2015.5.10(日)
律「写真が載ってたじゃない」
み「あれは、川上ゆうという女優さんです。
『緊縛新聞』さんからの依頼で書いた小説」
律「そう言えば、『マニア倶楽部(三和出版)』に載るとか言ってなかった?」
↑1986年創刊のSM専門誌。競合紙がことごとく消え去る中、1度も休刊されることなく、来年で創刊30周年。これは、見習わなければ。
み「ぎく」
↑よーわからん画像ですが、実に味わいがあります。
律「どうなったのよ?」
み「聞くなー」
律「泣き伏すほどの事情?」
み「これは、単なるギャグです」
律「何のギャグよ?」
み「昔、タモリが、恐山に行った時の話。
おー、青森つながりではないか」
↑下北半島のど真ん中にあります。下北駅から、バスで43分。
律「それがどうしたのよ?」
み「恐山のイタコに、コルトレーンの霊を呼び出してもらったんだって」
↑すごい行列です。1日、いくら稼げるのでしょう。わたしもなろうかな。口から出まかせなら自信があるし。
律「バカバカしい」
み「出てきたコルトレーンは……。
なぜか、青森弁をしゃべった」
↑ジャズ界の巨人(1926─1967)。わたしも、CDを持ってます。若いころは、それを聞きながら小説を書いてました(恥ずかしい)。
律「そりゃそうでしょうね」
み「で、タモリは問い詰めたわけよ。
なぜ、お前は青森弁をしゃべるんだって」
律「そしたら?」
み「コルトレーンは……。
『聞くな』と叫び、泣き伏したそうです」
↑イタコのフィギュアがありました。これ、ほしいです。食玩みたいです(こちら)。
律「そんなギャグ、誰も知らないでしょ」
み「さよでんな」
律「結局、梨の礫なわけでしょ?」
み「小説が長すぎたみたいね」
律「あと、やっぱり改行が多すぎるからじゃないの?
下半分が真っ白になっちゃうわよ」
み「そうか。
3段組みくらいにすればいいんじゃん」
↑昭和40年代の筑摩書房『日本文学全集』。なかなかページが進みませんね。
律「読みづらいと思います」
み「3段組のSM雑誌なんて、わたしも読む気にならん」
律「それじゃ、講義はこれにて終了」
み「長かった……」
律「わたしの講義は長くても、ちゃんと最後まで語り終えたわよ。
やっぱり、筋道通って、実があるからね」
み「わたしの話は、実が無いとでも?」
律「妄想ばっかりじゃないの」
み「それがわたしのすべてなのです」
律「でも、何の話から、こんな講義になったかしら?」
み「ミミズです。
わたしが、飲み始めたミミズ粉末の話」
律「なんか、遠い昔の気がする。
で、効いてるんだっけ?」
み「微妙ですな」
律「微妙って、どういうこと?
血圧は、下がってないの?」
み「下がったり上がったりです。
でも、徐々に下がることを願って、もう少し続けてみる」
み「そのうちきっと、血圧が正常値になって……。
血液の流れが、渓流のようにサラサラになる」
み「ついでに、キューっと痩せて、ビビアン・リーみたいな腰回りになる」
↑ウェスト、49㎝だったそうです。
律「明らかに、欲張りすぎです。
ところで、時間は大丈夫なの?
みなさん、食事を終わって、席を立っちゃったわよ」
み「げ。
もう、こげな時間ばい。
早く食わねば」
↑こんなに取ってはいけません。
ふー。
余談が長過ぎましたね。
少々反省。
ここから少し、尻っぱしょりで書きます。
逐一、行動を描写してると、永遠にホテルを出られなくなりますから。
2人が食事を終え、ホテルを出たところから。
なお、精算はゆうべのチェックインのときに済ませてますので……。
フロントには、キーを返すだけです。
み「おー、今日も良い天気じゃ」
↑ハイパーホテルズパサージュです。
律「秋晴れね」
み「まさしく。
10月の東北って、気候的に一番いいんじゃないかな」
↑秋晴れの岩木山。
律「かも知れないわね」
み「春先は、気温が不安定だからね。
で、やっと暖かくなったと思ったら、すぐに梅雨でしょ。
それが明けたら、もう真夏だもの。
でも……」
律「でも、何よ?」
み「やっぱり、秋はもの寂しい」
律「なに、乙女みたいなこと言ってるの」
み「太平洋側の人はいいんです。
わたしも東京にいたときは、ぜんぜん寂しくなかったもの」
律「どうして?」
み「秋来たりなば、冬遠からじ」
律「それは、“冬来たりなば”でしょ」
↑詩の一節だったとは知りませなんだ。
み「その格言は、すべての季節に言えるわけじゃない」
律「そりゃそうだけど」
み「秋は、まさしく冬を待つ季節。
新潟もそうだけど、東北の日本海側には、辛い季節がそこまで来てるの」
↑冬の新潟市。雪の『古町(ふるまち)』界隈。わたしは小さいころ、“雪の降る町”だと思ってました。
律「冬は、太平洋側にも来るじゃない」
み「お天気がいいじゃないの。
雪が降らないでしょ」
律「だから?」
み「気分がぜんぜん違うってこと。
わたしは、東京にいたころ、秋になるとウキウキしたもの。
もうじき、大好きな冬が来るって。
で、ある朝、窓を開けると……。
匂いがするのよ」
律「秋刀魚を焼く臭いね」
↑東京都目黒区の『SUNまつり』。
み「違うわ!
どうしてそう、即物的かね」
律「医者だからよ。
秋刀魚じゃなければ、何の臭いよ?
あ、わかった。
銀杏の臭いでしょ。
あれだけは、ちょっとね」
み「せめて、金木犀とか言えないもんですかね」
律「だから、何なのよ?」
み「冬の匂いです」
↑これは、“冬の臭い”。
律「は?」
み「キンと冷えた空気の匂い」
律「さっぱりわからないわ」
み「鼻が詰まってるんじゃないのか?」
↑ティッシュケースです。
律「あなたみたいに、犬のような臭覚はございません」
み「ふん。
風情のわからん女め。
あの匂いを嗅ぐと、ほんと嬉しくてね。
これから、毎日毎日晴れた日が続くんだって」
律「寒いじゃないのよ」
↑西東京いこいの森公園(東京都西東京市緑町)。新潟で霜柱を見ることは、ほとんどありません。
み「お日様があれば、寒さなんて感じません。
実際、ヨーロッパの人なんか、東京の冬には感動するそうよ。
イギリスとか、お天気悪いから」
み「なので!
東京にいたときは、秋が大好きだった」
↑神宮外苑の銀杏並木。
み「気候もいいしね。
でも、新潟では違います。
秋の空気が気持ちいいのは一緒だけど……。
気分は、ぜんぜん楽しくない。
今はもう、お盆を過ぎると物悲しくなる」
律「大げさね」
み「そんなものなんです。
老後はやっぱり、太平洋側で暮らそうかな。
でも、心配なのが地震なのよ。
東京で大地震が起きたら、ほんとに大変だと思う。
あれだけ人がいたんじゃ、ぜったい救護や食料は間に合わない」
↑東日本大震災当日の東京。
律「確かに、それは言えるわね。
海際は、津波も怖いし」
み「だから、関東でも、内陸部がいいんじゃないかと思ってる」
律「群馬とか?」
み「高崎は、便利だよね。
北陸新幹線と上越新幹線が通ってるし」
み「実際、すでに、県庁所在地の前橋より人口が多いでしょ」
↑高崎市街。大都会ですね。人口、37万人。前橋市は、34万人。ただし面積は、高崎が2倍くらい大きいですが。
律「そうなの?」
み「前橋は、新幹線が通ってないのよ」
律「東北新幹線は?」
み「通りません。
埼玉から栃木に行っちゃう」
律「じゃ、高崎に住むの?」
み「でもね……。
冬の風が、ハンパないんだって」
律「上州名物でしょ」
律「からっ風ね」
み「とにかく、風に向かっては、自転車も漕げないって言うから」
↑自転車用の傘だそうです。駅の駐輪場には入りませんね。
み「北海道から来た人が、『高崎は寒い』って言ってたんだって」
律「それは、辛そうね」
み「わたしは、寒風アレルギーなんだよ」
↑懐かしの『寒風山』。
み「冬の冷たい風に当たると、涙がボロボロ出る」
律「花粉症じゃないわけね?」
み「花粉が飛ぶ季節になると、治ってくるわけ」
↑花粉を出してるとき、杉は気持ちいいんでしょうかね?
