2012.3.3(土)
犯『イヤに値段にこだわりますね』
刑『当然です。
前泊した方が安いのに、わざわざフェリーに乗ったとしたら……。
大いに怪しいですから』

犯『なるほど。
“ステート”は、7,700円です』
刑『残念』

↑今、どうしてるんでしょ?
犯『なんでですか!
ちなみに、“デラックス”でも、10,500円です』
刑『うーん』

↑たまたま見つけた、考えこむ画像。面白いので載せてみました。
刑『足が出るのは、“スイート”だけですか……。
ん?
待てよ』

犯『どうしたんです?
ニヤニヤして。
気持ち悪いですね』

↑これも、たまたま見つけた、気持ち悪い画像。
刑『わたくし、大変なことに気づいてしまいました』

↑大変なことになってるネコ。静電気だそうです。本人は平気みたいですが。
犯『何ですか?』

刑『“個室”という呼び方をしてたからですな』

犯『だから、何です?』
刑『“個室”と言っても……。
それは、一人部屋という意味ではない』

刑『見知らぬ人とは相部屋にならない、という意味の個室です。
すなわち、その個室には、複数名が泊まれる。
そうじゃ、あーりませんか?』

犯『その通りですよ。
ほかのフェリーは知りませんが……。
わたしが乗った“あざれあ”の個室は、すべて複数定員です』

↑“あざれあ”デラックスルーム(旧・特等船室)
刑『そうでしょう。
個室の定員は、何人ですか?』
犯『“ステートルーム”の一部に、4人定員の部屋がありますが……』

↑“すずらん”ステートルーム(旧・1等船室)4人部屋。グループ旅行に最適。
犯『あとはみんな、定員は2名のはずですよ。
でも、それがどうかしましたか?』
刑『どうかしましたか、どころの話じゃありませんよ。
あなたは、その部屋にお一人で泊まられたんじゃないですか?』

犯『連れはいないって、初めから言ってるじゃありませんか』

刑『さっき、あなたがおっしゃられた料金っていうのは……。
1人分の料金なんじゃありませんか?』
犯『そうですけど』
刑『ふっふっふ』

犯『顔が思い切り邪悪なんですけど』
刑『てことは……。
その部屋を借り切るためには……。
実際には、2名分の料金が必要になる!』

↑ラブホに入る瞬間が、ストリートビューに載ってしまったカップル。
刑『すなわち!
“ステート”1室の値段は、7,700円×2=15,400円!
“デラックス”ともなれば、10,500円×2=21,000円!
どうです!
一気に足が出てしまうじゃありませんか!』

犯『刑事さん……。
なかなかいいところを突きますね』

刑『でしょ、でしょ、でしょー。
これで決まりですな。
大人しく、お縄をちょうだいしますか?』

犯『着眼点はいいんですが……。
残念ながらハズレです』

刑『何でですか!』

犯『たしかに、繁忙期には……』

犯『貸切料金が必要になります.
でも、2人分取られるわけじゃありませんよ。
1.5倍です』

刑『う。
りょ、良心的ですな』

刑『なぜ、2人分取らないんですか?』

犯『良心的だからじゃないですか?』

刑『でもでも、1.5倍でも、そこそこいっちゃうじゃありませんか。
ちょっと待って下さいよ。
今、ソロバン出しますから』

犯『ソロバンお持ちなんですか?』
刑『準6級ですから』

刑『パチパチパチ、と』

刑『ステートで、11,550円。
デラックスだと、15,750円ですな。
ステートなら、微妙なところですが……。
デラックスでは、明らかに足が出ます』

犯『刑事さん。
人の話を聞きましょうよ』

犯『さっき言ったでしょ。
繁忙期にはって』

刑『耕運機?』

犯『現実逃避しないでください。
お客さんの多い時期ってことですよ』

刑『それは、いつですか?』
犯『7,8,9月の3ヶ月間と、12月下旬から1月上旬までです』
刑『……』
犯『つまり、この期間だけは、1.5倍の料金が取られますが……。
ほかの時期なら、取られないんです』
刑『なぜ取らない?』

