2012.11.24(土)
み「待てよ?
缶詰にバクダンなんて入るのか?」
律「切ってあるんじゃないの?」

み「黄身が溶けちゃうだろ」
食「丸ごと入ってますよ」

み「どうやって?」
食「ウズラの卵です」

み「なんだ!
先生、ウズラだけどいい?」
律「ま、仕方ないわね。
それじゃ、ツミレもね」

み「何で、卵とツミレが“それじゃ”なのよ?」
律「丸いもの繋がり」

み「妙なとこで繋げたね。
ツミレの具は、鶏肉?」

食「魚肉です。
イワシじゃないですか?」

み「先生、止めときな」
律「何でよ?」
み「イワシは、痛風に悪い」

律「わたしに関係ないでしょ。
痛風は男性の病気よ」

み「そうなの?」
律「痛風患者の98.5%が男性。
ツミレ、お食べなさい」

み「もともと嫌いだからパス」

律「何で嫌いなの?」
み「嫌いっていうか……。
歯ざわりの曖昧なのは、美味しいと思わない」

律「年取ったら困るわよ。
そういうのしか食べられなくなるんだから」

み「でも、オデンの具に、固いものなんて無いでしょ?」

律「それは言えてるわね。
じゃ、あんたは全部パス。
わたしがみんな食べる」
み「何で!」
律「牛すじの“すじ”だけあげる」

律「歯ざわりいいわよ」
食「ボクは、何にしようかな」
み「食う気か。
図々しいヤツ」
食「何でですか。
架空の話でしょ」

↑架空の路線図です。原典では、もっと右にも続きます。
み「じゃ、チミは“こんにゃく”だけ」

↑食べるらしいです(こちら)。
食「何で、“だけ”なんです?」
み「もちろん、ダイエットのためだろ」

み「ほかのことに使うなよ」

食「何に使うんですか?」
み「知ってるくせにー」
食「Mikiちゃん、やめときなさい」
み「へいへい。
それじゃ、あとは……。
何にしようかな?
豆腐、あったっけ?」

食「ありません」
み「何で?」
食「崩れやすいのは、入ってないんですよ」

律「それよりあなた、歯ざわりの無いのは美味しくないんでしょ?」

み「焼き豆腐は、歯ざわりあるじゃん」

食「さて……。
ここで問題です」

み「出たな」
食「おでん缶は、どうやって食べるでしょう?」
み「どうやってって、どういう意味よ?
調理不要で、そのまま食べれるんだろ」

↑中身を出してみたところ。
食「だから、食べる方法ですよ。
いいですか。
オデンが、細長い缶に入ってるんですよ」

食「どうやって、具を取り出しますか?」
み「取り出しません。
逆さにして丸呑みします」

食「ポパイじゃあるまいし……」

食「ノド詰まって死にますよ」

み「お箸が付いてるんでしょ?」

食「残念ながら、付いてません」
み「お皿が付いてる」

食「付いてません。
缶だけです」
み「おりょ。
そう言えば、先生。
フェリーに、カップヌードルの自販機あったよね」

律「そうだった?」
み「あったってば。
あれって、どうやって食べるのかな」
律「フォークが付いてるんじゃないの?」

み「なんでフォークなのよ?
普通、お箸でしょ」
律「もともとカップヌードルって、フォークで食べたのよ」
み「なぜに?」
律「さぁ」
み「はい、チミ。
間髪入れず、解説」
食「日本だけじゃなく……。
海外でも食べられることを想定してたからですよ」

↑左の海外用パッケージでは、綴りが“NOODLES”と、語尾に“S”が付いてます。
律「CMなんかでも、必ずフォークで食べてたわよ」

↑豪快に食すシュワちゃん。
律「そういうもんだと思ってたから……。
お箸で食べるなんて、考えつかなかったかも」

み「でも、フォークじゃ、熱いでしょ。
熱が伝わって」

律「金属じゃないのよ。
プラスチックのフォーク。
透明で、小さくて、華奢なフォークだった」

律「男性は、食べにくかったんじゃないかしら」
み「ふーん。
カップヌードルって、いつごろからあったの?」

↑カップヌードルの誕生日を祝うイベントだそうです。
食「発売は、昭和46年です」

↑仮面ライダーの放送が始まった年でもあります。
み「よくそんなことまで覚えてるな」
食「その翌年の昭和47年に……。
カップヌードルにとって、重大な事件が起きてますから」
み「どんな事件よ?」
食「あさま山荘事件です」

