Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
東北に行こう!(81)
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食「小清水原生花園なら、ボクも行きました」
小清水原生花園なら、ボクも行きました

食「網走のそばですよね」
網走のそばですよね

み「網走刑務所は面白かったけど……」
伝説の脱獄囚、白鳥由栄を模した人形
↑伝説の脱獄囚、白鳥由栄を模した人形。鉄格子に味噌汁を吹きつけ続け、錆びさせて脱獄したそうです。

み「原生花園はいただけまへんでしたな。
 だだっ広いだけ」
だだっ広いだけ
↑わたしが行ったときは、花がもっと少なかった。

食「小清水原生花園は、275ヘクタールあるそうです」
み「83万坪か」
食「どうして、いちいち坪に換算するんです?」
み「日本人は、坪!」
日本人は、坪!

食「換算しても買えませんよ」
み「坪10銭なら、8万3千円じゃん」
食「売りませんって」
み「湿原はもうよし。
 ほかに何かない?」
食「ベンセ湿原近くの海岸に、世界最大規模の埋没林があるそうです」
見たからどうというものでは無さそうです
↑見たからどうというものでは無さそうです。

食「約2万8千年前の針葉樹林が、環境の急変で水没し……。
 その後、砂に埋もれ、根が腐らずに残ったんだとか」
み「なんか、殺伐としたものばっかりだな。
 薄ら寒くなる。
 あ、そうそう。
 忘れるとこだった。
 温泉は無いの?
 日帰り温泉」
食「えーっと。
 ありましたありました。
 これは、『木造駅』の近くですね。
 その名も、『しゃこちゃん温泉』」
その名も、『しゃこちゃん温泉』

み「でたー!
 すんばらしいネーミングではないか」
食「“しゃこちゃん”というのは、もともと、昭和63年に開かれた青函博覧会のマスコットだったそうです」
これが“しゃこちゃん”だ!
↑これが“しゃこちゃん”だ!

み「さて、一番大事な入浴料金はいくら?」
食「大人320円ですね」
み「安い!」
食「食塩泉で、湯冷めしないそうですよ」
食塩泉で、湯冷めしないそうですよ

み「駅近くなら、便利だよな」
食「9時から22時までやってますから、使い勝手もいいですね。
 ジャグジーや打たせ湯、岩風呂にサウナもあるようです」
ジャグジーや打たせ湯、岩風呂にサウナもあるようです

み「個室は?」
食「残念ながら……。
 無いようですね。
 大広間なら、入浴料と込みで、500円になります」
こちらは、脱衣室内にあるリラックスルーム
↑こちらは、脱衣室内にあるリラックスルーム。無料です。

み「大広間って、何があるの?」
食「カラオケがありました」
み「いらんわ」
食「なんと、ダンスフロアもありました」
み「いらんちゅうに。
 酒は出るのか?」
食「ロビーに、軽食コーナーがあるみたいですが……」
左が大広間、右がロビーにある軽食コーナー
↑左が大広間、右がロビーにある軽食コーナー。

食「蕎麦やうどんだけのようですね。
 大広間へは、基本、持ち込みじゃないですか?」
み「ひとりで行っても、することないな」
食「ま、そうでしょうね。
 ホールでは、おじいさんが将棋を指してるそうです」
ホールでは、おじいさんが将棋を指してるそうです
↑ここは、大広間では無いようです。

み「なるほど。
 ほぼ、雰囲気はわかった」
律「あ、大きな川」
食「これが岩木川です」
これが岩木川です

食「『つがる市』とは、ここでお別れ。
 川を渡ると、『五所川原市』に入ります」
み「いつの間に発車してたんだ?」
食「しゃべってる間です」
み「わたしに断りも無しにか」
食「普通、断りませんよ」
み「しかし、久しぶりに長い橋梁だな」
食「『岩木川橋梁』です」
『岩木川橋梁』です

