2012.3.3(土)
律「メールすれば?」
み「するか!
刑事なんて、パソコン使えないの!」
律「それは、差別発言じゃないの?」
み「“長さん”や“山さん”が、パソコン打ってるシーンなんて、出てこないでしょ」
↑『太陽にほえろ』の“長さん”こと、野崎太郎刑事(“長さん”は、巡査部長の愛称です)。
み「刑事は、足!
足で捜査するの」
律「そんなの、今どき流行らないわよ」
み「捜査に、流行り廃れがあるか!
王道あるのみ」
律「ほら、捜査会議のとき、偉そうにしてるのがいるじゃない?」
み「誰よ?」
律「何とか官」
み「ぜんぜんわからないんですけど。
宦官?」
律「なんで宦官が、警察にいるのよ」
み「じゃぁ……。
ロクタル管」
律「ぜんぜん違うけど……。
何それ?」
み「昔読んだ小説の題名に出てきた。
内容は忘れたけど、題名だけ覚えてる。
そうそう。
柴田翔の、『ロクタル管の話』だ」
ここで余談。
柴田翔と云えば、なんといっても『されどわれらが日々-』ですね。
若かりしころ、わたしも読みました。
はい、お話続けます。
律「それと捜査と、関係あるの」
み「あるわけないでしょ」
律「もう。
要らないこと言わないでちょうだい。
何だったかな?
何とか官なのよ」
食「あの、ボクわかったかもです」
み「げ。
チミ、まだいたの?」
食「いたに決まってるでしょ!
青森までいますよ」
み「じゃ、言ってみたまえ。
この先生の言わんとすること」
↑これは、“お椀とすること”(最近、苦しい……)
食「管理官じゃないですか?」
律「それ!
それよ!」
み「確かに、最近の刑事ドラマとかで、けっこう出てくるね」
律「『相棒』にも出てくるわよ」
み「へー。
ああいうの、見てるんだ」
律「香純が好きなのよ。
だから、お付き合い」
み「香純ちゃんに聞けばよかったじゃない」
律「あの子が知ってるもんですか。
それに、口挟まないでって言われてるから」
み「その気持はわかる」
律「何よ、それ」
み「でも確かに……。
昔のドラマじゃ、“管理官”なんて出てこなかったんじゃないの?」
み「どういう人なんだろ?」
食「管理官ってのは……。
県警では、課長の下のポストです」
み「なんだ。
そしたら、係長じゃないの」
律「課長補佐でもいいんじゃない?」
食「警視庁だと、課長、理事官に次ぐナンバースリーですね」
み「ほらみ。
やっぱ、係長だ。
課長、課長補佐、係長。
さえねー。
何人いるのよ?」
食「刑事部捜査一課では、管理官は13人います」
み「そんなにいるの。
ますます偉くないじゃん」
食「でも、警視ですよ」
み「キャリアなんでしょ?」
食「キャリアの管理官は、ごく希ですね」
み「そうなの?
警察庁から派遣されてるエリートかと思った」
食「ノンキャリア組の中では、エリートでしょ」
み「あ!
あれが、管理官だったじゃない」
律「あれって、誰よ?」
み「秋田の人。
バスガイドさんが好きだって言ってた」
律「誰よ?」
み「忘れたの?」
律「あんただって、忘れてるじゃない」
み「顔は覚えてるのよ。
昔、踊ってた人」
律「お立ち台で?」
み「違う!
男だけのグループ!」
律「ドリフターズ?」
み「舐めとんのか!」
食「ボク、わかったかも知れません」
み「頼むから、言ってくれ」
食「ギバちゃんでしょ?
柳葉敏郎」
み「それだー!」
律「柳葉敏郎って、踊ってたの?
何踊り?」
み「ソレソレとか言って踊るやつよ」
律「盆踊り?」
み「違う!
チミ、解説して」
食「『一世風靡セピア』というグループでしたね」
み「それだー」
律「でも、柳葉敏郎が、何で管理官なのよ」
み「出てたでしょ、そういう役で。
ほら、これも踊るやつよ」
み「えーっと……。」
律「『フラガール』?」
み「違う!
はい、解説!」
食「『踊る大捜査線』ですね」
み「それ!
