2013.8.24(土)
食「爪先を引っ張るといいって聞きますよ」

み「先生、引っ張って」
律「靴、脱ぎなさいよ」
み「そんな余裕があるか!」
律「じゃ、脱がしてあげるから、自分で引っ張りなさい。
はい、脱げました」
み「引っ張って!」
律「自分でやりなさい」
み「それでも、医者か!」
律「うるさい人ね。
じゃ、やってあげるわよ。
保険効かないからね。
自由診療で、36万円になります」
み「この、ハイエナ医者!」

↑ハイエナさん。友達になれそうもないですね。
み「訴えてやる!」
律「人聞きの悪い。
早く出しなさいって」
み「そんな金、出せるか」
律「足を出せって言ってるの」
み「金、払わんぞ~」
律「金の亡者ね」

み「どっちが!」
律「特別に、3万6千円でやってあげるわよ」
み「360円にしてくれ」

↑『1ドル=360円』という為替レートに、経済的根拠は無かったそうです。“円”は360度なので、360円になったとか(実話です)。こんなアホなレートが、1949年(昭和24年)から1971年(昭和46年)まで、22年間も続きました。このおかげで、日本は高度成長を遂げることができたわけです。
律「案外、余裕あるじゃない。
ほら、足、こっちに出しなさい。
えい!」
み「あ、あんぎゃー」

食「あの。
それ、逆だと思います」
律「え?
引っ張るって言ってませんでした?」
食「正しくは、爪先をふくらはぎの方に引っ張り上げるんです」

↑手が届かない人は、タオルを使いましょう。壁に足裏を押し付けてもいいです。
律「なんだ。
この人、引っ張れ、引っ張れって言うから……。
思い切り、引き下げちゃったわ」

↑ガンダムくんの足です(『HCM-Pro 55-00 ウイングガンダム』/バンダイ)。
律「最初から、そう言えばいいのにね」
食「あの。
わざとのような気が……」
律「ほほ。
やっぱり、わかります?」
食「この人、泡噴いてますけど」

律「大丈夫よ。
このくらいで死にませんって。
ほら、引っ張り上げますよ。
えい!
すごい硬い。
硬直しまくりね」

↑※注)足の間から出てるのは尻尾です。
食「ボクがやりましょうか?」
律「お願いします」
食「いきますよ。
えい!」
み「あぎゃー」

律「あ、生き返った」
み「こ、殺す気か!」

律「治った?」
み「治らんわい!」
見て、このふくらはぎ。
ぺっちゃんこ。
あたたたた。
コブラ返りとは、よう言うた」

↑これは『コブラツイスト』。なぜ、掛けられた姿勢のままでいるのでしょう? 転べば逃れられるのではないか?
律「こむら返りでしょ」
み「コブラ返り!
見てこのふくらはぎの形、怒ったコブラとそっくり」

↑ほんとに、ふくらはぎがぺちゃんこになりますよね。
律「あんたが悪いのよ。
列車の中で、ミーアキャットの真似なんかするから」

み「ミーアキャットの真似をしたのではないわ。
爪先立ちしただけだろ」

↑プロのバレリーナの素足。美しいトウシューズの中は、こうなっておるのです。
み「ほんとに悪いのは、こやつじゃ」
食「ボクですか?」
み「思わせぶりなことばっかり言うから。
おー、痛かった。
コブラ返りで大分県」
律「ぜんぜん面白くない」
み「面白いこと言う余裕なんか無いわい」
律「じゃ、治療費の請求書を書きます」

み「書くな!」
食「ほら、窓の外を見てくださいよ。
こんな景色のいいところを走ってるんですよ。
五能線の中でも、撮影ポイントのひとつです」

み「おー。
すんばらしく土地が安そうなところじゃ」
律「またそういうことを言う」
み「先生、ここいらに土地買ったら?
10万坪くらい」

↑『深川洲崎十万坪』歌川広重
律「何でわたしが、ここに土地を買うのよ?」
み「この町の名前が、苗字になった記念よ」
食「何のことですか?」
み「この先生、苗字が深浦って云うの」
食「え?
そうだったんですか。
でも、『大間越駅』から深浦町だったのに……」

食「何で教えてくれなかったんです?」
み「だって、そのころはまだ、苗字が付いてなかったのよ」
食「は?」
み「裏番組で、いろいろ進展があったのよ。
ま、わからんだろーな」
食「さっぱりわかりません」
み「ともかく!
このお方は、深浦律子先生って云うの」

み「覚えといてね。
そのうち、三面記事に名前が載るから」

律「何よそれ?」
み「医療機器メーカーから裏金取ったりして捕まるわけね」

↑福岡にある『金の箸』という料理屋さんの離れ。裏口にあるので『裏金(うらきん)』だとか。
律「失礼ね!
そんなことするもんですか。
第一、機器選定の権限なんて無いもん」
み「しようと思っても、出来んわけだな」
律「しようと思いません」
み「それで、やたら課長になりたがってたんだ」

律「何の話してんのよ」
食「ボクにもわかるように説明してください。
さっきから、意味不明な会話ばっかりですよ」
み「会話の意味を知りたかったら……。
『Mikikoのひとりごと』の『5周年 ありがとうございます』を読もう!
よし、いいぞ。
番宣終わり。
話を進めたまえ」
食「何の話してたんですっけ?」
み「バカもん!
その話のせいで、わたしがコブラ返りという重症を負ったのではないか」