食「長さ、370メートル。
 『能代』を出たあと渡った『米代川橋梁』に次ぐ長さですね」
『能代』を出たあと渡った『米代川橋梁』
↑『米代川橋梁』を渡ったのは、1023回のこと(2012年7月22日)。

律「広々として、気持ちがいいわね」
食「右に岩木山、左に津軽平野。
 津軽の広さを実感できる場所です」
岩木川橋梁を渡る『くまげら』
↑岩木川橋梁を渡る『くまげら』。

み「岩木川は、この近くで日本海に出るの?」
食「いえ。
 七里長浜の海岸とは、平行するように北上し……。
 ここから20キロほど北で、十三湖(じゅうさんこ)に注ぎこみます」
ここから20キロほど北で、十三湖(じゅうさんこ)に注ぎこみます

み「うーむ。
 旅情をそそられる湖名じゃの」
食「十三湖にはかつて、十三湊(とさみなと)という貿易都市があったそうです」
十三湖にはかつて、十三湊(とさみなと)という貿易都市があったそうです

み「いつごろよ?」
食「鎌倉から室町にかけてのようです。
 西の堺と並ぶ巨大都市だったとか」
西の堺と並ぶ巨大都市だったとか
↑『市浦歴史民俗資料館』

み「過去形ということは……。
 その後、廃れてしまったということだな」
食「大津波で湖底に沈んだと云われてますね」
大津波で湖底に沈んだと云われてますね
↑中国浙江省千島湖に沈む古城。

み「遺跡も無し?」
食「いろいろと謎が多く、歴史ファンにも注目されてたみたいですが……。
 最近になって、遺跡が出たそうです」

↑十三湊遺跡の紹介動画がありました。

み「そうか。
 出たのか。
 渟足柵(ぬたりのき)も出てくれないかな」
食「あぁ、教科書に載ってましたね。
 新潟市なんでしょ?
 場所が特定されてないんですか?」
み「中央区から東区にかけて、沼垂(ぬったり)の付いた地名がある」
中央区から東区にかけて、沼垂(ぬったり)の付いた地名がある
↑東区でも探してますね。

 なんと!
 ↓東区は、『渟足柵探索プロジェクト』にマスコットキャラクターまで作ってました(知らなかった……)。
東区は、『渟足柵探索プロジェクト』にマスコットキャラクターまで作ってました(知らなかった……)

 愛称は、『ぬたりん』(笑うな)。
 本名は、『渟足柵造(ぬたりさくぞう)』(笑うな)。
 詳しくは、こちらを。

律「それじゃ、そこにあったんでしょ?」
み「にゃい」
律「どうしてよ?」
み「新潟平野にはの……。
 信濃川と阿賀野川という、2本の暴れ川があっての」
戦国時代ころの新潟市
↑戦国時代ころの新潟市。

律「なんでそんな口調になるの?」
み「いにしえを語らんと欲すれば、自然とこういう口調になるのじゃ」
いにしえを語らんと欲すれば、自然とこういう口調になるのじゃ
↑と、マスミンも言っております。

律「ならないわよ」
み「黙らっしゃい!
 よいか。
 その2本の暴れ川は、洪水の度に川筋を変えてしまうのじゃ。
 町だったところも、容赦なく水の中に削り落とされてしまう。
 なので、沼垂の町ってのは……。
 町ごと、何度も移転してるわけ。
 『沼垂』という地名だけ背負ってね」
昭和9年の『沼垂』
↑昭和9年の地図。

食「ははぁ。
 今の沼垂は、昔の沼垂の場所じゃないってことですね」
み「左様じゃ」
1640年から1684年の間に、4回移転してます。⑤が現在の沼垂です。
↑1640年から1684年の間に、4回移転してます。⑤が現在の沼垂です。

