2018.10.1(月)
自ら成すべきことが、はっきりとわかった。
美弥子は長い中指を立て、ほかの指は握りこんだ。
中指を口中に咥え、唾液を絡ませる。
「イクイクイクイク」
林さんの声は、甲高いサイレン音のようだった。
美弥子は、片手で万里亜の腰を掴む。
しかし、暴れ馬となった尻は、大人しく鎮まらなかった。
立てた中指の先で、肛門が残像を引いて踊る。
美弥子は、中指を立てた拳を、尻の狭間に突き立てた。
尻は暴れ回るが、拳は尻に貼りついて離れない。
そのまま拳をスライドさせる。
中指の先に穿孔を感じた。
その刹那を逃さず、一気に突き立てる。
「あぎゃ」
万里亜の背が跳ねあがった。
もし跨がっていた者がいたら、宙高く跳ね飛ばされていただろう。
「ぎゃーん」
林さんが、弦をかき鳴らすような絶叫を響かせた。
顔面から床に突っこみ、両腕は火縄となって床を掻き回す。
「あがっあがっあがっ」
見えない鞭に打たれるごとく、万里亜の上体が跳ね踊る。
美弥子は、とどめを刺すつもりで拳を捻りこむ。
「ご」
万里亜の両脚が、後方に一直線に伸びた。
頭だけが、スフィンクスさながらに起ちあがっていた。
背肉には、筋肉の稜線が浮きあがっている。
その姿勢のまま、万里亜はゆっくりと顔を振り向けた。
礼を言いたかったのだろうか。
いや。
そうではないだろう。
その顔にはもう、意思がなかったから。
円形に近く見開かれた眼球の中に、黒目はなかった。
万里亜のゾンビめいた顔は、残像を残しながら、夕日のように林さんの背中に沈んでいった。
美弥子は長い中指を立て、ほかの指は握りこんだ。
中指を口中に咥え、唾液を絡ませる。
「イクイクイクイク」
林さんの声は、甲高いサイレン音のようだった。
美弥子は、片手で万里亜の腰を掴む。
しかし、暴れ馬となった尻は、大人しく鎮まらなかった。
立てた中指の先で、肛門が残像を引いて踊る。
美弥子は、中指を立てた拳を、尻の狭間に突き立てた。
尻は暴れ回るが、拳は尻に貼りついて離れない。
そのまま拳をスライドさせる。
中指の先に穿孔を感じた。
その刹那を逃さず、一気に突き立てる。
「あぎゃ」
万里亜の背が跳ねあがった。
もし跨がっていた者がいたら、宙高く跳ね飛ばされていただろう。
「ぎゃーん」
林さんが、弦をかき鳴らすような絶叫を響かせた。
顔面から床に突っこみ、両腕は火縄となって床を掻き回す。
「あがっあがっあがっ」
見えない鞭に打たれるごとく、万里亜の上体が跳ね踊る。
美弥子は、とどめを刺すつもりで拳を捻りこむ。
「ご」
万里亜の両脚が、後方に一直線に伸びた。
頭だけが、スフィンクスさながらに起ちあがっていた。
背肉には、筋肉の稜線が浮きあがっている。
その姿勢のまま、万里亜はゆっくりと顔を振り向けた。
礼を言いたかったのだろうか。
いや。
そうではないだろう。
その顔にはもう、意思がなかったから。
円形に近く見開かれた眼球の中に、黒目はなかった。
万里亜のゾンビめいた顔は、残像を残しながら、夕日のように林さんの背中に沈んでいった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2018/10/01 07:20
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今日は何の日
10月1日は、『日本酒の日』。
『全国酒造組合中央会(http://www.japansake.or.jp/)』が、1978(昭和53)年に制定。
若者の日本酒離れを食い止めるためだったそうです。
10月1日になったのは……。
新米で酒造りを始めるのが10月で、酒壺を表す「酉」の字が十二支の10番目であり、かつては「酒造年度」が10月1日から始っていたことからだそうです。
なお、現在の「酒造年度」は、7月1日からだそうです。
ところで、「酒造年度」はどうして変わったのでしょう?
明治29(1896)年の「酒造税法(現在の酒税法)」で、「毎年10月1日から翌年9月30日」と定められたそうです。
「酒税収入の基本となる酒類の製造数量を把握する」のが目的でした。
清酒醸造の多くは10月頃から始まるため……。
暦年や会計年度を基準にすると、製造期間の中途で年度が変わることになり、税務検査上で不便ででした。
また、原料の米は秋に収穫されるため、その数量を基礎として製造計画をたてるのに便宜がよいことなどがその理由だったとか。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2018/10/01 07:20
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今日は何の日(つづき)
酒造年度が、7月からに変わったのは、昭和40年。
国税庁の通達で、「最近における清酒製造の実態等からして、酒造年度の期間を7月から6月までとすることに改め、これにより酒類原料米の割り当て等を行なう」とされました。
いろいろ(簡単に)調べてみました。
昔は「寒造り」といって、冬場にお酒を造るのが当たり前でした。
なので、酒造年度の初めに酒米が収穫され、それが冬期にお酒になるということで……。
10月1日が、年度初めだったようです。
しかしその後、品種改良により早場米が作出され……。
10月に入る前に流通する酒米が現れました。
すると、前酒造年度に収穫した米で、翌酒造年度の酒造りが行われることになります。
これが、「最近における清酒製造の実態等」ということで、年度初めが7月に繰り上げられたようです。
いくらなんでも、6月に収穫される酒米はないだろうということでしょう。
でも今では、冷蔵技術の発達により、お酒を1年中造ることが可能になりました。
業界内で特別な年度を設ける意味は、薄れてるんじゃないでしょうか。
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3. Mikiko- 2018/10/01 07:33
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さて、台風です
端的に云うと、わたしの住む地域には、被害は出ませんでした。
最大瞬間風速は、16メートル程度。
前回、台風21号では25メートルくらいでしたから、だいぶ弱かったです。
実際、風の音で目覚めることもありませんでした。
雨も、この48時間で、総計16.5mmでした。
やはり、台風の進路の左側だったおかげでしょう。
右側になった関東では、かなりの被害が出たようですね。
しかし!
JRが止まってます。
ゆうべは、21時ころに全部止めたようですが……。
今日も、お昼の12時まで動かないそうです。
ニュースを見ると、東京ではもう動き出してます。
新潟の最大瞬間風速は、16メートル。
この風速なら、走ってる電車も止まりませんよ。
どうなってるんですか?
月曜の朝から、バスだのタクシーだのに乗る気になれません。
長蛇の行列でしょう。
道路も、激混みに決まってます。
ということで、午前中はお休みを取り、午後から重役出社をすることにしました。
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4. 手羽崎 鶏造- 2018/10/03 05:04
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清酒の寒作り。
作品にも出てきましたが、聖地のような
場所でしょうから、身を清めて臨まないと
バチが当りそう。
女人禁制とか褌(ふんどし)ひとつでとか
厳しいルールが昔は有ったかもしれませんね。
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5. Mikiko- 2018/10/03 07:13
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罰当たりのシーン
わたしも書きましたよね。
2384回(https://mikikosroom.com/archives/26770388.html)からの『酒楽(さかくら)の歌』の章とか。
最近では、女性杜氏も増えてきたようです。
↓今年の4月、新潟大学に『日本酒学センター』が設置されました。
http://sake.niigata-u.ac.jp/