↑こんな松葉杖が使えるなら……。骨折ってみてもいい?
食「あ、駅名の話でしたね。
そろそろ通過しますよ」
み「都合のいいタイミングだな」
食「今度も山側になります」
律「Mikiちゃん、立った方がいいわよ」

み「立てんわい!
脚が痛くて」
食「注目!
通過します」

み「……」
食「読めました?」
み「『リゾートしらかみ』、スピード違反なんじゃないか?」
食「そんなにスピード出てませんよ」
み「3文字だったな」

律「わたし、読めたわ」
み「動体視力を自慢するつもりだな」

律「そんなもん自慢してどうするのよ」
み「卓球が上手いことを、暗に自慢する」
律「はぁ?
卓球と動体視力が關係あるの?」
み「大ありだろ。
あんなに近い位置で、速い球やひねくれ玉を打ち返すんだから」

み「卓球のボールって、時速何キロくらい?」
食「初速、190キロと言われてますね」
み「だろ?
野球は、あれだけ離れてて、160キロのボールが打てないんだよ」

↑長嶋はプロデビュー戦で、国鉄金田の前に4打席4三振を喫します。でも、最後まで当てに来なかった長嶋に、金田は空恐ろしさを感じたとか。
み「卓球は、あの距離で190キロ!」
律「ラケットは、バットより幅が広いじゃない」
み「馬鹿たれ。
その分、長さが短いわい」
食「そういう問題じゃない気が……」
み「そう。
卓球は、当てればいいってだけじゃないの。
野球なら、変な方に打っても、ファールで打ち直し出来るけど……。
卓球は、相手のコートに入れなきゃならないのよ」

↑卓球をする宇宙人。……ではなく、卓球のラリーをするヒト型ロボットだそうです。
律「バカに力が入るわね」
み「チミは、愛ちゃん派か、佳純ちゃん派か?」
食「それはつまり、福原愛のファンか、石川佳純のファンかと聞いてるわけですね?」

み「いちいち解説せんでもいい。
2つの会派は、仲が悪いと云うではないか。
さぁ、どっちだ?
そっと教えてみれ。
対立会派にチクったりしないから、安心しなせい」

↑サザエさんで、こんな言葉を使っていいのか?
食「どっちでもありませんよ」
み「なに!
まさか、チミは……。
希少種の早矢香派か!」

↑ロンドンオリンピックで決勝進出を決め、喜ぶ3人。
食「それ、かなり失礼だと思います」
み「誤魔化しおって」
食「とにかく!
今、通過した駅名は何だったでしょう?」

み「先生に聞いて。
読めたって言ってるから」
律「最初の文字は、“風”だったわ」

食「ピンポ~ン。
正解です。
さぁ、残るは2文字」
み「当たったら、何くれるの?」
食「ボクが出すんですか?」
み「当然だろ。
問題を出す者の使命である」

食「聞いてませんけど」
み「初めて言ったんだから当然じゃ。
ケツ毛1本とか、言うなよ」
食「あの。
恥という言葉を知ってますか?」

↑五目飯屋の庭にあります(広島県世羅郡世羅町)。
み「余の辞書にはない」

↑『フォンテンブローでのナポレオン』画:ポール・ドラローシュ
食「やっぱり」
律「2文字目は……。
合格の“合”だったわ」
食「お見事!
ご~か~く」

み「まだ1文字あるだろ」
律「3文字目が難しいのよ。
画数が多くて、ゴチャゴチャっとしてたから」
み「当てたんさい、当てたんさい。
チミ、当たったらどうする気だ?
体中の毛を差し出す?」
食「何でですか!」
律「よし。
思い切って言っちゃおう。
3文字目は……。
瀬川瑛子の“瀬”」

み「例えが古い……」
律「当たってます?」
食「ドンドンドンドン。
パフパフパフ」
↑パフパフラッパを鳴らす柴犬。踏み圧が弱く、情けない音しか出ません。しかし……。この飼い主、日本人か?
み「やかましいわ!」
食「大当たりです。
スゴいですね。
あんな一瞬だったのに」
律「へへー。
どんなもんよ」

↑再登場。ドヤ顔の鳥。
み「悪事に使えそうな能力だな。
ほれチミ、どうすんだ?
身ぐるみ脱ぐか?」

↑これは、着ぐるみ脱ぐ(AVのようです)。
食「何でですか。
それに、まだ問題は終わってませんよ」
み「何でじゃ!」
食「それでは、この駅名は何と読むのでしょうか?」
み「ほんとは毛が無いんじゃないか?」

食「あります!」
み「頭の毛、引っ張ってもいい?」
食「お断りします。
あなたには、何の権利も無いでしょ」
み「代理人として交渉しておる」

↑県庁知事室を訪れた和歌山電鉄『たま駅長代理』。本物のネコの“たま”は、社長代理に昇格したそうです。
律「代理人なら、読み方の方を当ててちょうだい」
み「わたしが答えてもいいの?」
食「ま、いいでしょう」
み「ふっ。
掛かったな。
わたしが漢字の鬼と知らなかったようだな」

律「わたしも知らなかった」
み「初めて言ったのじゃ」
律「漢字なんて、ほんとに得意だった?」
み「漢字検定、十級です」

↑10級は、小学校1年生修了程度(級とレベル)。
律「聞かなきゃ良かった」
食「漢字の知識があっても、読めないと思いますけど」
み「“風”と、合格の“合”と、瀬川瑛子の“瀬”だな。
簡単ではないか。
ずばり、“ふうごうせ”だ!」
食「そのまま読んでるだけじゃないですか。
問題にならないでしょ」
み「じゃ、訓読みだな。
わかった!
“かぜあわせ”。
どうじゃ!
座布団、10枚」

