2015.4.4(土)
み「ぜったいにミミズは、スマートさを保つ酵素を持ってるんだよ」
律「それは、大いに眉唾ね」
み「あ、わかった。
腸が真っ直ぐだからだ」
↑『備長吉兆や 日本橋店』さんの一品。50㎝あります。¥680(税抜)。
み「だから、口から食べた土が、真っ直ぐ腸を抜けて、糞になる。
途中で溜まりようが無いんだよ」
律「じゃ、あんたの腸は、今、真っ直ぐになってるってわけ?」
↑伸びすぎです。
み「それは……。
無いか」
律「当たり前でしょ」
み「そもそも、人の腸って、どのくらい長いの?」
律「腸はまず、小腸と大腸に分けられます」
律「さらに小腸は、胃に接続する方から、十二指腸、空腸、回腸に分けられる」
律「大腸は、盲腸、結腸、直腸に分けられる」
律「長さでいくと、十二指腸は、25㎝くらいね」
み「短いじゃん」
律「指を12本、横に並べたくらいの長さだから、十二指腸って呼ばれるようになったのよ」
み「25㎝で、12本ってことは、1本、2.1㎝か。
太くね?」
律「西洋人男性の指だからでしょ」
み「そもそも、指の幅を元にするなんて、おかしいんだよ」
み「人によって違うんだから。
ていうか、どの指かによっても違うでしょ。
小指と親指じゃ、大違いじゃない」
律「たぶん、指を揃えてあてて……。
人差し指から小指までの幅の3倍だったんじゃないの?」
律「4本の指の3倍だから、12本分ってことよ。
人差し指から小指までの幅を言い表す言葉が無かったから……。
そういう表現になったんじゃないかしら?」
み「あ、わかったぞ。
医者の指じゃないんじゃない?」
律「じゃ、誰の指よ?」
み「その十二指腸の持ち主の指よ。
持ち主の手を持って、十二指腸に当てたんだ」
律「それは、無理でしょ」
み「なんでよ?
お腹なんだから、届くでしょ」
律「十二指腸って名前が付いたときは……。
生きた人間のお腹を開いて見てたわけじゃないでしょ」
み「なんで?」
律「最初は、解剖よ」
み「おー、腑分けってやつですな」
律「つまり、ご遺体なわけ。
硬直してるから、手をお腹まで持っていくなんて、無理な話」
み「あ、そうか……。
いい考えだと思ったんだけどな。
十二指腸は、持ち主の指12本の幅だって」
律「太ったり痩せたりすれば、指の幅も変わるでしょ」
み「あ、そうそう。
結婚指輪が抜けなくなったりするもんね」
律「太ると、十二指腸が伸びるわけじゃないでしょ」
み「だよな。
でも、ぜったいアバウトですよ。
指12本幅なんて」
律「だいたい、そのくらいの長さの器官ですって目安じゃないの」
み「そんならさ。
ほかの腸は、どうして指で測らないの?
全部の腸を指で測って、これは三十六指腸とか、云えばいいのに」
律「ほかは長いからよ」
律「十二指腸ってネーミングには、腸の中では短いって意味もこもってるのよ。
いらない質問するから、話が続かないじゃない」
み「好奇心旺盛な生徒を、先生は喜ばねばなりませんぞ」
↑小学校の教室、懐かしいです。
律「脱線する生徒は喜ばれません。
何の話だったか、忘れちゃったじゃない。
あ、そうそう。
腸の長さの話しよね。
いい?
十二指腸が、25㎝よ」
み「そう言えばわたし、ここが昔、潰瘍になったんだ」
律「十二指腸潰瘍ね」
律「いつごろ?」
み「それが、よくわからんのよ」
律「なにそれ?」
み「若いときの健診って、バリウム検査が無いでしょ」
↑こんなに大変だとは思いませんでした。
律「ま、そうね。
バリウム検査では、多少でも放射線被曝のリスクがあるわけだから……」
律「これから子供を作ろうって若い人には、行われないのよ」
み「なんじゃそりゃ。
そんならわたしは、妊娠しないから、もう被曝してもいいっての?」
律「そういうわけじゃないでしょうけど」
み「そもそも、十二指腸潰瘍って、どういう病気よ?」
律「胃酸の影響により潰瘍が形成される病気を、消化性潰瘍と呼んでるわ。
その代表格が、胃潰瘍と十二指腸潰瘍ってことね」
み「潰瘍の出来る部位による分類というわけですな」
律「そのとおり。
胃潰瘍は、40代以降の人に多く見られるのに対し……。
十二指腸潰瘍は、10代から20代の若年者に多い病気よ」
み「わたしがかかったのは、たぶん、30前後くらいだな」
律「それが、後になってからのバリウム検査でわかったの?」
み「初めてバリウムを飲んだ健診で、ものスゴい厚い封筒が返って来た」
↑こんなのが入ってればなぁ。
み「検診結果の通知ね。
その厚みを見ただけで、気が遠くなったわ。
悪い情報が、満載されてるんだって。
100箇所くらいに癌が見つかったとか」
律「がんなら、検診結果を送る前に、病院から連絡が行くはずよ。
個人宛てに」
み「それは後から、人事の人に聞いた。
でも、その時は知らなかったからさ。
とにかくビビリました」
み「早く見たいんだけど……。
会社で見て卒倒したら大変だと思って」
み「ハサミを持って、銀行に行ったのよ」
律「何で、銀行に行くわけ?」
み「わたしが行く銀行は本店だから、待合用のソファーがたくさん並んでる。
そこなら、落ち着いて読めると思ってさ」
↑わたしの行く銀行ではありません。こんなに綺麗だったらなぁ。
律「面倒くさい女ね」
み「それが患者に対して言う言葉か!」
律「あんたはわたしの患者じゃないでしょ。
自分の患者には、ちゃんと優しく接してます。
で、どうだったのよ?」
み「震える指先で封筒を開けてみたら……。
“十二指腸潰瘍の疑い”だって。
で、病院の案内みたいなのがどっさり入ってた。
精密検査を受けろってね。
封筒の厚みは、ほとんどこの案内だったのよ」
律「受けたわけね?」
み「病院は、なんかゾンザイに扱われそうでイヤだった。
なので、母に相談したの。
そしたら、母がヘルニア手術を受けた先生が……。
わたしの勤め先から遠からぬところで、クリニックを開いてることがわかった。
母の言うことには、腕が良いと評判の先生なんだって。
それで、とりあえず、その先生に診てもらうことにして……。
内視鏡検査を受けたわけよ」
律「なるほど」
み「その内視鏡検査が、運がいいことに、鼻から管を入れる内視鏡だったわけ」
↑痛そうですが、鼻の中から喉にかけて液剤で麻酔するので、ほとんど感覚がありません。
律「経鼻内視鏡検査のことね」
み「そうそう。
会社で、口からの内視鏡検査をした人の話を、前に聞いててさ。
とにかく、尋常な苦しさじゃなかったって言ってたの。
管が入ってる間、えずきっぱなしだったって」
律「人によっては、そうとうな苦行になる場合もあるわね」
み「でも、鼻からの検査は、ぜんぜん苦しくなかったんだよ」
律「鼻から管を下ろすと、まっすぐ食道まで降りるのよ。
舌や喉を刺激しないから、嘔吐感も少なくてすむ。
口から入れると、舌の上に管が乗るから……。
どうしても、咽頭反射っていう吐き気が生じてしまうわけ」
み「あと、管を入れられたまま、話が出来るんだよね」
律「そうそう。
舌が自由だからね」
み「口からの人は、苦しいことを訴えようにも、声が出せなくて辛かったって言ってたもの」
律「で、検査結果はどうだったわけ?」
み「十二指腸潰瘍の治癒跡があるって。
自然になって、自然に治ってたみたい」
律「十二指腸潰瘍は、治る過程で強い変形が起こるのよ。
ときには、幽門部を塞いでしまって、食べ物の通りが悪くなったりもする」
み「“ゆうもんぶ”って、どこ?」
律「胃と十二指腸の間ね」
↑なんで天辺が、『胃底』なんでしょう?