み「聞いたことある」
律「連合赤軍が、山荘に人質を取って立てこもったのよ」

み「それとカップヌードルが、どう関係してるわけ?」

食「テレビです。
連合赤軍の籠城は、10日も続きました。
この間、テレビがずっと生中継したんですよ」

↑山の斜面に建つ山荘は、まさしく難攻不落の“山城”だったそうです。
み「だから、それがどう関係してるっての?」
食「浅間山荘は……。
その名のとおり、浅間山を望む軽井沢の別荘地にあります」

食「事件が起こったのは、2月。
厳冬の時期です」

食「現場には、大量の機動隊員が集められました」

食「しかし事件は、長期戦の様相を呈してきました。
で、隊員らに食べさせる弁当を、麓から調達したんですが……。
氷点下15度の寒さの中、ガチガチに凍ってしまい、箸も刺さりません。
で、代わりに用意されたのが、カップヌードルです。
お湯を注ぐだけで食べられるわけですから」

食「実際、最初の大口顧客は、自衛隊だったそうですし」

食「でも、一般的には、あまり売れてませんでした」
み「なんで?」
食「高かったんですよ。
当時の小売価格は、100円。
袋麺が25円ですから、4倍もしたわけです」

食「小売店は、見向きもしなかったそうです」
み「あさま山荘事件で、警察が購入したのはわかったけど……。
劇的なほどは売れないだろ?」

↑銀座の歩行者天国で。あさま山荘事件の3ヶ月前。もちろん、販促用のやらせです。
食「宣伝効果ですよ。
氷点下15度の雪の中……。
隊員たちは、湯気の立つカップヌードルを、美味しそうに食べました」

食「その様子が、繰り返し中継されたわけです。
生中継の最高視聴率は、89.7%だったそうです」

食「国民のほとんどが、固唾を飲んで見守ってる番組で……。
カップヌードルを食べる隊員の姿が、ドアップで延々と映されたんです」

↑横浜市の『カップヌードルミュージアム』の展示
食「宣伝効果は、まさにビッグバン的でした。
局には、隊員が食べてるのはいったい何だという問い合わせが殺到したそうです」

食「カップヌードルの売上は、発売初年度2億円でしたが……。
あさま山荘事件の起きた翌年は、67億円。
実に、33.5倍に跳ねあがったんですね」
み「ほー。
日清食品にとっては、まさに神風が吹いたってことだね」