食「なるほど。
意味的には合ってるかも知れませんね。
“風が合う瀬”ってことで」

み「恐れいったか。
さ、身ぐるみ脱いでもらおう」
食「残念ながら、不正解です」
み「合ってると言ったではないか!」
食「意味は合ってると言ったんです。
読みは違いますよ」
み「ヒキョーもの」

食「何でですか。
じゃ、もう当たりっこ無いので、正解を言っちゃいますね」
み「待て!」

み「ヒント!」
食「1文字目は“か”です」
み「そんなの“風”なんだから当たり前だろ!」
食「“ふう”かも知れないじゃないですか」
み「全部で何文字?」
食「3文字です」
み「ふっ。
愚か者」

食「わかったんですか?」
み「3文字目は、“せ”以外に読みようが無いではないか。
ということは、“か?せ”に決まっておる」
食「案外、鋭いですね」
み「案外は余計じゃと言っとろうが!」
食「じゃ、2文字目を当ててください。
もう、ヒントは無しですよ」
み「“合”を、1文字で読めばいいんじゃろ。
何かの読み方が、つづまったに違いない。
こういう場合、音読みではなく、訓読みの可能性が高いと見た。
つまり、さっき、“風が合う瀬”と言ったとおり……。
“合う”が1文字に変化したものじゃ」
食「案外、鋭いですね」
み「案外は止めい!」

食「じゃ、お答えを」
み「ずばり……。
“かおせ”だっ。
どうだ!
ドンドンドンドン、パフパフパフパフ」
食「車内迷惑です」

↑ネッシーなんて見たことないぞ。
み「お主もさっきやったではないか」
食「音は外してませんでした」
み「大きなお世話じゃ。
さ、当たりだろ。
身ぐるみ剥ぐのは……。
あまりにも見苦しいだろうから許してやる。
その代わり、有り金を全部出せ」

食「追い剥ぎじゃないですか」
み「キリキリ出さんかい」
食「残念ながら……。
ハズレです」

み「なにー。
そんなバカな。
ボケずに当てに行ったのに。
でも、惜しい?」
食「ぜんぜん」
み「そんなことにゃーだろ。
3文字は合ってるはずじゃ」
食「それは、最初からわかってたことじゃないですか」
み「くそー。
それじゃ、次の答えを言うぞ」
食「なんですかそれ。
もう終わりですよ」
み「1回間違っただけだろ。
今のは現役受験。
次が、1浪ね」

↑なんと、時代劇のソノシートです。子供向けだそうです。昔の子供は、渋かったんですね。
食「何浪までするつもりですか?」
み「椿三十郎」

↑有名な血しぶきシーン。
食「いい加減にしてくださいよ。
話が進まないじゃないですか」
み「次のネタを考えてないので、引き伸ばしておる」

↑静岡放送アナウンサー、重長智子さん(大阪府池田市出身)。
食「何のことですか?
ま、じゃ、1浪までは許しましょう。
答え、言ってください」
み「ずいぶん偉そうじゃな。
もしこれで当てたら、丸裸に剥いて、次の駅で放り出すぞ」
食「それじゃ追い剥ぎですって」

↑画像の詳細は、こちらで。
食「早く言ってください。
チッチッチッチ」
み「なんじゃ、その擬音は?」
食「時計の音です」

み「♪ぼーくのこーいびと、東京へ?」
食「♪イッチッチ」

食「しまった。
うっかり乗せられてしまった」
み「愚か者め。
さ、身ぐるみ剥いでもらおう」

↑素晴らしきストリーキング野郎たち。人生、楽しんでますね。
食「答えてないでしょ!
早く言ってください」
み「よし。
当てに行ってやるからな。
“かおせ”では無いと。
それじゃ、“かあせ”では……。
無いな?」
食「今の、答え言いましたよね」

み「言っとらん!
“では無いな”と、否定したではないか」
食「ぼくの顔色見たでしょ」
み「わたしが、そんなセコい真似する人に見える?」

↑往年のマラソンランナー、瀬古利彦。三遊亭楽太郎(現・円楽)に似てることで有名だったそうです。オリンピックに出て負けたのは楽太郎だったという説も……。
食「見えます」
み「断言すな!」
食「じゃ、特別に大目に見ますから……。
早く言ってください。
ラーストチャンス!」

↑“中判”とは何のことでしょう?
み「よーし。
当てたら身ぐるみ剥ぐぞ」
食「じゃ、外したらどうします?」
み「ん?
どうもせんよ」
食「それじゃ、不公平でしょ」
み「ひょっとして……。
身ぐるみ剥ごうとしてるな!
この、変質者!」

↑“インドアな変質者”だそうです。
食「ぼくを剥ごうとしてるあなたは何なんですか」
み「正義の味方です」

食「身ぐるみ剥ぐ気なんかありませんよ。
その代わり、間違ったら……。
列車の先頭から最後尾までの通路を、“どじょうすくい”しながら往復してください」

み「そんなことでけるかっ。
衣装も無いのに」

食「衣装があればやるんですか?」
み「ザルさえあればな」

食「ほんとですか?」
み「あるわけなかろ」
食「ふふふ。
さっき、見ましたよ。
車掌室の中に、ザルが下がってるの」

↑名鉄パノラマカーの車掌室。
み「ウソこけ!」
食「ここの車掌さんは、安来から転勤になったようです」

み「そんな馬鹿な!」
食「さ、答えてください」
み「くっそー。
よし、当ててやるぞ。
“かおせ”でも、“かあせ”でも無い。
よく考えたら、“お”も“あ”も、母音だな。
これは少し、発音しづらい。
ということで、子音に変化したんじゃないか?」

