2016.2.6(土)
わたしは、お局さまの上でフラガールになった。
アップテンポなタヒチアンの曲が、脳裏で鳴り響いた。
激しい打楽器の連打に合わせ、狂ったように腰を振る。
「わ、わひぃぃぃ。
いぃ!
いぃ!
こ、こんなの初めてぇぇぇぇ」
お局さまとくっつけてた頬に、彼女の顔面の動きが伝わってくる。
わたしは顔を上げた。
美人のお局さまは、性交のとき、どんな顔をするのか。
見下ろした。
これが、あの美人の顔だろうか。
瞳はすでに上瞼まで迫りあがり、下瞼の渚には、白目の波が寄せていた。
鼻孔は、瀕死の魚のエラみたいにはためいてる。
唇は捲れあがり、綺麗にホワイトニングされた歯の間から、ヘラヘラと舌が踊り出てた。
その無様な顔容に、わたしの嗜虐心が燃えあがった。
病棟で看護師たちに指示を出すときの能面みたいな顔。
それが今、悦楽に狂う一匹の雌犬。
もっと見せなさい。
もっと醜い顔を見せなさいって。
わたしの脳裏で、土俗的な打楽器が、さらに激しさを増した。
千切れんばかりに尻を振る。
「あ、あががががが」
お局さまが、鼻濁音を撒き散らし始めた。
すでに断崖なのだろう。
つま先は切り立つ崖から突き出し、逆巻く波が視界いっぱいに広がっているはずだ。
「イ、イクイクイク」
お局さまが、悲鳴に似た甲高い声をあげた。
わたしは恥丘に体重を乗せ、重いネジ回しを使うようにとどめを捻りこむ。
「あぎゃ」
お局さまの顔が、破裂した。
一瞬、そう見えた。
表情が四散したのだ。
意識が吹き飛ぶ瞬間だったのだろう。
残された顔は、ただの肉面だった。
死体の顔だ。
両目は一杯に見開かれているが、瞳は完全に失われてた。
紡錘形の真っ白い海が、目蓋のあわいを満たしてた。
アップテンポなタヒチアンの曲が、脳裏で鳴り響いた。
激しい打楽器の連打に合わせ、狂ったように腰を振る。
「わ、わひぃぃぃ。
いぃ!
いぃ!
こ、こんなの初めてぇぇぇぇ」
お局さまとくっつけてた頬に、彼女の顔面の動きが伝わってくる。
わたしは顔を上げた。
美人のお局さまは、性交のとき、どんな顔をするのか。
見下ろした。
これが、あの美人の顔だろうか。
瞳はすでに上瞼まで迫りあがり、下瞼の渚には、白目の波が寄せていた。
鼻孔は、瀕死の魚のエラみたいにはためいてる。
唇は捲れあがり、綺麗にホワイトニングされた歯の間から、ヘラヘラと舌が踊り出てた。
その無様な顔容に、わたしの嗜虐心が燃えあがった。
病棟で看護師たちに指示を出すときの能面みたいな顔。
それが今、悦楽に狂う一匹の雌犬。
もっと見せなさい。
もっと醜い顔を見せなさいって。
わたしの脳裏で、土俗的な打楽器が、さらに激しさを増した。
千切れんばかりに尻を振る。
「あ、あががががが」
お局さまが、鼻濁音を撒き散らし始めた。
すでに断崖なのだろう。
つま先は切り立つ崖から突き出し、逆巻く波が視界いっぱいに広がっているはずだ。
「イ、イクイクイク」
お局さまが、悲鳴に似た甲高い声をあげた。
わたしは恥丘に体重を乗せ、重いネジ回しを使うようにとどめを捻りこむ。
「あぎゃ」
お局さまの顔が、破裂した。
一瞬、そう見えた。
表情が四散したのだ。
意識が吹き飛ぶ瞬間だったのだろう。
残された顔は、ただの肉面だった。
死体の顔だ。
両目は一杯に見開かれているが、瞳は完全に失われてた。
紡錘形の真っ白い海が、目蓋のあわいを満たしてた。
コメント一覧
-
––––––
1. Mikiko- 2016/02/06 08:06
-
肉面
楳図かずおの漫画だったと思うのですが……。
顔の表皮を、ベリベリと剥ぐ場面がありました。
たぶん、それがまさしく“肉面”となったのでしょうね。
ふむ。
楳図かずおの漫画は、子供にとって、『地獄絵図』効果があるんでないか?
小学校で、必読図書とすべきじゃないでしょうか。
-
––––––
2. 仮面の告白HQ- 2016/02/06 11:19
-
土俗的な打楽器
そういえば、『由美美弥』第118章は「アフリカの仮面」。由美ちゃんが変身する話だったよね。
で、
>アップテンポなタヒチアンの曲
ですか。
映画『フラガール』の舞台シーンに、フラガールと共に男が登場します。衣装は腰蓑のみ。両端に火を着けた短い棒を両手に持ち、振り回す芸をします。この男たちも「常磐ハワイアンセンター」の社員で、4人いるそうです。
ハワイアンじゃないけど、ポリネシアンショーなんかでも見ますね、火の芸。あ、あとリンボーダンス。
-
––––––
3. Mikiko- 2016/02/06 12:21
-
腰ミノ男
アダモステではないのか?
リンボーダンス。
子供のころ、貧乏ダンスだと思ってました。
-
––––––
4. ひょうきん族HQ- 2016/02/06 17:25
-
アダモステ
よく覚えてるね、こんなの。
「ア〜ダ〜モ〜ス〜テ〜!!……ペイ!!」
島崎俊郎「アダモちゃん」のギャグですね。