み「冬の間は、ヒドいよ。
特に、風の中、自転車乗ってるときとか。
ぎゅっと目を瞑ると、涙の粒が飛び出して、メガネのレンズまで届くほど」
↑オーダーメイド、涙付きメガネ。
律「ウソでしょ」
み「ほんとなんだって。
目玉にワイパー付けたいくらいなんだから」
↑もちろん、オモチャです。
律「高崎じゃ、毎日泣き暮らさなきゃダメね」
み「だしょ。
だから、やっぱりもうちょっと南かな。
埼玉とか、東京の多摩地区ね」
律「でも、多摩じゃ、住居費はかなり高いと思うわよ」
み「それよ。
新潟の家は、土地が100坪あるけど……」
律「すごいじゃない」
み「スゴくありません。
坪10万くらいにしかならないから、売っても1千万。
東京じゃ、ワンルームマンションも買えないよ」
律「じゃ、どこにするのよ?
山梨は?
お天気いいんじゃない?」
み「あそこは、寒すぎ。
甲府なんて、放射冷却で、朝は氷点下10度くらいになることもあるみたい」
律「ふーん。
じゃ、長野は?」
み「寒いのは一緒でしょ。
母の知り合いにね、一人娘が長野に嫁いだ人がいるの。
お婿さんは、長男じゃないみたいでね。
で、お母さんを長野に呼ぼうって言ってくれたんだって」
↑背後に見える山は、菅平高原だと思います。
律「出来たお婿さんね」
み「だよね。
その人も喜んでね。
新潟の家を売って、娘に生前贈与してやろうかってまで考えたらしいの」
み「でも、どんなところかわからないから……。
娘さんの家で、試しに暮らしてみることにしたの。
それが真冬だったんだって」
律「そしたら……」
み「新潟に逃げ帰ったって。
とてもじゃないけど、こんな寒いところで暮らせないって。
ここで老後を過ごすかと思うと、恐ろしかったって」
↑これは、妄想が過ぎますが。
律「そんなに寒いんだ。
新潟も寒そうだけど」
み「新潟沖は、暖流の対馬海流が流れてるからね」
み「ま、それで水蒸気がたくさん上がって、大量の雪が降るわけだけど。
この対馬海流の恩恵を一番受けてるのが、佐渡ヶ島よ」
律「その話、聞いた気がする」
み「わたしも、話した気がする。
じゃ、佐渡の話は、端折ょりましょう」
↑案外、快適だったのかも?
み「なので新潟は、雪は降るけど、気温はそれほど低くない。
氷点下になることなんて、年に何日もないの」
律「それは意外ね」
み「冬の最低気温は、北関東なんかより高いんだよ。
最高気温は、昼間、日の当たる北関東の方が高くなるけど。
つまり新潟は、昼夜の気温差が小さいってこと。
この安定した低温と高湿度が、良質のお酒を産むわけ」
律「また、お国自慢ね」
み「自慢することが多すぎて、困ってしまうのじゃ。
ちなみに、対馬海流の洗う新潟県の海岸線の長さを知っておるか?」
律「知るわけないじゃない」
み「北の山形県境から、南の富山県境まで、実に331km」
律「それって、長いの?」
み「ちなみに、新潟駅から東京駅までの新幹線の営業キロ数は……。
334.1km」
律「ほぼ同じってことね」
み「新幹線は、新潟県を抜けて、群馬県を突っ切り、埼玉県を縦断し、ようやく東京に出るわけ。
この距離が、新潟県の海岸線の長さと同じってこと」
律「自慢はいいから。
つまり、長野は新潟より、ずっと寒いってことね?」
↑朝起きた時の室温。全国一低いのは、長野県の8.8℃。
み「わたしは、行ったことが無いのでわかりませんがね」
律「あなたの老後の移転予定地には、入ってないってことね」
み「フォッサマグナが、もろに縦断してるからね」
み「地震が怖すぎる。
下手すりゃ、地獄谷の猿と一緒にあの世行きです」
↑木から落ちた猿。
律「ずいぶんな悪口ね。
長野の人が聞いたら、気を悪くするわよ」
み「こりゃまた、失礼しました。
きっと、善光寺のご利益で、地震は来ないでしょう」
↑牛に引かれて善光寺参り。
律「また、いい加減なこと言って。
ところで、さっきからどこに向かって歩いてるの?
まさかこのまま、新潟まで歩くつもりじゃないでしょうね」
↑青森→秋田【奥羽本線】秋田→新発田【羽越本線】新発田→新潟【白新線】。乗車距離、458.8km。鈍行列車だと、9時間半かかります。
み「歩くかい!
目指す先は、青森駅です」
↑『新青森駅』とは違い、風情のある駅です。
律「じゃ、今日もJRの旅ってことね」
み「うんにゃ。
ところが違うのす」
律「なんで東北弁になるのよ」
み「本日、われわれが乗るのは、あれです」
律「あれって、バス?」
み「バス以外に見えんでしょ。
えーっと、このバスでいいのかな?」
律「何時のバス?」
み「これです。
8:58分」
律「あら、まだ9時前だったの?
なんだか、朝食にものすごい時間がかかった気がするんだけど」
み「気のせいです」
律「どこまで行くのよ」
み「青森で、一番行きたいところ」
律「どこよ?
さっぱりわからないわ」
み「八甲田山の麓です」
↑青森市街から見た八甲田山。
律「そんなとこ行ってどうするの?
山登りはゴメンだわ」
み「だから、麓と言ったでしょうが」
律「はっきり言ってちょうだい」
み「『三内丸山遺跡』です」
律「何それ?」
み「知らんのきゃ!
超有名な遺跡じゃろ」
律「日本史は受験科目じゃなかったもの」
み「日本人なら誰でも知っておる」
律「そんなわけないでしょ。
でも、そんな遺跡があるとこまでバスで行くの?
何時間も乗るんじゃない?」
↑小学校のころ、わたしもバス酔いがヒドかった。
み「わずか、25分です」
律「そんな近くにあるの?」
み「県営野球場を造ろうとしたら……。
大規模遺跡が発掘されたのです」
↑遺跡は、野球場の建設予定地と、ぴったり重なってたそうです。
律「いつごろ?」
み「確か、1992年だね」
律「そんな最近なの」
み「そのあたりに遺跡が存在することは、江戸時代から知られてたんだよ。
菅江真澄も書いてるから」
律「何だか、聞いたことのある名前ね」
み「江戸時代の紀行作家です」
↑お懐かしや、マスミン。
律「ふーん。
でも、江戸時代から知られてた遺跡が、どうして20世紀末まで発掘されなかったの?」
み「ま、あれほどのものが出るとは、誰も思わなかったんだろうね。
野球場を建設する際の事前調査で見つかったわけ」
律「じゃ、野球場建設の予定が無かったら、今も見つかってないってわけ?」
み「たぶんね」
律「野球場の建設は、中止?」
み「1994年に、大型建物の跡と思われる柱が発掘されてね」
み「もちろん、野球場建設は中止です」
律「ふーん。
どのくらいの広さなの?」
み「約40ヘクタールの範囲に広がってる」
律「それって、どのくらいの広さよ?」
み「40万平米。
12万坪だね」
律「さっぱりわからないわ」
み「わたしだってわからんわい」
↑『深川洲崎十万坪(安藤広重)』
律「さっき、八甲田山の麓って言ったわよね」
み「はいな」
律「なんでそんなところにあるの?