犯『お客が少ないからですよ』

↑12人部屋の“ツーリストJ”(ゆうかり/新潟ー小樽)。この日の利用者、3名。
犯『たとえ1人分の料金でも、個室に入ってもらった方が儲かりますから』

犯『で、わたしが乗った日は……。
刑事さんも御存知のとおり、繁忙期ではありませんよね。
どうされました?
すっかりお力落としのようですが』

刑『お気遣いなく。
ちょっとカウンターをもらっただけです』

犯『かなり効いてるようですが』

刑『お気遣いなく。
十分戦えます』

刑『それでは、話を戻します。
“デラックス”の料金は、10,500円でしたな。
でも、これだと、2,000円くらいの差になっちゃいますね。
このくらいの差なら、前泊したほうが楽じゃないですか?
あなたは、“デラックス”でしたか?』

犯『いいえ。
“ステート”です』

↑“あざれあ”のステートB。
刑『……』
犯『大丈夫ですか?
何も、膝まで着かなくても』

刑『まだ戦えます』

刑『カウントエイトで、止めてください。
でも、なぜ……。
なぜ、“デラックス”じゃないんですか?』

犯『なぜって、刑事さんのおっしゃるとおり……。
あんまりお得感ありませんから』
刑『ふーん。
“ステート”の7,700円なら、5,000円くらい安く上げられるわけですな』

犯『大きいですよ』

刑『しかし……。
なんで、“デラックス”なんて名称にしたんでしょうね?』
犯『は?』
刑『今どき、“デラックス”なんて、恥ずかしくありませんか?』

犯『わたしに言われても』
刑『なにか、ほかに無かったんでしょうか?
お洒落で、高級感がある名前。
“ゴージャス”なんてのは、どうです?』

↑福井の喫茶店。値段が書いてないのが不気味。
犯『よけい恥ずかしいと思います』

刑『そうですか。
じゃ、“スペシャル”とか』

犯『風俗みたいですよ』
刑『お好きですか?
いい店、紹介しますよ。
川反の』

犯『ほんとに刑事さんですか?』
刑『よく言われます』

刑『それでは、刑事らしく進めましょう。
あなたは、あの日……。
出張料金を安く上げるために、フェリーを利用した』

刑『しかし、耳ざといあなたは……。
昔の2等、今の“ツーリスト”では、よく眠れない恐れがあった』

刑『会議は、8時半から』

刑『よく眠っておきたいものですな』

刑『で、あなたが泊まったのは……。
個室の、一番安い部屋。
昔の……。
準1等でしたかな?』
犯『1等です。
準なんて、付くわけないでしょ。
ソロバンの級じゃないんだから』

刑『ほー。
あなたもソロバンを習われてましたか』

↑してはいけません
刑『何級まで取られました?』
犯『3級です』

刑『それはスゴい。
わたしは、準6級まででした』

↑空手にもありました。でも塾長は、書道も少し頑張りましょう。
犯『それはさっき聞きました。
でも、準6級までって、そこが開始の級でしょう』

刑『そうでしたっけ?』
犯『とにかく!
もう、いいですか?
わたしは、あの夜、フェリーに乗ってたんです』

刑『それを証言してくれる人は、いますか?』

犯『なんか……。
はるか昔に、その質問を受けたような気がします』

刑『2等なら、誰かと顔を合わせたでしょうにね』

犯『そのあたりから、ものすごい大回りしてきた気がします』

刑『2等じゃなかったのが、返す返すも残念ですな』

犯『仕方ないですよ。
アリバイを作るために乗ったんじゃないんですから』

↑アリが這うから“アリバイ”
刑『真っ直ぐお部屋に入ってしまった?』

↑これは、“すずらん(敦賀ー苫小牧東港/直行便)”の廊下。
犯『そうです』
刑『ほんとに誰とも会いませんでしたか?
重要なことなんです。
よく思い出してください。
あなたの人生がかかってるんです』

↑新潟市にある小路です。
犯『脅かさないでくださいよ。
そんなに大事なことなら、いらないこと聞かなきゃいいのに』
刑『いらないこと……。
船室名の変更のことや、料金のことでしょうか?』

犯『そうです』
刑『おかげで、よーくわかりました』
犯『ご旅行の予定でも?』

刑『いいえ。
わかったのは……。
あなたが、あのフェリーについて、驚くほど詳しいということです』
犯『だから……。
それは、新潟から秋田へ安く行く方法を、いろいろ探してたからですって』

