2015.2.7(土)
み「嫌なことばっかり言うな」
ド「心配してるんです」
み「それは、嘘だな」
ド「わかります?」
み「当たり前じゃ。
目が喜んでる」
ド「そんなキャラじゃないんですけど。
で、その症状は、その後も続いたんですか?」
み「2度めに起こったのは、自転車に乗ってるとき」
み「一生懸命漕いでるわけじゃないのに……。
突然、心臓の鼓動が早くなった」
み「と、同時に、冷や汗が噴き出したのよ」
ド「なるほど。
今度こそ、医者に直行したんでしょ。
自転車、乗ってるんだから」
み「日曜日だったのよ。
医者は休み」
ド「でも、急患なんだから、ドア叩けば出てくれるんじゃないですか?」
み「急患の本人が、自転車で来るかい」
ド「じゃ、何もしなかったわけですか?」
み「乗ってるうちに治った」
ド「それ、治ったって言うのかな?
危機意識、無さ過ぎじゃないですか?」
み「恐怖感は感じたけどね」
ド「感じなきゃ、バカですよ」
み「もし、自分の心臓に何かが起こってるなら……」
み「早いうちに、どうなってるか知っておくべきだと思った」
ド「いやに冷静ですね」
み「苦しいんなら、恥も外聞もなく訴えられるんだけどね……」
↑自画像ではありません。
み「痛くも痒くもないってのは、ほんとやっかいよ」
ド「で、どうしたんです?」
み「心電図なんかじゃなく、もっとしっかり診てもらおうと思ってね。
心臓ドックを受けることにしたの」
ド「心臓だけのドックがあるんですか?
人間ドックなら知ってますが」
み「人間ドックは、人間と犬の合いの子のことだろ」
ド「違います」
み「人間ドックは、全身だから、値段が高いの。
部分的なドックなら、比較的リーズナブルでしょ。
脳ドックとかね。
で、心臓ドックをやってる病院を、ネット検索したの。
でも、わたしが住んでる新潟市の周りには、無かった。
長岡には、あったけど。
で、首都圏にも対象を広げて検索したら……。
たくさんヒットした」
ド「そうでしょうね」
み「しかも、長岡よりも安い!
その中で、平日の午後限定で、さらにディスカウントしてる病院を見つけた」
ド「心臓ドックのディスカウントですか?」
み「安いに越したことないだろ」
ド「でも、首都圏じゃ、往復の旅費もかかるでしょ」
み「長岡の病院まで、新幹線で往復する場合と……。
首都圏の病院との料金を比べてみたんだ。
そしたら、東京への片道だけ高速バスを使えば、大して違いがないことがわかった」
↑わたしが乗った西武バス。
ド「へー。
でも、往復にかかる時間が、ぜんぜん違うでしょ」
み「そこで、考えを変えることにした」
ド「どう変えるんです?」
み「この健診を、レジャーと考える」
ド「健診はレジャーじゃないでしょ」
み「チミは、頭が硬い」
↑こんなのまで売ってるとは!
み「男は、別のところが硬くなくちゃいかん」
↑放送禁止面。
ド「何を言ってるんです」
み「つまり、わたしは首都圏に遊びに行くの。
そのついでに、健診も受ける。
遊びに行くんだから、お金がその分かかってもかまわない。
ということで、泊まりがけで出かけることにしたのじゃ」
ド「新潟と東京なら、十分、日帰り出来るでしょ」
み「それでは、せわしないではないか。
平日の午後限定なんだから、いずれにしろ、1日休まにゃならん。
それなら、金曜日に出かければ……。
1泊しても、土曜日には帰ってこれる。
新潟に帰ってから、もう1日休めるでしょ」
ド「行きは、バスだったんですか?」
み「左様じゃ」
ド「向こうに着いてから、健診までの間、半日遊べますね」
み「なんで?」
ド「なんでって、夜行バスでしょ。
木曜の夜の」
↑新潟市の『万代シティバスセンター』。県外高速バスの乗り場です。
み「そういう、せわしない旅行は嫌いなの。
バスは、金曜の朝9時発」
み「普段通りの時間に朝ごはんを食べて、出かけました」
ド「バスって、何時間かかるんですか?」
み「5時間ちょっとだね」
↑車窓から撮った1枚。
ド「9時発じゃ、向こうに着くのは、14時過ぎじゃないですか。
間に合うんですか?」
み「健診の予約は15時半だったかな?
池袋に14時過ぎに着いて……」
↑池袋。東口に西武デパート、西口に東武デパートがあるディープな街。
み「そっから電車で病院のある埼玉まで戻ったわけです。
ちょうど間に合った」
ド「でも、その時間から健診受けたら……。
終わると、夕方になっちゃうでしょう」
み「当たり前じゃ。
大宮に宿を取ってあったから、ちょうどいい塩梅の時間だった。
宿についたら、18時くらいだったかな」
ド「何も出来ないじゃないですか」
み「心臓の健診を受けるという、大仕事をこなしたではないか」
ド「ボクなら、ぜったい夜行だな。
バスじゃなくて、夜行列車もあるんじゃないですか?」
み「あるね。
『ムーンライトえちご』」
『ムーンライトえちご』は、新潟駅を23時36分に発車し……。
新宿駅に、翌朝の5時10分に到着する快速列車です。
でも残念ながら、2014年6月以降、運行されなくなったようです。
ド「朝、東京に付けば、半日遊べるのに」
み「心臓の検査前に、そんな無理してどうする。
バチが当たって、心臓が止まるかも知れんではないか」
ド「考えすぎでしょ」
み「ま、季節も良かったしね。
5月の下旬だったな。
歩いてると汗ばむくらいだった。
もう、サツキツツジが満開」
ド「ツツジなんて、ゴールデンウィーク前に満開になりますよ」
み「それは、普通のツツジでしょ」
↑これは、ヒラドツツジ。この季節まで、あと3ヶ月半。待ち遠しい!