海から遠いでしょ」
↑海まで、およそ4㎞。
み「ほー。
なかなかいい所に目を付けますな」
律「だって、八甲田山って、ここから見えてる、あの山でしょ。
昔の人は、海で魚を捕ったりして暮らしてたんじゃないの?」
↑この絵が本当なら、そうとう豊かな暮らしですね。
み「左様です。
遺跡のある場所は、八甲田山から続く緩やかな丘陵の先端。
河岸段丘の上に位置してて、標高は20メートルね」
律「丘の上なの。
それじゃ、海から獲物を持って帰るとき、大変じゃない。
やっぱり、津波が怖かったのかしら?」
み「縄文海進って言葉、知っとるけ?」
律「知らないわよ」
み「三内丸山遺跡が栄えていたころは、平均気温が、今より2~3度高かったの」
律「なるほど。
それで、青森なんかにも住めたのね」
み「なんかには失礼ですぞ」
律「でも、たったの2,3度じゃない」
み「パカモン。
ここだけじゃなくて、地球規模で2,3度違ってたわけ。
つまり、氷が溶けて海水面が高くなってた」
律「あ、いわゆる温暖化ってやつね」
み「左様。
でもって、当時の海は、遺跡が立つ丘の真下まで海が来てたの」
律「ということは、今の青森市の市街地は……」
み「海の底です。
わたしたちが今立ってる場所も、もちろん海底ね」
↑海面が10メートル高くなったときのシミュレーション図。濃い青の部分が、現在の青森市街。すべて海の底となります。
律「ふーん。
温暖化すると、低い土地は海に沈んじゃうわけね」
み「ツバルという国は、国土がみんな沈んでしまうと云われてます」
律「まぁ、大変」
み「毎年、数十人ずつ、ニュージーランドに移住してるそうよ」
律「東京だって、埋立地が多いんでしょ」
み「江戸時代は、品川の裏が海だったからね」
↑『品川沖汐干狩之図(歌川広重)』
み「あ、バスが来た。
わたし、窓際ね」
律「子供みたい」
み「実は昔、似たようなこと、してたのよ。
東京に遊びに行ったとき」
律「どういうこと?」
み「前の会社にいたときだったな。
小説も書いてなかったから、時間はたっぷりあったからね。
年に1,2回、東京に遊びに行った。
目的は、2つあって……。
1つは、博物館なんかの見物」
律「どういうところ?」
み「小金井の『江戸東京たてもの園』とか……」
み「両国の『江戸東京博物館』」
み「深川の『深川江戸資料館』」
↑長屋には、1晩泊まってみたいです(住むのは御免ですが)。
律「江戸ばっかりじゃない」
み「東京に行ったら、なんとしても江戸でしょ」
律「そういう人は珍しいと思います」
み「そうかのぅ。
で、もう1つの目的が……。
バスに乗ること」
↑『東萩駅』は、山口県萩市にあります。リーダーだけ笑ってないですね。気苦労多いんでしょう。
律「目的も無く乗るの?」
み「当然です。
基本、始発から終点まで乗ります。
一番長い路線とかも乗ったな。
始発が、青梅だった。
東京駅で新幹線を降りて、そのまま中央線で青梅まで行って、バスに乗った。
行き先は、埼玉の飯能。
↓この路線を、反対方向に乗った乗車記がありました。
①②③
写真がたくさん掲載されてます。
座席は、左側の最前列。
フロントガラスが目の前に開ける、わたしの一番好きな席です。
もう一回、乗りたい!
律「アホくさ」
み「東京駅の丸の内口からも、いろんな路線バスが出てるんだよ。
丸の内発で、目黒まで乗ったこともあるな」
律「気が知れません」
み「実は、わたしが昼食を食べない習慣は、この旅を通じて培われたのです」
律「なんでよ?」
み「時間がもったいないから」
律「バスなんて乗らなければいいでしょ」
み「とにかく、お昼を食べようとすると……。
時間が、午前と午後に分断されちゃって、効率が良くないの。
で、気がついたわけ。
そうだ。
お昼なんて、食べなきゃいいんだって」
↑いくら美味しくても、わたしは並んでまで食べる気になれません。
律「よく、我慢できるわね」
み「朝は、ホテルのバイキングでたらふく食べてるからね」
律「それは、今朝も目撃しました」
み「とにかく、元を取ることに必死です」
律「今日は、十分取れたでしょ」
み「願わくば、戸板で運ばれるほど食べたかった」
↑明らかに食い過ぎです。
律「付き合えません」
み「だから、お昼には、そんなにお腹が空かないのよ。
ヘンに食べちゃうより……。
夕食を早めにすることにすれば、楽しみも増えるじゃない。
美味しい夕食の」
律「ホテルの部屋で、オデンとオニギリで飲むわけね」
↑これプラス、漬物かサラダですね。
み「至福の時間です。
オカズに、テレビの東京ローカルのニュースがあればそれで十分」
↑エロ放送は見ません。
律「安あがりな女」
み「どうせわたしななんか、老後、微々たる年金しかもらえないんだからさ。
今から、お金のかからないことで喜びを感じる習慣を付けておかねばならんのよ」
律「年金って、いくらくらいなの?」
み「先生は、年金の心配なんていらないでしょ。
蓄えもあるだろうし。
わたしは、今のお給料じゃ、貯蓄も出来ない。
わたしの会社は、退職金もありません」
律「ブラックじゃない」
↑ブラック以前に、これは犯罪です。
み「アホたれ。
世の中小企業は、たいがいこんなものです。
退職金が出るのは、大企業と公務員だけ。
だから、たとえ定年まで勤めあげたとして……。
蓄えはゼロ、しかも、退職金もゼロよ」
↑人はそれを、ゼロテスターと呼ぶ。
律「どうやって食べていくの?」
み「だから、年金でしょ」
律「どのくらい出るの?」
み「『ねんきんネット』というところで、試算してみたら……。
月額、11万円くらいだった」
律「食べていけないじゃないの」
み「食べていくしかおまへんがな、これで。
この金額が、日本で定年まで働いた人の報酬なんです。
てなわけで、目指すは、月額10万円の暮らしです」
↑ほんまかー?
律「東京じゃ、とてもムリよ」
み「東京の人は給料も高いから、年金もその分多くもらえるじゃない。
ま、わたしはいざとなれば、土地を売れば、少しは糊口をしのげます。
100坪あるから、1千万にはなるじゃろ。
月10万なら、100ヶ月分。
8年間、生き延びられます。
えーい、止め!