食「もっともらしいですね」
み「らしいとはなんじゃ」
食「ま、子音であることに間違いはないですが」
み「ほれみろ。
だーい正解」
食「まだ答えてないでしょ」
み「よし、当ててやる。
ずばり!
“かわせ”じゃ。
はい、正解」
食「どじょうすくい、確定しました」

み「ま、待てー。
まだ1浪ではないか。
30浪までいいはずだぞ」

↑織田裕二主演のリメイク版。興行はコケたようです。やっぱ、三船敏郎とじゃ、格が違うわな。
食「よくないです。
50音を1文字ずつ言っていけば、30回くらいで当たりかねません」
み「それでいいのだ」

食「よくありませんって。
もう、いいでしょ。
答えを言います」
み「そっちから中止したんだから……。
罰ゲームは無しね」
食「いいですよ。
そんなの見たってしょうがないですから」
み「しょうがないとは無礼な!
わたしの“どじょうすくい”は、太極拳の演舞を取り入れてるのじゃ」

食「そんなら、やってください」
み「1往復、36万円ね」
食「よーし。
それじゃ、車掌室からザルを借りてきます」

み「ま、待て。
冗談がわからんのか?」
食「冗談がわからんのはそっちです。
安来から転勤になるわけないでしょ。
安来の管轄は、JR西日本で、会社が違います」

み「おのれ、謀ったな」

食「それでは、答えを言います。
“かそせ”です」
み「は?
今、なに言うた?」
食「だから、“かそせ”ですって」
み「何で“そ”なのじゃ!
あり得んだろ!」

↑魂の裏拳。
食「ボクに怒らないでくださいよ」
み「ヘンすぎ。
“合う”が、どうして“そ”に転じるわけ?」
食「だから、知りませんって」
み「無責任なので、問題取り消し」

↑タカラから発売されていた『GOLDEN☆STARシリーズ』リアルドール。こんなもん、誰が買うんじゃ。
食「いいですよ、もう。
問題出して、こんなに疲れたのは初めてです」
み「修行が足りん」

↑これもまた修行のうち。
食「とにかく、難読駅名のひとつです」
み「難読って言うより、無理読だろ。
ありゃ、さっきからバカに揺れるな」
食「ここらも撮影ポイントですよ。
S字カーブになってるんです」

み「中からじゃ、撮れんな」
食「当たり前です」
食「ここらの沖合には、海馬島(とどじま)などの島があって……」

食「船釣りのポイントになってます」
み「海で鮒が釣れるわけなかろ」

↑覇亜鮒
食「船は、シップの船ですよ」
み「トドって、水族館にいる?」
食「そうです」

↑このトドは、絶滅種の化石から復元したもの。体長4.9m、体重3tだそうです。まさしく、海獣。
み「どういう字を書くわけ?」
食「海の馬ですね」
み「なるほど。
アシカウマは、そこで捕れるんだな」

食「捕れませんって」
律「驫木駅の“馬”と、何か關係あるのかしら?」
み「確かに、こんな海っ端に……。
“馬”の付いた地名が点在するってのは、ちょっと妙だよね」
律「海の馬って書く“海馬(かいば)”って、脳にある器官の名前でもあるのよ」

み「知っておりんす。
記憶に関係してる場所ではないか?」
律「へー。
何で知ってるの?」
み「インナースペース系のSF小説では、ポピュラーな用語のひとつです」
律「なるほど。
でも、ほんとに不思議な地名が続くわね」
み「“かそせ”ってのも、ホントは音が先にあったんじゃないの?」
律「どういうこと?」
み「北海道とかの地名は、アイヌ語に漢字を当てたのが多いでしょ」

食「あ、なるほど」
み「そうすれば、“そ”なんて無理な発音の意味もわかる。
音が先にあって、そこに漢字を当て込んだわけだ」
食「アイヌ語ですか?」
み「アイヌっぽくはないなぁ」

律「じゃ、何語よ?」
み「アシカウマ語」
食「もういいです。
あ、もうひとつ駅を通過します」
み「難読か?」
食「今度は普通に読めます」
み「立った方がいいか?」
食「立たないでください」

↑画像的に珍しい、座ってるミーアキャット。修行僧のようです。
食「後が面倒なんだから。
はい、通過します。
目に焼き付けてください」
み「何でよ?」
食「建て替えられる寸前ですから。
見納めですよ」

み「どう考えても……。
漁師の番屋よりお粗末に見えるのだが」
食「地元の人にとっては、大切な駅です」
み「何て書いてあった?」

律「読めなかったの?」
み「小屋に目が行ってしまっての」
律「簡単だったわよ。
最後の一文字が、同じ“瀬”だったから。
大小の“大”に、戸板の“戸”。
最後が……」
み「瀬川瑛子の“瀬”?」
律「そうよ」

み「先生……。
瀬川瑛子はいいとして、戸板は古いでしょ」

み「今の若い子は、わからないわよ」
律「そうなの?
有名じゃない、“戸板返し”って」
み「それは、歌舞伎でしょ。
四谷怪談」

↑鶴屋南北:作『東海道四谷怪談』/三幕目・砂村隠亡堀の場(お岩と小平の死体が表裏に釘付けされた戸板が漂着)