み「わたしが言ってるのは、サツキツツジ」
ド「サツキに咲くツツジでしょ」
み「パカモン。
風情のない男じゃ。
サツキは、旧暦の皐月のこと。
今で言えば、6月。
梅雨のころ咲くツツジなの」
↑『由美美弥』のオープニングは、こんな景色でした。
み「それが、5月の下旬に満開だった。
やっぱり、東京は暖かいんだなと思ったよ。
でもね……」
ド「でも、何です?」
み「わたしはもう、東京には住めないと思ったな」
ド「何でです?」
み「人よ。
人の多さ。
平日に行ったのよ。
昼間なのに、駅のホームなんて、人が零れそうなほど」
み「駅構内だって、人並みをかき分けて歩かにゃならん」
み「すっごいストレスだった。
あれが毎日じゃ、とってもじゃないけど無理だと思った。
従兄弟の気持ちがよくわかった」
ド「従兄弟がどうしたんです?」
み「新潟の支店勤務だったのが、東京に異動になったの。
連日、満員電車よ」
み「スーツのボタンが千切れるほど。
とてもじゃないけど、こんなところで暮らせないって……。
異動の希望を出してね。
新潟には戻れなかったけど、富山の勤務になった」
↑待ち遠しいでしょうね。
み「でも、喜んでたよ」
ド「で、肝心の健診結果はどうだったんです?」
み「もちろん、詳しい結果は、その場では出ない。
でも、もし重大な欠陥があれば、その場で告げられるはず」
ド「分かるんですか?」
み「実際、会社の健診であったんだよ。
心電図を取ってるとき、心筋梗塞が見つかった人。
定年間近の人だったけどね。
波形を見てた健診係に……」
み「苦しくありませんかって聞かれたんだって。
実際苦しかったので、そう言ったら……」
ド「どうなったんです」
み「その場から、救急車よ」
↑さすがにヘリは来なかったようです。
ド「ちょっと待ってください。
だって、健診は病院でやったんでしょ?」
み「病院って云っても、リハビリ専門の病院。
健診はひと通り受けられるけど、心臓の治療までは無理なわけ」
ド「はぁ」
み「でも、考えて見れば、運のいい人だよ。
病院で、心筋梗塞が起きたんだから」
ド「てことは、助かったんですね?」
み「駆けつけた奥さんには、枕元でお別れを言ったそうだけど……。
見事、生還されました」
↑お懐かし、『ジャランポン祭り』。
ド「良かったですね」
み「定年を迎えた今も、嘱託社員として働いてる」
ド「そんなこともあるんですね」
み「だよね」
ド「で、あなたの結果はどうだったんです?」
み「後日、健診結果が送られて来たけど……。
期待してた結果ではなかった」
↑『俺って、やっぱり短小だった……』
ド「何を期待してたんです?」
み「あなたの心臓は、世界一丈夫な心臓です。
だから、なーんも心配する必要はないよーん。
あと200年は保ちます、みたいな結果」
ド「そんな結果、出るわけないでしょ」
み「経過観察だって。
心電図は異常なしだったんだけど……。
心臓エコーでは、『三尖弁逆流』『左房拡大』」
み「MRIでは、『冠動脈硬化』って書いてあった」
ド「ポンコツじゃないですか」
み「じゃかっし。
でも、ちょっとショックだった。
前に、『人体の不思議展』ってのが新潟に来たとき、見に行ったんだけど……」
↑超グロい展示でした。
み「その会場に、ゲームマシンみたいなのがいっぱい並んでてね。
それで、肌年齢や血管年齢が図れたんだよ」
み「もちろん、タダじゃなくて、300円入れると動くんだけどね」
ド「スゴく、胡散臭くありません?」
み「見た目、そうだったけど。
でも、いい結果だしてくれたから、超好印象が残ってる」
ド「どんな結果ですか?」
み「あなたの血管年齢は、実年齢より20年も若いって。
ほとんど、キャピキャピギャルの年齢だよ」
↑ネタなのかホンモノなのか、よーわかりません。
ド「完璧に胡散臭いと思います。
みんなそういう結果が出るんじゃないですか。
オミクジと一緒ですよ」
み「ま、一人で行ったので、誰かと比べることも出来なかったけどね。
でも、わたしにだけ出たと思いたい」
ド「違うと思います」
み「そのときの結果は、まだ大事に仕舞ってある」
ド「あわれな……」
み「うるさいっての。
だから、動脈硬化って結果は、ショックだったわけよ」
ド「心臓ドックって、どういう検査をするんですか?」
み「いろいろやったよ。
最初はまず、心電図でしょ」
↑カメの手術中。心拍は心電図でモニターするそうです。
み「その後、心臓エコーってやつ」
み「身体に、ヌルヌルしたジェルみないなのを塗って……。
その上を、湾曲したソナーみたいなので、なぞっていくやつ。
最後が、メインディッシュのMRIだよ」
ド「あの、ドーム状の棺桶みたいなのに入るやつですか?」
み「例えが良くない!
でも、そんな感じだったね。
閉所恐怖症の人は、ちょっと堪えるかも。
それと驚いたのが、音よ」
ド「機械の音ですか?」
み「大音響なのよ。
だから、機械に入る前に、ヘッドホンをさせられるの」
↑この絵の作者は、耳がご不自由です。
ド「へー」
み「ヘッドホンからは、音楽が流れてるんだけど……。
それがなぜか、とぼけたラテンミュージックでね」
↑この曲では無いでしょうが。
み「ヘンな感じだった。
でも何で、あんな大きな音がするのかね?
とても、文明の利器とは思えなかった。
ヘッドホンしてても、ガンガン聴こえるし」
ド「で、結局、その場では何ともなかったわけですね」
み「MRIは、すぐに結果が出ないんだろうけど……。
心臓エコーは、お医者さんがモニターを見ながらやってたからさ」
↑これ、ブラウン管のモニターですよね。まだこんなの使ってるんでしょうか? わたしが受けた病院では……。残念ながら、覚えてません。
み「心臓の動きがおかしかったら、何か言われると思う」
ド「無かったわけですね」
み「そう言えば、妙な動きがあった」
ド「自分でわかるんですか?」
み「わたしの心臓じゃないよ。
妙な動きをしてたのは、医者の尻」
ド「は?」
み「わたしは、ベッドに横向きに寝てるわけ。
で、医者はそのベッドに後ろ向きに腰掛けてる」
↑わたしの医者は、男でした。
ド「何で後ろ向きなんです?」
み「パカモン。
ベッドに寝てる人に向いては、腰掛けられないだろ」
ド「何もベッドに腰掛ける必要は無いんじゃないですか?