食「話を戻していいですか?」
み「左様せい」
食「徳川家綱ですか」
徳川家綱

み「ほー、知っておるの」
食「老中とかが意向を聞いても、“さようせい”としか言わなかったんですよね」
み「付いた異名が、“左様せい様”」
律「そんなのが殿様じゃ、滅びるわけよ」
み「家綱は、4代将軍だよ。
 徳川の世は、このあと、200年も続いたの。
 むしろ、あれだけデカい組織になってしまうと……。
 トップは暗愚な方が、安定して回るってことじゃない?
 なまじ才気があると、返ってウマくいかないって」
律「そんなものかしら」
み「家来にとっては、バカ殿が一番なの」
決してバカではなかったという逸話も残ってます
↑決してバカではなかったという逸話も残ってます。

み「さて、十三湖の話だったな。
 かつての貿易港としての面影は、少しは残ってるわけ?」
食「明治に入って、蒸気船になってからは急速に寂れたようです」
明治初期に作られたと思われる大皿。当時では、斬新な図柄だったんでしょうね。右下の建物は、灯台だそうです。
↑明治初期に作られたと思われる大皿。当時では、斬新な図柄だったんでしょうね。右下の建物は、灯台だそうです。

み「なんで、蒸気船だとダメなわけ?」
食「海から湖への入口は、砂が溜まって浅くなってるんです。
 蒸気船だと、船底が着いちゃって通れないというわけです」
み「なるほど。
 そのあたりは、新潟港と似てるな」
食「信濃川の河口なら大丈夫でしょう。
 あんなに広いじゃないですか」
信濃川の河口なら大丈夫でしょう

み「それが、素人の赤坂見附じゃ。
 上流から運ばれてくる砂が山になって、浅くなってる場所があるの。
 しかも!
 上流に降る雨の具合で川の流量が変わると……。
 その砂の山が動くんだよ。
 朝と夕方で、まったく水深が違ったりする。
 砂山の頂上は、人の背が立つくらいの浅さ。
 そこへ船が乗りあげたら、動けなくなるわけ。
 今でこそ、浚渫で水深を保ってるけど……」
今でこそ、浚渫で水深を保ってるけど……

み「江戸時代は、そんな土木技術も無かったからね」
食「へー。
 それでよく、港として存続できましたね」
み「新潟の港には、『水戸教』という専門の水先案内人がいたの」
新潟の港には、『水戸教』という専門の水先案内人がいたの

食「“みときょう”って、どんな字を書くんですか?」
み「“みと”は、水戸黄門の『水戸』。
 “きょう”は、教えるだね」
食「ははぁ。
 『水戸教』ですか。
 なんだか、茨城の宗教みたいですね」
関係ありませんが、サービスカット
↑関係ありませんが、サービスカット。ご存知『水戸黄門』、由美かおるさんの入浴シーン。

み「もともとは、“みとおしえ”と読んだとか」
食「でも、どうして新潟で“水戸”なんです?
 茨城から招いたのかな?」
み「そうではない。
 川の河口のことを、“水戸”と云ったのじゃ。
 つまり、河口の水先を教える案内人だから、『水戸教』」
食「いまもいるんですか?」
み「いるわけないだろ。
 江戸時代から、昭和の始めくらいまでのまでの話」
律「昭和までいたんだ」
み「日和山(ひよりやま)って聞いたことある?」
食「ポピュラーな地名ですよね。
 海辺の町に行くと、かなりの頻度であります」
こちらは、仙台市にあった日和山。東日本大震災の津波により、山体が消失したそうです。
↑こちらは、仙台市にあった日和山。東日本大震災の津波により、山体が消失したそうです。

み「日和(ひより)ってのは、お天気のことなんだよ」
日和(ひより)ってのは、お天気のことなんだよ

食「あぁ。
 『良いお日和で』とか云いますね」
み「それそれ。
 本来は、海上のお天気のことだったらしい。
 海の近くの小高い丘に登って、お天気を見てたわけだな」
新潟市に今もある日和山。標高27メートル。
↑新潟市に今もある日和山。標高27メートル。

