2018.9.8(土)
もう9月だと言うのにいつまでも蒸し暑い。
惠は眠れなかった。
「やっぱりクーラー入れないと眠れないなぁ?」
冷蔵庫のミネラルウオーターを求めて部屋を出た。
高校生の弟の部屋の前を通る。
薄明かりの中でドアが開いている。
きっと弟も暑くてドアを開け放っているのだ。
ちらりと中を見た。
薄明かりの中で何も掛けずに弟が寝ている。
半ズボンに半袖。
仰向けに寝ている。
(きゃっ、やだぁ、やってるぅ……)
惠は思った。
手が動いているのだ。
起きているのか、寝ているのか、とにかく右手がズボンの中でもぞもぞ動いている。
(何を考えているのかしら?)
それは魔法のランプ。
弟の脳裏に妄想を沸き起こしているに違いない。
惠は動きに目を奪われた。
男性のランプを揉みほぐすような動き。
中は見えないが、動きで状態は想像できた。
惠はバージンではない。
弟はときどき動きを止めた。
惠は苦笑した。
弟はランプの扱いに慣れている。
イクと妄想は消えてしまう。
だから長く夢を見ようと動きを不規則に止める。
快感を長引かせている。
それは惠自身もよくやることだ。
簡単にイッちゃうよりずっと良いのだ。
(あっ、だめよ)
弟が寝ぼけてズボンを下ろす。
弟の魔法のランプが現れる。
薄明りの中であっても目が慣れてくると、へそにくっ付きそうなランプの先が分かる。
(大きいのねえ)
惠は目を奪われた。
自分の手には収まりそうにない。
弟の手が相変わらず、不規則に止まったり、しごいたり、揉みほぐしたりしている。
ランプの力は偉大だ。
弟が低い声で何かを盛んに呟いている。
首を振っている。
(誰を想ってやっているのかしら?)
かわいい同級生? それとも大好きなグラビア女優?
誰かは分からないけど、弟は魔法のランプの力を借りて思いを遂げているのだ。
気の弱い弟でも魔法のランプがあれば、大好きな女性のパンティを剥ぐことなんて簡単なことだ。
男の熱い想いが高まったのか弟の手が激しく動く。
憧れの女性への情熱的で淫らな言葉を弟が口にする。
キスをしたい。
オッパイを触りたい。
否、もっともっと恥ずかしい弟の望み。
おとなしい弟がこんな大胆なことを、憧れの女性に考えているのだ。
喘ぎながら何度も何度も弟がその言葉を繰り返す。
(そういうことを思っているの)
惠は冷静に受けとめたが、身体は熱くなってくる。
弟のしごき方が一段と激しくなる。
いきり立った男のものが、弟の下腹部にそっくりかえる。
今夜は男のものが欲しくなるような夢を見そうだ。
惠は自分の身体を探った。
もう大人の身体は十分に反応している。
指先が湿り気に潜っていく。
ベットに戻ってしたくなる。
惠の魔法のランプが光り始めた。
心地よさで腰がふらつく。
惠はほんの一瞬だけ快感で目をつぶった。
惠はふと目を開けた。
弟の声が少し大きくなった。
もう絶頂が近いのかも知れない。
ティッシュで弟のランプが隠れている。
弟のうわずった声が惠の耳に届いた。
「おねえちゃん……」
(え……?)
コメント一覧
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1. Mikiko- 2018/09/08 08:31
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あの行為を……
「魔法のランプ」と表現されたのは、とても面白いと思います。
読者は、このお話の続きを、いろいろと妄想することでしょう。
わたしが、魔法のランプで連想するのは……。
カレーです。
魔法のランプみたいな入れ物で出て来ますよね。
あれはいったい、何なんでしょう?
ということで、ちょっと調べてみました。
名称は、『グレイビーボート』と云うそうです。
少し意外でした。
もっとエキゾチックな名前かと思ってたんです。
“グレイビー(gravy)”は、「肉を煮焼きするときに出る汁」だそうです。
“ボート(boat)"は文字どおり、船の「ボート」です。
転じて、船形の容器もそう云うようです。
繋げると、「肉汁を入れる船形の容器」。
すなわち、けっしてカレー専用の容器ではありません。
早い話、ソース入れですね。
ただ、カレーの場合、ソースが主役ということです。
この容器にカレーが入って出てくるのは……。
基本的に、レストランや洋食屋でしょう。
喫茶店でもありかも知れません。
駅の立ち食い蕎麦などではあり得ません。
ではなぜ、あれに入れて来るかと云うと……。
当たり前なことですが、ご飯とカレーを分離しておくためです。
カレーを最初からご飯にかけて出すと……。
時間と共にライスがルーを吸ってしまい、水っぽくなるそうです。
そうは感じないですがね。
ルーが緩すぎるんじゃないですか?
わたしは基本、スープカレーのような緩いルーは好みません。
一番好きなのは、鍋の中で冷えて固まったルーです。
お玉に掬って、逆さにしても落ちてこないくらいなのです。
それを、熱々のご飯に盛りあげます。
固まったカレールーを崩しながら、ご飯に混ぜて食べれば良いのです。
うまいぜ!
魔法のランプ、出る幕なし。