椅子に座れば、患者に正対できるじゃないですか?」
↑ベッドに座らない病院もあるようです。しかし……。ここのもブラウン管ですね。液晶が使えない理由があるんでしょうか?
み「よく覚えてないけど、モニターの位置関係で、そうなったんじゃないの?
とにかく、狭いベッドなので、医者とわたしの身体は接してるわけ」
ド「ほー」
み「何が、ほーだ」
ド「いえ、別に」
み「で、その医者なんだけど……。
後ろ向きでわたしの身体に凭れかかるようにして、ソナーを操作するわけよ。
わたしは、背中を向けてるんだけどね。
医者の尻が、背中に当たるわけ」
ド「何が言いたいんですか?」
み「別に、何か言おうとしてるわけではないがね。
個室のベッドの上だから、ま、考えようによっては、微妙な体制なわけよ」
ド「考えたわけですね?」
↑こーゆー展開。AVにはありがちです。
み「別に、考えたわけではないが……。
小説書きは、想像力が発達してるからね」
ド「考えたんじゃないですか」
み「さまざまな場面で、さまざまな選択肢が思い浮かぶわけよ」
ド「襲われるとか?」
み「あほきゃ。
AVじゃあるまいし。
そんなことして、キャリアを棒に振るバカ医者が、現実にいるわけなかろ」
み「それに、あの医者……。
たぶん、ゲイだよ」
ド「はぁ?
何でわかるんです?」
み「何となく。
物腰が怪しかった」
ド「そんなら、ゲイにお尻を擦り付けられたんですか?
最悪じゃないですか」
み「じゃかっし」
ド「で、後日、結果が送られて来たんでしょ?」
み「簡単な紙の所見と……。
あと、CD-ROM。
MRIのデータが入ってた。
3次元で、いろんな角度から見れるやつ」
↑わたしのデータではありません。
ド「へー。
スゴいですね。
で、見てどうだったんですか?」
み「心臓の3Dなんか見ても、わかるわけないだろ。
医者じゃないんだから」
ド「なんだ。
宝の持ち腐れじゃないですか」
み「まぁな」
ド「紙の所見はどうだったんです?」
み「だから、冠動脈硬化で経過観察」
ド「うーん。
どうなんでしょう。
微妙ですね」
み「微妙なのよ」
↑“微妙”のポーズ。上野動物園のウララちゃんです(2009年)。
み「無罪放免では無かったわけよ。
有罪だけど、執行猶予が付いたって感じかな」
ド「イヤな感じですね。
治療とか、してるんですか?」
↑映画です。
み「経過観察なんだから、治療なんかするわけなかろ」
ド「薬も無し?」
み「今のところはね。
原因はなんだろうね?」
ド「食生活じゃないですか?」
み「脂っこいものが好きなわけじゃないしさ」
み「肉だって、あんまり食べない」
↑5,826キロカロリーのアメリカンドッグだとか。
み「食べる頻度は、日本人の平均値より、ずっと少ないと思う。
何を気をつければいいのよ?」
ド「運動不足ですかね?」
み「あんた。
松田直樹選手は、トレーニング中に倒れたのよ。
運動してて心筋梗塞になったらどうすんの」
ド「じゃ、どうするんですか?」
み「やっぱり、血圧がマズいと思うんだよな」
ド「高いんですか?」
み「健診やクリニックで測ると、一層高いのよ」
ド「ビビりなんじゃないですか?」
み「それもあるだろうけどね。
以前、大腸の内視鏡検査受けるときなんて……。
検査前の血圧、200近かったからね」
ド「血管、破裂しますよ」
み「12月の健診でも、158の93だったかな」
ド「そりゃ高いですね」
み「特に、下が高くなってきた。
でも、朝、自分で測ると、こんなんじゃないんだよ」
ド「どのくらいなんです?」
み「140の85くらいかな」
ド「それなら、ぎりぎりセーフじゃないですか?」
み「だよね。
クリニックでは、こないだ『血圧手帳』を渡されてさ」
↑これです。ジジくさ……。
み「毎日の血圧を記入して、次のときに持っていくことになってる」
ド「毎日って、いつごろ測るんです?」
み「朝、起きてすぐと、寝る前」
↑オムロンの血圧計で測ります。
ド「毎日、ちゃんと測ってますか?」
み「火曜から金曜の朝だけね」
ド「ぜんぜん手抜きじゃないですか」
み「夜は、酒飲んでるから、測るの面倒じゃない」
ド「土曜から月曜の朝は?」
み「二日酔いだから」
ド「生活習慣を、根本から見なおした方がいいんじゃないですか?」
み「そうよのぅ。
ま、暖かくなってからね。
冬は、熱燗なしじゃ、やっていけんのよ」
ド「まだ冬じゃないでしょ。
今日は確か、10月10日ですよ」
み「リアルの話をしてるの。
これは、夢の中じゃない」
↑『みんな夢の中』高田恭子。画像入りの動画は、みんな埋め込み禁止になってました。どうしてこういう意地悪をするんでしょうね。
ド「夢の中だという自覚があるということは……。
そろそろ覚めるころですね。
それじゃ、ボクは失礼します」
↑ほんとうにサヨナラしてしまいました。夏の甲子園では、3試合連続ホームランも記録してます。
み「ところで、何しに出てきたわけ?」
ド「文句を言いに来たんですよ。
何で愚痴を聞かされなきゃならないんだろ」
↑『愚痴聞き地蔵』。岡山県玉野市におわします。
み「チミも気をつけなさい。
その体型は、心筋梗塞になりやすい」
↑貧乏で傘が無かったそうです。トタンを傘代わり。あり得んだろ。
ド「体型で決まるわけじゃないでしょ」
み「その体じゃ、MRIに入らないから、検査も出来んぞ」
ド「入りますって。
じゃ、そろそろ、ボクは行きます」
み「冥界へか?」
ド「幽霊じゃありませんよ」
み「何か、土産を置いていけ」
ド「持ってませんって。
そもそも、夢から持ち帰るわけにいかないでしょ」
み「物理的な物ならそうだけどね」
ド「物理的じゃない物って、何があるんです?