み「先生、引っ張って」
律「靴、脱ぎなさいよ」
み「そんな余裕があるか!」
律「じゃ、脱がしてあげるから、自分で引っ張りなさい。
はい、脱げました」
み「引っ張って!」
律「自分でやりなさい」
み「それでも、医者か!」
律「うるさい人ね。
じゃ、やってあげるわよ。
保険効かないからね。
自由診療で、36万円になります」
み「この、ハイエナ医者!」

↑ハイエナさん。友達になれそうもないですね。
み「訴えてやる!」
律「人聞きの悪い。
早く出しなさいって」
み「そんな金、出せるか」
律「足を出せって言ってるの」
み「金、払わんぞ~」
律「金の亡者ね」

み「どっちが!」
律「特別に、3万6千円でやってあげるわよ」
み「360円にしてくれ」

↑『1ドル=360円』という為替レートに、経済的根拠は無かったそうです。“円”は360度なので、360円になったとか(実話です)。こんなアホなレートが、1949年(昭和24年)から1971年(昭和46年)まで、22年間も続きました。このおかげで、日本は高度成長を遂げることができたわけです。
律「案外、余裕あるじゃない。
ほら、足、こっちに出しなさい。
えい!」
み「あ、あんぎゃー」

食「あの。
それ、逆だと思います」
律「え?
引っ張るって言ってませんでした?」
食「正しくは、爪先をふくらはぎの方に引っ張り上げるんです」

↑手が届かない人は、タオルを使いましょう。壁に足裏を押し付けてもいいです。
律「なんだ。
この人、引っ張れ、引っ張れって言うから……。
思い切り、引き下げちゃったわ」

↑ガンダムくんの足です(『HCM-Pro 55-00 ウイングガンダム』/バンダイ)。
律「最初から、そう言えばいいのにね」
食「あの。
わざとのような気が……」
律「ほほ。
やっぱり、わかります?」
食「この人、泡噴いてますけど」

律「大丈夫よ。
このくらいで死にませんって。
ほら、引っ張り上げますよ。
えい!
すごい硬い。
硬直しまくりね」

↑※注)足の間から出てるのは尻尾です。
食「ボクがやりましょうか?」
律「お願いします」
食「いきますよ。
えい!」
み「あぎゃー」

律「あ、生き返った」
み「こ、殺す気か!」

律「治った?」
み「治らんわい!」
見て、このふくらはぎ。
ぺっちゃんこ。
あたたたた。
コブラ返りとは、よう言うた」

↑これは『コブラツイスト』。なぜ、掛けられた姿勢のままでいるのでしょう? 転べば逃れられるのではないか?
律「こむら返りでしょ」
み「コブラ返り!
見てこのふくらはぎの形、怒ったコブラとそっくり」

↑ほんとに、ふくらはぎがぺちゃんこになりますよね。
律「あんたが悪いのよ。
列車の中で、ミーアキャットの真似なんかするから」

み「ミーアキャットの真似をしたのではないわ。
爪先立ちしただけだろ」

↑プロのバレリーナの素足。美しいトウシューズの中は、こうなっておるのです。
み「ほんとに悪いのは、こやつじゃ」
食「ボクですか?」
み「思わせぶりなことばっかり言うから。
おー、痛かった。
コブラ返りで大分県」
律「ぜんぜん面白くない」
み「面白いこと言う余裕なんか無いわい」
律「じゃ、治療費の請求書を書きます」

み「書くな!」
食「ほら、窓の外を見てくださいよ。
こんな景色のいいところを走ってるんですよ。
五能線の中でも、撮影ポイントのひとつです」

み「おー。
すんばらしく土地が安そうなところじゃ」
律「またそういうことを言う」
み「先生、ここいらに土地買ったら?
10万坪くらい」

↑『深川洲崎十万坪』歌川広重
律「何でわたしが、ここに土地を買うのよ?」
み「この町の名前が、苗字になった記念よ」
食「何のことですか?」
み「この先生、苗字が深浦って云うの」
食「え?
そうだったんですか。
でも、『大間越駅』から深浦町だったのに……」

食「何で教えてくれなかったんです?」
み「だって、そのころはまだ、苗字が付いてなかったのよ」
食「は?」
み「裏番組で、いろいろ進展があったのよ。
ま、わからんだろーな」
食「さっぱりわかりません」
み「ともかく!
このお方は、深浦律子先生って云うの」

み「覚えといてね。
そのうち、三面記事に名前が載るから」

律「何よそれ?」
み「医療機器メーカーから裏金取ったりして捕まるわけね」

↑福岡にある『金の箸』という料理屋さんの離れ。裏口にあるので『裏金(うらきん)』だとか。
律「失礼ね!
そんなことするもんですか。
第一、機器選定の権限なんて無いもん」
み「しようと思っても、出来んわけだな」
律「しようと思いません」
み「それで、やたら課長になりたがってたんだ」

律「何の話してんのよ」
食「ボクにもわかるように説明してください。
さっきから、意味不明な会話ばっかりですよ」
み「会話の意味を知りたかったら……。
『Mikikoのひとりごと』の『5周年 ありがとうございます』を読もう!
よし、いいぞ。
番宣終わり。
話を進めたまえ」
食「何の話してたんですっけ?」
み「バカもん!
その話のせいで、わたしがコブラ返りという重症を負ったのではないか」