食「あの事件が無かったら……。
カップヌードルの普及は、ずっと遅れてたでしょうね」

↑新潟では、自販機は1度も見たことありません。
み「やっぱ、昭和って、面白い時代だったね」

食「ですね。
無条件に未来を信じられた時代でした。
昭和最後の締めくくりが、バブルとその崩壊だったってのも……」

食「すごく象徴的です」
み「日本人の幸せな時代は、昭和とともに終わったってことか」

律「しみじみしちゃったわね」
み「何でカップヌードルの話になったんだ?」

↑カップヌードルを発明した安藤百福(ももふく)『カップヌードルミュージアム』。
食「元は、おでん缶の話でしたよ」

み「そうだった」
食「細長い缶に入ったおでんは、どうやって食べるのでしょうか?」

み「指突っこんで食べる」

食「ヤケドしますよ」

食「熱々なんだから」
み「冷めてから食べる」

食「夏場は、冷やした缶も売ってますけど……」

食「冬なんか、熱々を食べなきゃ意味ないでしょ」
み「口突っこんで、舌で絡めとる」

食「だから、熱いんですって」
み「そう言えば昔……。
ボビー・オロゴンに鍋料理食べさせたら……」

み「いきなり、鍋に手を突っこんだそうよ」
律「妙な話ばっかり知ってるんだから」
み「結局、どうするんだよ」
食「まず、おもむろに、汁を飲みます」

↑こーゆーのは、やめましょう。
食「熱いので気をつけてください」
み「はい、飲みました」
食「そしたら、見えてきたでしょ?」

み「何が?」
食「串です。
そいつを、引き上げます。
何が付いて来ました?」
み「焼き鳥?」

↑ほんとに、焼き鳥缶もあった!
食「おでん缶ですって!
三角のこんにゃくに、串が刺さってるんです」

み「そのこんにゃくを、どうするっての?」
食「食べます」

み「食うのかよ!
何の芸も無いじゃん」
食「こんにゃくに芸はなくとも……。
串が残りますね」

食「これを得るために、まず、こんにゃくを食べたわけです。
この串で、次々と具材を刺して食べ進んでいくわけです」

↑ウズラの卵は、簡単には刺さらないそうです。
み「こんにゃくを最初に食べたくない人はどうするんだ?」

食「そんな人、いるんですか?」
み「世の中には、そういう人もいると思うぞ」
食「串だけ抜いて、こんにゃくは後から食べればいいでしょ」

み「どうやって抜くの?」
食「歯でこんにゃくを噛んで、引き抜くんです」

み「噛んだら、そのまま食べればいいじゃないの」
↑こんにゃくをバクバク食うネコ。
食「あなたが言ったんでしょ!
こんにゃくを最初に食べたくない人はどうするって」

み「そうだっけ?」
律「でも、あれよね。
カップ麺とか、おでん缶とかって……。
災害時の非常食としても、ぜったい有用よ」

み「そうだね」
食「カップヌードルの最初の大口顧客は、自衛隊でしたが……。
自衛隊が評価したのは、“完全調理済食品”ってことでした」

み「わたしの同僚で……。
カップ麺を机の引き出しに備蓄してる女がいるよ」

律「災害に備えて?」

み「そんなわけないでしょ。
空腹に備えてよ」

み「引き出しを開けるたびに、数を数えて……」

み「誰かに食べられてないか、確認してる」
律「なかなか、味のある性格ね。
でも、災害とかで、会社から出られなくなったときには……。
先見の明があったってことになるわよね」

み「そいつ、とんでもない高値で売るかもな」

律「独り占めにして、誰にもあげないんじゃない?」

み「それは……。
考えが甘かろーぜ」
律「どうして?」
み「そんなことしたら、大反発食うでしょ。
力づくで強奪されたら元も子もないじゃない」

み「だから、救助隊の来る時間を計算しながら……。
出来るだけ高値で売り抜けようとするわけよ」

律「その人って、ほんとはMikiちゃんじゃないの?」

み「なんでよ!
わたしはお昼食べないから、カップ麺なんか備蓄してないわい」

律「でも、何でカップ麺の話になったのよ?」
み「うーむ。
あ、おでん缶の話してたじゃない」
律「おでんとラーメンが、どう繋がったのよ?」

↑ファミマのようです。あんまり食べたくないなぁ。
み「はい、チミ。
プレイバック」

食「ボクですか?
記録係じゃないんですから」

み「ついさっきのことだろ」
食「それは、お互いさまでしょ。
あ、そうそう。
自販機繋がりですよ。
自販機のおでん缶の話してたら……」

食「フェーリーに、カップヌードルの自販機があったって話題に飛んだんです」

み「誰だ、話を散らかすのは?」
食「あなたしかいません」
み「失敬なやつ。
まぁ、いい。
じゃ、その前は?
何で、おでんの話になったの?」
律「それなら、わたしが覚えてる」
み「なに?」
律「オタクの人が太ってるのは……。
秋葉原のおでん缶を食べてるからじゃないかってことからよ」

み「しょーもない!」
律「あんたが言い出したんでしょ!」
み「そもそも、何でオタクが出てきたんだよ」
食「それは、ボクが覚えてます。
悪口言われましたから」

み「どんな?」
食「アイドル系のオタクだろうって」

み「何で、そんな話になったんだよ?」
食「『スケバン刑事』の話ですよ」

み「おー。
懐かしのスケバン刑事。
思い出した思い出した」
律「そうそう。
昔の刑事は、ジーパン履いてたり……」

律「セーラー服着てたって話からよ」
み「よれ絡む糸が、ようやくほぐれて来たな」

食「元は、刑事の靴の話でしたね」

み「あぁ。
同じ靴履いてるってネタね。
ところで……。
オタクって、どうして太ってるの?」

食「まだそこに留まるんですか!」
み「わからんと、すっきりせんもの」
律「こういう人っているのよ。
それほどバカじゃないのに、試験の成績とかはダメなタイプ」

み「何で試験がダメなんだよ」
律「わからない問題に時間使っちゃって……。
出来る問題があるのに、時間が足りないからよ」

み「わたしが、そんなバカに見えるか?
お前がうなずくな!」

↑まったく関係ありませんが、たまたま見つけてしまった、お弁当画像です。開けたら仰け反るでしょうね。
食「痛っ!
雑誌で叩かないでくださいよ。
何ですか、その雑誌。
やたら効くんですけど」

↑雑誌を添え木にする方法(参照)。
み「偉大なアンチョコ、『るるぶ』の威力を見よ」

み「なんなら、『まっぷる』も食らってみるか?」

食「けっこうです。
おー、痛」
み「今、シャレ言おうとしたな?」
食「してませんよ。
どんなシャレですか」
み「頭を叩かれ、大分県」

↑“めじろん”だそうです。
食「その雑誌、貸してください」
み「何に使う?」
食「丸めて叩くに決まってるでしょ」

み「本を粗末に扱うでない」
食「あなたが先にしたんでしょ。
おー、痛て」
み「『るるぶ』に皺が寄ってしまったではないか」

食「加減してくださいよ」
み「全頁カラーだから、重たいのなんのって。
ショルダーだと、肩抜けそうになる。」

食「そんなので叩かないでくださいって」
み「ところで、何で叩かれたんだ?」
食「忘れたんですか!」
律「試験が苦手なタイプって話よ」

み「バカ言え。
わたしは、実力以上の点を取ることで有名だったんじゃ」

律「それって、威張ってるの?」
み「試験で、わからない問題に時間を費やすなんぞ、愚の骨頂です」
律「じゃ、なんでオタク問題にはこだわるのよ?」
み「バカをからかってると楽しいからに決まってるだろ」