愛とか?」
み「いらんわ」
ド「即答しないでください」
み「わたしが欲しいのは、寿命じゃ」
ド「何年くらい?」
み「300年で手を打たんか?」
ド「バケモノじゃないですか」
み「歴史上には、八百比丘尼というのもいるぞ」
ド「250年間、寝たきりでもいいですか?」
み「良くないわい!
元気でピンピン、300年」
ド「欲張りすぎですって。
そもそも、戸籍はどうするんです?」
ド「200歳ですなんて、通用しないでしょ」
み「戸籍くらい、買うわい」
ド「どこで売ってるんですか?」
み「コンビニとか?」
ド「売ってません」
み「釜ヶ崎の浮浪者から買う」
ド「女性の浮浪者なんて、いますか?」
み「いるよ。
たぶんだけど」
↑これだけ美人なら、稼げる方法はありますけどね。
ド「それじゃ、行きますよ」
み「寿命を置いていけ。
ついでに戸籍も」
↑戸籍の相場は、100万~150万だそうです。
ド「持ってませんって。
そもそも、この夢の中の話って、ものすごい手抜きじゃないですか?」
み「ドキ」
ド「何の下調べも無しに書けるからでしょ」
み「ギク」
み「今、図書館、休みなのよ。
蔵書整理だって。
でもこれが、インチキ臭いんだ。
蔵書整理って言ってるくせに、真っ暗なんだよ」
↑こちらは、新潟県小千谷市で開催された『図書館夜のおはなし会』の模様。
み「何にもしてない」
ド「図書館のせいにしてませんか。
事前に借りてればいいでしょ」
↑図書館司書は、なりたかった職業のひとつでした。
み「読む時間が無いのよ」
ド「行き帰りの電車があるでしょ」
み「なぜ、そこまで知ってる?」
ド「夢の中の登場人物は……。
夢を見ている人の分身でもあるからです」
み「ウソじゃ!
分身のほうがデカいではないか」
ド「肉体的な分身じゃありませんよ」
み「幽体離脱か」
↑『ザ・たっち』(双子)の持ち芸。
ド「それも違います。
あなたの内面が投影してるんです」
み「何で、わたしの内面がドカベンなのじゃ?」
ド「知りませんって。
だから、どうして電車の中で資料を読まないんです?」
み「分身なら、知っておるはずでは?」
ド「いらんとこ、突っこまないでください」
み「電車の中では、今、試験勉強をしてるの。
経理関係の検定試験を受けるんだよ」
↑法人税の試験です。
ド「社命ですか?」
み「うんにゃ。
自主的に受けておる。
去年も、2回受けた」
ド「受けるのは誰でもできます。
結果はどうだったんです?」
み「聞くも野暮よ。
むろん、2回とも合格じゃ」
ド「スゴいじゃないですか」
み「であろ?
そして、この2月に、3回めの試験があるの。
しかし!
今回は、勉強が進んでないのよ」
ド「ダメじゃないですか。
電車の中だけじゃなく、ほかの時間でもやらなくちゃ」
み「ほかの時間は、忙しいの。
朝は、執筆」
み「昼休みは、このコメント書き。
夜は、晩酌じゃ」
ド「晩酌をやめて、勉強すべきでしょ」
み「それが分身の言うことか!
晩酌の楽しみが無かったら、生きていけんわい」
ド「そんな大層なことですか。
アル中になりますよ」
↑机の上に、大名行列が見えるそうです。
み「誰かみたいにか?」
ド「誰かって、誰です?」
み「アル中の届けって、予備校に出さなきゃならんのかね?」
ド「予備校生なんですか?」
み「アル中の予備校生がいるか!
そんなの、廃人ではないか。
予備校の講師じゃ」
ド「もっとタチ悪い気がしますが」
み「学校に、『アル中届け』を出さなきゃならんと思う」
ド「そんな届けがあるんですか?」
み「書式は、インターネットからダウンロード出来る。
学校の教員室には、備え付けの用紙もあるはずじゃ」
ド「そんなの出したら、クビでしょ」
み「クビまでは、ならんだろ。
ただし、額に『酒』と彫られる」
ド「クビより非道いじゃないですか。
江戸時代の罪人ですよ」
み「似たようなものじゃ」
ド「それじゃ、ボクはそろそろ失礼します」
み「ところで、何しに出てきたのじゃ?」
ド「作者に聞いてください。
きっと、何の目算もなく出したんです」
み「作者とは、わたしでは無いのか?」
ド「あなたも、登場人物の一人ですよ」
み「そうなのか?」
ド「それでは……。
失礼します」
み「成仏しろよ」
ド「死んでませんって。
それじゃ、お元気で~」
み「おぉ。
ドカベンが遠ざかっていく。
頑張れ頑張れドカベン!」
律「ちょっと、いい加減起きなさいよ。
寝言ばっかり言って」
律「何が頑張れなの?」
み「うーん」
律「やっと、目が覚めた?」
み「うわっ」
律「何よ?」
み「ドカベンが痩せている!
癌か?」
ド「心配してるんです」
み「それは、嘘だな」
ド「わかります?」
み「当たり前じゃ。
目が喜んでる」
ド「そんなキャラじゃないんですけど。
で、その症状は、その後も続いたんですか?」
み「2度めに起こったのは、自転車に乗ってるとき」
み「一生懸命漕いでるわけじゃないのに……。
突然、心臓の鼓動が早くなった」
み「と、同時に、冷や汗が噴き出したのよ」
ド「なるほど。
今度こそ、医者に直行したんでしょ。
自転車、乗ってるんだから」
み「日曜日だったのよ。
医者は休み」
ド「でも、急患なんだから、ドア叩けば出てくれるんじゃないですか?」
み「急患の本人が、自転車で来るかい」
ド「じゃ、何もしなかったわけですか?」
み「乗ってるうちに治った」
ド「それ、治ったって言うのかな?
