2019.2.8(金)
女子工員は、ジーンズの前ポケットから取り出したものをテーブルに置きました。
ICレコーダーでした。
「録音?」
女子工員は、ICレコーダーのスイッチを入れると、液晶の録画時刻を見ながら早送りさせてるようでした。
細くて白い指でした。
皺もなく、手の甲には血管も浮いてません。
ひょっとしたら、この女子工員の身体で一番綺麗なパーツは、手先かも知れません。
工場での仕事内容は聞いてませんが……。
おそらくは、細かい手作業なんじゃないでしょうか。
女子工員が、ICレコーダーをテーブル戻しました。
音声の再生が始まりました。
明らかに、性交中の男女の声でした。
男の声は、間違いなく彼氏……。
そして女は、まごうことなく志津子です。
志津子の声が聞こえるということは……。
フェラをしてるわけじゃないということです。
女子工員の言い分を認めないわけにはいきませんでした。
わたしたちは、無機質なICレコーダーから流れる生々しい喘ぎ声を、無言で聞いてました。
さすがに、いたたまれなくなりました。
「もういいよ。
わかった」
「何とも思わないんですか?」
「思わないわけじゃないけど……。
ま、ある程度までは行ってしまってた仲なんだからね。
で、どうするつもり?
彼氏を問い詰める?」
女子工員は、かぶりを振りました。
「結婚するつもりですから」
「その気持ちは変わらないわけだ」
「はい」
「じゃ、これをわたしに聞かせて、どうしようと言うの?」
「向こうだけなんて、不公平です」
「不公平?」
「バランスが崩れちゃってます。
わたしたちの。
だから、それを元に戻すんです」
「何となく言ってることはわからないでもないが……。
それはつまり、わたしたちも一線を越えれば、バランスが取れるってこと」
「はい」
ICレコーダーでした。
「録音?」
女子工員は、ICレコーダーのスイッチを入れると、液晶の録画時刻を見ながら早送りさせてるようでした。
細くて白い指でした。
皺もなく、手の甲には血管も浮いてません。
ひょっとしたら、この女子工員の身体で一番綺麗なパーツは、手先かも知れません。
工場での仕事内容は聞いてませんが……。
おそらくは、細かい手作業なんじゃないでしょうか。
女子工員が、ICレコーダーをテーブル戻しました。
音声の再生が始まりました。
明らかに、性交中の男女の声でした。
男の声は、間違いなく彼氏……。
そして女は、まごうことなく志津子です。
志津子の声が聞こえるということは……。
フェラをしてるわけじゃないということです。
女子工員の言い分を認めないわけにはいきませんでした。
わたしたちは、無機質なICレコーダーから流れる生々しい喘ぎ声を、無言で聞いてました。
さすがに、いたたまれなくなりました。
「もういいよ。
わかった」
「何とも思わないんですか?」
「思わないわけじゃないけど……。
ま、ある程度までは行ってしまってた仲なんだからね。
で、どうするつもり?
彼氏を問い詰める?」
女子工員は、かぶりを振りました。
「結婚するつもりですから」
「その気持ちは変わらないわけだ」
「はい」
「じゃ、これをわたしに聞かせて、どうしようと言うの?」
「向こうだけなんて、不公平です」
「不公平?」
「バランスが崩れちゃってます。
わたしたちの。
だから、それを元に戻すんです」
「何となく言ってることはわからないでもないが……。
それはつまり、わたしたちも一線を越えれば、バランスが取れるってこと」
「はい」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2019/02/08 06:43
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今日は何の日
2月8日は、『〒マークの日』。
1887(明治20)年2月8日(今から132年前)……。
『逓信省(ていしんしょう/後の『郵政省』・現『日本郵政』』のマークが、逓信の「テイ」に合わせて甲乙丙丁の「丁」に決定されました。
しかし!
万国共通の郵便料金不足の記号「T」と紛らわしいことがわかり……。
6日後の14日に、「テイシンショウ」の「テ」を図案化した「〒」の誤字だったことにして変更したそうです。
以上の記述は、こちら(http://www.nnh.to/02/08.html)のページから転載させていただきました。
なんかこのエピソード……。
『チコちゃんに叱られる!』の「たぶんこうだったんじゃないか劇場」で見た気がしますね。
鶴見辰吾とつぶやきシローがやり取りしてた覚えがあります。
しかし、「〒」が「テ」から来てるとは知りませんでした。
でも、「手紙」の「テ」、「切手」の「テ」でもありますから……。
結果オーライじゃないですかね。
現在、「〒」は、日本工業規格(JIS)において「郵便記号」と呼称されてます。
さて、郵便です。
会社では、けっこう使ってます。
後納郵便の引き落としだけで、月に25万円くらい。
そのほか、毎日切手を貼って出す封書もかなりなものです。
月に2回、2,3万円くらいずつ、切手を買いに行ってますから。
小さな郵便局としては大口の客なのでしょう……。
行く度に、ティッシュとかカイロとかえびせんとかをくれます。
これは、役得としてわたしがもらってます。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2019/02/08 06:43
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今日は何の日(つづき)
翻って、わたしと郵便。
これは、ほぼ縁が無いですね。
もちろん、ダイレクトメールなどは届きます。
でも、自分から出すことは、まずありません。
年賀状も出しませんし。
年賀状を最後に出したのは、中学校のころじゃなかったでしょうか。
今、自分から切手を貼って出すのは、年に1,2回ですかね。
先日、確定申告の還付手続きの書類を送りましたので……。
今年は、すでに1回出しましたが。
そう云えば、わたしには、文通の経験も無いんですよ。
友達なんかは、けっこうやってましたね。
あ、今、突然思い出しました。
自筆の長い手紙を書いてた時期があったんです。
大学時代。
送る相手は、高校の同級生。
遠い大学に進学した子たちでした。
これも一種の文通ですかね。
なぜ、このことを忘れてたかと云うと……。
思い出したくなかったからだと思います。
何を書いてたかも、覚えてないんです。
なぜなら……。
酔っ払って書いてたから。
もちろん、下書きなんかしてませんし、控えも取ってません。
なので、出した先の友達が持ってない限り、中身を確かめるすべもないです。
持ってないでしょうね。
捨てたに決まってます。
ていうか、捨ててくれ!
酔っ払って書いた手紙です。
もし、読み返したりしたら……。
その場から飛びあがって、マッハ3で逃げ出すでしょう。
そしてタイムマシンに飛び乗り……。
手紙を書いてるわたしの背中に、思い切りドロップキックをかましたいです。
記憶が無いのが、むしろ幸いです。
高校の同窓会には、1度も出たことがありません。
今後も、出る予定はないです。
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3. 手羽崎 鶏造- 2019/02/09 10:04
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管理人さまの生い立ちと私生活。
多方面の博識ぶりと、作品に見られる
細やかな人物の感情描写。
相対的に人と人との没交渉的な生き方をされてこられた
(失礼はご容赦を)ようですが、それを感じさせません。
読み手に「対話」の豊かさを感じさせるのはなんでしょうね。誉め言葉です。
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4. Mikiko- 2019/02/09 12:59
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対話について
わたしは、ひとりでいて退屈したことがありません。
人と喋らないでいることを、寂しいと思ったこともありません。
なぜなら……。
わたしは常に、頭の中で会話してるからです。
とにかく、頭の中は賑やかです。