み「たしかに、内視鏡検査で撮った写真を見せてもらったけどさ。
ステゴザウルスの背びれみたいに持ち上がってた」
↑親に捨てられた恐竜かと思いがちですが……。ぜんぜん違ってました。「Stego:屋根に覆われた/Saurus:トカゲ」という意味です。
律「尖ってたの?」
み「尖ってはいないけど、他人にはこれが無いということが信じられないほど、存在感がある盛りあがりだったね」
律「そんなに大きい治癒痕が出来るんなら、症状は出てたはずだけど。
お腹、痛くなかったの?
みぞおちのあたりが痛むはずなんだけど」
み「それは……。
無かったね」
律「ま、20%から30%の人には、痛みが現れないと云われてるけど」
み「でも、思い返してみると……。
あれがそうかなって症状はあった」
律「どんな?」
み「ひとつは、二日酔いがヒドかったのよ」
↑こんな猫と暮らしたい。
律「単なる飲み過ぎじゃないの」
み「今も、ほとんど同じくらいの量は飲んでるはずなんだけど……。
ぜんぜん違うよ。
若いころは、翌朝、必ずえずいてたもの」
み「緑色の胃液が出てさ」
律「汚いわね」
み「血も混じってた」
律「よく医者に行かなかったものね」
↑もちろん、こんなだったら医者に行きます。てゆうか、これは救急車ですね。
み「飲み過ぎだと思ったからさ。
医者になんか行ったら、酒を止めなさいって言われると思って……。
母親にも言わなかった」
↑恐れていた図。
律「浅ましい女」
み「でも、1度、異様に苦しい日があった」
律「どんな?」
み「完全に、胃がグロッキー状態って云うかさ……。
まったく、機能を止めた感じになったの。
胃の形が、自覚出来るって云うかさ。
食べ物が消化されないままで溜まってるのが、はっきりわかった」
み「胃が、食虫植物のウツボカズラの袋みたいになってる感じだった」
律「吐いてしまえばいいのよ」
み「吐けないのよ。
まったく機能しないんだから。
ただの袋がぶら下がってる感じなんだもの」
↑何だかわかります?
律「病院には行ったんでしょ?」
み「行きません」
律「なんで行かないのよ!」
み「動く気すらしなかった」
律「周りの人に連れてってもらえば良かったじゃない」
み「出先だったのよ。
一人で外出してた」
律「で、どうしたの」
み「公園のベンチにもたれて、じっとしてた」
律「呆れた女。
で、治ったわけ?」
み「2時間くらいしたら、動けるようになった。
あんな感覚は、後にも先にも、あのときだけだったね。
でも、たぶんあのときが、十二指腸潰瘍に罹ってたときだったのよ。
そんなにストレスを感じてる時期じゃなかったんだけどね」
↑こんなもん、身近に置いておけんだろ。
律「胃潰瘍や十二指腸潰瘍って云うと、ストレスが原因みたいに思われてるフシがあるけど……。
実際には、違うのよ」
み「そうなの?」
律「特に、十二指腸潰瘍では……」
その原因の95%が、ピロリ菌によるものね」
↑プリン体と並んで、名前が可愛すぎる双璧だと思います。
み「それだー!
クリニックで検査してもらったら、うじゃうじゃいたんだから」
↑想像したくもない。
律「除菌出来たの?」
み「一発で成功」
律「それは、良かったわね。
なかなか成功しない人もいるのよ」
み「あと、薬を続けられない人もいるんだってね。
わたしの知ってる人なんか、薬疹が出て断念したって」
律「強い薬だからね」
↑わたしが飲んだのは、これだと思います。
み「だしょうな。
胃酸の中で生きてる菌を殺すんだから。
わたしなんか、酒飲むなって云われたけど、ずっと飲んでたけどね」
律「飲んじゃダメなのよ。
肝臓に負担が大きいんだから」
み「除菌してることは母に内緒にして、普通に晩酌してました」
律「ほんと、呆れた女。
そんないい加減で、あっさり除菌出来る人もいれば……」
み「何度やっても成功しない人とか、薬が強すぎて諦める人もいる。
不公平だよね」
律「自分で言うな」
み「胃潰瘍も、ピロリ菌が原因なんでしょ?」
↑夏目漱石も、胃潰瘍に苦しみました。
律「胃潰瘍の場合は、全体の70%くらいかしら」
み「なるほど。
あとの原因は、やっぱりストレス?」
律「鎮痛薬ね。
エヌセイドって云う、非ステロイド性消炎鎮痛薬があるの。
この薬剤が、プロスタグランジンの合成を抑制するわけ」
み「今、何言うた?」
律「プロスタグランジン。
胃酸から胃粘膜を守るうえで、重要な役割をしている物質よ」
み「そんな薬、初めて聞いたわ」
律「最も有名なのは、アスピリンね」
律「ポピュラーな薬剤よ」
み「ふーん。
それがわかってるんなら、その薬剤を使わなきゃいいんでしょ」
律「関節リウマチとか、どうしても使う必要のある病気もあるの」
↑自己の免疫が手足の関節を侵し、これにより関節痛、関節の変形が生じる代表的な膠原病。
み「じゃ、ストレスとかは原因じゃないの?」
律「ピロリ菌とエヌセッドが、消化性潰瘍の原因の95%を占めるって云われてる」
み「ありゃりゃ」
律「あなた今、治療はしてるの?」
み「ファモチジンっていう薬を貰って飲んでる」
律「胃酸分泌を抑える薬ね。
てことは、胃酸過多か。
ピロリ菌を退治すると、胃酸の分泌が盛んになる人がいるから」
み「文句言ってやりたかったよ。
退治前に、そんな話、ぜんぜん聞かされてなかったんだから」
律「症状は、胸焼けとか?」
み「胸焼けは、若いころあったね。
思えば、あれが十二指腸潰瘍の症状だったんだな」
律「ピロリ菌の除菌後よ」
み「胸焼けって云うか、食べ物が飲み込みづらくなってね。
ひょっとしたら、食道癌じゃないかと思って……」
み「また、内視鏡で見てもらったの」
律「ほんと、想像力たくましいわね。
でも、ある意味、理想的な患者でもあるわね。
症状が出たら、すぐ受診するんだから。
我慢したまま悪くしちゃった人を、どれだけ見てきたことか」
み「なんか、わたしに我慢が無いみたいですな」
律「実際、そうでしょ」
み「心配になると、精神的に参るでしょ。
疑惑を抱きながら我慢するのが、一番辛いと思うけど」
律「確かにそうよね。
で、食道癌じゃなかったわけね」
↑食堂『雁』。あきまへんか?