危機意識、無さ過ぎじゃないですか?」
み「恐怖感は感じたけどね」
ド「感じなきゃ、バカですよ」
み「もし、自分の心臓に何かが起こってるなら……」
み「早いうちに、どうなってるか知っておくべきだと思った」
ド「いやに冷静ですね」
み「苦しいんなら、恥も外聞もなく訴えられるんだけどね……」
↑自画像ではありません。
み「痛くも痒くもないってのは、ほんとやっかいよ」
ド「で、どうしたんです?」
み「心電図なんかじゃなく、もっとしっかり診てもらおうと思ってね。
心臓ドックを受けることにしたの」
ド「心臓だけのドックがあるんですか?
人間ドックなら知ってますが」
み「人間ドックは、人間と犬の合いの子のことだろ」
ド「違います」
み「人間ドックは、全身だから、値段が高いの。
部分的なドックなら、比較的リーズナブルでしょ。
脳ドックとかね。
で、心臓ドックをやってる病院を、ネット検索したの。
でも、わたしが住んでる新潟市の周りには、無かった。
長岡には、あったけど。
で、首都圏にも対象を広げて検索したら……。
たくさんヒットした」
ド「そうでしょうね」
み「しかも、長岡よりも安い!
その中で、平日の午後限定で、さらにディスカウントしてる病院を見つけた」
ド「心臓ドックのディスカウントですか?」
み「安いに越したことないだろ」
ド「でも、首都圏じゃ、往復の旅費もかかるでしょ」
み「長岡の病院まで、新幹線で往復する場合と……。
首都圏の病院との料金を比べてみたんだ。
そしたら、東京への片道だけ高速バスを使えば、大して違いがないことがわかった」
↑わたしが乗った西武バス。
ド「へー。
でも、往復にかかる時間が、ぜんぜん違うでしょ」
み「そこで、考えを変えることにした」
ド「どう変えるんです?」
み「この健診を、レジャーと考える」
ド「健診はレジャーじゃないでしょ」
み「チミは、頭が硬い」
↑こんなのまで売ってるとは!
み「男は、別のところが硬くなくちゃいかん」
↑放送禁止面。
ド「何を言ってるんです」
み「つまり、わたしは首都圏に遊びに行くの。
そのついでに、健診も受ける。
遊びに行くんだから、お金がその分かかってもかまわない。
ということで、泊まりがけで出かけることにしたのじゃ」
ド「新潟と東京なら、十分、日帰り出来るでしょ」
み「それでは、せわしないではないか。
平日の午後限定なんだから、いずれにしろ、1日休まにゃならん。
それなら、金曜日に出かければ……。
1泊しても、土曜日には帰ってこれる。
新潟に帰ってから、もう1日休めるでしょ」
ド「行きは、バスだったんですか?」
み「左様じゃ」
ド「向こうに着いてから、健診までの間、半日遊べますね」
み「なんで?」
ド「なんでって、夜行バスでしょ。
木曜の夜の」
↑新潟市の『万代シティバスセンター』。県外高速バスの乗り場です。
み「そういう、せわしない旅行は嫌いなの。
バスは、金曜の朝9時発」
み「普段通りの時間に朝ごはんを食べて、出かけました」
ド「バスって、何時間かかるんですか?」
み「5時間ちょっとだね」
↑車窓から撮った1枚。
ド「9時発じゃ、向こうに着くのは、14時過ぎじゃないですか。
間に合うんですか?」
み「健診の予約は15時半だったかな?
池袋に14時過ぎに着いて……」
↑池袋。東口に西武デパート、西口に東武デパートがあるディープな街。
み「そっから電車で病院のある埼玉まで戻ったわけです。
ちょうど間に合った」
ド「でも、その時間から健診受けたら……。
終わると、夕方になっちゃうでしょう」
み「当たり前じゃ。
大宮に宿を取ってあったから、ちょうどいい塩梅の時間だった。
宿についたら、18時くらいだったかな」
ド「何も出来ないじゃないですか」
み「心臓の健診を受けるという、大仕事をこなしたではないか」
ド「ボクなら、ぜったい夜行だな。
バスじゃなくて、夜行列車もあるんじゃないですか?」
み「あるね。
『ムーンライトえちご』」
『ムーンライトえちご』は、新潟駅を23時36分に発車し……。
新宿駅に、翌朝の5時10分に到着する快速列車です。
でも残念ながら、2014年6月以降、運行されなくなったようです。
ド「朝、東京に付けば、半日遊べるのに」
み「心臓の検査前に、そんな無理してどうする。
バチが当たって、心臓が止まるかも知れんではないか」
ド「考えすぎでしょ」
み「ま、季節も良かったしね。
5月の下旬だったな。
歩いてると汗ばむくらいだった。
もう、サツキツツジが満開」
ド「ツツジなんて、ゴールデンウィーク前に満開になりますよ」
み「それは、普通のツツジでしょ」
↑これは、ヒラドツツジ。この季節まで、あと3ヶ月半。待ち遠しい!