食「やっぱり、その雑誌貸して下さい」
み「誰が貸すか。
おまえの馬鹿力で叩かれたら、首がもげちゃうだろ」

み「さ、言ってみ。
デブは、何で太ってるんだ?」

食「は?」
み「間違えた。
オタクは、何で太ってるんだ?」
食「だから、ボクは食い鉄ですから」

み「じゃ、アイドル系はどうして太ってる?」

食「知りませんよ」
み「あ、わかったぁぁぁ」
律「急に大声出さないでよ」
み「天命のごとく閃いた。
わたしって、やっぱり天才?」

律「確かに、あんたは天災よ」

み「何か、悪口言ってるな」

律「話を進めてちょうだい」
み「しからば!
やぁやぁ、遠からんものは音にも聞け」

み「近くば寄って屁にも嗅げ」

み「痛っ!
何で先生が叩くのよ。
一瞬にして『るるぶ』盗られた。
おのれ、自顕流か……」

↑自顕流の「抜き」
律「恥ずかしい女!
以後、発言禁止」

み「楽しい旅の空で、口が滑っただけじゃないの」

律「こんどそういう発言したら……。
口を縫ってやるからね」

み「おとろしか~。
じゃ、発言していいですか?」

律「下品な発言は禁止します」
み「へいへい。
オタクが太ってるわけは……。
ズバリ!」

み「秋葉原のメイド喫茶で、食べ過ぎてるからでしょう」

食「少し、秋葉原から離れませんか?」

み「何で?」
食「オタクが秋葉原にしかいないみたいじゃないですか」
み「秋葉原以外でも、生息してるってこと?
新種じゃないの?」

↑南インドで発見された新種のカエル。鼻が高いそうです。
食「ほんとに怒られますよ。
メイド喫茶に行かない人だっていますって」
み「チミは、駅弁喫茶か?」
食「そんなとこ、あるわけないでしょ」

↑駅弁喫茶。塩尻駅に、近いのがありました。店内で駅弁を買って、その場で食べれるそうです。
み「そうか?
あったら、けっこう流行ると思うけどな。
列車の中みたいな内装にしてさ……」

↑これは、ノルウェーのフロム鉄道。
み「車内販売スタイルで、売って歩くんだよ」

み「駅弁にお茶、ビールにみかん。
調理しなくていいもんばっかりじゃん。
楽だぞー」

↑特急『とき』での車内販売の様子(鉄道博物館)
み「売り子だけ可愛くしとけばいいんだ」

↑台湾高速鉄道の車内販売員。あちらでは、憧れの職業なんでしょうね。
み「そうだ。
メイド服着せて、秋葉原にオープンしたら……」

み「流行らなくない?
先生、一口乗りません?
出資、出資」

律「あなたにお金出すくらいなら、ビルの屋上から撒いた方がマシだわ」

み「あんたは、紀伊国屋文左衛門か」

み「でも、けっこういいアイデアよね?」
食「うーん。
内装にどれだけ凝れるかが勝負ですね」

↑有楽町の『スチームロコモティブ』
食「チャチかったら、お話になりません。
似せて作ってもダメです。
マニアは、このへんシビアですから」

↑乗り鉄女
食「ぜんぶ本物じゃなきゃ」
み「そんなのどうやって集めるんだよ?
盗んでくるのか?」

食「犯罪でしょ。
オークションとかで、コツコツ集めるんです」

み「そんなことしてたら、いつ開業できるかわからんじゃないか」
食「だから……。
最初からコレクションを持ってる人が……。
これを使った喫茶店でも始めてみようかってのなら、アリじゃないですか」

み「そこらの大工、引っ張ってきて、3日で出来んかのぅ?」

食「偽物は、見向きもされませんって」
み「女の子で売ればいいんだな。
ノーパンでサービスさせるとか」

食「それじゃ、風俗でしょ」
み「くそー。
あえなく構想がポシャってしまった。
やっぱ、秋葉原でメイド喫茶始めるか」

律「何で商売始める話になってんのよ?」

み「あ、オタクが太ってるのは……。
メイド喫茶が原因って話だったね」

↑松本駅前の「Angel」。“松本初上陸”となってました。どうやって松本に“上陸”するのだ?
律「どんな根拠があるのよ?」
缶詰にバクダンなんて入るのか?」
律「切ってあるんじゃないの?」