み「綺麗なものだって。
内視鏡で撮った写真ももらったんだ。
自分で言うのもなんだけど、ほんと綺麗なのよ」
↑わたしの画像ではありません。
み「赤ちゃんの内臓みたい」
律「外側も綺麗だったら良かったのにね」
み「なんじゃと!」
律「で、食道癌の疑惑は晴れたってわけね」
み「それで、物の飲み込みづらさは、胃酸過多のせいだってことになったわけ。
胃酸過多って、症状は胸焼けだけじゃないんだってね」
律「そうよ。
一番間違いやすいのは、咳ね。
空咳が止まらなかったりするの」
律「当然本人は、気管支系の病気だと思って……。
そっちの先生を受診するでしょ。
気管支はなんでもないんだから、原因不明ってことになっちゃうのよ」
み「上がってきた胃酸が気管を刺激して、咳が出てたわけ?」
律「そうよ」
み「わたしは食道だったから、わかりやすかったわけだ」
律「そうね。
今も薬もらってるってのは、まだ胃酸過多は続いてるの?」
み「毎日、朝晩薬を飲んでるから……」
み「続いてるかどうかわからん」
律「止めてみればいいのに」
み「一度、1日1回に減らしたんだよ」
律「症状が再発して、元に戻したってこと?」
み「実は違うのです」
律「ほんと、あんたの話はわかりづらいわね」
み「薬を1錠に減らしたら、ある症状がぶり返したの」
律「だから、胃酸過多の症状なんでしょ?」
み「違うのよ。
当時、わたしは、まったく別系統の病気の治療もしていたのです」
律「ほんと、ややこしい女。
何の病気?」
み「皮膚病ですよ。
尋常性乾癬って云う」
み「軽症だったけど」
律「あぁ。
あれは、厄介な病気ね。
特に、顔とかに出てしまった人は、ほんとに辛いからね」
み「見た目が、スゴくなっちゃうらしいものね。
病気の名前も悪いんだよ。
最後の“乾癬”ってのが、伝染病みたいな“感染”を連想させちゃうでしょ」
律「それは、言えてるわね。
皮膚アレルギーなんだから、触っても感染なんかしないのにね」
み「でもやっぱり、見た人はびっくらこいちゃうからね。
とても、温泉やプールには入れなくなるのよ」
律「あなたは、顔には出なかったの?」
み「幸いね。
でも、耳の裏の、メガネのツルが当たる耳の後ろには……」
み「カサブタが出来たりした。
あと、腕にもちょっと出た。
七分袖着てれば隠れちゃうところだったけど」
み「一番ひどく出たのは、脛だった。
ズボン穿いてればいいだけだから、人目は気にならないし……。
痒みとかは滅多になかったから、普段の生活には支障は無かったの。
でも、お風呂とかでしみじみ見るとさ……。
やっぱり、これはちょっと医者に行った方がいいかと思って」
律「季節は?」
み「冬。
寒くなってから、ヒドくなった」
↑新潟の冬。お天気は毎日こんなだし、肌にトラブルは出るしで、憂鬱この上なかったです。
律「冬に悪化する人が多いのよ」
み「お日様に当たるといいんでしょ」
律「紫外線ライトを当てる治療法もあるのよ」
み「それ、わたしも当てられた」
↑これより、ずっとチャチな機械でした。
み「ま、とにかく最初は、病気かどうかもわからないし……。
皮膚に出た異常だから、皮膚科に行くしかなかろうってことで、皮膚科を受診したわけ。
皮膚科に罹ったのは、生まれて初めてだった」
↑わたしがかかった医院ではありません。皮膚科は、夜中に叩き起こされることも無いでしょうし、患者が死亡するケースも少ないでしょうから、開業するにはいいんじゃないでしょうか?(完全な憶測です)
律「お医者さん、紹介してもらったの?」
み「うんにゃ。
通うことになれば、会社の近所しか行けないから……。
飛びこみですよ」
↑道頓堀です。飛び込めないように改修してるみたいです。
み「で、一目診て、あっさり……。
『尋常性乾癬』ですって。
よっぽど、ありふれた病気なんでしょうね」
↑“尋常”の意味は、「特別でなく、普通であること。また、そのさま。あたりまえ(デジタル大辞泉)」。
み「医者からは、ぜんぜん熱意も同情心も感じられなかったもの。
投げ出すみたいに、『治りませんよ』って言われた」
↑こんな感じの医者でした。
律「ちょっと、対応に問題のあるお医者さんね」
み「でしょ。
いけ好かない感じの男でさ。
お座なりみたいに看護師に指示して、紫外線ライトを当てられたけどね。
ぜんぜん効いてる感が無かった。
こんなので効くんなら、毎日コタツに入ってればいいじゃない」
↑至福のとき。赤外線コタツの恩恵を一番受けたのは、猫たちじゃないでしょうか。豆炭こたつの時代には、一酸化炭素中毒の危険がありましたから。
律「コタツは赤外線でしょ」
↑関係ありませんが、SFジュブナイル『赤外音楽』。傑作です。TVドラマにもなりました。作者は、推理作家の佐野洋。
↓面白そうでしょ?
み「似たようなものじゃない」
律「赤外線と紫外線じゃ、両極よ」
み「あと、ステロイドの軟膏を処方された」
律「軟膏は、効いたの?」
み「効いたんだけどね。
でも逆に、こんなにあっさり効くんなら……。
どうして医者は、『治りませんよ』なんて言ったのか、不思議に思った。
で、ネットでいろいろ調べてみたら……」
律「ステロイド剤の怖さがいろいろ書いてあった?」
み「それそれ。
そもそも、ステロイド剤ってのは、症状を抑えるだけで……。
根本原因を治療する薬じゃないわけでしょ。
だから、ステロイドを止めれば、症状はぶり返す。
しかも、劇的に前より酷い状態になるそうなの」
↓筋肉増強剤のステロイドと、ステロイド軟膏は別物です。
み「と言って、ステロイドを使い続けると……。
皮膚が薄くなって、血管が透けて見えるようになるとか」
↑切り絵だそうです。凄すぎ。
み「なんか、使うのが怖くなってさ。
この程度の症状なら、我慢した方がいいかって……。
それっきり行かなくなった」
律「その判断は、正しかったとも間違ってたとも言えないわね」
み「対処療法に対する考え方は、医者によっても異なるみたいだね」
律「そうなのよ」
み「ところがよ」
律「なによ?」
み「治らないはずの乾癬が、みるみる治ってきたの」
律「どういうこと?」
み「そのときは、わけわかりませんがな。
でも、腕の斑点が、日に日に薄まってくんだよ。
おかげでその夏は、半袖が着れた。
とにかく、治ったことが嬉しかった」
↑これほどは、喜びませんでしたけど。
律「乾癬って病気は、軽快と増悪(ぞうあく)を繰り返すのよ」
み「そうらしいね。
確かに、その後も、出たり引っこんだりはしてる。
でも、最初に出たときみたいなヒドさには、一度も戻ってないんだ」
律「ふーん。
どうしてかしら」
み「で、その後、皮膚科はすぐに止めちゃったけど、消化器の先生のところには、定期的に通ってたの。
薬も、ずっともらってた」
み「でも一時期、調子が良くなったんで、朝晩1錠ずつの処方を、朝だけに変えてもらったの。
薬代もバカにならんしね」
律「それで?」
み「しばらくは、それで大丈夫だったんだけど……。
やっぱり、ちょっと喉が閊えるみたいな感じがしてきて、また2錠に戻してもらったのよ」
律「あなた、乾癬の話をしてるのよね?」
み「そこよ!
そこに気づいたの。
乾癬の発症と、十二指腸潰瘍の治療のパターンに、関連性があったの」
律「どんな?」
み「思い返してみると……。
わたしに乾癬が発症したのは、ピロリ菌を除菌して、少ししてからなの」
み「その後、喉の調子がおかしく感じて、先生に相談したら……。
胃酸過多かも知れないってことで、胃酸を抑える薬をもらった」
↑こんなところで生きてるんですから、ピロリ菌もスゴいです。
律「だから、それと乾癬がどう関係してるのよ」
み「最後まで聞かっしゃれ。
胃酸を抑える薬を飲むようになったら……。
みるみる、乾癬が治って来たの」
↑こんな気分でした。
律「ほんとに?」
み「で、その後、1日2錠の薬を1錠に変えたら……。
乾癬が、またぶり返した。
で、再び、2錠に戻したら……。
乾癬が軽快したのよ。
つまり、わたしに乾癬が発症するのは……。
胃酸がたくさん出ている時期と重なってたの」
律「偶然じゃない?」
み「でも、見事に符合するのよ。
寒い時期、消化器クリニックと皮膚科を交互に受診するのが、ほんとに嫌だったんだから」
律「へー。
そんなこと聞いたことないけど」
み「ま、乾癬ってのは、免疫異常の一種でしょ?」
律「そうね」
み「たぶん、原因はさまざまなんだよ。
だから、根本的な治療法が見つからない。
でも、間違いなく、胃酸過多が原因って人も、いるんじゃないかな?」
律「その一人が、あなたってことね」
み「さいです。
そして、そんな人は、きっとわたし一人じゃない。
胃酸を抑えれば、軽快する人は必ずいる」
律「ま、いないとは言い切れないけど」
み「そこで、相談なんじゃが」
律「何の相談よ?