↑こんな松葉杖が使えるなら……。骨折ってみてもいい?
食「あ、駅名の話でしたね。
そろそろ通過しますよ」
み「都合のいいタイミングだな」
食「今度も山側になります」
律「Mikiちゃん、立った方がいいわよ」

み「立てんわい!
脚が痛くて」
食「注目!
通過します」

み「……」
食「読めました?」
み「『リゾートしらかみ』、スピード違反なんじゃないか?」
食「そんなにスピード出てませんよ」
み「3文字だったな」

律「わたし、読めたわ」
み「動体視力を自慢するつもりだな」

律「そんなもん自慢してどうするのよ」
み「卓球が上手いことを、暗に自慢する」
律「はぁ?
卓球と動体視力が關係あるの?」
み「大ありだろ。
あんなに近い位置で、速い球やひねくれ玉を打ち返すんだから」

み「卓球のボールって、時速何キロくらい?」
食「初速、190キロと言われてますね」
み「だろ?
野球は、あれだけ離れてて、160キロのボールが打てないんだよ」

↑長嶋はプロデビュー戦で、国鉄金田の前に4打席4三振を喫します。でも、最後まで当てに来なかった長嶋に、金田は空恐ろしさを感じたとか。
み「卓球は、あの距離で190キロ!」
律「ラケットは、バットより幅が広いじゃない」
み「馬鹿たれ。
その分、長さが短いわい」
食「そういう問題じゃない気が……」
み「そう。
卓球は、当てればいいってだけじゃないの。
野球なら、変な方に打っても、ファールで打ち直し出来るけど……。
卓球は、相手のコートに入れなきゃならないのよ」

↑卓球をする宇宙人。……ではなく、卓球のラリーをするヒト型ロボットだそうです。
律「バカに力が入るわね」
み「チミは、愛ちゃん派か、佳純ちゃん派か?」
食「それはつまり、福原愛のファンか、石川佳純のファンかと聞いてるわけですね?」

み「いちいち解説せんでもいい。
2つの会派は、仲が悪いと云うではないか。
さぁ、どっちだ?
そっと教えてみれ。
対立会派にチクったりしないから、安心しなせい」

↑サザエさんで、こんな言葉を使っていいのか?
食「どっちでもありませんよ」
み「なに!
まさか、チミは……。
希少種の早矢香派か!」

↑ロンドンオリンピックで決勝進出を決め、喜ぶ3人。
食「それ、かなり失礼だと思います」
み「誤魔化しおって」
食「とにかく!
今、通過した駅名は何だったでしょう?」

み「先生に聞いて。
読めたって言ってるから」
律「最初の文字は、“風”だったわ」

食「ピンポ~ン。
正解です。
さぁ、残るは2文字」
み「当たったら、何くれるの?」
食「ボクが出すんですか?」
み「当然だろ。
問題を出す者の使命である」

食「聞いてませんけど」
み「初めて言ったんだから当然じゃ。
ケツ毛1本とか、言うなよ」
食「あの。
恥という言葉を知ってますか?」

↑五目飯屋の庭にあります(広島県世羅郡世羅町)。
み「余の辞書にはない」

↑『フォンテンブローでのナポレオン』画:ポール・ドラローシュ
食「やっぱり」
律「2文字目は……。
合格の“合”だったわ」
食「お見事!
ご~か~く」

み「まだ1文字あるだろ」
律「3文字目が難しいのよ。
画数が多くて、ゴチャゴチャっとしてたから」
み「当てたんさい、当てたんさい。
チミ、当たったらどうする気だ?
体中の毛を差し出す?」
食「何でですか!」
律「よし。
思い切って言っちゃおう。
3文字目は……。
瀬川瑛子の“瀬”」

み「例えが古い……」
律「当たってます?」
食「ドンドンドンドン。
パフパフパフ」
↑パフパフラッパを鳴らす柴犬。踏み圧が弱く、情けない音しか出ません。しかし……。この飼い主、日本人か?
み「やかましいわ!」
食「大当たりです。
スゴいですね。
あんな一瞬だったのに」
律「へへー。
どんなもんよ」

↑再登場。ドヤ顔の鳥。
み「悪事に使えそうな能力だな。
ほれチミ、どうすんだ?
身ぐるみ脱ぐか?」

↑これは、着ぐるみ脱ぐ(AVのようです)。
食「何でですか。
それに、まだ問題は終わってませんよ」
み「何でじゃ!」
食「それでは、この駅名は何と読むのでしょうか?」
み「ほんとは毛が無いんじゃないか?」

食「あります!」
み「頭の毛、引っ張ってもいい?」
食「お断りします。
あなたには、何の権利も無いでしょ」
み「代理人として交渉しておる」

↑県庁知事室を訪れた和歌山電鉄『たま駅長代理』。本物のネコの“たま”は、社長代理に昇格したそうです。
律「代理人なら、読み方の方を当ててちょうだい」
み「わたしが答えてもいいの?」
食「ま、いいでしょう」
み「ふっ。
掛かったな。
わたしが漢字の鬼と知らなかったようだな」

律「わたしも知らなかった」
み「初めて言ったのじゃ」
律「漢字なんて、ほんとに得意だった?」
み「漢字検定、十級です」

↑10級は、小学校1年生修了程度(級とレベル)。
律「聞かなきゃ良かった」
食「漢字の知識があっても、読めないと思いますけど」
み「“風”と、合格の“合”と、瀬川瑛子の“瀬”だな。
簡単ではないか。
ずばり、“ふうごうせ”だ!」
食「そのまま読んでるだけじゃないですか。
問題にならないでしょ」
み「じゃ、訓読みだな。
わかった!
“かぜあわせ”。
どうじゃ!
座布団、10枚」