み「わたしが言ってるのは、サツキツツジ」
ド「サツキに咲くツツジでしょ」
み「パカモン。
風情のない男じゃ。
サツキは、旧暦の皐月のこと。
今で言えば、6月。
梅雨のころ咲くツツジなの」
↑『由美美弥』のオープニングは、こんな景色でした。
み「それが、5月の下旬に満開だった。
やっぱり、東京は暖かいんだなと思ったよ。
でもね……」
ド「でも、何です?」
み「わたしはもう、東京には住めないと思ったな」
ド「何でです?」
み「人よ。
人の多さ。
平日に行ったのよ。
昼間なのに、駅のホームなんて、人が零れそうなほど」
み「駅構内だって、人並みをかき分けて歩かにゃならん」
み「すっごいストレスだった。
あれが毎日じゃ、とってもじゃないけど無理だと思った。
従兄弟の気持ちがよくわかった」
ド「従兄弟がどうしたんです?」
み「新潟の支店勤務だったのが、東京に異動になったの。
連日、満員電車よ」
み「スーツのボタンが千切れるほど。
とてもじゃないけど、こんなところで暮らせないって……。
異動の希望を出してね。
新潟には戻れなかったけど、富山の勤務になった」
↑待ち遠しいでしょうね。
み「でも、喜んでたよ」
ド「で、肝心の健診結果はどうだったんです?」
み「もちろん、詳しい結果は、その場では出ない。
でも、もし重大な欠陥があれば、その場で告げられるはず」
ド「分かるんですか?」
み「実際、会社の健診であったんだよ。
心電図を取ってるとき、心筋梗塞が見つかった人。
定年間近の人だったけどね。
波形を見てた健診係に……」
み「苦しくありませんかって聞かれたんだって。
実際苦しかったので、そう言ったら……」
ド「どうなったんです」
み「その場から、救急車よ」
↑さすがにヘリは来なかったようです。
ド「ちょっと待ってください。
だって、健診は病院でやったんでしょ?」
み「病院って云っても、リハビリ専門の病院。
健診はひと通り受けられるけど、心臓の治療までは無理なわけ」
ド「はぁ」
み「でも、考えて見れば、運のいい人だよ。
病院で、心筋梗塞が起きたんだから」
ド「てことは、助かったんですね?」
み「駆けつけた奥さんには、枕元でお別れを言ったそうだけど……。
見事、生還されました」
↑お懐かし、『ジャランポン祭り』。
ド「良かったですね」
み「定年を迎えた今も、嘱託社員として働いてる」
ド「そんなこともあるんですね」
み「だよね」
ド「で、あなたの結果はどうだったんです?」
み「後日、健診結果が送られて来たけど……。
期待してた結果ではなかった」
↑『俺って、やっぱり短小だった……』
ド「何を期待してたんです?」
み「あなたの心臓は、世界一丈夫な心臓です。
だから、なーんも心配する必要はないよーん。
あと200年は保ちます、みたいな結果」
ド「そんな結果、出るわけないでしょ」
み「経過観察だって。
心電図は異常なしだったんだけど……。
心臓エコーでは、『三尖弁逆流』『左房拡大』」
み「MRIでは、『冠動脈硬化』って書いてあった」
ド「ポンコツじゃないですか」
み「じゃかっし。
でも、ちょっとショックだった。
前に、『人体の不思議展』ってのが新潟に来たとき、見に行ったんだけど……」
↑超グロい展示でした。
み「その会場に、ゲームマシンみたいなのがいっぱい並んでてね。
それで、肌年齢や血管年齢が図れたんだよ」
み「もちろん、タダじゃなくて、300円入れると動くんだけどね」
ド「スゴく、胡散臭くありません?」
み「見た目、そうだったけど。
でも、いい結果だしてくれたから、超好印象が残ってる」
ド「どんな結果ですか?」
み「あなたの血管年齢は、実年齢より20年も若いって。
ほとんど、キャピキャピギャルの年齢だよ」
↑ネタなのかホンモノなのか、よーわかりません。
ド「完璧に胡散臭いと思います。
みんなそういう結果が出るんじゃないですか。
オミクジと一緒ですよ」
み「ま、一人で行ったので、誰かと比べることも出来なかったけどね。
でも、わたしにだけ出たと思いたい」
ド「違うと思います」
み「そのときの結果は、まだ大事に仕舞ってある」
ド「あわれな……」
み「うるさいっての。
だから、動脈硬化って結果は、ショックだったわけよ」
ド「心臓ドックって、どういう検査をするんですか?」
み「いろいろやったよ。
最初はまず、心電図でしょ」
↑カメの手術中。心拍は心電図でモニターするそうです。
み「その後、心臓エコーってやつ」
み「身体に、ヌルヌルしたジェルみないなのを塗って……。
その上を、湾曲したソナーみたいなので、なぞっていくやつ。
最後が、メインディッシュのMRIだよ」
ド「あの、ドーム状の棺桶みたいなのに入るやつですか?」
み「例えが良くない!
でも、そんな感じだったね。
閉所恐怖症の人は、ちょっと堪えるかも。
それと驚いたのが、音よ」
ド「機械の音ですか?」
み「大音響なのよ。
だから、機械に入る前に、ヘッドホンをさせられるの」
↑この絵の作者は、耳がご不自由です。
ド「へー」
み「ヘッドホンからは、音楽が流れてるんだけど……。
それがなぜか、とぼけたラテンミュージックでね」
↑この曲では無いでしょうが。
み「ヘンな感じだった。
でも何で、あんな大きな音がするのかね?
とても、文明の利器とは思えなかった。
ヘッドホンしてても、ガンガン聴こえるし」
ド「で、結局、その場では何ともなかったわけですね」
み「MRIは、すぐに結果が出ないんだろうけど……。
心臓エコーは、お医者さんがモニターを見ながらやってたからさ」
↑これ、ブラウン管のモニターですよね。まだこんなの使ってるんでしょうか? わたしが受けた病院では……。残念ながら、覚えてません。
み「心臓の動きがおかしかったら、何か言われると思う」
ド「無かったわけですね」
み「そう言えば、妙な動きがあった」
ド「自分でわかるんですか?」
み「わたしの心臓じゃないよ。
妙な動きをしてたのは、医者の尻」
ド「は?」
み「わたしは、ベッドに横向きに寝てるわけ。
で、医者はそのベッドに後ろ向きに腰掛けてる」
↑わたしの医者は、男でした。
ド「何で後ろ向きなんです?」
み「パカモン。
ベッドに寝てる人に向いては、腰掛けられないだろ」
ド「何もベッドに腰掛ける必要は無いんじゃないですか?