役名が、ほら……。
なんだっけ。
室田日出男?」
食「ぜんぜん違います。
室(むろ)で始まりますけど」
律「わかった。
室井滋」
み「そりゃ、女だろ!
クイズにするから、話が進まないじゃない。
真っ直ぐ答えよ!」
食「室井慎次ですよ」
み「それだー」
律「室井まで合ってたわ」
み「根本的に違ってたでしょ。
ともかく、やっとたどり着いた。
あれが確か、管理官だった」
律「まどろっこしい人ね」
み「先生が、ものを知らなすぎなの!」
律「あんたもでしょ」
食「そう言えば……。
渋い俳優さんで、小木茂光という人がいます」
食「この人の演じる管理官も、らしさがありますね」
み「知ってる?」
律「知らない」
み「何が言いたいんだ?」
食「小木茂光さんは、『一世風靡セピア』のリーダーだったんですよ」
↑最後列右が、小木茂光。その手前が柳葉敏郎。最前列左は哀川翔。
み「それで?」
食「それだけですけど」
み「話を進める!
そもそも、管理官って……。
どういう人がなるのよ?」
食「生え抜きの刑事がなる場合と、刑事経験のない行政官タイプがなる場合の、2通りがあるようです。
テレビで描かれる管理官は、後者が多いみたいですね」
み「何する係なのよ?」
食「捜査本部の陣頭指揮ですよ」
み「あぁ。
それなら、よくテレビで見るね。
すっげー感じの悪いやつ」
↑左が、管理官役の三浦浩一さん(『多摩南署たたき上げ刑事・近松丙吉』)。
律「で、その管理官が結局どうしたって話?」
み「先生が言い出したんでしょ!」
律「そうだっけ?」
み「管理官がどうしたのよ?」
律「忘れちゃったわよ」
み「はい、チミ、解説」
食「たぶん……。
足で捜査するなんて、昔ながらの古いタイプの刑事だから……」
食「きっと、管理官の云うことを聞かないタイプじゃないかって趣旨じゃありませんか?」
律「そうだったかも」
み「いい加減な女」
律「Mikiちゃんが、話を逸らすからよ」
み「まぁ、いいわい。
そう言えば、刑事の靴って自前なのかね?」
律「そうじゃないの?」
み「スゴい減るだろうね」
み「刑事ドラマだと……。
そういうタイプの刑事に、スニーカー履かせたりしてるよね」
律「それは、若い刑事じゃないの?」
み「違うよ。
ベテラン刑事。
背広来て、白いスニーカー履いてるわけ。
伊東四朗がやってた」
↑事件が起きると、自分の茶碗を割ります。犯人が割れるようにとのおまじない。
律「なるほど。
雰囲気はわかるけど、ちょっと作りすぎじゃない?」
み「確かに」
食「刑事って、みんな同じ靴、履いてたんじゃなかったかな?」
み「なんでよ?
支給ってこと?」
食「いや。
それは知りませんが」
み「何で同じ靴なのよ?」
食「現場で、犯人の足跡と区別するためです。
いろんな靴履いた刑事が歩き回ったら、わけわからなくなりますから(こちらからの情報です)」
み「ほー。
それは知らなかった。
それじゃ……。
ジーパン履いてても、靴だけ革靴?」
食「さー」
み「無責任なヤツ」
律「靴底だけ一緒なんじゃないの?」
み「それじゃ、特注じゃん。
そんな靴、自腹で何足も買えないでしょ」
律「あ、わかった。
靴底だけ、同じの貼り付ければいいのよ」
み「そんな靴、履きたくない」
律「Mikiちゃんが履くわけじゃないでしょ」
み「それで、最近の刑事ドラマって、みんな背広なのかな?」
↑この人は、背広を着てないようです。
み「同じ靴ですむように」
律「警察官だけじゃなくて、公務員は、普通背広じゃないの?」
み「沖縄の役所は、アロハ着てるじゃない」
律「警察もアロハなんじゃないの?」
み「そんなわけねーだろ!」
↑ほんとにありました(和歌山県の白浜署)。
律「刑事が背広で、何か不都合?」
み「昔の刑事ドラマは違ってたでしょ。
さっき言ったけど、ジーパンとかさ」
律「セーラー服もいたじゃない」
み「あれは特殊でしょうが」
律「そうなの?」
み「現役高校生は、公務員になれないでしょ」
律「じゃ、何でなれたのよ?」
み「そういう設定なの!