こんな、辛気臭い話」
律「あんたが言い出したんじゃないのよ」
み「話を戻します。
なので、お昼さえ食べなければ……。
1日ずーっと、通しで時間が使えるわけよ」
律「昼食も食べずに、用もないバスに乗ってる人の気が知れないわ」
み「実は、バスを使う前は、歩いてたのです。
東京に住んでたときは、街歩き、大好きだったからね。
最初のきっかけは、二日酔いで、満員電車に乗る気がしなかったこと」
↑毎日これは辛い。
律「それで、歩いたわけ?」
み「さよです」
律「遅刻じゃない」
み「当時は、コンピューター関係の会社に勤めててね。
フレックスタイム制だったの」
↑わたしは、バイトでしか押したことがありません。
み「だから、電車に乗りたくないって日には、歩くわけね」
律「タクシーに乗れば?」
み「金がかかるだろ。
酒臭いし」
律「タクシーが?」
み「わたしがよ。
同僚に、ロッカールームで、『あなた、酒臭いわよ』とか言われてましたからな。
タクシーに乗ったら、間違いなく臭うはずです」
↑会社に行っても、仕事になりません。休んだ方がはるかにマシです。でも、1度休んだら……。わたしを社会に繋いでいる糸が、プッツリと切れる気がしたのです。
律「呆れた女」
み「ま、歩けば酔い冷ましにもなるしね」
律「どこからどこまで歩いたの?」
み「住んでたところは、西新宿のもう少し西側のマンション。
住人には、新宿のお店に勤めてるっぽい女性や、アジアン系もいましたな」
み「わたしにとっては、最初で最後のマンション暮らしでした。
楽しかったなぁ。
家賃は高かったけど」
↑こんな感じのマンションでした。1階がレンタルビデオ店でしたね。
律「いくら?」
み「7万5千円くらいした」
律「すごいじゃないの。
結構稼いでたのね」
み「スゴくありません。
早い話、身分不相応なところを借りたんです。
最後の2年くらい、暮らしたかな」
↑まさしく、こんな間取りでした。
律「そこを出て、新潟に帰ってきたのね?」
み「さよです。
さすがに、1文も手元に残らない暮らしに、不安を覚えてね。
自分が、江戸っ子じゃないことが、はっきりとわかった」
律「なにそれ?」
み「宵越しの金を持たない生活ってこと。
やっぱりわたしには、冬に備えて蓄える越後人の血が流れてたわけよ」
律「なるほど」
み「あれは、川上ゆうという女優さんです。
『緊縛新聞』さんからの依頼で書いた小説」
律「そう言えば、『マニア倶楽部(三和出版)』に載るとか言ってなかった?」
↑1986年創刊のSM専門誌。競合紙がことごとく消え去る中、1度も休刊されることなく、来年で創刊30周年。これは、見習わなければ。
み「ぎく」
↑よーわからん画像ですが、実に味わいがあります。
律「どうなったのよ?」
み「聞くなー」
律「泣き伏すほどの事情?」
み「これは、単なるギャグです」
律「何のギャグよ?」
み「昔、タモリが、恐山に行った時の話。
おー、青森つながりではないか」
↑下北半島のど真ん中にあります。下北駅から、バスで43分。
律「それがどうしたのよ?」
み「恐山のイタコに、コルトレーンの霊を呼び出してもらったんだって」
↑すごい行列です。1日、いくら稼げるのでしょう。わたしもなろうかな。口から出まかせなら自信があるし。
律「バカバカしい」
み「出てきたコルトレーンは……。
なぜか、青森弁をしゃべった」
↑ジャズ界の巨人(1926─1967)。わたしも、CDを持ってます。若いころは、それを聞きながら小説を書いてました(恥ずかしい)。
律「そりゃそうでしょうね」
み「で、タモリは問い詰めたわけよ。
なぜ、お前は青森弁をしゃべるんだって」
律「そしたら?」
み「コルトレーンは……。
『聞くな』と叫び、泣き伏したそうです」
↑イタコのフィギュアがありました。これ、ほしいです。食玩みたいです(こちら)。
律「そんなギャグ、誰も知らないでしょ」
み「さよでんな」
律「結局、梨の礫なわけでしょ?」
み「小説が長すぎたみたいね」
律「あと、やっぱり改行が多すぎるからじゃないの?
下半分が真っ白になっちゃうわよ」
み「そうか。
3段組みくらいにすればいいんじゃん」
↑昭和40年代の筑摩書房『日本文学全集』。なかなかページが進みませんね。
律「読みづらいと思います」
み「3段組のSM雑誌なんて、わたしも読む気にならん」
律「それじゃ、講義はこれにて終了」
み「長かった……」
律「わたしの講義は長くても、ちゃんと最後まで語り終えたわよ。
やっぱり、筋道通って、実があるからね」
み「わたしの話は、実が無いとでも?」
律「妄想ばっかりじゃないの」
み「それがわたしのすべてなのです」
律「でも、何の話から、こんな講義になったかしら?」
み「ミミズです。
わたしが、飲み始めたミミズ粉末の話」
律「なんか、遠い昔の気がする。
で、効いてるんだっけ?」
み「微妙ですな」
律「微妙って、どういうこと?
血圧は、下がってないの?」
み「下がったり上がったりです。
でも、徐々に下がることを願って、もう少し続けてみる」
み「そのうちきっと、血圧が正常値になって……。
血液の流れが、渓流のようにサラサラになる」
み「ついでに、キューっと痩せて、ビビアン・リーみたいな腰回りになる」
↑ウェスト、49㎝だったそうです。
律「明らかに、欲張りすぎです。
ところで、時間は大丈夫なの?
みなさん、食事を終わって、席を立っちゃったわよ」
み「げ。
もう、こげな時間ばい。
早く食わねば」
↑こんなに取ってはいけません。
ふー。
余談が長過ぎましたね。
少々反省。
ここから少し、尻っぱしょりで書きます。
逐一、行動を描写してると、永遠にホテルを出られなくなりますから。
2人が食事を終え、ホテルを出たところから。
なお、精算はゆうべのチェックインのときに済ませてますので……。
フロントには、キーを返すだけです。
み「おー、今日も良い天気じゃ」
↑ハイパーホテルズパサージュです。
律「秋晴れね」
み「まさしく。
10月の東北って、気候的に一番いいんじゃないかな」
↑秋晴れの岩木山。
律「かも知れないわね」
み「春先は、気温が不安定だからね。
で、やっと暖かくなったと思ったら、すぐに梅雨でしょ。
それが明けたら、もう真夏だもの。
でも……」
律「でも、何よ?」
み「やっぱり、秋はもの寂しい」
律「なに、乙女みたいなこと言ってるの」
み「太平洋側の人はいいんです。
わたしも東京にいたときは、ぜんぜん寂しくなかったもの」
律「どうして?」
み「秋来たりなば、冬遠からじ」
律「それは、“冬来たりなば”でしょ」
↑詩の一節だったとは知りませなんだ。
み「その格言は、すべての季節に言えるわけじゃない」
律「そりゃそうだけど」
み「秋は、まさしく冬を待つ季節。
新潟もそうだけど、東北の日本海側には、辛い季節がそこまで来てるの」
↑冬の新潟市。雪の『古町(ふるまち)』界隈。わたしは小さいころ、“雪の降る町”だと思ってました。
律「冬は、太平洋側にも来るじゃない」
み「お天気がいいじゃないの。
雪が降らないでしょ」
律「だから?」
み「気分がぜんぜん違うってこと。
わたしは、東京にいたころ、秋になるとウキウキしたもの。
もうじき、大好きな冬が来るって。
で、ある朝、窓を開けると……。
匂いがするのよ」
律「秋刀魚を焼く臭いね」
↑東京都目黒区の『SUNまつり』。
み「違うわ!
どうしてそう、即物的かね」
律「医者だからよ。
秋刀魚じゃなければ、何の臭いよ?
あ、わかった。
銀杏の臭いでしょ。
あれだけは、ちょっとね」
み「せめて、金木犀とか言えないもんですかね」
律「だから、何なのよ?」
み「冬の匂いです」
↑これは、“冬の臭い”。
律「は?」
み「キンと冷えた空気の匂い」
律「さっぱりわからないわ」
み「鼻が詰まってるんじゃないのか?」
↑ティッシュケースです。
律「あなたみたいに、犬のような臭覚はございません」
み「ふん。
風情のわからん女め。
あの匂いを嗅ぐと、ほんと嬉しくてね。
これから、毎日毎日晴れた日が続くんだって」
律「寒いじゃないのよ」
↑西東京いこいの森公園(東京都西東京市緑町)。新潟で霜柱を見ることは、ほとんどありません。
み「お日様があれば、寒さなんて感じません。
実際、ヨーロッパの人なんか、東京の冬には感動するそうよ。
イギリスとか、お天気悪いから」
み「なので!