み「昔の船じゃ、嵐にでも遭ったら、ひとたまりもないからね」
 これがいわゆる、日和見(ひよりみ)」
日和見といえば、洞ヶ峠の筒井順慶が有名です。
↑日和見といえば、洞ヶ峠の筒井順慶が有名です。

律「へー。
 よく当たったのかしら?」
み「人の命がかかってるんだから、そりゃ精度も高かったでしょうね」
新潟市の日和山に残る『方角石』
↑新潟市の日和山に残る『方角石』。

み「明治になると、測候所も出来たわけ」
昭和3年ころの新潟測候所
↑昭和3年ころの新潟測候所。

み「でも、遠足なんかのときは……。
 『水戸教』に、お天気を聞きに行く人が多かったって」
昭和24年ころの新潟測候所。海岸侵食のため、海中に没しました。
↑昭和24年ころの新潟測候所。海岸侵食のため、海中に没しました。

食「それは面白いですね」
み「で、新潟では、日和山でお天気も見てたわけだけど……。
 『水戸教』の仕事も同時にしてた。
 つまり、港に入って来る廻船が見えると……。
 小舟で漕ぎ出して迎えに行くわけ」
明治初期の新潟港。櫓に登ってる人が、水戸教だと思います。河口を行き交う船も見えます。
↑明治初期の新潟港。櫓に登ってる人が、水戸教だと思います。河口を行き交う船も見えます。

食「なるほど。
 小舟で先導して、港に入れるわけですね」
み「いやいや。
 水の下の砂山は複雑でね。
 慣れない船頭じゃ、とてもかわせない」
食「じゃ、どうするんです?」
み「船に乗り移って、船頭に代わって舵を取るんだよ」
食「へー。
 格好いいな」
律「十三湖にも、そういう人たちがいればよかったのにね」
み「十三湖から海へは、船が通れるくらいの深さのところは無かったの?」
食「無かったんでしょうね」
十三湖から海へは、船が通れるくらいの深さのところは無かったの?

食「湖自体の水深も、最大で3メートルくらいだそうですし」
み「なるほど。
 湖底を丸ごと浚渫しなきゃならんってことか」
食「とても無理です」
み「一旦、ほかの港に役割を渡してしまったら……。
 もう、繁栄を取り戻すことは出来ないというわけだね」
こんな都市が、ほんとにあったんでしょうか。マジで見てみたいです。
↑こんな都市が、ほんとにあったんでしょうか。マジで見てみたいです。

食「繁栄は失いましたが……。
 “しじみ”が残ってます」
み「なんじゃそれ?」
食「十三湖のしじみは有名なんですよ。
 汽水湖ですから」
十三湖のしじみ漁。こんな人生もありかなって思います。
↑十三湖のしじみ漁。こんな人生もありかなって思います。

食「ちょっと検索してみます。
 水揚げは、年間2,000トンだそうです。
 でも、捕れる量だけで有名なんじゃありません。
 十三湖のしじみは、粒が大きくて泥臭さが無いそうです」
十三湖のしじみは、粒が大きくて泥臭さが無いそうです

食「あー、食べたくなってきた。
 お店も検索してみます。
 えーっと。
 あ、ここが良さそうだ。
 『しじみ亭奈良屋』」
『しじみ亭奈良屋』

食「しじみらーめんに……」
しじみらーめん。基本は『塩』。美味しそうですね~。
↑基本は『塩』。美味しそうですね~。

食「しじみスパゲティ」
しじみスパゲティ。青しそ風味だそうです。
↑青しそ風味だそうです。

食「しじみ釜めし」
しじみ釜めし。注文を受けてから炊くそうで、炊きあがりまで25分かかります。時間が限られてる場合は要注意。
↑注文を受けてから炊くそうで、炊きあがりまで25分かかります。時間が限られてる場合は要注意。

食「値段も安いです。
 スパゲティなんて、580円ですよ。
 らーめんが690円、釜めしでも735円ですね」
『しじみ亭奈良屋』メニュー
PDFファイルで御覧ください。