はい、チミ。
間髪入れず、解説」
食「お2人が話題にされてるのは……。
『スケバン刑事』ですよね?」
み「こんな話、ほかにあるかい」
食「『ケータイ刑事』というのもあります」
み「ほー。
それは、初耳じゃぞ」
食「じゃ、まず『スケバン刑事』から解説します。
元々は、和田慎二という人の漫画作品です」
食「主人公は、麻宮サキ。
札付きのスケバンでした」
↑なんで新品なのに汚れがあるんだ? 店長が着てたんじゃないのか?
食「ところが、サキの母親が……。
夫、つまり、サキの実父を殺してしまい、死刑判決を受けてしまったんです」
食「これに目をつけたのが、警視庁の暗闇警視です」
↑この年で警視なら、ノンキャリアですね。
食「死刑執行の停止と引き換えに、サキを学生刑事にスカウトしたんですね」
み「待てい!」
食「ま、この時点で異論があることは想定してました」
み「警視に、人事権なんかあるかい!」
み「管理官レベルじゃないか」
み「それ以前に、名前が怪しすぎる」
み「それに、死刑執行の停止なんて、警察の権限で出来っこないでしょ。
だいたい、1人殺したくらいじゃ、死刑判決なんて出ないだろ」
食「漫画ですから」
↑こんなパロディもありました
み「ひと言で片付けるな!」
食「子供には、この理屈で十分なんです」
み「子供だましってことじゃない」
食「方便です。
このへんはスルーしてもらわないと、話が進みませんよ」
み「まぁ、今回だけは大目に見てやる」
み「続けたまえ」
食「何でそんなに偉そうなんです?」
み「気にするな」
食「スゴく抵抗あるんですけど」
み「そもそも、高校生を刑事にするメリットって何よ?」
食「潜入捜査ですよ」
食「学校には、警察組織が介入しにくいでしょ」
み「なるほど。
そのヘンは、理屈にあってるな」
食「最初は、そういう学園探偵物だったんですけどね」
食「だんだん話が大きくなって……。
日本の政治を影で操る『信楽老(しがらきろう)』との戦いにまで行き着きます」
み「その成り行きには、大いに納得できる」
食「なんでです?」
み「その場しのぎで書いてると、だんだんそうなっていくものなの」
食「はー」
み「でも、『スケバン刑事』って、実写のイメージがあるんだけど」
食「そうですね。
テレビドラマ化されて……。
麻宮サキを、そのときどきのアイドルが演じてヒットしました。
初代は、斉藤由貴」
食「2代目が、南野陽子」
み「2代目って、ヤクザみたいだな」
食「実際、南野陽子の役名は早乙女志織で……。
2代目“麻宮サキ”を襲名したんです。
高知弁がトレードマークですね」
み「おー、高知弁。
決めゼリフがあったよね」
↑ご存知、『美少女仮面ポワトリン』の決め台詞
律「どんな?」
み「おどまぼんぎりぼんぎり!」
律「そんなわけないでしょ」
食「そもそも、それは熊本弁です」
み「はい、解説」
食「決めゼリフは、“おまんら、許さんぜよ!”、でした」
↑2009年、『メイド刑事』にゲスト出演し、往年の決めゼリフを披露した南野さん(綺麗ですね~)。
み「おー。
龍馬伝まで続く、高知弁パターンだね」
み「高知の人って、今でもそんなしゃべり方してんの?」
食「してないと思います」
み「してたら、ほかの県の人としゃべれんよね」
食「3代目、いきます」
み「誰だっけ?」
食「浅香唯です」
食「九州出身」
み「決めゼリフは?」
食「“せからしか! ”」
み「なんだー。
“とっとっとー”にしてほしかったな」
↑人相悪すぎ(シャモです)。
食「いつ、そんなセリフが言えるんですか」
み「列車の座席を確保するときに決まっとろうが」
食「毎回、そんなシーンばかり撮れないでしょ」
律「でも、ほんとよくご存じですわ」
み「まーね。
さすが、オタクだけのことはある」
食「あくまで、鉄道オタクです」
食「アイドル系は、守備範囲外です」
み「これだけ知ってて?