消化器科も皮膚科も専門外よ」
み「でも、病院には消化器科もあるんでしょ?」
律「総合病院で消化器科が無いところなんてないでしょ」
↑これは、消火器違い。
み「ファモチジン、横流ししてくれない?」
律「は?
処方されてるんでしょ?」
み「大量に手に入れたいのじゃ」
律「バカね。
薬ってのは、たくさん量を飲めば、それだけ効くってもんじゃないの。
適切な量を守らなきゃ、大変なことになることもあるのよ」
↑どうやったら、起きる前に飲めるんじゃ?
み「わたしが飲むんじゃありまへんがな」
律「誰が飲むのよ?」
み「ファモチジンを、乾癬の薬として密売しようという計画じゃ」
律「……」
み「乗りまへんか?
10倍くらいにして売るから、2割ほどバックしても良いぞ」
↑悪のカンガルー
律「呆れてものも言えないわ」
み「人助けでしょ」
律「お金儲けじゃない」
み「薬ってのは、安過ぎたら有り難みが無いの」
↑朝鮮人参。妙に人間じみてますよね。
律「ほんとに、どうしてそうバカなことばっかり思いつくのかしら。
胃薬を密売しようなんて考えるの、あんただけよ」
み「これで、乾癬が治る人もいるかも知れないのに」
律「そんなら、ことの顛末を、ブログで正直に書けばいいでしょ。
あとは、読んだ人の判断よ」
み「儲からんではないか」
律「これで儲けたら、犯罪です」
み「途中で気づいたんだけど……。
ことの顛末は、すでにブロクにアップしてあった(こちら)」
律「呆れた。
それじゃ、ネタの2度売りじゃない」
み「売ってないわい。
どこからも原稿料、貰ってないし」
み「遠藤周作の『狐狸庵先生シリーズ』なんて……。
2度売りどころか、5度売りくらいしてたぞ」
↑昭40年7月刊の初版本。
律「ブログで、ネタの2度売りなんてするの、あんただけよ」
み「週5回も連載してるんだから、仕方ないでしょ!」
↑可愛いですよね。
律「開き直るな。
呆れ返った女だわ。
それじゃ、講義を続けます」
み「何の講義?」
律「小腸の話だったでしょ」
↑これは、わたしが若いころかぶれた『象徴主義』。
み「そうだっけ?」
律「小腸の話に入って、十二指腸を取り上げたとたん……。
あんたが、自分が罹った十二指腸潰瘍の話を始めたんじゃない。
しかも、乾癬にまで脱線して」
み「脱線ではなく、展開です」
↑グード図法による世界地図。
律「とにかく、小腸の話を進めます」
み「もう、飽きたんですけど」
律「勝手なこと言わないで。
始めたものは、最後まで行かなくちゃ、スッキリしないわ」
↑わたしには、こういう経験が無いのです。
み「うんこみたいですな」
律「そう言えば、ミミズ話が元だったわね」
↑これは読んでみたい。ミミズの生態や、環境にはたす役割が描かれてるそうです。
律「それは、大いに眉唾ね」
み「あ、わかった。
腸が真っ直ぐだからだ」
↑『備長吉兆や 日本橋店』さんの一品。50㎝あります。¥680(税抜)。
み「だから、口から食べた土が、真っ直ぐ腸を抜けて、糞になる。
途中で溜まりようが無いんだよ」
律「じゃ、あんたの腸は、今、真っ直ぐになってるってわけ?」
↑伸びすぎです。
み「それは……。
無いか」
律「当たり前でしょ」
み「そもそも、人の腸って、どのくらい長いの?」
律「腸はまず、小腸と大腸に分けられます」
律「さらに小腸は、胃に接続する方から、十二指腸、空腸、回腸に分けられる」
律「大腸は、盲腸、結腸、直腸に分けられる」
律「長さでいくと、十二指腸は、25㎝くらいね」
み「短いじゃん」
律「指を12本、横に並べたくらいの長さだから、十二指腸って呼ばれるようになったのよ」
み「25㎝で、12本ってことは、1本、2.1㎝か。
太くね?」
律「西洋人男性の指だからでしょ」
み「そもそも、指の幅を元にするなんて、おかしいんだよ」
み「人によって違うんだから。
ていうか、どの指かによっても違うでしょ。
小指と親指じゃ、大違いじゃない」
律「たぶん、指を揃えてあてて……。
人差し指から小指までの幅の3倍だったんじゃないの?」
律「4本の指の3倍だから、12本分ってことよ。
人差し指から小指までの幅を言い表す言葉が無かったから……。
そういう表現になったんじゃないかしら?」
み「あ、わかったぞ。
医者の指じゃないんじゃない?」
律「じゃ、誰の指よ?」
み「その十二指腸の持ち主の指よ。
持ち主の手を持って、十二指腸に当てたんだ」
律「それは、無理でしょ」
み「なんでよ?
お腹なんだから、届くでしょ」
律「十二指腸って名前が付いたときは……。
生きた人間のお腹を開いて見てたわけじゃないでしょ」
み「なんで?」
律「最初は、解剖よ」
み「おー、腑分けってやつですな」
律「つまり、ご遺体なわけ。
硬直してるから、手をお腹まで持っていくなんて、無理な話」
み「あ、そうか……。
いい考えだと思ったんだけどな。
十二指腸は、持ち主の指12本の幅だって」
律「太ったり痩せたりすれば、指の幅も変わるでしょ」
み「あ、そうそう。
結婚指輪が抜けなくなったりするもんね」
律「太ると、十二指腸が伸びるわけじゃないでしょ」
み「だよな。
でも、ぜったいアバウトですよ。
指12本幅なんて」
律「だいたい、そのくらいの長さの器官ですって目安じゃないの」
み「そんならさ。
ほかの腸は、どうして指で測らないの?
全部の腸を指で測って、これは三十六指腸とか、云えばいいのに」
律「ほかは長いからよ」
律「十二指腸ってネーミングには、腸の中では短いって意味もこもってるのよ。
いらない質問するから、話が続かないじゃない」
み「好奇心旺盛な生徒を、先生は喜ばねばなりませんぞ」
↑小学校の教室、懐かしいです。
律「脱線する生徒は喜ばれません。
何の話だったか、忘れちゃったじゃない。
あ、そうそう。
腸の長さの話しよね。
いい?