み「うーむ。
 どれか1品なんて、迷っちゃうな」
律「違うの注文して、分けっこすればいいのよ」
み「2人ならね。
 1人旅だと、それが出来ないのが辛いよね」
食「全部注文して、食べればいいじゃないですか」
み「お前と一緒にすな」
食「あ、そういう場合の、お勧めメニューがありました。
 その名も、“しじみづくし”」
しじみづくし。ミニ釜めしに、ミニらーめん、ミニチャウダーにバター炒め。さらに、佃煮、しじみ汁。しじみの南蛮漬け、しじみ味噌。

食「ミニ釜めしに、ミニらーめん、ミニチャウダーにバター炒め。
 さらに、佃煮、しじみ汁。
 しじみの南蛮漬け、しじみ味噌。
 これだけ揃って、1,500円。
 どうです?」
み「うーむ。
 それだけしじみを食べれば……。
 その夜の酒は無敵だな」
食「しじみは、肝臓にいいそうですね」
しじみは、肝臓にいいそうですね

律「お昼に食べただけで効くわけないわ。
 でも、しじみが栄養的に優れてるのは確かよね。
 ビタミン、カルシウム、鉄分、グリコーゲン、タウリン。
 いずれも大量に含まれてるから」
しじみが栄養的に優れてるのは確かよね

み「うーむ、美味しい上に身体にもいい。
 最高ではないか。
 しじみって、いつ行っても食べれるの?」
食「季節ものじゃ無いでしょう。
 魚と違って、ずっとそこにいるわけですから。
 いちおう旬は、産卵期を迎える夏だそうです。
 6月後半から8月ころ。
 でも、1~2月の寒しじみも、身が締まって美味しいそうです」
漁師のみなさんに感謝!
↑漁師のみなさんに感謝!

み「わたしゃ、冬に食べたいね。
 窓の外を吹きすさぶ風音を聞きながら……。
 熱燗で“しじみづくし”」
“しじみづくし”を食べて出る貝殻の量!
↑“しじみづくし”を食べて出る貝殻の量!

み「帰りたくなくなるな。
 泊まれるの?」
食「残念ながら、料理だけです」
み「十三湖へは、このまま五能線で行けるのか?」
食「ダメです。
 ぜんぜん方向が違います。
 五能線は、次の『五所川原』から南に向かいますから」
五能線は、次の『五所川原』から南に向かいますから

み「そっちに行く線はないのけ?」
食「『五所川原』からは、津軽鉄道が北へ伸びてます。
 でも、終点の『津軽中里』まで行っても、湖には届きません」
終点の『津軽中里』まで行っても、湖には届きません

食「バスの便も良くないようですね。
 タクシーを使えば別ですけど。
 バスならむしろ、『五所川原』から乗った方が便利なようです」

 『津軽中里』から十三湖を目指した人の旅行記がありました(こちら)。

み「なんか、最果ての雰囲気だね」
食「その先はもう、竜飛崎ですから」
その先はもう、竜飛崎ですから

み「十三湖も、『五所川原市』にあるの?」
食「確かそうです」
み「『五所川原』って、この次の駅だろ?」
食「ですよ」
み「竜飛崎の方まで市域が広がってるって……。
 どんだけデカい市なんだ?」
食「ちょっと、待ってください。
 そう言われてみると、自信が無くなってくるな。
 今、検索してみます。
 うーむ。
 市の面積は、404.56km2ですね」
み「とりわけデカくは無いではないか。
 細長いのか?」
食「ははぁ。
 わかりました。
 今の『五所川原市』は、平成17年に合併して出来たものです。
 『五所川原市』『北津軽郡金木町』『北津軽郡市浦村』が新設合併したんですね」
み「親切な合併って、どういうことだ?」
食「いや、そうでなくて。
 編入合併ではなく、合併して新規に設立されたということです」
み「なるほど。
 『金木町』って、太宰の出身地だろ?」
『金木町』って、太宰の出身地だろ?