体型は、打球真正面だけどね」
食「これは、“食い鉄”の宿命ですよ」
み「でもさ、オタクの人って、どうして太ってるのかな?」
律「痩せた人もいるんじゃないの?
ほら、昔、いたじゃん。
気味の悪い男」
み「誰よ?」
律「たこ八郎?」
み「確かに、気味は悪いけど……。
あの人、オタクだったの?」
食「あの、わかったんで、口挟ませてもらいます。
先生のおっしゃりたいのは、宅八郎だと思います」
律「それそれ!」
み「知らんな。
解説せよ」
食「なんか、金払ってもらいたい気分なんですけど」
み「セコイこと言うでないわい。
知識ってものは……。
ひけらかすときが、一番気持ちいいんじゃないの」
み「その機会を作ってやってるんだから……。
むしろ、お金もらいたいのはこっちよ」
食「わかりました。
タダで解説します」
↑これは、ダダ
食「あの人は元々……。
オタク評論家、つまりライターです」
食「ま、実際オタクじゃなければ、評論も出来ないでしょうけど。
テレビに出るようになってからは……。
いろいろと奇矯な行動で、問題を起こしましたね」
み「勉強になるなぁ。
で、その宅八郎がどうしたのよ?」
律「だから、オタクは、太った人ばかりじゃないってこと」
↑香港のオタクは、痩せてるそうです。
み「でも、比率からすると、多いでしょ。
実際、オタクをイラスト化したばあい……。
太った人物で表現されることが多いじゃないの」
↑56人のオタクだそうです。
律「ま、言われてみればだけど。
なんで太ってるのかしら?」
み「はい、解説」
食「知りませんよ」
み「なんで知らんの?
片手落ちなやつ」
律「今、そういう表現も、差別用語ってことになってるのよ」
み「めんどいのぅ。
そう言えば子供のころの記憶だけど……。
大叔父さんが、法事で酔っ払ってさ」
み「もう、ぐでんぐでん」
み「相手が何て言ったかは忘れたけど……。
“スルスルって、イザリのキンタマじゃあるめいし”って管巻いててね」
み「そばにいた母親に意味を聞いたけど、教えてくれなかった」
律「差別用語+シモネタだったわけね」
み「意味がわかったのは、だいぶ後になってからだけど……。
上手いこと言うなって、感心したものよ」
律「今では、そんな冗談、誰もわからないでしょうね」
み「だよね。
何の話だっけ?」
律「オタクに太った人が多い理由よ」
み「あ、そうか。
オデンのせいかな?」
律「は?」
み「ほら、秋葉原名物にあるじゃないの。
オデンの缶詰」
み「あれの食べ過ぎとか」
律「オデンの具なんて、太るもの入ってないでしょ。
むしろ、健康的なものが多いんじゃない」
み「はい、チミ。
好物だろ。
具の解説」
食「何でボクが知ってるんですか?」
み「秋葉原はホームタウンじゃないか」
食「鉄道マニアには関係ないですよ」
↑さいたま市の『鉄道博物館』。大混雑!
み「そうなの?」
食「ま、一応、知ってはいますけどね」
み「やっぱり、知ってるんじゃないか」
食「珍しいものは入ってませんよ。
ごく一般的な具です」
み「言ったんさい」
食「つみれ」
食「牛すじ」
食「こんにゃく」
食「ちくわ」
食「卵」
食「昆布」
食「薩摩揚げ」
食「ダイコン」
食「ニンジン」
律「↑これって、明らかに行稼ぎよね」
み「気にするでない」
み「先生は、何から食べる?」
律「そうね……。
やっぱり、卵かしら」
み「おー、バクダンか」
律「バクダンって、全国的に云うのかしら?」
食「今はほぼ、死語に近いんじゃないですか?」
み「そうなの?」
食「何か、古き良き昭和のニオイがしますね」
み「オデンの屋台自体、そうだよね」
み「捜査に煮詰まった刑事が……。
オデン肴に、屋台で飲んでるってシーン、よくあるじゃん」
律「あれ、妙に美味しそうよね」
み「でしょ。
あれ見ると、オデンを食べたくなるんだ。
じゃ、先生は、バクダンね」
み「するか!