東京にいたときは、秋が大好きだった」
↑神宮外苑の銀杏並木。
み「気候もいいしね。
でも、新潟では違います。
秋の空気が気持ちいいのは一緒だけど……。
気分は、ぜんぜん楽しくない。
今はもう、お盆を過ぎると物悲しくなる」
律「大げさね」
み「そんなものなんです。
老後はやっぱり、太平洋側で暮らそうかな。
でも、心配なのが地震なのよ。
東京で大地震が起きたら、ほんとに大変だと思う。
あれだけ人がいたんじゃ、ぜったい救護や食料は間に合わない」
↑東日本大震災当日の東京。
律「確かに、それは言えるわね。
海際は、津波も怖いし」
み「だから、関東でも、内陸部がいいんじゃないかと思ってる」
律「群馬とか?」
み「高崎は、便利だよね。
北陸新幹線と上越新幹線が通ってるし」
み「実際、すでに、県庁所在地の前橋より人口が多いでしょ」
↑高崎市街。大都会ですね。人口、37万人。前橋市は、34万人。ただし面積は、高崎が2倍くらい大きいですが。
律「そうなの?」
み「前橋は、新幹線が通ってないのよ」
律「東北新幹線は?」
み「通りません。
埼玉から栃木に行っちゃう」
律「じゃ、高崎に住むの?」
み「でもね……。
冬の風が、ハンパないんだって」
律「上州名物でしょ」
律「からっ風ね」
み「とにかく、風に向かっては、自転車も漕げないって言うから」
↑自転車用の傘だそうです。駅の駐輪場には入りませんね。
み「北海道から来た人が、『高崎は寒い』って言ってたんだって」
律「それは、辛そうね」
み「わたしは、寒風アレルギーなんだよ」
↑懐かしの『寒風山』。
み「冬の冷たい風に当たると、涙がボロボロ出る」
律「花粉症じゃないわけね?」
み「花粉が飛ぶ季節になると、治ってくるわけ」
↑花粉を出してるとき、杉は気持ちいいんでしょうかね?
み「冬の間は、ヒドいよ。
特に、風の中、自転車乗ってるときとか。
ぎゅっと目を瞑ると、涙の粒が飛び出して、メガネのレンズまで届くほど」
↑オーダーメイド、涙付きメガネ。
律「ウソでしょ」
み「ほんとなんだって。
目玉にワイパー付けたいくらいなんだから」
↑もちろん、オモチャです。
律「高崎じゃ、毎日泣き暮らさなきゃダメね」
み「だしょ。
だから、やっぱりもうちょっと南かな。
埼玉とか、東京の多摩地区ね」
律「でも、多摩じゃ、住居費はかなり高いと思うわよ」
み「それよ。
新潟の家は、土地が100坪あるけど……」
律「すごいじゃない」
み「スゴくありません。
坪10万くらいにしかならないから、売っても1千万。
東京じゃ、ワンルームマンションも買えないよ」
律「じゃ、どこにするのよ?
山梨は?
お天気いいんじゃない?」
み「あそこは、寒すぎ。
甲府なんて、放射冷却で、朝は氷点下10度くらいになることもあるみたい」
律「ふーん。
じゃ、長野は?」
み「寒いのは一緒でしょ。
母の知り合いにね、一人娘が長野に嫁いだ人がいるの。
お婿さんは、長男じゃないみたいでね。
で、お母さんを長野に呼ぼうって言ってくれたんだって」
↑背後に見える山は、菅平高原だと思います。
律「出来たお婿さんね」
み「だよね。
その人も喜んでね。
新潟の家を売って、娘に生前贈与してやろうかってまで考えたらしいの」
み「でも、どんなところかわからないから……。
娘さんの家で、試しに暮らしてみることにしたの。
それが真冬だったんだって」
律「そしたら……」
み「新潟に逃げ帰ったって。
とてもじゃないけど、こんな寒いところで暮らせないって。
ここで老後を過ごすかと思うと、恐ろしかったって」
↑これは、妄想が過ぎますが。
律「そんなに寒いんだ。
新潟も寒そうだけど」
み「新潟沖は、暖流の対馬海流が流れてるからね」
み「ま、それで水蒸気がたくさん上がって、大量の雪が降るわけだけど。
この対馬海流の恩恵を一番受けてるのが、佐渡ヶ島よ」
律「その話、聞いた気がする」
み「わたしも、話した気がする。
じゃ、佐渡の話は、端折ょりましょう」
↑案外、快適だったのかも?
み「なので新潟は、雪は降るけど、気温はそれほど低くない。
氷点下になることなんて、年に何日もないの」
律「それは意外ね」
み「冬の最低気温は、北関東なんかより高いんだよ。
最高気温は、昼間、日の当たる北関東の方が高くなるけど。
つまり新潟は、昼夜の気温差が小さいってこと。
この安定した低温と高湿度が、良質のお酒を産むわけ」
律「また、お国自慢ね」
み「自慢することが多すぎて、困ってしまうのじゃ。
ちなみに、対馬海流の洗う新潟県の海岸線の長さを知っておるか?」
律「知るわけないじゃない」
み「北の山形県境から、南の富山県境まで、実に331km」
律「それって、長いの?」
み「ちなみに、新潟駅から東京駅までの新幹線の営業キロ数は……。
334.1km」
律「ほぼ同じってことね」
み「新幹線は、新潟県を抜けて、群馬県を突っ切り、埼玉県を縦断し、ようやく東京に出るわけ。
この距離が、新潟県の海岸線の長さと同じってこと」
律「自慢はいいから。
つまり、長野は新潟より、ずっと寒いってことね?」
↑朝起きた時の室温。全国一低いのは、長野県の8.8℃。
み「わたしは、行ったことが無いのでわかりませんがね」
律「あなたの老後の移転予定地には、入ってないってことね」
み「フォッサマグナが、もろに縦断してるからね」
み「地震が怖すぎる。
下手すりゃ、地獄谷の猿と一緒にあの世行きです」
↑木から落ちた猿。
律「ずいぶんな悪口ね。
長野の人が聞いたら、気を悪くするわよ」
み「こりゃまた、失礼しました。
きっと、善光寺のご利益で、地震は来ないでしょう」
↑牛に引かれて善光寺参り。
律「また、いい加減なこと言って。
ところで、さっきからどこに向かって歩いてるの?
まさかこのまま、新潟まで歩くつもりじゃないでしょうね」
↑青森→秋田【奥羽本線】秋田→新発田【羽越本線】新発田→新潟【白新線】。乗車距離、458.8km。鈍行列車だと、9時間半かかります。
み「歩くかい!
目指す先は、青森駅です」
↑『新青森駅』とは違い、風情のある駅です。
律「じゃ、今日もJRの旅ってことね」
み「うんにゃ。
ところが違うのす」
律「なんで東北弁になるのよ」
み「本日、われわれが乗るのは、あれです」
律「あれって、バス?」
み「バス以外に見えんでしょ。
えーっと、このバスでいいのかな?」
律「何時のバス?」
み「これです。
8:58分」
律「あら、まだ9時前だったの?
なんだか、朝食にものすごい時間がかかった気がするんだけど」
み「気のせいです」
律「どこまで行くのよ」
み「青森で、一番行きたいところ」
律「どこよ?
さっぱりわからないわ」
み「八甲田山の麓です」
↑青森市街から見た八甲田山。
律「そんなとこ行ってどうするの?