食「ですね」
み「なんか、プライド高そうだもんな」
食「事情は良くわかりませんがね。
 で、合併した『市浦村』に、十三湖があるんですが……」
合併した『市浦村』に、十三湖があるんですが……

食「ここが、見事に飛び地なんですよ」
ここが、見事に飛び地なんですよ

食「間に、『北津軽郡中泊町』が入ってます。
 しかも!
 この『中泊町』も飛び地合併してます。
 北津軽郡の『中里町』と『小泊村』がひとつになって、『中泊町』ってわけです」
北津軽郡の『中里町』と『小泊村』がひとつになって、『中泊町』ってわけです

食「南から順番に云うと……。
 まず、『五所川原市』があって、その北に旧中里町の『中泊町』。
 その北に旧市浦村の『五所川原市』、さらにその北には旧小泊村の『中泊町』というわけです」
み「仲、悪いんだ」
食「ま、良いとは言えないんでしょうね」
み「やっぱ、蝦夷の血を引くから?」
やっぱ、蝦夷の血を引くから?

食「問題発言のような気がします」
み「昔、サントリーの社長が同じこと言って、問題になったよな」
食「ありましたね。
 東北は蝦夷の地とか言ったんですよね」

 調べてみると、実際にはこう言ったそうです。

「仙台遷都などアホなことを考えてる人がおるそうやけど、(中略)東北は熊襲の産地。文化的程度も極めて低い(昭和63年2月28日/TBS系列「JNN報道特集」にて)。

 言ったのは、当時、大阪商工会議所会頭だった佐治敬三(大阪生まれの大阪育ち。大阪大学卒)。
 この発言がきっかけで、東北では、サントリーの不買運動が起こったそうです。
 熊襲は九州の勢力であり、図らずも無知までさらけ出してしまったという顛末です。
たしかに、心に響きましたわな
↑たしかに、心に響きましたわな。

み「ま、関西の人にとっては、そういうイメージなんだろうね。
 『木造』から『五所川原』まで、どのくらい?」
食「6分ほどになります」
み「すぐではないか。
 停まるよね?」
食「もちろんです。
 『五所川原駅』は、五能線で唯一の終日社員配置駅ですから」
『五所川原駅』は、五能線で唯一の終日社員配置駅ですから

み「唯一ってのが、返ってスゴいわ」
食「ま、さっきも言いましたけど、津軽鉄道の『津軽五所川原駅』が隣接してますしね」
津軽鉄道の『津軽五所川原駅』が隣接してますしね
↑こちらはまた、風情ありすぎ。1人旅でこんな駅を見ると、家に帰りたくなるんじゃないでしょうか。

み「いちおう、ターミナル駅ということか。
 人口は、どのくらいなの?」
食「えーっと。
 今、調べます。
 5万6千人ですね」
み「ふむ。
 青森でそれくらいいれば、大した市ではないか」
『五所川原駅』駅前通りです
↑駅前通りです。

食「微妙にバカにしてません?」
み「気のせいじゃ」
食「青森県内では、6番目の人口になります」
み「うそ。
 もっと人の多い市が、5つもあるの!」
食「やっぱり、バカにしてますね。
 青森市、八戸市、弘前市、十和田市、むつ市の次です」
み「へー。
 八戸って、弘前より大きいんだ」
食「これは、ボクも知りませんでした」
み「五所川原の名物は……。
 やっぱり相撲か?」
食「それ、『うっちゃれ五所瓦』からの連想でしょ」
『うっちゃれ五所瓦』からの連想でしょ

食「有名な力士は出てないみたいですね。
 あ、アマチュアに大物がいました。
 田中英壽」
み「知らんぞ」
食「日大出身の元アマチュア横綱ですよ。
 日大相撲部の監督もしましたし……。
 なんと今は、日大の理事長らしいです」
田中理事長と遠藤関。どちらも、怖いですね。
↑田中理事長と遠藤関。どちらも、怖いですね。