刑事なんて、パソコン使えないの!」
律「それは、差別発言じゃないの?」
み「“長さん”や“山さん”が、パソコン打ってるシーンなんて、出てこないでしょ」
↑『太陽にほえろ』の“長さん”こと、野崎太郎刑事(“長さん”は、巡査部長の愛称です)。
み「刑事は、足!
足で捜査するの」
律「そんなの、今どき流行らないわよ」
み「捜査に、流行り廃れがあるか!
王道あるのみ」
律「ほら、捜査会議のとき、偉そうにしてるのがいるじゃない?」
み「誰よ?」
律「何とか官」
み「ぜんぜんわからないんですけど。
宦官?」
律「なんで宦官が、警察にいるのよ」
み「じゃぁ……。
ロクタル管」
律「ぜんぜん違うけど……。
何それ?」
み「昔読んだ小説の題名に出てきた。
内容は忘れたけど、題名だけ覚えてる。
そうそう。
柴田翔の、『ロクタル管の話』だ」
ここで余談。
柴田翔と云えば、なんといっても『されどわれらが日々-』ですね。
若かりしころ、わたしも読みました。
はい、お話続けます。
律「それと捜査と、関係あるの」
み「あるわけないでしょ」
律「もう。
要らないこと言わないでちょうだい。
何だったかな?
何とか官なのよ」
食「あの、ボクわかったかもです」
み「げ。
チミ、まだいたの?」
食「いたに決まってるでしょ!
青森までいますよ」
み「じゃ、言ってみたまえ。
この先生の言わんとすること」
↑これは、“お椀とすること”(最近、苦しい……)
食「管理官じゃないですか?」
律「それ!
それよ!」
み「確かに、最近の刑事ドラマとかで、けっこう出てくるね」
律「『相棒』にも出てくるわよ」
み「へー。
ああいうの、見てるんだ」
律「香純が好きなのよ。
だから、お付き合い」
み「香純ちゃんに聞けばよかったじゃない」
律「あの子が知ってるもんですか。
それに、口挟まないでって言われてるから」
み「その気持はわかる」
律「何よ、それ」
み「でも確かに……。
昔のドラマじゃ、“管理官”なんて出てこなかったんじゃないの?」
み「どういう人なんだろ?」
食「管理官ってのは……。
県警では、課長の下のポストです」
み「なんだ。
そしたら、係長じゃないの」
律「課長補佐でもいいんじゃない?」
食「警視庁だと、課長、理事官に次ぐナンバースリーですね」
み「ほらみ。
やっぱ、係長だ。
課長、課長補佐、係長。
さえねー。
何人いるのよ?」
食「刑事部捜査一課では、管理官は13人います」
み「そんなにいるの。
ますます偉くないじゃん」
食「でも、警視ですよ」
み「キャリアなんでしょ?」
食「キャリアの管理官は、ごく希ですね」
み「そうなの?
警察庁から派遣されてるエリートかと思った」
食「ノンキャリア組の中では、エリートでしょ」
み「あ!
あれが、管理官だったじゃない」
律「あれって、誰よ?」
み「秋田の人。
バスガイドさんが好きだって言ってた」
律「誰よ?」
み「忘れたの?」
律「あんただって、忘れてるじゃない」
み「顔は覚えてるのよ。
昔、踊ってた人」
律「お立ち台で?」
み「違う!
男だけのグループ!」
律「ドリフターズ?」
み「舐めとんのか!」
食「ボク、わかったかも知れません」
み「頼むから、言ってくれ」
食「ギバちゃんでしょ?
柳葉敏郎」
み「それだー!」
律「柳葉敏郎って、踊ってたの?
何踊り?」
み「ソレソレとか言って踊るやつよ」
律「盆踊り?」
み「違う!
チミ、解説して」
食「『一世風靡セピア』というグループでしたね」
み「それだー」
律「でも、柳葉敏郎が、何で管理官なのよ」
み「出てたでしょ、そういう役で。
ほら、これも踊るやつよ」
み「えーっと……。」
律「『フラガール』?」
み「違う!
はい、解説!」
食「『踊る大捜査線』ですね」
み「それ!