山登りはゴメンだわ」
み「だから、麓と言ったでしょうが」
律「はっきり言ってちょうだい」
み「『三内丸山遺跡』です」
律「何それ?」
み「知らんのきゃ!
超有名な遺跡じゃろ」
律「日本史は受験科目じゃなかったもの」
み「日本人なら誰でも知っておる」
律「そんなわけないでしょ。
でも、そんな遺跡があるとこまでバスで行くの?
何時間も乗るんじゃない?」
↑小学校のころ、わたしもバス酔いがヒドかった。
み「わずか、25分です」
律「そんな近くにあるの?」
み「県営野球場を造ろうとしたら……。
大規模遺跡が発掘されたのです」
↑遺跡は、野球場の建設予定地と、ぴったり重なってたそうです。
律「いつごろ?」
み「確か、1992年だね」
律「そんな最近なの」
み「そのあたりに遺跡が存在することは、江戸時代から知られてたんだよ。
菅江真澄も書いてるから」
律「何だか、聞いたことのある名前ね」
み「江戸時代の紀行作家です」
↑お懐かしや、マスミン。
律「ふーん。
でも、江戸時代から知られてた遺跡が、どうして20世紀末まで発掘されなかったの?」
み「ま、あれほどのものが出るとは、誰も思わなかったんだろうね。
野球場を建設する際の事前調査で見つかったわけ」
律「じゃ、野球場建設の予定が無かったら、今も見つかってないってわけ?」
み「たぶんね」
律「野球場の建設は、中止?」
み「1994年に、大型建物の跡と思われる柱が発掘されてね」
み「もちろん、野球場建設は中止です」
律「ふーん。
どのくらいの広さなの?」
み「約40ヘクタールの範囲に広がってる」
律「それって、どのくらいの広さよ?」
み「40万平米。
12万坪だね」
律「さっぱりわからないわ」
み「わたしだってわからんわい」
↑『深川洲崎十万坪(安藤広重)』
律「さっき、八甲田山の麓って言ったわよね」
み「はいな」
律「なんでそんなところにあるの?
海から遠いでしょ」
↑海まで、およそ4㎞。
み「ほー。
なかなかいい所に目を付けますな」
律「だって、八甲田山って、ここから見えてる、あの山でしょ。
昔の人は、海で魚を捕ったりして暮らしてたんじゃないの?」
↑この絵が本当なら、そうとう豊かな暮らしですね。
み「左様です。
遺跡のある場所は、八甲田山から続く緩やかな丘陵の先端。
河岸段丘の上に位置してて、標高は20メートルね」
律「丘の上なの。
それじゃ、海から獲物を持って帰るとき、大変じゃない。
やっぱり、津波が怖かったのかしら?」
み「縄文海進って言葉、知っとるけ?」
律「知らないわよ」
み「三内丸山遺跡が栄えていたころは、平均気温が、今より2~3度高かったの」
律「なるほど。
それで、青森なんかにも住めたのね」
み「なんかには失礼ですぞ」
律「でも、たったの2,3度じゃない」
み「パカモン。
ここだけじゃなくて、地球規模で2,3度違ってたわけ。
つまり、氷が溶けて海水面が高くなってた」
律「あ、いわゆる温暖化ってやつね」
み「左様。
でもって、当時の海は、遺跡が立つ丘の真下まで海が来てたの」
律「ということは、今の青森市の市街地は……」
み「海の底です。
わたしたちが今立ってる場所も、もちろん海底ね」
↑海面が10メートル高くなったときのシミュレーション図。濃い青の部分が、現在の青森市街。すべて海の底となります。
律「ふーん。
温暖化すると、低い土地は海に沈んじゃうわけね」
み「ツバルという国は、国土がみんな沈んでしまうと云われてます」
律「まぁ、大変」
み「毎年、数十人ずつ、ニュージーランドに移住してるそうよ」
律「東京だって、埋立地が多いんでしょ」
み「江戸時代は、品川の裏が海だったからね」
↑『品川沖汐干狩之図(歌川広重)』
み「あ、バスが来た。
わたし、窓際ね」
律「子供みたい」
み「実は昔、似たようなこと、してたのよ。
東京に遊びに行ったとき」
律「どういうこと?」
み「前の会社にいたときだったな。
小説も書いてなかったから、時間はたっぷりあったからね。
年に1,2回、東京に遊びに行った。
目的は、2つあって……。
1つは、博物館なんかの見物」
律「どういうところ?」
み「小金井の『江戸東京たてもの園』とか……」
み「両国の『江戸東京博物館』」
み「深川の『深川江戸資料館』」
↑長屋には、1晩泊まってみたいです(住むのは御免ですが)。
律「江戸ばっかりじゃない」
み「東京に行ったら、なんとしても江戸でしょ」
律「そういう人は珍しいと思います」
み「そうかのぅ。
で、もう1つの目的が……。
バスに乗ること」
↑『東萩駅』は、山口県萩市にあります。リーダーだけ笑ってないですね。気苦労多いんでしょう。
律「目的も無く乗るの?」
み「当然です。
基本、始発から終点まで乗ります。
一番長い路線とかも乗ったな。
始発が、青梅だった。
東京駅で新幹線を降りて、そのまま中央線で青梅まで行って、バスに乗った。
行き先は、埼玉の飯能。
↓この路線を、反対方向に乗った乗車記がありました。
①②③
写真がたくさん掲載されてます。
座席は、左側の最前列。
フロントガラスが目の前に開ける、わたしの一番好きな席です。
もう一回、乗りたい!
律「アホくさ」
み「東京駅の丸の内口からも、いろんな路線バスが出てるんだよ。
丸の内発で、目黒まで乗ったこともあるな」
律「気が知れません」
み「実は、わたしが昼食を食べない習慣は、この旅を通じて培われたのです」
律「なんでよ?」
み「時間がもったいないから」
律「バスなんて乗らなければいいでしょ」
み「とにかく、お昼を食べようとすると……。
時間が、午前と午後に分断されちゃって、効率が良くないの。
で、気がついたわけ。
そうだ。
お昼なんて、食べなきゃいいんだって」
↑いくら美味しくても、わたしは並んでまで食べる気になれません。
律「よく、我慢できるわね」
み「朝は、ホテルのバイキングでたらふく食べてるからね」
律「それは、今朝も目撃しました」
み「とにかく、元を取ることに必死です」
律「今日は、十分取れたでしょ」
み「願わくば、戸板で運ばれるほど食べたかった」
↑明らかに食い過ぎです。
律「付き合えません」
み「だから、お昼には、そんなにお腹が空かないのよ。
ヘンに食べちゃうより……。
夕食を早めにすることにすれば、楽しみも増えるじゃない。
美味しい夕食の」
律「ホテルの部屋で、オデンとオニギリで飲むわけね」
↑これプラス、漬物かサラダですね。
み「至福の時間です。
オカズに、テレビの東京ローカルのニュースがあればそれで十分」
↑エロ放送は見ません。
律「安あがりな女」
み「どうせわたしななんか、老後、微々たる年金しかもらえないんだからさ。
今から、お金のかからないことで喜びを感じる習慣を付けておかねばならんのよ」
律「年金って、いくらくらいなの?」
み「先生は、年金の心配なんていらないでしょ。
蓄えもあるだろうし。
わたしは、今のお給料じゃ、貯蓄も出来ない。
わたしの会社は、退職金もありません」
律「ブラックじゃない」
↑ブラック以前に、これは犯罪です。
み「アホたれ。
世の中小企業は、たいがいこんなものです。
退職金が出るのは、大企業と公務員だけ。
だから、たとえ定年まで勤めあげたとして……。
蓄えはゼロ、しかも、退職金もゼロよ」
↑人はそれを、ゼロテスターと呼ぶ。
律「どうやって食べていくの?」
み「だから、年金でしょ」
律「どのくらい出るの?」
み「『ねんきんネット』というところで、試算してみたら……。
月額、11万円くらいだった」
律「食べていけないじゃないの」
み「食べていくしかおまへんがな、これで。
この金額が、日本で定年まで働いた人の報酬なんです。
てなわけで、目指すは、月額10万円の暮らしです」
↑ほんまかー?