み「黄身が溶けちゃうだろ」
食「丸ごと入ってますよ」

み「どうやって?」
食「ウズラの卵です」

み「なんだ!
先生、ウズラだけどいい?」
律「ま、仕方ないわね。
それじゃ、ツミレもね」

み「何で、卵とツミレが“それじゃ”なのよ?」
律「丸いもの繋がり」

み「妙なとこで繋げたね。
ツミレの具は、鶏肉?」

食「魚肉です。
イワシじゃないですか?」

み「先生、止めときな」
律「何でよ?」
み「イワシは、痛風に悪い」

律「わたしに関係ないでしょ。
痛風は男性の病気よ」

み「そうなの?」
律「痛風患者の98.5%が男性。
ツミレ、お食べなさい」

み「もともと嫌いだからパス」

律「何で嫌いなの?」
み「嫌いっていうか……。
歯ざわりの曖昧なのは、美味しいと思わない」

律「年取ったら困るわよ。
そういうのしか食べられなくなるんだから」

み「でも、オデンの具に、固いものなんて無いでしょ?」

律「それは言えてるわね。
じゃ、あんたは全部パス。
わたしがみんな食べる」
み「何で!」
律「牛すじの“すじ”だけあげる」

律「歯ざわりいいわよ」
食「ボクは、何にしようかな」
み「食う気か。
図々しいヤツ」
食「何でですか。
架空の話でしょ」

↑架空の路線図です。原典では、もっと右にも続きます。
み「じゃ、チミは“こんにゃく”だけ」

↑食べるらしいです(こちら)。
食「何で、“だけ”なんです?」
み「もちろん、ダイエットのためだろ」

み「ほかのことに使うなよ」

食「何に使うんですか?」
み「知ってるくせにー」
食「Mikiちゃん、やめときなさい」
み「へいへい。
それじゃ、あとは……。
何にしようかな?
豆腐、あったっけ?」

食「ありません」
み「何で?」
食「崩れやすいのは、入ってないんですよ」

律「それよりあなた、歯ざわりの無いのは美味しくないんでしょ?」

み「焼き豆腐は、歯ざわりあるじゃん」

食「さて……。
ここで問題です」

み「出たな」
食「おでん缶は、どうやって食べるでしょう?」
み「どうやってって、どういう意味よ?
調理不要で、そのまま食べれるんだろ」

↑中身を出してみたところ。
食「だから、食べる方法ですよ。
いいですか。
オデンが、細長い缶に入ってるんですよ」

食「どうやって、具を取り出しますか?」
み「取り出しません。
逆さにして丸呑みします」

食「ポパイじゃあるまいし……」

食「ノド詰まって死にますよ」

み「お箸が付いてるんでしょ?」

食「残念ながら、付いてません」
み「お皿が付いてる」

食「付いてません。
缶だけです」
み「おりょ。
そう言えば、先生。
フェリーに、カップヌードルの自販機あったよね」

律「そうだった?」
み「あったってば。
あれって、どうやって食べるのかな」
律「フォークが付いてるんじゃないの?」

み「なんでフォークなのよ?
普通、お箸でしょ」
律「もともとカップヌードルって、フォークで食べたのよ」
み「なぜに?」
律「さぁ」
み「はい、チミ。
間髪入れず、解説」
食「日本だけじゃなく……。
海外でも食べられることを想定してたからですよ」

↑左の海外用パッケージでは、綴りが“NOODLES”と、語尾に“S”が付いてます。
律「CMなんかでも、必ずフォークで食べてたわよ」

↑豪快に食すシュワちゃん。
律「そういうもんだと思ってたから……。
お箸で食べるなんて、考えつかなかったかも」

み「でも、フォークじゃ、熱いでしょ。
熱が伝わって」

律「金属じゃないのよ。
プラスチックのフォーク。
透明で、小さくて、華奢なフォークだった」

律「男性は、食べにくかったんじゃないかしら」
み「ふーん。
カップヌードルって、いつごろからあったの?」

↑カップヌードルの誕生日を祝うイベントだそうです。
食「発売は、昭和46年です」

↑仮面ライダーの放送が始まった年でもあります。
み「よくそんなことまで覚えてるな」
食「その翌年の昭和47年に……。
カップヌードルにとって、重大な事件が起きてますから」
み「どんな事件よ?」
食「あさま山荘事件です」