役名が、ほら……。
なんだっけ。
室田日出男?」
食「ぜんぜん違います。
室(むろ)で始まりますけど」
律「わかった。
室井滋」
み「そりゃ、女だろ!
クイズにするから、話が進まないじゃない。
真っ直ぐ答えよ!」
食「室井慎次ですよ」
み「それだー」
律「室井まで合ってたわ」
み「根本的に違ってたでしょ。
ともかく、やっとたどり着いた。
あれが確か、管理官だった」
律「まどろっこしい人ね」
み「先生が、ものを知らなすぎなの!」
律「あんたもでしょ」
食「そう言えば……。
渋い俳優さんで、小木茂光という人がいます」
食「この人の演じる管理官も、らしさがありますね」
み「知ってる?」
律「知らない」
み「何が言いたいんだ?」
食「小木茂光さんは、『一世風靡セピア』のリーダーだったんですよ」
↑最後列右が、小木茂光。その手前が柳葉敏郎。最前列左は哀川翔。
み「それで?」
食「それだけですけど」
み「話を進める!
そもそも、管理官って……。
どういう人がなるのよ?」
食「生え抜きの刑事がなる場合と、刑事経験のない行政官タイプがなる場合の、2通りがあるようです。
テレビで描かれる管理官は、後者が多いみたいですね」
み「何する係なのよ?」
食「捜査本部の陣頭指揮ですよ」
み「あぁ。
それなら、よくテレビで見るね。
すっげー感じの悪いやつ」
↑左が、管理官役の三浦浩一さん(『多摩南署たたき上げ刑事・近松丙吉』)。
律「で、その管理官が結局どうしたって話?」
み「先生が言い出したんでしょ!」
律「そうだっけ?」
み「管理官がどうしたのよ?」
律「忘れちゃったわよ」
み「はい、チミ、解説」
食「たぶん……。
足で捜査するなんて、昔ながらの古いタイプの刑事だから……」
食「きっと、管理官の云うことを聞かないタイプじゃないかって趣旨じゃありませんか?」
律「そうだったかも」
み「いい加減な女」
律「Mikiちゃんが、話を逸らすからよ」
み「まぁ、いいわい。
そう言えば、刑事の靴って自前なのかね?」
律「そうじゃないの?」
み「スゴい減るだろうね」
み「刑事ドラマだと……。
そういうタイプの刑事に、スニーカー履かせたりしてるよね」
律「それは、若い刑事じゃないの?」
み「違うよ。
ベテラン刑事。
背広来て、白いスニーカー履いてるわけ。
伊東四朗がやってた」
↑事件が起きると、自分の茶碗を割ります。犯人が割れるようにとのおまじない。
律「なるほど。
雰囲気はわかるけど、ちょっと作りすぎじゃない?」
み「確かに」
食「刑事って、みんな同じ靴、履いてたんじゃなかったかな?」
み「なんでよ?
支給ってこと?」
食「いや。
それは知りませんが」
み「何で同じ靴なのよ?」
食「現場で、犯人の足跡と区別するためです。
いろんな靴履いた刑事が歩き回ったら、わけわからなくなりますから(こちらからの情報です)」
み「ほー。
それは知らなかった。
それじゃ……。
ジーパン履いてても、靴だけ革靴?」
食「さー」
み「無責任なヤツ」
律「靴底だけ一緒なんじゃないの?」
み「それじゃ、特注じゃん。
そんな靴、自腹で何足も買えないでしょ」
律「あ、わかった。
靴底だけ、同じの貼り付ければいいのよ」
み「そんな靴、履きたくない」
律「Mikiちゃんが履くわけじゃないでしょ」
み「それで、最近の刑事ドラマって、みんな背広なのかな?」
↑この人は、背広を着てないようです。
み「同じ靴ですむように」
律「警察官だけじゃなくて、公務員は、普通背広じゃないの?」
み「沖縄の役所は、アロハ着てるじゃない」
律「警察もアロハなんじゃないの?」
み「そんなわけねーだろ!」
↑ほんとにありました(和歌山県の白浜署)。
律「刑事が背広で、何か不都合?」
み「昔の刑事ドラマは違ってたでしょ。
さっき言ったけど、ジーパンとかさ」
律「セーラー服もいたじゃない」
み「あれは特殊でしょうが」
律「そうなの?」
み「現役高校生は、公務員になれないでしょ」
律「じゃ、何でなれたのよ?」
み「そういう設定なの!