み「相撲取りの理事長って、相撲協会だけかと思った」
食「それは、プロの大相撲でしょ」
怖さでは1枚上の、北の湖理事長
↑怖さでは1枚上の、北の湖理事長。

み「相撲が名物で無ければ……。
 ほかに、何の名物があるんだ?
 リンゴ?」
食「やっぱり、微妙にバカにしてませんか?
 確かに、米とリンゴの産地ですけど」
果肉まで赤いリンゴ。その名も『御所川原』。
↑果肉まで赤いリンゴ。その名も『御所川原』。

み「あ、あとシジミだろ。
 十三湖の」
十三湖のシジミ

食「それがありましたね。
 旧市浦村ですけどね」
旧市浦村ですけどね

み「五所川原は、米とリンゴとシジミの町。
 どんとはらい」
食「まだ払わないでください。
 最近復活した名物があるんですよ」
み「なんじゃい?」
食「ねぷたです」
ねぷたです
↑ありがちな連想。

み「青森ならどこにでもあるんじゃないの?」
食「五所川原のねぷたは、立佞武多(たちねぷた)と言われてて……。
 青森、弘前と並び称されてるんですよ。
 立佞武多という名のとおり、立ってるんです。
 高さは、22メートルもあるそうです」
高さは、22メートルもあるそうです

み「にゃにー。
 22メートルって、ビルの6階くらいあるじゃん。
 さっき、復活したとか言ってたけど……。
 こんな高さ、最近の技術だから出来るんだろ?」
食「いえいえ。
 昔からデカかったそうです。
 1830年代の天保年間には……。
 14~16メートルのねぷたが運行された記録があるそうです。
 あと、明治2年には、20メートルのねぷたを100人で担いだ記録もあるとか」
、明治2年には、20メートルのねぷたを100人で担いだ記録もあるとか
↑いつごろの写真かわかりません。構造的に危うい気がしますよね。

み「スゴいじゃん。
 でも、復活って言うからには、一度廃れたわけだろ?
 なんで?」
食「大正末期までは、まさしく隆盛を極めたそうですが……。
 やがて姿を消してしまったのは、まさしく、その高さゆえなんです」
み「どゆこと?」
食「電線ですよ。
 町中に電線が張り巡らせられるようになって……。
 ねぷたの運行が出来なくなったんです」
町中に電線が張り巡らせられるようになって、ねぷたの運行が出来なくなったんです
↑これは東京ですが。

み「あちゃー。
 インフラが整備されるのと引き換えに……」
これはインドです。こういうのを“整備”と云うのだろうか……。
↑これはインドです。こういうのを“整備”と云うのだろうか……。

み「町の名物が失われてしまったってわけか。
 でも、それが復活したってのはどういう経緯?」
食「偶然がきっかけです。
 平成5年(1993年)のこと。
 市内の民家で、先祖の遺品を整理してたところ……。
 明治大正期の立佞武多の設計図が発見されたんです」
明治大正期の立佞武多の設計図が発見されたんです

食「で、これを元に、立佞武多を復活させようと有志が立ち上がった。
 そしてついに、平成8年(1996年)、80年ぶりに復活したんです」
み「電線はどうしたんだ?」
食「もちろん、市内は電線があって引き回せませんから……。
 岩木川の河川敷で運行されたそうです」
これは、平成21年11月12日、天皇陛下即位20年をお祝いするパレードで披露された立佞武多
↑これは、平成21年11月12日、天皇陛下即位20年をお祝いするパレードで披露されたもの。

み「なるほど。
 でも、やっぱりねぷたは、町中を引き回さにゃね」
食「ま、関わった人は、みんなそういう思いだったでしょうね」
み「今も、河川敷で運行されてるの?」
食「当初は、たった1回だけの復活のはずだったんですよ。
 しかし……」
み「てことは、続いてるわけだな」
食「しかも、河川敷ではありません。
 町中です」
町中です

み「にゃに。
 電線はどうしたんだ?」
食「市民の願いに、市が応えたかたちですね。
 電線を地中に埋めるインフラ整備が行われたんです」
電線を地中に埋めるインフラ整備が行われたんです
↑ご覧のとおり!