律「東京じゃ、とてもムリよ」
み「東京の人は給料も高いから、年金もその分多くもらえるじゃない。
ま、わたしはいざとなれば、土地を売れば、少しは糊口をしのげます。
100坪あるから、1千万にはなるじゃろ。
月10万なら、100ヶ月分。
8年間、生き延びられます。
えーい、止め!
こんな、辛気臭い話」
律「あんたが言い出したんじゃないのよ」
み「話を戻します。
なので、お昼さえ食べなければ……。
1日ずーっと、通しで時間が使えるわけよ」
律「昼食も食べずに、用もないバスに乗ってる人の気が知れないわ」
み「実は、バスを使う前は、歩いてたのです。
東京に住んでたときは、街歩き、大好きだったからね。
最初のきっかけは、二日酔いで、満員電車に乗る気がしなかったこと」
↑毎日これは辛い。
律「それで、歩いたわけ?」
み「さよです」
律「遅刻じゃない」
み「当時は、コンピューター関係の会社に勤めててね。
フレックスタイム制だったの」
↑わたしは、バイトでしか押したことがありません。
み「だから、電車に乗りたくないって日には、歩くわけね」
律「タクシーに乗れば?」
み「金がかかるだろ。
酒臭いし」
律「タクシーが?」
み「わたしがよ。
同僚に、ロッカールームで、『あなた、酒臭いわよ』とか言われてましたからな。
タクシーに乗ったら、間違いなく臭うはずです」
↑会社に行っても、仕事になりません。休んだ方がはるかにマシです。でも、1度休んだら……。わたしを社会に繋いでいる糸が、プッツリと切れる気がしたのです。
律「呆れた女」
み「ま、歩けば酔い冷ましにもなるしね」
律「どこからどこまで歩いたの?」
み「住んでたところは、西新宿のもう少し西側のマンション。
住人には、新宿のお店に勤めてるっぽい女性や、アジアン系もいましたな」
み「わたしにとっては、最初で最後のマンション暮らしでした。
楽しかったなぁ。
家賃は高かったけど」
↑こんな感じのマンションでした。1階がレンタルビデオ店でしたね。
律「いくら?」
み「7万5千円くらいした」
律「すごいじゃないの。
結構稼いでたのね」
み「スゴくありません。
早い話、身分不相応なところを借りたんです。
最後の2年くらい、暮らしたかな」
↑まさしく、こんな間取りでした。
律「そこを出て、新潟に帰ってきたのね?」
み「さよです。
さすがに、1文も手元に残らない暮らしに、不安を覚えてね。
自分が、江戸っ子じゃないことが、はっきりとわかった」
律「なにそれ?」
み「宵越しの金を持たない生活ってこと。
やっぱりわたしには、冬に備えて蓄える越後人の血が流れてたわけよ」
律「なるほど」
コメント一覧
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1. ハーレクイン- 2015/05/15 18:28
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♪一周、いえ一週遅れの便りを乗せて~。
大変遅くなりましたがご紹介しましょう。
その前に、少し楽屋話を。実はわたくし、勝手にこのご紹介コメを始めて以来、投稿した分をきちんと保存していたのですが、いつの間にやらどこかへ行ってしまいました。
(どういうこっちゃ)
わたしにもわかりません。まあ、無くなったものはしょうがない。
(あっさりしとるのう。ちゃんと原因を確認しとかんとまたやらかすぞ)
え、ま、そういうことでございますが行き先不明・原因不明です。まあ、必要になればMikiko’s Roomを見れば済むこと(おい!)。気を取り直し、ご陽気に参りましょー。
「み」「律」お騒がせコンビは、未だに朝食中、腰を上げる気配はありません。まずは恨み骨髄『マニア倶楽部』ネタから。何が“恨み”なのかは、過去投稿分をご参照ください。何回の分なのかは、もはや不明です。
(しかし長い前置きやのう)
●エロ女優『川上ゆう』。韻を踏んでおるぞ。御年幾つなんだろうね。結構いってると思うが。
●はい、縛りの王道『高手小手縛り』。惜しむらくは『カンヌキ』が掛かっとらんことだな。和装は、良し(エラそうに)。
●泣き伏す事情。三和出版に聞いてくれ。
●恐山の位置。以前に書きそこねたんだけど、もっと南、“下北駅”の近くじゃないかね。駅名も『大湊駅』のはずだし……。
道路と鉄道の区別も付けにくい。色で区別させるのは止めてくれるか。どうも全体に甘い地図だなあ(地図マニアHQ)。
●ジョン・コルトレーン。ジャズサックス奏者。フルートやクラリネットもやります。まとめて木管楽器。1967年、40歳で没。愛称は“トレーン”(列車、じゃないよ)。
●イタコの口寄せは世のため人のため。金のためではありません(ホンマかあ?)。
●「わしが青森弁を喋って何が悪い(トレーン)」と開き直りゃよかったんだよ、潮来はん(花嫁さんじゃないんだから)。
●フィギュアも演ります、下北のイタコ。
●「長すぎ」も「改行多すぎ」も、それはいいんだよ。許せんのは、連絡のないことだ!
(しかしお前もしつこいのう)
おう、しつこいよ、わしぁ。
はい、「律」せんせの講義、無事に終了です。そうか、『マニ倶楽』ネタじゃなくて講義ネタだったか。
それはともかく、続きましてミミズ粉末ネタの締め。そうか、そんな話もあったなあ。
●遠い話です、ミミズ粉末。
『遠い渚』はシャープ・ホークス。
(古いって、誰も知らんって)
え!?そうなん。あの名曲を!
●血圧は、下がったり上がったり。それが普通でっせ「み」さん。
●血圧下がる、血液サラサラ、腰回りビビアン。そんなヤツおれへんやろー。
●>ここから少し、尻っぱしょりで書きます
無理したら、血圧上がりまっせ。
●ハイパーホテルズパサージュ。東北の旅の三泊目、お世話様でした。
ここで問題です。一泊目と二泊目はどこに泊まったでしょう? 答えは……『東北』を一から読み直しなはれ。
はい、ということで出発しました「み」さん「律」せんせのお騒がせコンビ。とりあえず「季節」ネタ。
●秋晴れの岩木山。いつみても見事な……、♪お岩木山で~。
●春先は不安定、秋はもの寂しい。♪乙女のこころは誰も知らない……歌唱;坂本九の名曲ですが、九ちゃんを知らない人って多くなったんだろうなあ、その死因もね。カミさんは女優の柏木由紀子サン。
●「冬来たりなば春遠からじ」が詩だとは誰が知ろう(皆、知ってるって)。その心は「つらい時期を乗り越えれば、よい時期は必ず来る」(誰でもわかるって)。作者はシェリー、そのカミさんは『フランケンシュタイン』の生みの親。
●>み「秋は、まさしく冬を待つ季節」。♪冬が来る前に……は『紙ふうせん』。
●♪雪の“古町”を/雪の“古町”を/思い出だけが通りすぎてゆく……
●“SUNま”は目黒にかぎる。
●>律「銀杏(ギンナン)の臭い……ちょっとね」。「美しいバラには棘がある」というやつですな、センセ(ちょっと違うぞ)。
●銀杏といい勝負、金木犀(そうかなあ)。
●美味しいものは臭い。“冬の臭い”もね。
●それにしても気になる「キンと冷えた空気の匂い」画像。どこだあ?