はい、チミ。
間髪入れず、解説」
食「お2人が話題にされてるのは……。
『スケバン刑事』ですよね?」
み「こんな話、ほかにあるかい」
食「『ケータイ刑事』というのもあります」
み「ほー。
それは、初耳じゃぞ」
食「じゃ、まず『スケバン刑事』から解説します。
元々は、和田慎二という人の漫画作品です」
食「主人公は、麻宮サキ。
札付きのスケバンでした」
↑なんで新品なのに汚れがあるんだ? 店長が着てたんじゃないのか?
食「ところが、サキの母親が……。
夫、つまり、サキの実父を殺してしまい、死刑判決を受けてしまったんです」
食「これに目をつけたのが、警視庁の暗闇警視です」
↑この年で警視なら、ノンキャリアですね。
食「死刑執行の停止と引き換えに、サキを学生刑事にスカウトしたんですね」
み「待てい!」
食「ま、この時点で異論があることは想定してました」
み「警視に、人事権なんかあるかい!」
み「管理官レベルじゃないか」
み「それ以前に、名前が怪しすぎる」
み「それに、死刑執行の停止なんて、警察の権限で出来っこないでしょ。
だいたい、1人殺したくらいじゃ、死刑判決なんて出ないだろ」
食「漫画ですから」
↑こんなパロディもありました
み「ひと言で片付けるな!」
食「子供には、この理屈で十分なんです」
み「子供だましってことじゃない」
食「方便です。
このへんはスルーしてもらわないと、話が進みませんよ」
み「まぁ、今回だけは大目に見てやる」
み「続けたまえ」
食「何でそんなに偉そうなんです?」
み「気にするな」
食「スゴく抵抗あるんですけど」
み「そもそも、高校生を刑事にするメリットって何よ?」
食「潜入捜査ですよ」
食「学校には、警察組織が介入しにくいでしょ」
み「なるほど。
そのヘンは、理屈にあってるな」
食「最初は、そういう学園探偵物だったんですけどね」
食「だんだん話が大きくなって……。
日本の政治を影で操る『信楽老(しがらきろう)』との戦いにまで行き着きます」
み「その成り行きには、大いに納得できる」
食「なんでです?」
み「その場しのぎで書いてると、だんだんそうなっていくものなの」
食「はー」
み「でも、『スケバン刑事』って、実写のイメージがあるんだけど」
食「そうですね。
テレビドラマ化されて……。
麻宮サキを、そのときどきのアイドルが演じてヒットしました。
初代は、斉藤由貴」
食「2代目が、南野陽子」
み「2代目って、ヤクザみたいだな」
食「実際、南野陽子の役名は早乙女志織で……。
2代目“麻宮サキ”を襲名したんです。
高知弁がトレードマークですね」
み「おー、高知弁。
決めゼリフがあったよね」
↑ご存知、『美少女仮面ポワトリン』の決め台詞
律「どんな?」
み「おどまぼんぎりぼんぎり!」
律「そんなわけないでしょ」
食「そもそも、それは熊本弁です」
み「はい、解説」
食「決めゼリフは、“おまんら、許さんぜよ!”、でした」
↑2009年、『メイド刑事』にゲスト出演し、往年の決めゼリフを披露した南野さん(綺麗ですね~)。
み「おー。
龍馬伝まで続く、高知弁パターンだね」
み「高知の人って、今でもそんなしゃべり方してんの?」
食「してないと思います」
み「してたら、ほかの県の人としゃべれんよね」
食「3代目、いきます」
み「誰だっけ?」
食「浅香唯です」
食「九州出身」
み「決めゼリフは?」
食「“せからしか! ”」
み「なんだー。
“とっとっとー”にしてほしかったな」
↑人相悪すぎ(シャモです)。
食「いつ、そんなセリフが言えるんですか」
み「列車の座席を確保するときに決まっとろうが」
食「毎回、そんなシーンばかり撮れないでしょ」
律「でも、ほんとよくご存じですわ」
み「まーね。
さすが、オタクだけのことはある」
食「あくまで、鉄道オタクです」
食「アイドル系は、守備範囲外です」
み「これだけ知ってて?