十二指腸が、25㎝よ」
み「そう言えばわたし、ここが昔、潰瘍になったんだ」
律「十二指腸潰瘍ね」
律「いつごろ?」
み「それが、よくわからんのよ」
律「なにそれ?」
み「若いときの健診って、バリウム検査が無いでしょ」
↑こんなに大変だとは思いませんでした。
律「ま、そうね。
バリウム検査では、多少でも放射線被曝のリスクがあるわけだから……」
律「これから子供を作ろうって若い人には、行われないのよ」
み「なんじゃそりゃ。
そんならわたしは、妊娠しないから、もう被曝してもいいっての?」
律「そういうわけじゃないでしょうけど」
み「そもそも、十二指腸潰瘍って、どういう病気よ?」
律「胃酸の影響により潰瘍が形成される病気を、消化性潰瘍と呼んでるわ。
その代表格が、胃潰瘍と十二指腸潰瘍ってことね」
み「潰瘍の出来る部位による分類というわけですな」
律「そのとおり。
胃潰瘍は、40代以降の人に多く見られるのに対し……。
十二指腸潰瘍は、10代から20代の若年者に多い病気よ」
み「わたしがかかったのは、たぶん、30前後くらいだな」
律「それが、後になってからのバリウム検査でわかったの?」
み「初めてバリウムを飲んだ健診で、ものスゴい厚い封筒が返って来た」
↑こんなのが入ってればなぁ。
み「検診結果の通知ね。
その厚みを見ただけで、気が遠くなったわ。
悪い情報が、満載されてるんだって。
100箇所くらいに癌が見つかったとか」
律「がんなら、検診結果を送る前に、病院から連絡が行くはずよ。
個人宛てに」
み「それは後から、人事の人に聞いた。
でも、その時は知らなかったからさ。
とにかくビビリました」
み「早く見たいんだけど……。
会社で見て卒倒したら大変だと思って」
み「ハサミを持って、銀行に行ったのよ」
律「何で、銀行に行くわけ?」
み「わたしが行く銀行は本店だから、待合用のソファーがたくさん並んでる。
そこなら、落ち着いて読めると思ってさ」
↑わたしの行く銀行ではありません。こんなに綺麗だったらなぁ。
律「面倒くさい女ね」
み「それが患者に対して言う言葉か!」
律「あんたはわたしの患者じゃないでしょ。
自分の患者には、ちゃんと優しく接してます。
で、どうだったのよ?」
み「震える指先で封筒を開けてみたら……。
“十二指腸潰瘍の疑い”だって。
で、病院の案内みたいなのがどっさり入ってた。
精密検査を受けろってね。
封筒の厚みは、ほとんどこの案内だったのよ」
律「受けたわけね?」
み「病院は、なんかゾンザイに扱われそうでイヤだった。
なので、母に相談したの。
そしたら、母がヘルニア手術を受けた先生が……。
わたしの勤め先から遠からぬところで、クリニックを開いてることがわかった。
母の言うことには、腕が良いと評判の先生なんだって。
それで、とりあえず、その先生に診てもらうことにして……。
内視鏡検査を受けたわけよ」
律「なるほど」
み「その内視鏡検査が、運がいいことに、鼻から管を入れる内視鏡だったわけ」
↑痛そうですが、鼻の中から喉にかけて液剤で麻酔するので、ほとんど感覚がありません。
律「経鼻内視鏡検査のことね」
み「そうそう。
会社で、口からの内視鏡検査をした人の話を、前に聞いててさ。
とにかく、尋常な苦しさじゃなかったって言ってたの。
管が入ってる間、えずきっぱなしだったって」
律「人によっては、そうとうな苦行になる場合もあるわね」
み「でも、鼻からの検査は、ぜんぜん苦しくなかったんだよ」
律「鼻から管を下ろすと、まっすぐ食道まで降りるのよ。
舌や喉を刺激しないから、嘔吐感も少なくてすむ。
口から入れると、舌の上に管が乗るから……。
どうしても、咽頭反射っていう吐き気が生じてしまうわけ」
み「あと、管を入れられたまま、話が出来るんだよね」
律「そうそう。
舌が自由だからね」
み「口からの人は、苦しいことを訴えようにも、声が出せなくて辛かったって言ってたもの」
律「で、検査結果はどうだったわけ?」
み「十二指腸潰瘍の治癒跡があるって。
自然になって、自然に治ってたみたい」
律「十二指腸潰瘍は、治る過程で強い変形が起こるのよ。
ときには、幽門部を塞いでしまって、食べ物の通りが悪くなったりもする」
み「“ゆうもんぶ”って、どこ?」
律「胃と十二指腸の間ね」
↑なんで天辺が、『胃底』なんでしょう?
み「たしかに、内視鏡検査で撮った写真を見せてもらったけどさ。
ステゴザウルスの背びれみたいに持ち上がってた」
↑親に捨てられた恐竜かと思いがちですが……。ぜんぜん違ってました。「Stego:屋根に覆われた/Saurus:トカゲ」という意味です。
律「尖ってたの?」
み「尖ってはいないけど、他人にはこれが無いということが信じられないほど、存在感がある盛りあがりだったね」
律「そんなに大きい治癒痕が出来るんなら、症状は出てたはずだけど。
お腹、痛くなかったの?
みぞおちのあたりが痛むはずなんだけど」
み「それは……。
無かったね」
律「ま、20%から30%の人には、痛みが現れないと云われてるけど」
み「でも、思い返してみると……。
あれがそうかなって症状はあった」
律「どんな?」
み「ひとつは、二日酔いがヒドかったのよ」
↑こんな猫と暮らしたい。
律「単なる飲み過ぎじゃないの」
み「今も、ほとんど同じくらいの量は飲んでるはずなんだけど……。
ぜんぜん違うよ。
若いころは、翌朝、必ずえずいてたもの」
み「緑色の胃液が出てさ」
律「汚いわね」
み「血も混じってた」
律「よく医者に行かなかったものね」
↑もちろん、こんなだったら医者に行きます。てゆうか、これは救急車ですね。
み「飲み過ぎだと思ったからさ。
医者になんか行ったら、酒を止めなさいって言われると思って……。
母親にも言わなかった」
↑恐れていた図。
律「浅ましい女」
み「でも、1度、異様に苦しい日があった」
律「どんな?」
み「完全に、胃がグロッキー状態って云うかさ……。
まったく、機能を止めた感じになったの。
胃の形が、自覚出来るって云うかさ。
食べ物が消化されないままで溜まってるのが、はっきりわかった」
み「胃が、食虫植物のウツボカズラの袋みたいになってる感じだった」
律「吐いてしまえばいいのよ」
み「吐けないのよ。
まったく機能しないんだから。
ただの袋がぶら下がってる感じなんだもの」
↑何だかわかります?
律「病院には行ったんでしょ?」
み「行きません」
律「なんで行かないのよ!」
み「動く気すらしなかった」
律「周りの人に連れてってもらえば良かったじゃない」
み「出先だったのよ。
一人で外出してた」
律「で、どうしたの」
み「公園のベンチにもたれて、じっとしてた」
律「呆れた女。
で、治ったわけ?」
み「2時間くらいしたら、動けるようになった。
あんな感覚は、後にも先にも、あのときだけだったね。
でも、たぶんあのときが、十二指腸潰瘍に罹ってたときだったのよ。
そんなにストレスを感じてる時期じゃなかったんだけどね」
↑こんなもん、身近に置いておけんだろ。
律「胃潰瘍や十二指腸潰瘍って云うと、ストレスが原因みたいに思われてるフシがあるけど……。
実際には、違うのよ」
み「そうなの?」
律「特に、十二指腸潰瘍では……」
その原因の95%が、ピロリ菌によるものね」
↑プリン体と並んで、名前が可愛すぎる双璧だと思います。
み「それだー!