椅子に座れば、患者に正対できるじゃないですか?」
↑ベッドに座らない病院もあるようです。しかし……。ここのもブラウン管ですね。液晶が使えない理由があるんでしょうか?
み「よく覚えてないけど、モニターの位置関係で、そうなったんじゃないの?
とにかく、狭いベッドなので、医者とわたしの身体は接してるわけ」
ド「ほー」
み「何が、ほーだ」
ド「いえ、別に」
み「で、その医者なんだけど……。
後ろ向きでわたしの身体に凭れかかるようにして、ソナーを操作するわけよ。
わたしは、背中を向けてるんだけどね。
医者の尻が、背中に当たるわけ」
ド「何が言いたいんですか?」
み「別に、何か言おうとしてるわけではないがね。
個室のベッドの上だから、ま、考えようによっては、微妙な体制なわけよ」
ド「考えたわけですね?」
↑こーゆー展開。AVにはありがちです。
み「別に、考えたわけではないが……。
小説書きは、想像力が発達してるからね」
ド「考えたんじゃないですか」
み「さまざまな場面で、さまざまな選択肢が思い浮かぶわけよ」
ド「襲われるとか?」
み「あほきゃ。
AVじゃあるまいし。
そんなことして、キャリアを棒に振るバカ医者が、現実にいるわけなかろ」
み「それに、あの医者……。
たぶん、ゲイだよ」
ド「はぁ?
何でわかるんです?」
み「何となく。
物腰が怪しかった」
ド「そんなら、ゲイにお尻を擦り付けられたんですか?
最悪じゃないですか」
み「じゃかっし」
ド「で、後日、結果が送られて来たんでしょ?」
み「簡単な紙の所見と……。
あと、CD-ROM。
MRIのデータが入ってた。
3次元で、いろんな角度から見れるやつ」
↑わたしのデータではありません。
ド「へー。
スゴいですね。
で、見てどうだったんですか?」
み「心臓の3Dなんか見ても、わかるわけないだろ。
医者じゃないんだから」
ド「なんだ。
宝の持ち腐れじゃないですか」
み「まぁな」
ド「紙の所見はどうだったんです?」
み「だから、冠動脈硬化で経過観察」
ド「うーん。
どうなんでしょう。
微妙ですね」
み「微妙なのよ」
↑“微妙”のポーズ。上野動物園のウララちゃんです(2009年)。
み「無罪放免では無かったわけよ。
有罪だけど、執行猶予が付いたって感じかな」
ド「イヤな感じですね。
治療とか、してるんですか?」
↑映画です。
み「経過観察なんだから、治療なんかするわけなかろ」
ド「薬も無し?」
み「今のところはね。
原因はなんだろうね?」
ド「食生活じゃないですか?」
み「脂っこいものが好きなわけじゃないしさ」
み「肉だって、あんまり食べない」
↑5,826キロカロリーのアメリカンドッグだとか。
み「食べる頻度は、日本人の平均値より、ずっと少ないと思う。
何を気をつければいいのよ?」
ド「運動不足ですかね?」
み「あんた。
松田直樹選手は、トレーニング中に倒れたのよ。
運動してて心筋梗塞になったらどうすんの」
ド「じゃ、どうするんですか?」
み「やっぱり、血圧がマズいと思うんだよな」
ド「高いんですか?」
み「健診やクリニックで測ると、一層高いのよ」
ド「ビビりなんじゃないですか?」
み「それもあるだろうけどね。
以前、大腸の内視鏡検査受けるときなんて……。
検査前の血圧、200近かったからね」
ド「血管、破裂しますよ」
み「12月の健診でも、158の93だったかな」
ド「そりゃ高いですね」
み「特に、下が高くなってきた。
でも、朝、自分で測ると、こんなんじゃないんだよ」
ド「どのくらいなんです?」
み「140の85くらいかな」
ド「それなら、ぎりぎりセーフじゃないですか?」
み「だよね。
クリニックでは、こないだ『血圧手帳』を渡されてさ」
↑これです。ジジくさ……。
み「毎日の血圧を記入して、次のときに持っていくことになってる」
ド「毎日って、いつごろ測るんです?」
み「朝、起きてすぐと、寝る前」
↑オムロンの血圧計で測ります。
ド「毎日、ちゃんと測ってますか?」
み「火曜から金曜の朝だけね」
ド「ぜんぜん手抜きじゃないですか」
み「夜は、酒飲んでるから、測るの面倒じゃない」
ド「土曜から月曜の朝は?」
み「二日酔いだから」
ド「生活習慣を、根本から見なおした方がいいんじゃないですか?」
み「そうよのぅ。
ま、暖かくなってからね。
冬は、熱燗なしじゃ、やっていけんのよ」
ド「まだ冬じゃないでしょ。
今日は確か、10月10日ですよ」
み「リアルの話をしてるの。
これは、夢の中じゃない」
↑『みんな夢の中』高田恭子。画像入りの動画は、みんな埋め込み禁止になってました。どうしてこういう意地悪をするんでしょうね。
ド「夢の中だという自覚があるということは……。
そろそろ覚めるころですね。
それじゃ、ボクは失礼します」
↑ほんとうにサヨナラしてしまいました。夏の甲子園では、3試合連続ホームランも記録してます。
み「ところで、何しに出てきたわけ?」
ド「文句を言いに来たんですよ。
何で愚痴を聞かされなきゃならないんだろ」
↑『愚痴聞き地蔵』。岡山県玉野市におわします。
み「チミも気をつけなさい。
その体型は、心筋梗塞になりやすい」
↑貧乏で傘が無かったそうです。トタンを傘代わり。あり得んだろ。
ド「体型で決まるわけじゃないでしょ」
み「その体じゃ、MRIに入らないから、検査も出来んぞ」
ド「入りますって。
じゃ、そろそろ、ボクは行きます」
み「冥界へか?」
ド「幽霊じゃありませんよ」
み「何か、土産を置いていけ」
ド「持ってませんって。
そもそも、夢から持ち帰るわけにいかないでしょ」
み「物理的な物ならそうだけどね」
ド「物理的じゃない物って、何があるんです?