食「なるほど。
意味的には合ってるかも知れませんね。
“風が合う瀬”ってことで」

み「恐れいったか。
さ、身ぐるみ脱いでもらおう」
食「残念ながら、不正解です」
み「合ってると言ったではないか!」
食「意味は合ってると言ったんです。
読みは違いますよ」
み「ヒキョーもの」

食「何でですか。
じゃ、もう当たりっこ無いので、正解を言っちゃいますね」
み「待て!」

み「ヒント!」
食「1文字目は“か”です」
み「そんなの“風”なんだから当たり前だろ!」
食「“ふう”かも知れないじゃないですか」
み「全部で何文字?」
食「3文字です」
み「ふっ。
愚か者」

食「わかったんですか?」
み「3文字目は、“せ”以外に読みようが無いではないか。
ということは、“か?せ”に決まっておる」
食「案外、鋭いですね」
み「案外は余計じゃと言っとろうが!」
食「じゃ、2文字目を当ててください。
もう、ヒントは無しですよ」
み「“合”を、1文字で読めばいいんじゃろ。
何かの読み方が、つづまったに違いない。
こういう場合、音読みではなく、訓読みの可能性が高いと見た。
つまり、さっき、“風が合う瀬”と言ったとおり……。
“合う”が1文字に変化したものじゃ」
食「案外、鋭いですね」
み「案外は止めい!」

食「じゃ、お答えを」
み「ずばり……。
“かおせ”だっ。
どうだ!
ドンドンドンドン、パフパフパフパフ」
食「車内迷惑です」

↑ネッシーなんて見たことないぞ。
み「お主もさっきやったではないか」
食「音は外してませんでした」
み「大きなお世話じゃ。
さ、当たりだろ。
身ぐるみ剥ぐのは……。
あまりにも見苦しいだろうから許してやる。
その代わり、有り金を全部出せ」

食「追い剥ぎじゃないですか」
み「キリキリ出さんかい」
食「残念ながら……。
ハズレです」

み「なにー。
そんなバカな。
ボケずに当てに行ったのに。
でも、惜しい?」
食「ぜんぜん」
み「そんなことにゃーだろ。
3文字は合ってるはずじゃ」
食「それは、最初からわかってたことじゃないですか」
み「くそー。
それじゃ、次の答えを言うぞ」
食「なんですかそれ。
もう終わりですよ」
み「1回間違っただけだろ。
今のは現役受験。
次が、1浪ね」

↑なんと、時代劇のソノシートです。子供向けだそうです。昔の子供は、渋かったんですね。
食「何浪までするつもりですか?」
み「椿三十郎」

↑有名な血しぶきシーン。
食「いい加減にしてくださいよ。
話が進まないじゃないですか」
み「次のネタを考えてないので、引き伸ばしておる」

↑静岡放送アナウンサー、重長智子さん(大阪府池田市出身)。
食「何のことですか?
ま、じゃ、1浪までは許しましょう。
答え、言ってください」
み「ずいぶん偉そうじゃな。
もしこれで当てたら、丸裸に剥いて、次の駅で放り出すぞ」
食「それじゃ追い剥ぎですって」

↑画像の詳細は、こちらで。
食「早く言ってください。
チッチッチッチ」
み「なんじゃ、その擬音は?」
食「時計の音です」

み「♪ぼーくのこーいびと、東京へ?」
食「♪イッチッチ」

食「しまった。
うっかり乗せられてしまった」
み「愚か者め。
さ、身ぐるみ剥いでもらおう」

↑素晴らしきストリーキング野郎たち。人生、楽しんでますね。
食「答えてないでしょ!
早く言ってください」
み「よし。
当てに行ってやるからな。
“かおせ”では無いと。
それじゃ、“かあせ”では……。
無いな?」
食「今の、答え言いましたよね」

み「言っとらん!
“では無いな”と、否定したではないか」
食「ぼくの顔色見たでしょ」
み「わたしが、そんなセコい真似する人に見える?」

↑往年のマラソンランナー、瀬古利彦。三遊亭楽太郎(現・円楽)に似てることで有名だったそうです。オリンピックに出て負けたのは楽太郎だったという説も……。
食「見えます」
み「断言すな!」
食「じゃ、特別に大目に見ますから……。
早く言ってください。
ラーストチャンス!」

↑“中判”とは何のことでしょう?
み「よーし。
当てたら身ぐるみ剥ぐぞ」
食「じゃ、外したらどうします?」
み「ん?
どうもせんよ」
食「それじゃ、不公平でしょ」
み「ひょっとして……。
身ぐるみ剥ごうとしてるな!
この、変質者!」

↑“インドアな変質者”だそうです。
食「ぼくを剥ごうとしてるあなたは何なんですか」
み「正義の味方です」

食「身ぐるみ剥ぐ気なんかありませんよ。
その代わり、間違ったら……。
列車の先頭から最後尾までの通路を、“どじょうすくい”しながら往復してください」

み「そんなことでけるかっ。
衣装も無いのに」

食「衣装があればやるんですか?」
み「ザルさえあればな」

食「ほんとですか?」
み「あるわけなかろ」
食「ふふふ。
さっき、見ましたよ。
車掌室の中に、ザルが下がってるの」

↑名鉄パノラマカーの車掌室。
み「ウソこけ!」
食「ここの車掌さんは、安来から転勤になったようです」

み「そんな馬鹿な!」
食「さ、答えてください」
み「くっそー。
よし、当ててやるぞ。
“かおせ”でも、“かあせ”でも無い。
よく考えたら、“お”も“あ”も、母音だな。
これは少し、発音しづらい。
ということで、子音に変化したんじゃないか?」

