2016.2.7(日)
わたしは、その顔を凝視しながら、再び腰を始動させた。
むろん、お局さまの後を追うためだ。
極限のスピードで尻を振る。
お局さまは表情を失ったまま、首だけが左右に揺らいでた。
死体を犯してるような、異様な錯覚を覚えた。
看護師の仕事に付き、初めて人の死に出会った。
看護学校時代は、いくら知識は学べても、目の前で亡くなる人を見ることは無い。
だが病院では、それが日常となるのだ。
亡くなった方の身体を、清拭する日々。
病気が進行し、骨と皮だけになった患者さんであれば、さほど感情を動かされることもない。
しかし、そうではない患者さんもいる。
一度、夜の救急棟に、バイク事故の怪我人が搬入されたことがある。
暴走族の高校生だった。
わたしも対応にかり出された。
外傷を調べるため、着ていた衣服はすべて切り裂かれ、裸に剥かれた。
柔道でもしていそうな、立派な体格だった。
おそらく、喧嘩も強かっただろう。
その身体には、まったくといっていいほど、傷が無かった。
色白だった。
陽に当たると真っ赤になりそうな肌だ。
しかし、体毛は濃かった。
盛りあがった胸部は、胸毛に覆われてた。
その絡みあった毛が、鳩尾を伝い、臍を縫い、そのまま陰毛まで繋がっていた。
でも、その下にある性器は、陰毛に隠れるほど縮こまっている。
高校生の首から下に外傷は無かったが、脳は激しい損傷を受けていた。
もう助からないことは、新人看護師でも一目でわかった。
口から人工呼吸器が挿入され、口の周りはテープで止められてる。
胸部は切迫した呼吸に上下していた。
死の淵にあることを、肉体は知っているのだろう。
そんなとき、生殖器などは、二の次三の次の器官だ。
だから、こんなに哀れに縮こまってる。
集中治療の後、もう死を待つしかないと判断された。
枕元には、両親が招き入れられた。
母親は、息子を直視できなかった。
父親は、真新しいパジャマの袋を胸に抱き、立ち尽くしてた。
袋のビニールが、息子の呼吸に合わせ、音を立てている。
父親の指が、握りしめているのだ。
むろん、お局さまの後を追うためだ。
極限のスピードで尻を振る。
お局さまは表情を失ったまま、首だけが左右に揺らいでた。
死体を犯してるような、異様な錯覚を覚えた。
看護師の仕事に付き、初めて人の死に出会った。
看護学校時代は、いくら知識は学べても、目の前で亡くなる人を見ることは無い。
だが病院では、それが日常となるのだ。
亡くなった方の身体を、清拭する日々。
病気が進行し、骨と皮だけになった患者さんであれば、さほど感情を動かされることもない。
しかし、そうではない患者さんもいる。
一度、夜の救急棟に、バイク事故の怪我人が搬入されたことがある。
暴走族の高校生だった。
わたしも対応にかり出された。
外傷を調べるため、着ていた衣服はすべて切り裂かれ、裸に剥かれた。
柔道でもしていそうな、立派な体格だった。
おそらく、喧嘩も強かっただろう。
その身体には、まったくといっていいほど、傷が無かった。
色白だった。
陽に当たると真っ赤になりそうな肌だ。
しかし、体毛は濃かった。
盛りあがった胸部は、胸毛に覆われてた。
その絡みあった毛が、鳩尾を伝い、臍を縫い、そのまま陰毛まで繋がっていた。
でも、その下にある性器は、陰毛に隠れるほど縮こまっている。
高校生の首から下に外傷は無かったが、脳は激しい損傷を受けていた。
もう助からないことは、新人看護師でも一目でわかった。
口から人工呼吸器が挿入され、口の周りはテープで止められてる。
胸部は切迫した呼吸に上下していた。
死の淵にあることを、肉体は知っているのだろう。
そんなとき、生殖器などは、二の次三の次の器官だ。
だから、こんなに哀れに縮こまってる。
集中治療の後、もう死を待つしかないと判断された。
枕元には、両親が招き入れられた。
母親は、息子を直視できなかった。
父親は、真新しいパジャマの袋を胸に抱き、立ち尽くしてた。
袋のビニールが、息子の呼吸に合わせ、音を立てている。
父親の指が、握りしめているのだ。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2016/02/07 08:03
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高校生の死
このシーンは、ICUに入院した祖父に付き添ってるとき、わたしが実際に見たものです。
もちろん、遠目でしたので、描写のような細かいことろまでは見えませんでしたが。
でも、立ち尽くす両親の姿は、今でも目に焼き付いてます。
パジャマの袋を握りしめた父親の姿も、実際に見たままです。
その父親が、見舞いに駆けつけた親族に、「どうせもう助からねぇんだ」と吐き捨ててました。
あれは、自分を納得させようとする言葉だったのでしょうね。
高校生が亡くなった後、両親は一旦外に出され……。
2人の看護師により清拭がなされました。
ひとりが、「すっごい体格だね」と呟いてたのを覚えてます。
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2. 裸者と死者HQ- 2016/02/07 10:29
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死姦
これを趣味にする輩がいるそうです。
まず坊主。
夜伽と称して枕経を上げ続ける。で、言葉巧みに遺族を遠ざけ、夜陰に乗じてやっちゃうわけですね。死体はもちろん若い娘です。
次いで墓掘り人夫。
こちらは埋葬後。
もちろん新墓。
草木も眠る丑三つ時、鍬を手に墓を掘り返し、死体を引きずり出す間も惜しんで棺桶の中でやっちゃうわけです。
死体が新しいと、まだ温みもあり、締まりもいいとか(ホンマかいな)。
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3. Mikiko- 2016/02/07 12:12
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今、死人と云えば……
年寄りばかりになりましたが……。
昔は、若くして亡くなる人が多くいました。
娘が男を知らないで亡くなると、成仏できないと云われ……。
埋葬前に、そういうことが行われました。
もちろん、お坊さんが、功徳のために行うわけです。
まさに、役得ですね。
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4. めでたい松竹梅HQ- 2016/02/07 16:49
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供養じゃー(死姦坊主)
それは、祟り。
罰かぶるぞ。
そういえば、落語『松竹梅』の↓名ゼリフ。
婚礼に招かれたある男。祝いに囃子を入れます。
「なった、なった、じゃになった、
当家の婿殿じゃになった、何のじゃになあられた、長者になぁられた」
そこで粗忽もの。これを真似て、
「なった、なった、じゃになった、
当家の婿殿じゃになった、何のじゃになあられた、亡者になぁられた」
チャンチャン。