愛とか?」
み「いらんわ」
ド「即答しないでください」
み「わたしが欲しいのは、寿命じゃ」
ド「何年くらい?」
み「300年で手を打たんか?」
ド「バケモノじゃないですか」
み「歴史上には、八百比丘尼というのもいるぞ」
ド「250年間、寝たきりでもいいですか?」
み「良くないわい!
元気でピンピン、300年」
ド「欲張りすぎですって。
そもそも、戸籍はどうするんです?」
ド「200歳ですなんて、通用しないでしょ」
み「戸籍くらい、買うわい」
ド「どこで売ってるんですか?」
み「コンビニとか?」
ド「売ってません」
み「釜ヶ崎の浮浪者から買う」
ド「女性の浮浪者なんて、いますか?」
み「いるよ。
たぶんだけど」
↑これだけ美人なら、稼げる方法はありますけどね。
ド「それじゃ、行きますよ」
み「寿命を置いていけ。
ついでに戸籍も」
↑戸籍の相場は、100万~150万だそうです。
ド「持ってませんって。
そもそも、この夢の中の話って、ものすごい手抜きじゃないですか?」
み「ドキ」
ド「何の下調べも無しに書けるからでしょ」
み「ギク」
み「今、図書館、休みなのよ。
蔵書整理だって。
でもこれが、インチキ臭いんだ。
蔵書整理って言ってるくせに、真っ暗なんだよ」
↑こちらは、新潟県小千谷市で開催された『図書館夜のおはなし会』の模様。
み「何にもしてない」
ド「図書館のせいにしてませんか。
事前に借りてればいいでしょ」
↑図書館司書は、なりたかった職業のひとつでした。
み「読む時間が無いのよ」
ド「行き帰りの電車があるでしょ」
み「なぜ、そこまで知ってる?」
ド「夢の中の登場人物は……。
夢を見ている人の分身でもあるからです」
み「ウソじゃ!
分身のほうがデカいではないか」
ド「肉体的な分身じゃありませんよ」
み「幽体離脱か」
↑『ザ・たっち』(双子)の持ち芸。
ド「それも違います。
あなたの内面が投影してるんです」
み「何で、わたしの内面がドカベンなのじゃ?」
ド「知りませんって。
だから、どうして電車の中で資料を読まないんです?」
み「分身なら、知っておるはずでは?」
ド「いらんとこ、突っこまないでください」
み「電車の中では、今、試験勉強をしてるの。
経理関係の検定試験を受けるんだよ」
↑法人税の試験です。
ド「社命ですか?」
み「うんにゃ。
自主的に受けておる。
去年も、2回受けた」
ド「受けるのは誰でもできます。
結果はどうだったんです?」
み「聞くも野暮よ。
むろん、2回とも合格じゃ」
ド「スゴいじゃないですか」
み「であろ?
そして、この2月に、3回めの試験があるの。
しかし!
今回は、勉強が進んでないのよ」
ド「ダメじゃないですか。
電車の中だけじゃなく、ほかの時間でもやらなくちゃ」
み「ほかの時間は、忙しいの。
朝は、執筆」
み「昼休みは、このコメント書き。
夜は、晩酌じゃ」
ド「晩酌をやめて、勉強すべきでしょ」
み「それが分身の言うことか!
晩酌の楽しみが無かったら、生きていけんわい」
ド「そんな大層なことですか。
アル中になりますよ」
↑机の上に、大名行列が見えるそうです。
み「誰かみたいにか?」
ド「誰かって、誰です?」
み「アル中の届けって、予備校に出さなきゃならんのかね?」
ド「予備校生なんですか?」
み「アル中の予備校生がいるか!
そんなの、廃人ではないか。
予備校の講師じゃ」
ド「もっとタチ悪い気がしますが」
み「学校に、『アル中届け』を出さなきゃならんと思う」
ド「そんな届けがあるんですか?」
み「書式は、インターネットからダウンロード出来る。
学校の教員室には、備え付けの用紙もあるはずじゃ」
ド「そんなの出したら、クビでしょ」
み「クビまでは、ならんだろ。
ただし、額に『酒』と彫られる」
ド「クビより非道いじゃないですか。
江戸時代の罪人ですよ」
み「似たようなものじゃ」
ド「それじゃ、ボクはそろそろ失礼します」
み「ところで、何しに出てきたのじゃ?」
ド「作者に聞いてください。
きっと、何の目算もなく出したんです」
み「作者とは、わたしでは無いのか?」
ド「あなたも、登場人物の一人ですよ」
み「そうなのか?」
ド「それでは……。
失礼します」
み「成仏しろよ」
ド「死んでませんって。
それじゃ、お元気で~」
み「おぉ。
ドカベンが遠ざかっていく。
頑張れ頑張れドカベン!」
律「ちょっと、いい加減起きなさいよ。
寝言ばっかり言って」
律「何が頑張れなの?」
み「うーん」
律「やっと、目が覚めた?」
み「うわっ」
律「何よ?」
み「ドカベンが痩せている!
癌か?」
コメント一覧
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1. ハーレクイン- 2015/02/07 17:57
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連載100回達成、誠におめでとうございます。
100回といっても総集編で100回だからね。
通常の連載回数は1063回。
とんでもない数字です。
始めてこの企画が始まった『北海道』なんてわずか1回だもんね。総集編もへったくれも無かったわけです。それがなあ、ここまで来るとは。
ま、確かにすごい記録ですが、他にこんなのやる人もおらんでしょう。そういう意味では「アホ」な記録とも……。
しかしアホ結構。なまじの「かしこ」よりずっと素晴らしい。いつまでもこの旅が続きますように。青森市から次はどこへ行くのかなあ。
『東北』の次はどこかなあ。
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2. Mikiko- 2015/02/07 18:56
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約750行で、1回分としています。
100回と云うと、75,000行ということになります。
原稿用紙にして、3,750枚です。
無駄な労力という気もしますが……。
書き苦しんだ覚えは無いので、気分転換の副産物だったと思ってます。