刑『ま、理由はこの際、問いません。
詳しいという事実が大事ですから』
犯『詳しいと疑われるんですか?』

刑『もう一度、お聞きします。
どなたかと、お会いしませんでしたか?』
犯『うーん。
あ、そうそう。
乗船の手続きのとき、フェリーのフロントと顔を合わせてます』

刑『なるほど。
そりゃそうですな。
しかし、向こうで覚えてるかな?
失礼ながら、平凡な風貌でいらっしゃる』

犯『ほんとに失礼だな。
でも、覚えてるとおもいますよ。
会話してますから』
刑『どんな会話です?』
犯『海が時化てないか、聞いたんです』

刑『なぜです?』
犯『あの晩、日本酒を少し飲み過ぎたようで……』

犯『船酔いしそうな気がしたもので』

↑これはただの酔っ払い。
刑『時化てましたか?』
↑「小樽→舞鶴」航路での時化の様子。
犯『いや、穏やかな海だとのことでした』

犯『当日のフロント嬢に聞いてみてください』

犯『いくら平凡な顔でも、会話を交わした客のことなら覚えてるはずです』
刑『あなたが、フロントと会話を交わしたのは、何時ごろでしたか?』

犯『何時ごろだったかな……』
刑『船はもう出港してましたか?』

犯『いえ、まだです。
乗船手続きのときですから』
刑『それでは、その後で下船することも出来たわけですな』
犯『待ってくださいよ。
新潟から乗り込んだ客が、そのまま下船したら……。
記録に残っちゃうでしょ。
下船するときは、乗船券が必要なんですから』

↑左側が、下船用の半券。
刑『ふーむ。
何か方策はありませんか?』

犯『わたしに聞かないでください。
そんなこと、考えたこともありませんよ』
刑『そうですか。
あれだけフェリーに詳しいあなたなら……。
何か方策を、思いつきそうなものですが』
犯『簡単にそんなことが出来たら……。
フェリー会社の管理体制が問題にされますよ』

刑『ま、いずれにしろ……。
出港前のアリバイじゃ、弱いですな』

犯『と言われても……。
あぁ、そうか。
わたしもどうかしてる。
やっぱり、酔ってたんですね。
出港してからのアリバイなら、ありますよ』

刑『お聞きしましょう』
犯『廊下では、誰ともすれ違いませんでした。
部屋に入って、すぐに浴衣に着替え、眠ろうとしたんですが……』

↑こちらは、“すずらん”のデラックスルーム。
刑『ちょっと待って下さい。
あなた、お風呂は入らないんですか?
普通、浴衣に着替える前に、ひとっ風呂浴びませんか?』

犯『残念ながら、ステートには、お風呂が付いてません』
刑『そうですか。
お風呂が付いてる部屋は?』
犯『デラックスとスイートですね』

↑“あざれあ”スイートのバスルーム。普通のお風呂ですね。
刑『なるほど。
新婚さんは、デラックス以上にした方がいいですな』

↑こちらは、“ゆうかり”スイートのバスルーム。ちょっとラブホ風。
犯『新婚旅行で、日本のフェリーに乗る人は、あまりいないでしょう』

刑『そうなんですか?
外国なんかに行くより、ずっと楽しそうですけどね。
よく、新婚旅行で事故に遭ったりするじゃないですか。
やっぱり、日本は安全ですよ』

↑昭和40年代の宮崎。すべて新婚カップルですね。
犯『刑事さんは、どちらでした?』
刑『別府です』

犯『それはまた……』
刑『なんですか?』
犯『いえ。
そういうのも、楽しそうですね』

↑別府秘宝館
刑『良かったですよ。
地獄めぐり』

刑『今思えば、それからの人生を暗示してましたけど』

犯『はぁ』
刑『また脱線しましたな。
とにかく、お風呂にも入らずに寝てしまうというのは……。
どんなもんでしょう』

犯『そう言われましても』
刑『お部屋についてなくても、大浴場があるでしょう?
“ツーリストJ”のお客さんもいるんだから』

↑24:30分まで開いてますから、新潟から乗船した人も入れます。
犯『ありますが……。
やっぱり、お酒が入ってると、足元が危ないですからね』

刑『そんなお年でもないでしょう』

犯『揺れるんですよ。
それに、フェリーの大浴場は……。
入れない可能性もあるということを、頭に入れて置いた方がいいですよ』
刑『営業時間中でも?』
犯『そうです。
時化ると、閉鎖されるんです』