み「聞いたことある」
律「連合赤軍が、山荘に人質を取って立てこもったのよ」

み「それとカップヌードルが、どう関係してるわけ?」

食「テレビです。
連合赤軍の籠城は、10日も続きました。
この間、テレビがずっと生中継したんですよ」

↑山の斜面に建つ山荘は、まさしく難攻不落の“山城”だったそうです。
み「だから、それがどう関係してるっての?」
食「浅間山荘は……。
その名のとおり、浅間山を望む軽井沢の別荘地にあります」

食「事件が起こったのは、2月。
厳冬の時期です」

食「現場には、大量の機動隊員が集められました」

食「しかし事件は、長期戦の様相を呈してきました。
で、隊員らに食べさせる弁当を、麓から調達したんですが……。
氷点下15度の寒さの中、ガチガチに凍ってしまい、箸も刺さりません。
で、代わりに用意されたのが、カップヌードルです。
お湯を注ぐだけで食べられるわけですから」

食「実際、最初の大口顧客は、自衛隊だったそうですし」

食「でも、一般的には、あまり売れてませんでした」
み「なんで?」
食「高かったんですよ。
当時の小売価格は、100円。
袋麺が25円ですから、4倍もしたわけです」

食「小売店は、見向きもしなかったそうです」
み「あさま山荘事件で、警察が購入したのはわかったけど……。
劇的なほどは売れないだろ?」

↑銀座の歩行者天国で。あさま山荘事件の3ヶ月前。もちろん、販促用のやらせです。
食「宣伝効果ですよ。
氷点下15度の雪の中……。
隊員たちは、湯気の立つカップヌードルを、美味しそうに食べました」

食「その様子が、繰り返し中継されたわけです。
生中継の最高視聴率は、89.7%だったそうです」

食「国民のほとんどが、固唾を飲んで見守ってる番組で……。
カップヌードルを食べる隊員の姿が、ドアップで延々と映されたんです」

↑横浜市の『カップヌードルミュージアム』の展示
食「宣伝効果は、まさにビッグバン的でした。
局には、隊員が食べてるのはいったい何だという問い合わせが殺到したそうです」

食「カップヌードルの売上は、発売初年度2億円でしたが……。
あさま山荘事件の起きた翌年は、67億円。
実に、33.5倍に跳ねあがったんですね」
み「ほー。
日清食品にとっては、まさに神風が吹いたってことだね」