クリニックで検査してもらったら、うじゃうじゃいたんだから」
↑想像したくもない。
律「除菌出来たの?」
み「一発で成功」
律「それは、良かったわね。
なかなか成功しない人もいるのよ」
み「あと、薬を続けられない人もいるんだってね。
わたしの知ってる人なんか、薬疹が出て断念したって」
律「強い薬だからね」
↑わたしが飲んだのは、これだと思います。
み「だしょうな。
胃酸の中で生きてる菌を殺すんだから。
わたしなんか、酒飲むなって云われたけど、ずっと飲んでたけどね」
律「飲んじゃダメなのよ。
肝臓に負担が大きいんだから」
み「除菌してることは母に内緒にして、普通に晩酌してました」
律「ほんと、呆れた女。
そんないい加減で、あっさり除菌出来る人もいれば……」
み「何度やっても成功しない人とか、薬が強すぎて諦める人もいる。
不公平だよね」
律「自分で言うな」
み「胃潰瘍も、ピロリ菌が原因なんでしょ?」
↑夏目漱石も、胃潰瘍に苦しみました。
律「胃潰瘍の場合は、全体の70%くらいかしら」
み「なるほど。
あとの原因は、やっぱりストレス?」
律「鎮痛薬ね。
エヌセイドって云う、非ステロイド性消炎鎮痛薬があるの。
この薬剤が、プロスタグランジンの合成を抑制するわけ」
み「今、何言うた?」
律「プロスタグランジン。
胃酸から胃粘膜を守るうえで、重要な役割をしている物質よ」
み「そんな薬、初めて聞いたわ」
律「最も有名なのは、アスピリンね」
律「ポピュラーな薬剤よ」
み「ふーん。
それがわかってるんなら、その薬剤を使わなきゃいいんでしょ」
律「関節リウマチとか、どうしても使う必要のある病気もあるの」
↑自己の免疫が手足の関節を侵し、これにより関節痛、関節の変形が生じる代表的な膠原病。
み「じゃ、ストレスとかは原因じゃないの?」
律「ピロリ菌とエヌセッドが、消化性潰瘍の原因の95%を占めるって云われてる」
み「ありゃりゃ」
律「あなた今、治療はしてるの?」
み「ファモチジンっていう薬を貰って飲んでる」
律「胃酸分泌を抑える薬ね。
てことは、胃酸過多か。
ピロリ菌を退治すると、胃酸の分泌が盛んになる人がいるから」
み「文句言ってやりたかったよ。
退治前に、そんな話、ぜんぜん聞かされてなかったんだから」
律「症状は、胸焼けとか?」
み「胸焼けは、若いころあったね。
思えば、あれが十二指腸潰瘍の症状だったんだな」
律「ピロリ菌の除菌後よ」
み「胸焼けって云うか、食べ物が飲み込みづらくなってね。
ひょっとしたら、食道癌じゃないかと思って……」
み「また、内視鏡で見てもらったの」
律「ほんと、想像力たくましいわね。
でも、ある意味、理想的な患者でもあるわね。
症状が出たら、すぐ受診するんだから。
我慢したまま悪くしちゃった人を、どれだけ見てきたことか」
み「なんか、わたしに我慢が無いみたいですな」
律「実際、そうでしょ」
み「心配になると、精神的に参るでしょ。
疑惑を抱きながら我慢するのが、一番辛いと思うけど」
律「確かにそうよね。
で、食道癌じゃなかったわけね」
↑食堂『雁』。あきまへんか?
み「綺麗なものだって。
内視鏡で撮った写真ももらったんだ。
自分で言うのもなんだけど、ほんと綺麗なのよ」
↑わたしの画像ではありません。
み「赤ちゃんの内臓みたい」
律「外側も綺麗だったら良かったのにね」
み「なんじゃと!」
律「で、食道癌の疑惑は晴れたってわけね」
み「それで、物の飲み込みづらさは、胃酸過多のせいだってことになったわけ。
胃酸過多って、症状は胸焼けだけじゃないんだってね」
律「そうよ。
一番間違いやすいのは、咳ね。
空咳が止まらなかったりするの」
律「当然本人は、気管支系の病気だと思って……。
そっちの先生を受診するでしょ。
気管支はなんでもないんだから、原因不明ってことになっちゃうのよ」
み「上がってきた胃酸が気管を刺激して、咳が出てたわけ?」
律「そうよ」
み「わたしは食道だったから、わかりやすかったわけだ」
律「そうね。
今も薬もらってるってのは、まだ胃酸過多は続いてるの?」
み「毎日、朝晩薬を飲んでるから……」
み「続いてるかどうかわからん」
律「止めてみればいいのに」
み「一度、1日1回に減らしたんだよ」
律「症状が再発して、元に戻したってこと?」
み「実は違うのです」
律「ほんと、あんたの話はわかりづらいわね」
み「薬を1錠に減らしたら、ある症状がぶり返したの」
律「だから、胃酸過多の症状なんでしょ?」
み「違うのよ。
当時、わたしは、まったく別系統の病気の治療もしていたのです」
律「ほんと、ややこしい女。
何の病気?」
み「皮膚病ですよ。
尋常性乾癬って云う」
み「軽症だったけど」
律「あぁ。
あれは、厄介な病気ね。
特に、顔とかに出てしまった人は、ほんとに辛いからね」
み「見た目が、スゴくなっちゃうらしいものね。
病気の名前も悪いんだよ。
最後の“乾癬”ってのが、伝染病みたいな“感染”を連想させちゃうでしょ」
律「それは、言えてるわね。
皮膚アレルギーなんだから、触っても感染なんかしないのにね」
み「でもやっぱり、見た人はびっくらこいちゃうからね。
とても、温泉やプールには入れなくなるのよ」
律「あなたは、顔には出なかったの?」
み「幸いね。
でも、耳の裏の、メガネのツルが当たる耳の後ろには……」
み「カサブタが出来たりした。
あと、腕にもちょっと出た。
七分袖着てれば隠れちゃうところだったけど」
み「一番ひどく出たのは、脛だった。
ズボン穿いてればいいだけだから、人目は気にならないし……。
痒みとかは滅多になかったから、普段の生活には支障は無かったの。
でも、お風呂とかでしみじみ見るとさ……。
やっぱり、これはちょっと医者に行った方がいいかと思って」
律「季節は?」
み「冬。
寒くなってから、ヒドくなった」
↑新潟の冬。お天気は毎日こんなだし、肌にトラブルは出るしで、憂鬱この上なかったです。
律「冬に悪化する人が多いのよ」
み「お日様に当たるといいんでしょ」
律「紫外線ライトを当てる治療法もあるのよ」
み「それ、わたしも当てられた」
↑これより、ずっとチャチな機械でした。
み「ま、とにかく最初は、病気かどうかもわからないし……。
皮膚に出た異常だから、皮膚科に行くしかなかろうってことで、皮膚科を受診したわけ。
皮膚科に罹ったのは、生まれて初めてだった」
↑わたしがかかった医院ではありません。皮膚科は、夜中に叩き起こされることも無いでしょうし、患者が死亡するケースも少ないでしょうから、開業するにはいいんじゃないでしょうか?(完全な憶測です)
律「お医者さん、紹介してもらったの?」
み「うんにゃ。
通うことになれば、会社の近所しか行けないから……。
飛びこみですよ」
↑道頓堀です。飛び込めないように改修してるみたいです。
み「で、一目診て、あっさり……。
『尋常性乾癬』ですって。
よっぽど、ありふれた病気なんでしょうね」
↑“尋常”の意味は、「特別でなく、普通であること。また、そのさま。あたりまえ(デジタル大辞泉)」。
み「医者からは、ぜんぜん熱意も同情心も感じられなかったもの。
投げ出すみたいに、『治りませんよ』って言われた」
↑こんな感じの医者でした。
律「ちょっと、対応に問題のあるお医者さんね」
み「でしょ。
いけ好かない感じの男でさ。
お座なりみたいに看護師に指示して、紫外線ライトを当てられたけどね。
ぜんぜん効いてる感が無かった。
こんなので効くんなら、毎日コタツに入ってればいいじゃない」
↑至福のとき。赤外線コタツの恩恵を一番受けたのは、猫たちじゃないでしょうか。豆炭こたつの時代には、一酸化炭素中毒の危険がありましたから。
律「コタツは赤外線でしょ」
↑関係ありませんが、SFジュブナイル『赤外音楽』。傑作です。TVドラマにもなりました。作者は、推理作家の佐野洋。
↓面白そうでしょ?