刑『どうしてです?』
犯『危ないからですよ。
下が濡れてるんだから、転んだりするでしょ』

刑『そんなに揺れるんですか?』
犯『湯船のお湯が、ザバザバ溢れます』

↑昼間は、窓の外に日本海が見えます。
刑『ほー。
波の立つプールみたいじゃありませんか』

刑『子供は喜びそうですね』

↑東京サマーランドの波のプール。人波のことか?
犯『喜ぶ前に船酔いしますよ』

↑ツラそうですね。オレに話しかけるな状態。
刑『それもそうですな。
となると、お風呂は朝ですか?』

犯『無理です。
秋田着は、5:50分。
大浴場はまだ開いてません。
確か、8時からです』

刑『うーむ。
それはおかしい』

犯『何がです?』
刑『秋田本店の会議は、大事なものなんでしょ?』

犯『もちろんです』
刑『お偉いさんがズラッと並ぶ?』

犯『ま、そんなもんです』
刑『そういう会議に……。
前の晩、お酒を飲んだまま、お風呂も入らずに出れますか?』

犯『あぁ。
そういう意味ですか。
フェリーでは、入れませんが……。
下りてから会議まで、2時間半あります。
お風呂に入れて朝食も取れる施設があるんですよ』
刑『そんなとこ、あるんですか?
日帰り温泉?』

犯『いわゆる、健康ランドですね』

↑岐阜市にある健康ランド。わかりやすくていいですね。
刑『あぁ、スーパー銭湯ですか。
そんなに朝早くからやってるとこ、秋田にありましたっけ』
犯『朝早くも何も、24時間営業ですよ』

刑『何てところです?』
犯『“ゆ~らんど”と云います』

↑外観は、イマイチですが。
刑『また、ベタな名前ですね。
市の運営ですか?』
犯『確かに、このネーミングセンスは……。
公共施設系ですけどね。
実際は、違います。
“ユーランドホテル八橋”というホテルに併設されてるんです』

↑フロントのようです。
犯『もちろんホテルなので、宿泊も出来ますが……。
日帰り施設としても利用できます』

刑『24時間?』
犯『そうです。
朝食は、7時から食べられます』

犯『フェリーが5:50分の着でしょ。
フェリー乗り場近くのセリオンから、バスが通じてます』

犯『始発のバスが……。
セリオン前を、6:23分に出ます。
最寄りの“陸運支局入り口”に着くのは、6:34分。
↓そこから施設まで、歩いて5,6分です(アクセス)』
犯『施設に着いて、ゆっくりお風呂を楽しんで……』

犯『出ると、ちょうど朝食が食べられるという塩梅です』

刑『待ってくださいよ。
そんな施設まで利用したら……。
やっぱり足が出るんじゃありませんか?』

犯『また、足の出る話ですか』
刑『すいませんね、景気の悪い話で』

↑“貧乏神”の絵。こういうのを描いて、何の得があるんだろう。
犯『ま、警察官が景気が良かったら、気味悪いですからね』

刑『ありがとうございます。
それでは、端的にお聞きします。
その施設の利用料は、いくらですか』

↑“やつはし”ではなく、“やばせ”と読みます。施設の建ってるあたりの地名です。
犯『3時間の入浴コースで、600円。
朝食は、和定食と洋定食がありますが……。
共に、630円』

刑『ほー。
朝食で630円とは、そこそこの値段ですね』
犯『洋定食には、400円のメニューもありますよ』
刑『どんなメニューですか?』
犯『ジャムとバターを塗ったトーストに、野菜サラダ』

↑イメージです。
犯『これに、ドリンクが付きます』
刑『それはちょっと、寂しいですね。
630円だと、どうなるんです?』
犯『さっきのメニューに、ハムエッグと、フルーツヨーグルトが付きます』

↑これも、イメージ。“ゆ~らんど”の卵は1個だと思う。
刑『なるほど。
ちなみに、ドリンクは何ですか?』
犯『ホットコーヒー、アイスコーヒー、ウーロン茶、オレンジジュース、牛乳です』