食「あの事件が無かったら……。
カップヌードルの普及は、ずっと遅れてたでしょうね」

↑新潟では、自販機は1度も見たことありません。
み「やっぱ、昭和って、面白い時代だったね」

食「ですね。
無条件に未来を信じられた時代でした。
昭和最後の締めくくりが、バブルとその崩壊だったってのも……」

食「すごく象徴的です」
み「日本人の幸せな時代は、昭和とともに終わったってことか」

律「しみじみしちゃったわね」
み「何でカップヌードルの話になったんだ?」

↑カップヌードルを発明した安藤百福(ももふく)『カップヌードルミュージアム』。
食「元は、おでん缶の話でしたよ」

み「そうだった」
食「細長い缶に入ったおでんは、どうやって食べるのでしょうか?」

み「指突っこんで食べる」

食「ヤケドしますよ」

食「熱々なんだから」
み「冷めてから食べる」

食「夏場は、冷やした缶も売ってますけど……」

食「冬なんか、熱々を食べなきゃ意味ないでしょ」
み「口突っこんで、舌で絡めとる」

食「だから、熱いんですって」
み「そう言えば昔……。
ボビー・オロゴンに鍋料理食べさせたら……」

み「いきなり、鍋に手を突っこんだそうよ」
律「妙な話ばっかり知ってるんだから」
み「結局、どうするんだよ」
食「まず、おもむろに、汁を飲みます」

↑こーゆーのは、やめましょう。
食「熱いので気をつけてください」
み「はい、飲みました」
食「そしたら、見えてきたでしょ?」

み「何が?」
食「串です。
そいつを、引き上げます。
何が付いて来ました?」
み「焼き鳥?」

↑ほんとに、焼き鳥缶もあった!
食「おでん缶ですって!
三角のこんにゃくに、串が刺さってるんです」

み「そのこんにゃくを、どうするっての?」
食「食べます」

み「食うのかよ!
何の芸も無いじゃん」
食「こんにゃくに芸はなくとも……。
串が残りますね」

食「これを得るために、まず、こんにゃくを食べたわけです。
この串で、次々と具材を刺して食べ進んでいくわけです」

↑ウズラの卵は、簡単には刺さらないそうです。
み「こんにゃくを最初に食べたくない人はどうするんだ?」

食「そんな人、いるんですか?」
み「世の中には、そういう人もいると思うぞ」
食「串だけ抜いて、こんにゃくは後から食べればいいでしょ」

み「どうやって抜くの?」
食「歯でこんにゃくを噛んで、引き抜くんです」

み「噛んだら、そのまま食べればいいじゃないの」
↑こんにゃくをバクバク食うネコ。
食「あなたが言ったんでしょ!
こんにゃくを最初に食べたくない人はどうするって」

み「そうだっけ?」
律「でも、あれよね。
カップ麺とか、おでん缶とかって……。
災害時の非常食としても、ぜったい有用よ」

み「そうだね」
食「カップヌードルの最初の大口顧客は、自衛隊でしたが……。
自衛隊が評価したのは、“完全調理済食品”ってことでした」

み「わたしの同僚で……。
カップ麺を机の引き出しに備蓄してる女がいるよ」

律「災害に備えて?」

み「そんなわけないでしょ。
空腹に備えてよ」

み「引き出しを開けるたびに、数を数えて……」

み「誰かに食べられてないか、確認してる」
律「なかなか、味のある性格ね。
でも、災害とかで、会社から出られなくなったときには……。
先見の明があったってことになるわよね」

み「そいつ、とんでもない高値で売るかもな」

律「独り占めにして、誰にもあげないんじゃない?」

み「それは……。
考えが甘かろーぜ」
律「どうして?」
み「そんなことしたら、大反発食うでしょ。
力づくで強奪されたら元も子もないじゃない」

み「だから、救助隊の来る時間を計算しながら……。
出来るだけ高値で売り抜けようとするわけよ」

律「その人って、ほんとはMikiちゃんじゃないの?」

み「なんでよ!
わたしはお昼食べないから、カップ麺なんか備蓄してないわい」

律「でも、何でカップ麺の話になったのよ?」
み「うーむ。
あ、おでん缶の話してたじゃない」
律「おでんとラーメンが、どう繋がったのよ?」

↑ファミマのようです。あんまり食べたくないなぁ。
み「はい、チミ。
プレイバック」

食「ボクですか?
記録係じゃないんですから」

み「ついさっきのことだろ」
食「それは、お互いさまでしょ。
あ、そうそう。
自販機繋がりですよ。
自販機のおでん缶の話してたら……」

食「フェーリーに、カップヌードルの自販機があったって話題に飛んだんです」

み「誰だ、話を散らかすのは?」
食「あなたしかいません」
み「失敬なやつ。
まぁ、いい。
じゃ、その前は?
何で、おでんの話になったの?」
律「それなら、わたしが覚えてる」
み「なに?」
律「オタクの人が太ってるのは……。
秋葉原のおでん缶を食べてるからじゃないかってことからよ」

み「しょーもない!」
律「あんたが言い出したんでしょ!」
み「そもそも、何でオタクが出てきたんだよ」
食「それは、ボクが覚えてます。
悪口言われましたから」

み「どんな?」
食「アイドル系のオタクだろうって」

み「何で、そんな話になったんだよ?」
食「『スケバン刑事』の話ですよ」

み「おー。
懐かしのスケバン刑事。
思い出した思い出した」
律「そうそう。
昔の刑事は、ジーパン履いてたり……」

律「セーラー服着てたって話からよ」
み「よれ絡む糸が、ようやくほぐれて来たな」

食「元は、刑事の靴の話でしたね」

み「あぁ。
同じ靴履いてるってネタね。
ところで……。
オタクって、どうして太ってるの?」

食「まだそこに留まるんですか!」
み「わからんと、すっきりせんもの」
律「こういう人っているのよ。
それほどバカじゃないのに、試験の成績とかはダメなタイプ」

み「何で試験がダメなんだよ」
律「わからない問題に時間使っちゃって……。
出来る問題があるのに、時間が足りないからよ」

み「わたしが、そんなバカに見えるか?
お前がうなずくな!」

↑まったく関係ありませんが、たまたま見つけてしまった、お弁当画像です。開けたら仰け反るでしょうね。
食「痛っ!
雑誌で叩かないでくださいよ。
何ですか、その雑誌。
やたら効くんですけど」

↑雑誌を添え木にする方法(参照)。
み「偉大なアンチョコ、『るるぶ』の威力を見よ」

み「なんなら、『まっぷる』も食らってみるか?」

食「けっこうです。
おー、痛」
み「今、シャレ言おうとしたな?」
食「してませんよ。
どんなシャレですか」
み「頭を叩かれ、大分県」

↑“めじろん”だそうです。
食「その雑誌、貸してください」
み「何に使う?」
食「丸めて叩くに決まってるでしょ」

み「本を粗末に扱うでない」
食「あなたが先にしたんでしょ。
おー、痛て」
み「『るるぶ』に皺が寄ってしまったではないか」

食「加減してくださいよ」
み「全頁カラーだから、重たいのなんのって。
ショルダーだと、肩抜けそうになる。」

食「そんなので叩かないでくださいって」
み「ところで、何で叩かれたんだ?」
食「忘れたんですか!」
律「試験が苦手なタイプって話よ」

み「バカ言え。
わたしは、実力以上の点を取ることで有名だったんじゃ」

律「それって、威張ってるの?」
み「試験で、わからない問題に時間を費やすなんぞ、愚の骨頂です」
律「じゃ、なんでオタク問題にはこだわるのよ?」
み「バカをからかってると楽しいからに決まってるだろ」