み「そりゃスゴいわ。
 役所の職員も、ねぷたを見て血が滾ったんじゃないの?」
食「でしょうね。
 市民と行政が一体にならなきゃできない事業でしょう。
 平成10年からは……。
 五所川原の夏を彩る祭りとして、毎年運行されることになりました」
五所川原の夏を彩る祭りとして、毎年運行されることになりました

み「22メートルのねぷたが、市内を練り歩くわけだな」
22メートルのねぷたが、市内を練り歩くわけだな

律「見てみたいわね」
み「祭りは、いつなの?」
食「8月の4日~8日にかけてですね」
8月の4日~8日にかけてですね

み「あちゃー。
 新潟まつりと、時期的に重なっちゃうな」
食「立佞武多だけなら、お祭りじゃなくても見れます」
み「どこで?」
食「『立佞武多の館』ってのがあるんですよ」
『立佞武多の館』
↑洒落た建物です。

食「そこに、3台の立佞武多が収められてます」
そこに、3台の立佞武多が収められてます

食「立佞武多は、3年で引退だそうで……。
 毎年、1台ずつ更新されます。
 館内では、新作の製作や、2,3年目の立佞武多の修復も行なわれてます。
 作業を、間近で見学できるかもしれませんよ」
作業を、間近で見学できるかもしれませんよ

食「あと、見るだけじゃなくて……。
 紙を貼ったり、色を塗ったりの製作体験も出来るみたいです」


食「図面に、自分が作業した部分を示した証明書も発行されるそうです」
図面に、自分が作業した部分を示した証明書も発行されるそうです

み「なるほど。
 自分にとっての、いい土産になるね」
食「あ、家へのお土産なら、いいのがあります」
み「なんじゃい」
食「『金魚ねぷた』です」
『金魚ねぷた』です

食「1,000円で、製作体験が出来ます」
1,000円で、製作体験が出来ます

み「ほー。
 さっきの、立佞武多の製作体験はいくらなんだ?」
さっきの、立佞武多の製作体験はいくらなんだ?

食「タダです」
み「へ。
 それは、スゴいじゃん」
食「ま、手伝ってもらってるという建前ですからね。
 それに、入館料が600円しますし」
み「あらそう」
食「『金魚ねぷた』、お土産にお勧めですよ。
 可愛いですから。
 ほら」
『金魚ねぷた』、お土産にお勧めですよ

律「あら、ほんと。
 可愛いわ」
み「確かに可愛いが、これ、折りたためるの?」
食「さー」
み「このまま持って帰るの、大変だぜ」
律「それもそうね。
 バッグに入れたら、潰れちゃうわね」
み「こんな華奢なの、宅配便でも送れないしな」
このようにして持ち運ぶほか無いようです
↑このようにして持ち運ぶほか無いようです。

食「そんなら、最上階のレストランだけでも楽しみましょう」
み「ほー。
 そんなのがあるんだ」
食「展望ラウンジ『春楡(はるにれ)』です」
セルフサービス、良いじゃありませんか。無駄な人件費がかかってません。
↑セルフサービス、良いじゃありませんか。無駄な人件費がかかってません。

食「岩木山や津軽平野が一望できます」
こちらは岩木山。前方の町並みはイマイチですが。
↑こちらは岩木山。前方の町並みはイマイチですが。

み「料理はどうなの?」
食「ホタテやハタハタを使った郷土の味覚『おらほの定食』がお勧めです。
 1,380円」
『おらほの定食』。これを昼に食うか? ぜったい、熱燗だろ。
↑これを昼に食うか? ぜったい、熱燗だろ。

み「ま、ハレの日のお昼だね。
 毎日は食えんわな」
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