2016.2.8(月)
高校生の命は、30分ほどで尽きた。
ベッドに仰向いた、小山のような肉体。
もう動かない。
これが、人の死だ。
なんの容赦も無く、突然訪れる。
そしてそれが、病院の日常だった。
毎日毎日、人の最後を見届け……。
命を終えた肉体を清拭する。
救急患者が続いた夜勤明けのときなど、無性に怖くなることがあった。
処置に忙殺されてるときは、自分の感情などには構ってはいられない。
でも、仕事を終え、白みかけた朝の街に踏み出すと、急に怖くなるのだ。
自分も、あんなにあっけなく、命を終えるのだろうか。
死の瞬間を迎えた人の姿が、次々とフラッシュバックする。
看護師としてやっていけるかどうかは……。
受けたストレスを、どれだけ上手に発散できるかだと、同室の先輩が教えてくれた。
確かにそうだろう。
肉体は疲れ切ってても、頭が冴え渡った状態では、眠りにつくことも出来ない。
といって、朝を迎えたばかりの街には、ストレスを発散できそうな場所など見当たらない。
まっすぐ、寮に帰って来るほかはなかった。
手っ取り早いストレスの発散方法は、やはりオナニーだった。
同室の先輩とシフトが合ったときなどは、ベッドで絡み合うこともある。
しかし、ひとりのときは、部屋に籠もってしまうのが怖かった。
そんなときは、風呂場に向かう。
看護師寮の風呂は、24時間入浴可能だ。
夜勤明けに町の銭湯は開いていないのだから当然だ。
湯船に浸かると、凝り固まった筋が、ラードみたいに溶け出す気がした。
四肢の強張りが、湯の中に解けていく。
浴室は、小さな旅館ほどの大きさがあった。
カランも、10個ほど並んでいた。
湯船は、数人が大の字になって浮かべるくらい広い。
しかも、ジェットバスだった。
浴槽の縁から、勢い良く湯が噴出している。
噴出口は、縁を一周していた。
ここに背中を付けて手足を伸ばす瞬間が、至福のときだった。
さらに、ジェットバスには、もうひとつの効果があった。
四方から噴出する湯の泡で、浴槽の中が見通せないのだ。
ベッドに仰向いた、小山のような肉体。
もう動かない。
これが、人の死だ。
なんの容赦も無く、突然訪れる。
そしてそれが、病院の日常だった。
毎日毎日、人の最後を見届け……。
命を終えた肉体を清拭する。
救急患者が続いた夜勤明けのときなど、無性に怖くなることがあった。
処置に忙殺されてるときは、自分の感情などには構ってはいられない。
でも、仕事を終え、白みかけた朝の街に踏み出すと、急に怖くなるのだ。
自分も、あんなにあっけなく、命を終えるのだろうか。
死の瞬間を迎えた人の姿が、次々とフラッシュバックする。
看護師としてやっていけるかどうかは……。
受けたストレスを、どれだけ上手に発散できるかだと、同室の先輩が教えてくれた。
確かにそうだろう。
肉体は疲れ切ってても、頭が冴え渡った状態では、眠りにつくことも出来ない。
といって、朝を迎えたばかりの街には、ストレスを発散できそうな場所など見当たらない。
まっすぐ、寮に帰って来るほかはなかった。
手っ取り早いストレスの発散方法は、やはりオナニーだった。
同室の先輩とシフトが合ったときなどは、ベッドで絡み合うこともある。
しかし、ひとりのときは、部屋に籠もってしまうのが怖かった。
そんなときは、風呂場に向かう。
看護師寮の風呂は、24時間入浴可能だ。
夜勤明けに町の銭湯は開いていないのだから当然だ。
湯船に浸かると、凝り固まった筋が、ラードみたいに溶け出す気がした。
四肢の強張りが、湯の中に解けていく。
浴室は、小さな旅館ほどの大きさがあった。
カランも、10個ほど並んでいた。
湯船は、数人が大の字になって浮かべるくらい広い。
しかも、ジェットバスだった。
浴槽の縁から、勢い良く湯が噴出している。
噴出口は、縁を一周していた。
ここに背中を付けて手足を伸ばす瞬間が、至福のときだった。
さらに、ジェットバスには、もうひとつの効果があった。
四方から噴出する湯の泡で、浴槽の中が見通せないのだ。
コメント一覧
-
––––––
1. Mikiko- 2016/02/08 07:33
-
看護師寮のお風呂
おそらく今は、各部屋に付いてるんでしょうね。
最近は、男性看護師も増えてますが、男子寮はあるんでしょうか?
やっぱり、アパートとかの借り上げですかね。
-
––––––
2. 入院マニアHQ- 2016/02/08 11:15
-
なんか……
前回、今回と、えらくシリアスな……。
気分を変えて、お賑やかにまいりましょー、ジェットバス。
ときますとサウナですが、そうか看護師寮の浴槽にもあるのか。
で、男性看護師。
まさか、寮は男女別でしょうが、看護学校は共学……かなあ。
そのあたり、以前から興味あるんですが、なかなか確認できません。以前入院した時(短期の方)、男性看護師が付いてくれたことがあります。あの時、なんで聞かなかったのかなあ、無念。
-
––––––
3. Mikiko- 2016/02/08 19:51
-
シリアスな場面
脳卒中で倒れた祖父に付き添ってました。
ICUです。
さまざまな急患が、次から次へ運ばれて来ました。
ICUから出ていく人は、亡くなった場合がほとんどでしたね。
ま、実際に自分が見たシーンですから……。
どうしても重たくなります。
看護学校。
女子のみの募集が大半のようです。
共学の場合、清拭の実習を男女別に分けたり、いろいろ面倒のようです。
-
––––––
4. 看護師ハーレクイン- 2016/02/08 20:40
-
共学看護
男子生徒だけでは人数が少なすぎて学校が成り立たないだろうから、共学にせざるを得ないだろうね。
初めて男子生徒を受け入れた女子高、てな感じですかね。
実習もそうですが、まず男子トイレを作らなならんでしょうし、大変だよね。だから、いまだに女子のみの看護学校が多いようです。ということは、男子には狭き門。大変だなあ。
-
––––––
5. Mikiko- 2016/02/09 07:33
-
共学
病院付属の看護学校なら、トイレなどの設備問題も大丈夫そうですね。
男子は、よほど優秀な受験生でなければ受からないという噂も。
同程度であれば、女子を取るでしょうね。
-
––––––
6. 平塚HQらいてう- 2016/02/09 12:11
-
同程度であれば、女子
それは逆差別じゃないのか。
男女は平等、教育の機会は均等!
でもまあ、患者の立場から見れば、やはりむさい男より女性だよね、看護師さん。
これは、女性の患者さんでもそう感じると思いますが、どうでしょう。
-
––––––
7. Mikiko- 2016/02/09 19:45
-
入試で……
合否を分けること自体、一種の差別じゃないですか。
-
––––––
8. 被差別者の味方HQ- 2016/02/09 23:32
-
一種の差別
と云えばそうでしょうが、志望者数と入学定員に埋めようの無い差があるわけですから、まあ……。