足して、ここに戻してました。
廊下と洗面台の2台は古いやつで……。
目覚ましのボタンがバカになってます。
目覚ましの機能は使えませんが、かける用事はないので困りません。
まだ終わりませんでしたね。
続きは、金曜日にします。