食「やっぱり、その雑誌貸して下さい」
み「誰が貸すか。
おまえの馬鹿力で叩かれたら、首がもげちゃうだろ」

み「さ、言ってみ。
デブは、何で太ってるんだ?」

食「は?」
み「間違えた。
オタクは、何で太ってるんだ?」
食「だから、ボクは食い鉄ですから」

み「じゃ、アイドル系はどうして太ってる?」

食「知りませんよ」
み「あ、わかったぁぁぁ」
律「急に大声出さないでよ」
み「天命のごとく閃いた。
わたしって、やっぱり天才?」

律「確かに、あんたは天災よ」

み「何か、悪口言ってるな」

律「話を進めてちょうだい」
み「しからば!
やぁやぁ、遠からんものは音にも聞け」

み「近くば寄って屁にも嗅げ」

み「痛っ!
何で先生が叩くのよ。
一瞬にして『るるぶ』盗られた。
おのれ、自顕流か……」

↑自顕流の「抜き」
律「恥ずかしい女!
以後、発言禁止」

み「楽しい旅の空で、口が滑っただけじゃないの」

律「こんどそういう発言したら……。
口を縫ってやるからね」

み「おとろしか~。
じゃ、発言していいですか?」

律「下品な発言は禁止します」
み「へいへい。
オタクが太ってるわけは……。
ズバリ!」

み「秋葉原のメイド喫茶で、食べ過ぎてるからでしょう」

食「少し、秋葉原から離れませんか?」

み「何で?」
食「オタクが秋葉原にしかいないみたいじゃないですか」
み「秋葉原以外でも、生息してるってこと?
新種じゃないの?」

↑南インドで発見された新種のカエル。鼻が高いそうです。
食「ほんとに怒られますよ。
メイド喫茶に行かない人だっていますって」
み「チミは、駅弁喫茶か?」
食「そんなとこ、あるわけないでしょ」

↑駅弁喫茶。塩尻駅に、近いのがありました。店内で駅弁を買って、その場で食べれるそうです。
み「そうか?
あったら、けっこう流行ると思うけどな。
列車の中みたいな内装にしてさ……」

↑これは、ノルウェーのフロム鉄道。
み「車内販売スタイルで、売って歩くんだよ」

み「駅弁にお茶、ビールにみかん。
調理しなくていいもんばっかりじゃん。
楽だぞー」

↑特急『とき』での車内販売の様子(鉄道博物館)
み「売り子だけ可愛くしとけばいいんだ」

↑台湾高速鉄道の車内販売員。あちらでは、憧れの職業なんでしょうね。
み「そうだ。
メイド服着せて、秋葉原にオープンしたら……」

み「流行らなくない?
先生、一口乗りません?
出資、出資」

律「あなたにお金出すくらいなら、ビルの屋上から撒いた方がマシだわ」

み「あんたは、紀伊国屋文左衛門か」

み「でも、けっこういいアイデアよね?」
食「うーん。
内装にどれだけ凝れるかが勝負ですね」

↑有楽町の『スチームロコモティブ』
食「チャチかったら、お話になりません。
似せて作ってもダメです。
マニアは、このへんシビアですから」

↑乗り鉄女
食「ぜんぶ本物じゃなきゃ」
み「そんなのどうやって集めるんだよ?
盗んでくるのか?」

食「犯罪でしょ。
オークションとかで、コツコツ集めるんです」

み「そんなことしてたら、いつ開業できるかわからんじゃないか」
食「だから……。
最初からコレクションを持ってる人が……。
これを使った喫茶店でも始めてみようかってのなら、アリじゃないですか」

み「そこらの大工、引っ張ってきて、3日で出来んかのぅ?」

食「偽物は、見向きもされませんって」
み「女の子で売ればいいんだな。
ノーパンでサービスさせるとか」

食「それじゃ、風俗でしょ」
み「くそー。
あえなく構想がポシャってしまった。
やっぱ、秋葉原でメイド喫茶始めるか」

律「何で商売始める話になってんのよ?」

み「あ、オタクが太ってるのは……。
メイド喫茶が原因って話だったね」

↑松本駅前の「Angel」。“松本初上陸”となってました。どうやって松本に“上陸”するのだ?
律「どんな根拠があるのよ?」