食「もっともらしいですね」
み「らしいとはなんじゃ」
食「ま、子音であることに間違いはないですが」
み「ほれみろ。
だーい正解」
食「まだ答えてないでしょ」
み「よし、当ててやる。
ずばり!
“かわせ”じゃ。
はい、正解」
食「どじょうすくい、確定しました」

み「ま、待てー。
まだ1浪ではないか。
30浪までいいはずだぞ」

↑織田裕二主演のリメイク版。興行はコケたようです。やっぱ、三船敏郎とじゃ、格が違うわな。
食「よくないです。
50音を1文字ずつ言っていけば、30回くらいで当たりかねません」
み「それでいいのだ」

食「よくありませんって。
もう、いいでしょ。
答えを言います」
み「そっちから中止したんだから……。
罰ゲームは無しね」
食「いいですよ。
そんなの見たってしょうがないですから」
み「しょうがないとは無礼な!
わたしの“どじょうすくい”は、太極拳の演舞を取り入れてるのじゃ」

食「そんなら、やってください」
み「1往復、36万円ね」
食「よーし。
それじゃ、車掌室からザルを借りてきます」

み「ま、待て。
冗談がわからんのか?」
食「冗談がわからんのはそっちです。
安来から転勤になるわけないでしょ。
安来の管轄は、JR西日本で、会社が違います」

み「おのれ、謀ったな」

食「それでは、答えを言います。
“かそせ”です」
み「は?
今、なに言うた?」
食「だから、“かそせ”ですって」
み「何で“そ”なのじゃ!
あり得んだろ!」

↑魂の裏拳。
食「ボクに怒らないでくださいよ」
み「ヘンすぎ。
“合う”が、どうして“そ”に転じるわけ?」
食「だから、知りませんって」
み「無責任なので、問題取り消し」

↑タカラから発売されていた『GOLDEN☆STARシリーズ』リアルドール。こんなもん、誰が買うんじゃ。
食「いいですよ、もう。
問題出して、こんなに疲れたのは初めてです」
み「修行が足りん」

↑これもまた修行のうち。
食「とにかく、難読駅名のひとつです」
み「難読って言うより、無理読だろ。
ありゃ、さっきからバカに揺れるな」
食「ここらも撮影ポイントですよ。
S字カーブになってるんです」

み「中からじゃ、撮れんな」
食「当たり前です」
食「ここらの沖合には、海馬島(とどじま)などの島があって……」

食「船釣りのポイントになってます」
み「海で鮒が釣れるわけなかろ」

↑覇亜鮒
食「船は、シップの船ですよ」
み「トドって、水族館にいる?」
食「そうです」

↑このトドは、絶滅種の化石から復元したもの。体長4.9m、体重3tだそうです。まさしく、海獣。
み「どういう字を書くわけ?」
食「海の馬ですね」
み「なるほど。
アシカウマは、そこで捕れるんだな」

食「捕れませんって」
律「驫木駅の“馬”と、何か關係あるのかしら?」
み「確かに、こんな海っ端に……。
“馬”の付いた地名が点在するってのは、ちょっと妙だよね」
律「海の馬って書く“海馬(かいば)”って、脳にある器官の名前でもあるのよ」

み「知っておりんす。
記憶に関係してる場所ではないか?」
律「へー。
何で知ってるの?」
み「インナースペース系のSF小説では、ポピュラーな用語のひとつです」
律「なるほど。
でも、ほんとに不思議な地名が続くわね」
み「“かそせ”ってのも、ホントは音が先にあったんじゃないの?」
律「どういうこと?」
み「北海道とかの地名は、アイヌ語に漢字を当てたのが多いでしょ」

食「あ、なるほど」
み「そうすれば、“そ”なんて無理な発音の意味もわかる。
音が先にあって、そこに漢字を当て込んだわけだ」
食「アイヌ語ですか?」
み「アイヌっぽくはないなぁ」

律「じゃ、何語よ?」
み「アシカウマ語」
食「もういいです。
あ、もうひとつ駅を通過します」
み「難読か?」
食「今度は普通に読めます」
み「立った方がいいか?」
食「立たないでください」

↑画像的に珍しい、座ってるミーアキャット。修行僧のようです。
食「後が面倒なんだから。
はい、通過します。
目に焼き付けてください」
み「何でよ?」
食「建て替えられる寸前ですから。
見納めですよ」

み「どう考えても……。
漁師の番屋よりお粗末に見えるのだが」
食「地元の人にとっては、大切な駅です」
み「何て書いてあった?」

律「読めなかったの?」
み「小屋に目が行ってしまっての」
律「簡単だったわよ。
最後の一文字が、同じ“瀬”だったから。
大小の“大”に、戸板の“戸”。
最後が……」
み「瀬川瑛子の“瀬”?」
律「そうよ」

み「先生……。
瀬川瑛子はいいとして、戸板は古いでしょ」

み「今の若い子は、わからないわよ」
律「そうなの?
有名じゃない、“戸板返し”って」
み「それは、歌舞伎でしょ。
四谷怪談」

↑鶴屋南北:作『東海道四谷怪談』/三幕目・砂村隠亡堀の場(お岩と小平の死体が表裏に釘付けされた戸板が漂着)