み「似たようなものじゃない」
律「赤外線と紫外線じゃ、両極よ」
み「あと、ステロイドの軟膏を処方された」
律「軟膏は、効いたの?」
み「効いたんだけどね。
でも逆に、こんなにあっさり効くんなら……。
どうして医者は、『治りませんよ』なんて言ったのか、不思議に思った。
で、ネットでいろいろ調べてみたら……」
律「ステロイド剤の怖さがいろいろ書いてあった?」
み「それそれ。
そもそも、ステロイド剤ってのは、症状を抑えるだけで……。
根本原因を治療する薬じゃないわけでしょ。
だから、ステロイドを止めれば、症状はぶり返す。
しかも、劇的に前より酷い状態になるそうなの」
↓筋肉増強剤のステロイドと、ステロイド軟膏は別物です。
み「と言って、ステロイドを使い続けると……。
皮膚が薄くなって、血管が透けて見えるようになるとか」
↑切り絵だそうです。凄すぎ。
み「なんか、使うのが怖くなってさ。
この程度の症状なら、我慢した方がいいかって……。
それっきり行かなくなった」
律「その判断は、正しかったとも間違ってたとも言えないわね」
み「対処療法に対する考え方は、医者によっても異なるみたいだね」
律「そうなのよ」
み「ところがよ」
律「なによ?」
み「治らないはずの乾癬が、みるみる治ってきたの」
律「どういうこと?」
み「そのときは、わけわかりませんがな。
でも、腕の斑点が、日に日に薄まってくんだよ。
おかげでその夏は、半袖が着れた。
とにかく、治ったことが嬉しかった」
↑これほどは、喜びませんでしたけど。
律「乾癬って病気は、軽快と増悪(ぞうあく)を繰り返すのよ」
み「そうらしいね。
確かに、その後も、出たり引っこんだりはしてる。
でも、最初に出たときみたいなヒドさには、一度も戻ってないんだ」
律「ふーん。
どうしてかしら」
み「で、その後、皮膚科はすぐに止めちゃったけど、消化器の先生のところには、定期的に通ってたの。
薬も、ずっともらってた」
み「でも一時期、調子が良くなったんで、朝晩1錠ずつの処方を、朝だけに変えてもらったの。
薬代もバカにならんしね」
律「それで?」
み「しばらくは、それで大丈夫だったんだけど……。
やっぱり、ちょっと喉が閊えるみたいな感じがしてきて、また2錠に戻してもらったのよ」
律「あなた、乾癬の話をしてるのよね?」
み「そこよ!
そこに気づいたの。
乾癬の発症と、十二指腸潰瘍の治療のパターンに、関連性があったの」
律「どんな?」
み「思い返してみると……。
わたしに乾癬が発症したのは、ピロリ菌を除菌して、少ししてからなの」
み「その後、喉の調子がおかしく感じて、先生に相談したら……。
胃酸過多かも知れないってことで、胃酸を抑える薬をもらった」
↑こんなところで生きてるんですから、ピロリ菌もスゴいです。
律「だから、それと乾癬がどう関係してるのよ」
み「最後まで聞かっしゃれ。
胃酸を抑える薬を飲むようになったら……。
みるみる、乾癬が治って来たの」
↑こんな気分でした。
律「ほんとに?」
み「で、その後、1日2錠の薬を1錠に変えたら……。
乾癬が、またぶり返した。
で、再び、2錠に戻したら……。
乾癬が軽快したのよ。
つまり、わたしに乾癬が発症するのは……。
胃酸がたくさん出ている時期と重なってたの」
律「偶然じゃない?」
み「でも、見事に符合するのよ。
寒い時期、消化器クリニックと皮膚科を交互に受診するのが、ほんとに嫌だったんだから」
律「へー。
そんなこと聞いたことないけど」
み「ま、乾癬ってのは、免疫異常の一種でしょ?」
律「そうね」
み「たぶん、原因はさまざまなんだよ。
だから、根本的な治療法が見つからない。
でも、間違いなく、胃酸過多が原因って人も、いるんじゃないかな?」
律「その一人が、あなたってことね」
み「さいです。
そして、そんな人は、きっとわたし一人じゃない。
胃酸を抑えれば、軽快する人は必ずいる」
律「ま、いないとは言い切れないけど」
み「そこで、相談なんじゃが」
律「何の相談よ?
消化器科も皮膚科も専門外よ」
み「でも、病院には消化器科もあるんでしょ?」
律「総合病院で消化器科が無いところなんてないでしょ」
↑これは、消火器違い。
み「ファモチジン、横流ししてくれない?」
律「は?
処方されてるんでしょ?」
み「大量に手に入れたいのじゃ」
律「バカね。
薬ってのは、たくさん量を飲めば、それだけ効くってもんじゃないの。
適切な量を守らなきゃ、大変なことになることもあるのよ」
↑どうやったら、起きる前に飲めるんじゃ?
み「わたしが飲むんじゃありまへんがな」
律「誰が飲むのよ?」
み「ファモチジンを、乾癬の薬として密売しようという計画じゃ」
律「……」
み「乗りまへんか?
10倍くらいにして売るから、2割ほどバックしても良いぞ」
↑悪のカンガルー
律「呆れてものも言えないわ」
み「人助けでしょ」
律「お金儲けじゃない」
み「薬ってのは、安過ぎたら有り難みが無いの」
↑朝鮮人参。妙に人間じみてますよね。
律「ほんとに、どうしてそうバカなことばっかり思いつくのかしら。
胃薬を密売しようなんて考えるの、あんただけよ」
み「これで、乾癬が治る人もいるかも知れないのに」
律「そんなら、ことの顛末を、ブログで正直に書けばいいでしょ。
あとは、読んだ人の判断よ」
み「儲からんではないか」
律「これで儲けたら、犯罪です」
み「途中で気づいたんだけど……。
ことの顛末は、すでにブロクにアップしてあった(こちら)」
律「呆れた。
それじゃ、ネタの2度売りじゃない」
み「売ってないわい。
どこからも原稿料、貰ってないし」
み「遠藤周作の『狐狸庵先生シリーズ』なんて……。
2度売りどころか、5度売りくらいしてたぞ」
↑昭40年7月刊の初版本。
律「ブログで、ネタの2度売りなんてするの、あんただけよ」
み「週5回も連載してるんだから、仕方ないでしょ!」
↑可愛いですよね。
律「開き直るな。
呆れ返った女だわ。
それじゃ、講義を続けます」
み「何の講義?」
律「小腸の話だったでしょ」
↑これは、わたしが若いころかぶれた『象徴主義』。
み「そうだっけ?」
律「小腸の話に入って、十二指腸を取り上げたとたん……。
あんたが、自分が罹った十二指腸潰瘍の話を始めたんじゃない。
しかも、乾癬にまで脱線して」
み「脱線ではなく、展開です」
↑グード図法による世界地図。
律「とにかく、小腸の話を進めます」
み「もう、飽きたんですけど」
律「勝手なこと言わないで。
始めたものは、最後まで行かなくちゃ、スッキリしないわ」
↑わたしには、こういう経験が無いのです。
み「うんこみたいですな」
律「そう言えば、ミミズ話が元だったわね」
↑これは読んでみたい。ミミズの生態や、環境にはたす役割が描かれてるそうです。
コメント一覧
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1. ハーレクイン- 2015/04/05 18:38
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春の訪れとともにUPされました。
ただし物語時間では10月11日。みちのくでは秋も深まろうかという季節ですが、そんな物悲しさなどどこ吹く風。「み」「律」お騒がせコンビは相変わらず元気いっぱい。で、相変わらず朝食中です。犯行現場、じゃなくて食事現場は、青森駅前のホテル「パサージュ」。
ご紹介しましょう。
まずは消化器官の大御所、腸くんネタから。
●「備長吉兆や」は、一時期勇名を馳せた料亭チェーン「吉兆」とはかんけーないのかね。京都嵐山には「京都吉兆」があります。
●ミミズの腸は真っ直ぐ。 え? ミミズに腸があるの? あります。「腸」とは云いませんが。
●腸の順序は「十二指腸」「空腸」「回腸」「盲腸」「上行結腸」「横行結腸」「下行結腸」「S状結腸」「直腸」。覚えやすいのは「上行・横行・下向」、覚えにくいのは「空・回」。あ、“空海”でおぼえりゃいいじゃん。
ここで問題です。伝教大師と弘法大師、空海はどっち? 問題その2です。高野山と比叡山、空海はどっち?