体型は、打球真正面だけどね」
食「これは、“食い鉄”の宿命ですよ」
み「でもさ、オタクの人って、どうして太ってるのかな?」
律「痩せた人もいるんじゃないの?
ほら、昔、いたじゃん。
気味の悪い男」
み「誰よ?」
律「たこ八郎?」
み「確かに、気味は悪いけど……。
あの人、オタクだったの?」
食「あの、わかったんで、口挟ませてもらいます。
先生のおっしゃりたいのは、宅八郎だと思います」
律「それそれ!」
み「知らんな。
解説せよ」
食「なんか、金払ってもらいたい気分なんですけど」
み「セコイこと言うでないわい。
知識ってものは……。
ひけらかすときが、一番気持ちいいんじゃないの」
み「その機会を作ってやってるんだから……。
むしろ、お金もらいたいのはこっちよ」
食「わかりました。
タダで解説します」
↑これは、ダダ
食「あの人は元々……。
オタク評論家、つまりライターです」
食「ま、実際オタクじゃなければ、評論も出来ないでしょうけど。
テレビに出るようになってからは……。
いろいろと奇矯な行動で、問題を起こしましたね」
み「勉強になるなぁ。
で、その宅八郎がどうしたのよ?」
律「だから、オタクは、太った人ばかりじゃないってこと」
↑香港のオタクは、痩せてるそうです。
み「でも、比率からすると、多いでしょ。
実際、オタクをイラスト化したばあい……。
太った人物で表現されることが多いじゃないの」
↑56人のオタクだそうです。
律「ま、言われてみればだけど。
なんで太ってるのかしら?」
み「はい、解説」
食「知りませんよ」
み「なんで知らんの?
片手落ちなやつ」
律「今、そういう表現も、差別用語ってことになってるのよ」
み「めんどいのぅ。
そう言えば子供のころの記憶だけど……。
大叔父さんが、法事で酔っ払ってさ」
み「もう、ぐでんぐでん」
み「相手が何て言ったかは忘れたけど……。
“スルスルって、イザリのキンタマじゃあるめいし”って管巻いててね」
み「そばにいた母親に意味を聞いたけど、教えてくれなかった」
律「差別用語+シモネタだったわけね」
み「意味がわかったのは、だいぶ後になってからだけど……。
上手いこと言うなって、感心したものよ」
律「今では、そんな冗談、誰もわからないでしょうね」
み「だよね。
何の話だっけ?」
律「オタクに太った人が多い理由よ」
み「あ、そうか。
オデンのせいかな?」
律「は?」
み「ほら、秋葉原名物にあるじゃないの。
オデンの缶詰」
み「あれの食べ過ぎとか」
律「オデンの具なんて、太るもの入ってないでしょ。
むしろ、健康的なものが多いんじゃない」
み「はい、チミ。
好物だろ。
具の解説」
食「何でボクが知ってるんですか?」
み「秋葉原はホームタウンじゃないか」
食「鉄道マニアには関係ないですよ」
↑さいたま市の『鉄道博物館』。大混雑!
み「そうなの?」
食「ま、一応、知ってはいますけどね」
み「やっぱり、知ってるんじゃないか」
食「珍しいものは入ってませんよ。
ごく一般的な具です」
み「言ったんさい」
食「つみれ」
食「牛すじ」
食「こんにゃく」
食「ちくわ」
食「卵」
食「昆布」
食「薩摩揚げ」
食「ダイコン」
食「ニンジン」
律「↑これって、明らかに行稼ぎよね」
み「気にするでない」
み「先生は、何から食べる?」
律「そうね……。
やっぱり、卵かしら」
み「おー、バクダンか」
律「バクダンって、全国的に云うのかしら?」
食「今はほぼ、死語に近いんじゃないですか?」
み「そうなの?」
食「何か、古き良き昭和のニオイがしますね」
み「オデンの屋台自体、そうだよね」
み「捜査に煮詰まった刑事が……。
オデン肴に、屋台で飲んでるってシーン、よくあるじゃん」
律「あれ、妙に美味しそうよね」
み「でしょ。
あれ見ると、オデンを食べたくなるんだ。
じゃ、先生は、バクダンね」