Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 1932
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 女性の長い話にも、ようやく区切りが付いたようだ。
 ペットボトルのお茶を、喉を鳴らして飲み干した。
 千穂は、女性の話に聞き入っていた自分に改めて気がついた。
 ほんとかどうか怪しいと思うところもあったが……。
 女性の話術に引き入れられ、ほとんど身を乗り出して聞いていたのだ。
 いろんな世界があるものだ……。
 心底、そう思った。
 こんな田舎の民宿で、このまま歳を取っていっていいものだろうか。
 そんなことさえ感じた。

 人の話は、いろんな意味で勉強になる。
 これからは、もっとお客さんの話を聞くことにしてみよう。
 女性専用の宿にしてから、口コミで広がったのだろう……。
 一人旅の女性が増えていた。
 この宿は、民宿とは云っても、はやりのゲストハウスなどとは異なり、相部屋ではない。
 一人旅の女性は、食堂で夕食を終えた後、みな部屋に戻ってしまう。
 夜、外出できる場所も近くには無いのだから、そうするしかないのだ。
 でも、それでいいのだろうか。
 客室にテレビはあるが、それだけだ。
 そういえば、インターネットは出来ないのかと聞かれたことがあった。
 千穂は、その方面の知識に疎かった。
 千穂と涼太が暮らす部屋のパソコンは、ネットに繋がっている。
 これは、夫が生きていたころからの設備だった。
 夫なら、客室にもインターネットの設備を付けようと思いついたかも知れない。

 やはり、女ひとりの経営には、限界があるのだろうか。
 これまでは忙しく働くのに精一杯で、立ち止まって考えてみる余裕はなかった。
 しかし、改めて自らの身を振り返ってみると……。
 もの寂しさのようなものを感じた。
 このまま、ずっとひとりなのだろうか。
 もちろん、涼太はいる。
 しかし……。
 涼太は、いずれは伴侶を見つけ、自分から遠ざかっていく存在だ。

「どうしたの?」

 女性が、空のペットボトルにキャップを締めながら聞いた。

「いえ。
 別に。
 そろそろ、おいとまします」
「わたしの話、つまらなかった?」
「そんな。
 飛んでもない。
 ずっと、身を乗り出して聞いてました」
「そう。
 良かった」
由美と美弥子 1931目次由美と美弥子 1933


コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2016/02/12 07:37
    • 久々に……
       民宿に戻って参りました。
       今、民宿の場面だったんだと、われながら驚いた次第です。
       千葉の民宿シリーズが始まったのは、1651回の『周旋屋律子』から。
       投稿日は、2014年12月9日でした。
       なんと、1年以上も千葉の民宿だったんですね。
       呆れ申した。

    • ––––––
      2. 思い出し出汁?HQ
    • 2016/02/12 12:57
    • 戻ってきました千穂民宿
       いやあ、まさか赤ミニ女がここまでの語り部だったとは。
       人は見かけによらないものです。
       さあ、赤ミニ話を聞いた千穂さんはどう動く。
       由美ちゃん美弥ちゃんはどうしてる。
       そして涼太は……。
       で、よく考えたら、例の農協男は実在?の人物だったよね。

    • ––––––
      3. Mikiko
    • 2016/02/12 19:44
    • 語り手(視点の主)は……
       トップページの目次に書いてあります。
       農協の営業マンは実在しますが……。
       赤耳女の話に出て来る銀行マンは、妄想の産物です。

    • ––––––
      4. 服飾評論家HQ
    • 2016/02/13 00:11
    • 赤耳女
      【赤耳(セルビッチ)】
       デニム地の両端の耳部分をいう。旧型の織機でデニム地を織る際、生地末端のホツレを無くすために付けられたもの。
       特にリーバイスのものは赤いステッチが付けられていることから、通称「赤耳」とよばれる。1986年に消滅するまで継続され、VINTAGEを語る上で欠かせないディテールでもある。
                Weblio辞書

    • ––––––
      5. Mikiko
    • 2016/02/13 08:13
    • 赤ミニ女は……
       はなはだ言いづらい。
       赤耳女は打ち間違えて変換されたのですが、面白いのでそのままにしました。

    • ––––––
      6. 悪いのは舌?耳?HQ
    • 2016/02/13 10:49
    • 赤ミニ女
       そんなに言いづらいかなあ。
       いわゆる「滑舌が悪い」?
       それにしても「赤耳」。字面になんか見覚えがあるんだよね。うーむ、思い出せん。
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