●>律「指を12本、横に並べたくらいの長さだから、十二指腸」。
誰が名付け親かは知らんが、ひねり過ぎだよ。
●>み「25㎝で、12本ってことは、1本、2.1㎝か。太くね?」。
太くないよ「み」さん。わたしの中指の付け根で測ってみたら、ちょうど2㎝だった。ということは十二指腸の名付け親、少なくとも女性じゃねえな。
●>み「小指と親指じゃ、大違い」。ふたたびわたしの指。小指1.7㎝、親指2.2㎝でした。
●測ったのは、十二指腸の持ち主の指。指はともかく、十二指腸はどう測るんだあ? あ、ご遺体か。
●>律「手をお腹まで持っていくなんて、無理」。物差しで測ればいいのでは、センセ。
●>み「結婚指輪が抜けなくなった」。え? 結婚指輪って、はめっぱなしなのか!?
●>み「絶対アバウトですよ」。そのとぉ~り。そもそも、腸ってやつはしょっちゅう伸び縮みしてるしねえ。死んだら長さ変わるし。
●「だいたいやね」は竹村健一。“あの人は今”になっちまったかな。
●>律「ほかは長いからよ」。こういう「理由」を“後付け”と云いますぞ、センセ。麻雀で後付けは反則、チョンボです。
●>小学校の教室。わからなくても手を上げろ……は、本編で書いたな。
●>み「そう言えばわたし、ここが昔、潰瘍になったんだ」。はっけーん、脱線開始の瞬間。
ということで、話は潰瘍に迷走します。
●え? バリウム検査って、若い衆はやらんのか!? なぜじゃ。その心は、放射線被爆を避けるため。なら、年寄りはええのか。
●>律「胃潰瘍は、40代以降の人に多く見られる」。まあね。わたしもそうだった。
●>律「十二指腸潰瘍は若年者に多い」。引用が続くな。医療ものだからか?
●>み「癌が見つかった」。『雁』は鴎外森林太郎。
●そうか、ムンクってビビってるのか。
●卒倒は少女マンガのお約束(五七五だが季語が無い)。
●銀行のロビーで検査結果を読む「み」さん。ハサミまで持っていかいでも、と思うが。
●腕が良いと評判の先生。人の噂はあてにならんぞ「み」さん。
●えずかない、会話可。優れものの経鼻内視鏡。はじめっからこういうのを開発しろよ。
●胃、各部の名称。腸もそうだけど、そこらじゅうに名前を付けるんだね、医学って。
●捨てられたゴジラ、捨て子ザウルス。
●色っぽいというより「アラレもない」というやつだな、「持病のしゃく」画像。
●二日酔いがヒドい十二指腸潰瘍。単なる飲み過ぎじゃ。
●>み「医者になんか行ったら、酒を止めなさいって言われる」。ま、どう転んでもいずれ言われるよ「酒禁止」。
●ウツボカズラとマーライオン。呑みこむか吐きだすかの違いだな。
●「コンドーさん」ってわかります?
●ストレスくんのせいではありません。ピロリくんが悪いんでーす、センセ。
●「ピロリ」は、胃の「幽門」にちなんで命名されました。
●懐かしの晩酌猫。以前、どこで登場したんだったかなあ。マスミンの時かな。
●胃潰瘍に悩んだ漱石。この経験が『猫……』を書かせたとか書かせなかったとか。
●プロスタグランジン:アラキドン酸から生合成されるエイコサノイドの ひとつ。プロスタグランジンとトロンボキサンを合わせてプロスタノイドという(出典Wiki)。なあんのこっちゃ。
●関節リウマチ:自己の免疫が手足の関節を侵し、これにより関節痛、関節の変形が生じる代表的な膠原病(出典Miki)。なあんのこちゃやら。
●「疑惑のまなざし」は、ドラマ『グレイズ・アナトミー』。
●食道癌→食堂雁(かり)、あきまへんか? 惜しいでんなあ、もう少し探しましょう。
●胃酸過多の症状。胸やけ、空咳、“心の悩み”(ほんまかあ)。
●優等患者は「たいへんよくのみました」。劣等患者は「もうすこしがんばってのみましょう」
●わかりづらい画像「それはなんでしょう」。こういうのを「どつき書き」、じゃなくて「殴り書き」といいます。
●皮膚病ならまかしとくんなはれ、なんせ原因不明、病名無し。尋常性乾癬でないのは確か。
●映画『感染』のヒロインは星野真理。木村多江も出てます。
●そうか、ニホンザルは乾癬にならないのか。
●確かに。皮膚病で辛いのは症状もそうだけど、人には見せられない、という心理的圧迫感なんだよね。
●紫外線ライトねえ。気休めじゃないのか。
●皮膚科で最も多い患者は、アトピーの子供です。
●飛び込み禁止の道頓堀。「禁止」なんぞしたって、なにわの若い衆が言うこと聞きまっかいな。
●尋常小学校。昔のビンボ人の子は、みんな「尋常卒」です。
●>こんな感じの医者。どんなんや。
●紫外線ライト。コタツは赤外線。赤外線は熱線ともいいます。光線銃とは関係ありません。
●>律「赤外線と紫外線じゃ、両極よ」。紫外線は短波長、赤外線は長波長の電磁波です。
●ステロイド剤はホルモン剤。ホルモン剤は色々悪さもします。
●凄すぎる切り絵。自分のを見本に描いたのかなあ(んなアホな)。
●バカにならない薬代。薬局には売るほどあるのにね。
●乾癬、ピロリ、潰瘍。以前にこの話題が出た頃だなあ、わたしがMiRoom(妙な省略をするでない!)にのたくりだしたのは。
●広島(たぶん)の軽快電車。誰のネーミングなんだろうね。
●ひえええええ。ヤクの売買に手を染めようというMiさん! それだけはやめなはれ。
●すでにUPしてあった乾癬寝た。いや、ネタ。懐かしいのう。
●>律「それじゃ、講義を続けます」。せんせ、これも授業なんですかあ(梅ヶ丘女子高地学部天文班員・ジェミニ右嶋、とどこでも番宣)
はい、ということでございまして、話はようやく腸ネタに戻ります。
●象徴主義画像。抱かれる首はなんと、あの、オルフェウスさん!(梅ヶ丘女子高地学部天文班員・ジミニ右嶋、とまたも番宣)
●グード図法:断裂のある投影法で、擬円筒図法かつ正積図法である。複数の図法を合成した図法で、世界地図に使われている。世界規模で面積の関係を表示する目的で、メルカトル図法の代替図法としてジョン・ポール・グードが1923年に考案した(出典Wiki)。おう、総会、としか言いようがないな。
●ミミズ話が発端。そうだっけ。
はい、ということでございまして、旅ももう4日目。たっぷりバイキング朝飯をいただいておりますお二人さん。案内人「婦」さん退場後も腰を上げそうにありません。まるで朝食パーティですが、残念ながら酒はありません(これ、前回と同じ締めです。手抜きや!! おう、そうかい)。
続きは、次回!
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2. Mikiko- 2015/04/05 19:11
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朝食シーンを、こんなに引き伸ばす予定ではなかったのです。
ホテルを出てからどうするか、ぜんぜん調べてないので、こんなことになってます。
そろそろ、腰を上げないといけませんね。
少々、反省ぎみです。
わたしの乾癬は、春とともに、目に見えて軽快しました。
冬の間は、どうしても悪化するんです。
ひょっとしてこれも、ミミズ粉末の効果でしょうか(高いので、いろんな効果を期待してしまいます。宝くじにも当たらないものだろうか)。
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3. ハーレクイン- 2015/04/06 07:08
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ま、そんなとこだろうとは思ってましたがね。
ミミズ粉末は万能薬。
媚薬にもなるんだろうか。あれはイモリか。