●モアイだって垂らします、鼻水(ちがうって)。
●犬の仕事の一つ、麻薬探知犬。
●>律「寒いじゃない」。>み「風情のわからん女め」
●「新潟で霜柱を見ることはありません」。なぜなら、政令指定都市だからです。
●英国人が感動する東京の冬。おいでませ、東京へ。
●日本人も感動する神宮外苑、銀杏並木。
●物悲しい新潟の秋。「み」さんとネコだけじゃないのか。
●雪と地震。いやなのはさあ、どっち? あ、津波もイヤ。
●便利な高崎。北陸と上越の分岐点。北陸はこないだまで長野新幹線だったんだけどね。
●高崎vs.前橋。人口も面積も高崎の勝ち、∴人口密度は高崎の負け。
●上州名物「かかあ天下と空っ風」。三行半を出されても平気です、上州女。
●自転車も漕げない空っ風。『嵐が丘』だったりして。
●北海道より寒い高崎。暖房器具が無いんだよ(そんなことなかっぺ)。
●寒風山アレルギー。それじゃ男鹿に行けないよ。
●風に当たると涙が出る「み」さん。花粉症じゃないのか? いえ、花粉“で”治ります。
●“射精”する杉。「気持ちいい!」
●涙目の花粉症。わたしも、ですが、ワイパーはいりません、ハンカチで十分です。
●100坪の栃餅、じゃなくて土地持ち「み」さん。で「売っても1千万」。何が不満なのだ。
●埼玉、多摩、山梨、長野。なぜ海のないとこばかりなのだ。津波対策か?
ここで問題です。海のない都道府県を全て上げなさい。答えは……地図を見よ。
●日本近海の海流4本。覚えたねー。リマン海流だけなぜカタカナなんだろうね。ロシア語だそうです。
●案外快適佐渡金山(かなも使えよ)。
●米どころ酒どころ越後銘酒きりんざん冬限定搾りたて(句読点を使えよ)。そういえば、高校の同僚野郎だったかなあ。句読点を「くどくてん」と読みくさりおった。
●アホほど長い、新潟の海岸線。
●アホほど寒い、長野県の朝。
●「猿も木から落ちる」。いえ、ダイビングです。
●「牛に引かれて善光寺参り」。思いがけず他人に連れられて、ある場所へ出掛けること。また、他人の誘いや思いがけない偶然で、よい方面に導かれることのたとえ。
昔、長野の善光寺近くに住んでいた不信人で欲深い老婆が、さらしていた布を隣の家の牛が角に引っかけて走り出したのを見て、その牛を追っていくうちに善光寺にたどり着き、それがきっかけで度々善光寺に参詣するようになり、信仰の道に入ったという言い伝えから。(故事ことわざ辞典の丸写し)
●>律「まさかこのまま、新潟まで歩くつもりじゃないでしょうね」。
これを“「み」さんに引かれて越後詣で”と……いいません。
というわけで、やってまいりました青森駅前。これからの予定は……未定にして決定に非ず、はいつものことです。
●風情のある♪あぁおもりぃえき~、と、どうしても歌ってしまうな。
●はい、今日乗るのは、旅行記初の「路線バス」。えーと『青森市営バス』でいいのかなあ。
●「律」センセ。受験科目にあろうがなかろうが、知らんでは済まないよ、三内丸山遺跡。「医者は非常識」って、誰が言ったんだっけ?
●県営野球場変じて遺跡。予定ではどうだったのかね、やはりドーム球場?
●律「何だか、聞いたことのある名前ね」。あれ? センセはマスミンと面識なかったっけ? しかしマスミン人形って、ホントにあるのか?
●40ヘクタールはともかく、とんでもないデカさです、遺跡の想像図。
●40ヘクタール=40万平米≒12万坪。ただ換算しただけ。
●おお、なつかしの広重『深川洲崎十万坪』。こういう“大ウソ”を描ける人を天才と云います。
●♪遺跡はみんな海の傍(はた)。♪あぁおもりぃえきはゆきのなかぁ、でどうぞ。
●青森“なんか”にも住めます、縄文海進。
●♪青森市街は海の底。♪あぁおもりぃえきはゆきのなかぁ、でどうぞ。
●品川の裏が海“だった”と言われてもなあ、今の品川は知らんし。もちろん江戸の品川も。
●東京は博物館と路線バス。いちおー五七五です。
●東萩は山口の萩市。東京の荻窪ではありません。
●「珍しいと思います」「アホくさ」「気が知れません」。律せんせの見解に一票。
●「お昼なんて、食べなきゃいいんだ」。バスの中で食べればいいと思うぞ「み」さん。
●至福の時間。お供はオデン、オニギリ、漬け物、サラダ。♪三日前の古新聞、読む気があるなら買っとくれ(ヤットン節)。
●お金のかからない喜び。わたしはいっぱい知っとるぞ。
●ブラック企業。わたしもひとつ知っとるぞ。
●蓄え、ゼロテスター。退職金、ゼロテスター。「来週もこの企業にチャージしよう」
●年金月額11万円。「食べていけないじゃない」。なんとおっしゃる「律」センセ。こんなもんでっせ、年金。
●そうか、1千万あっても8年しか生きられないのか。「金が物言う世の中」だなあ。
●♪幸せは歩いてこない/だから歩いてゆくんだね。 >律「それで、歩いたわけ?」
●フレックスタイム。「うらやましい(アリスの白ウサギ)」。
●冬に備えて蓄える。越後人だけじゃないと思うが。
はい、ということでございまして、ホテルを出まして青森駅前に移動。で、バスに乗ったか乗らないのか、判然としないうちに今回は終了。次回は当然三内丸山、のはずですがさあどうなりますか。
『東北』には融通無碍の時間が流れております。
待て! 次回。
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2. Mikiko- 2015/05/16 13:23
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ありがとうごんず。
ミミズ粉末。
高いですが続けてます。
血圧の上にはさほど変化が無いのですが、下は低くなったと思います。
血液がサラサラ化してるんじゃないでしょうか。
100坪。
新事実判明。
先日の新聞広告に、うちの近所の分譲宅地が載ってました。
今まで、坪10万だと思ってたのですが……。
なんと!
坪30万でした。
テンション、上がりましたね。
100坪で3,000万!
ここを売っぱらって、越後湯沢のリゾートマンションに引っ越すという手もあるよな。
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3. ハーレクイン- 2015/05/16 15:23
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ミミズ粉末。
ふむ。
>下は低くなった
それは重畳。
上(収縮期血圧)よりも下(拡張期血圧)が肝心だからね。下が下がり気味というのはいいことです。
それにしても、高いミミズを飲むより、医者に降圧剤を処方してもらった方が安上がりだし、手っ取り早く下がると思いますが。
ほう、坪30万。
土地の値段には関心が無いので(うちは借地・借家)何とも言えませんが、少しでも高くなったというのは結構なことです。
また下がらないうちに売っぱらうのが得策か、と。なんか「土地ころがし」みたいですが。
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4. Mikiko- 2015/05/16 18:16
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副作用や弊害があるみたいじゃないですか。
土地。
大東建託でアパートを建ててもらうという手もあります。
わが家のまわりでも、そうしたアパートがかなり建ってます。
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5. ハーレクイン- 2015/05/16 20:44
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降圧剤を服用していますが、それで体調不良になった感はないですね。
まあ、そもそも薬を飲むというのはあまり好きじゃないんですが、背に腹は代えられん、というやつです。
ミミズに手を出すほどの金は無いし……保険は効かないんだろ、ミミズ。
アパート収入でやっていければ楽隠居でしょうけど、経営は大変みたいですよ。入居者の確保の問題がまずあるし、それと妙な入居者とのトラブルがねえ、神経をすり減らすそうです(ちょっとオーバー)。