↑しつこいけど、イメージです。
刑『それ、ぜんぶ飲めるんですか?』
犯『こんなの全部飲んだら、お腹がガボガボになっちゃうでしょ』

犯『どれかひとつです』
刑『なるほど。
ビールは無いわけですな?』

犯『ありません』
刑『やっぱり、洋定食じゃ物足りないな。
和定食のメニューは、どうなってますか?』

犯『こんなことまでメモするんですか?』

↑メモを取る画像って、案外無いものですね。これは、とある吟行会での一コマ。
刑『どんな些細な事でも、メモすることにしてます』

刑『あとで、このメモを睨んでると……。
見えてくることがあるんですよ』

犯『怖いですね。
そんなに何でもかんでも書いたら……。
見返すとき、大変じゃないですか。
要点だけ書けばいいのに』

刑『話を聞いてる段階では……。
それが要点かどうかなんてわかりません。
要点だけ書くってのは……。
結局は、先入観で取捨選択してることになります』

刑『とにかく、聞いた話は、先入観を入れずに、すべてメモすることにしてます。
メモしなかったことを後悔することはあっても……』

刑『メモしたことを後悔することはありませんからね』

↑ベートーベン直筆の買い物メモ。7万4千ユーロ(約860万円)でフランス人収集家が落札。
犯『なるほど』
刑『和定食のメニュー、どうぞ』
犯『和定食は、2種類あります』

刑『ほー。
こちらも、400円のメニューがあるわけですね』
犯『いえ。
和定食は、どちらも630円です』
刑『なぜです?』
犯『わたしに聞かないでください。
でもたぶん……。
朝、卵をどう食べたいかで、好みが違うからじゃないですか?』

刑『ということは……。
卵の料理法が違うわけですな』

↑右は恐竜の卵、ではなく、ダチョウの卵。
犯『そうです。
Aセットのメインディッシュは、焼き魚に卵焼きです』

刑『おー。
卵焼き。
いいですな。
でも、当たり外れがありますからね』

犯『そうですか。
ハズレのないメニューだと思いますが』
刑『甘みですよ。
お菓子みたいに甘ったるい卵焼きがあるじゃないですか』

刑『わたしはあれが大嫌いでしてね』

刑『わが家の卵焼きは、砂糖をいっさい使いません。
塩味オンリー。
これが、わが家の憲法です』

犯『はぁ』
刑『当然です。
前泊した方が安いのに、わざわざフェリーに乗ったとしたら……。
大いに怪しいですから』

犯『なるほど。
“ステート”は、7,700円です』
刑『残念』

↑今、どうしてるんでしょ?
犯『なんでですか!
ちなみに、“デラックス”でも、10,500円です』
刑『うーん』

↑たまたま見つけた、考えこむ画像。面白いので載せてみました。
刑『足が出るのは、“スイート”だけですか……。
ん?
待てよ』

犯『どうしたんです?
ニヤニヤして。
気持ち悪いですね』

↑これも、たまたま見つけた、気持ち悪い画像。
刑『わたくし、大変なことに気づいてしまいました』

↑大変なことになってるネコ。静電気だそうです。本人は平気みたいですが。
犯『何ですか?』

刑『“個室”という呼び方をしてたからですな』

犯『だから、何です?』
刑『“個室”と言っても……。
それは、一人部屋という意味ではない』

刑『見知らぬ人とは相部屋にならない、という意味の個室です。
すなわち、その個室には、複数名が泊まれる。
そうじゃ、あーりませんか?』

犯『その通りですよ。
ほかのフェリーは知りませんが……。
わたしが乗った“あざれあ”の個室は、すべて複数定員です』

↑“あざれあ”デラックスルーム(旧・特等船室)
刑『そうでしょう。
個室の定員は、何人ですか?』
犯『“ステートルーム”の一部に、4人定員の部屋がありますが……』

↑“すずらん”ステートルーム(旧・1等船室)4人部屋。グループ旅行に最適。
犯『あとはみんな、定員は2名のはずですよ。
でも、それがどうかしましたか?』
刑『どうかしましたか、どころの話じゃありませんよ。
あなたは、その部屋にお一人で泊まられたんじゃないですか?』

犯『連れはいないって、初めから言ってるじゃありませんか』

刑『さっき、あなたがおっしゃられた料金っていうのは……。
1人分の料金なんじゃありませんか?』
犯『そうですけど』
刑『ふっふっふ』

犯『顔が思い切り邪悪なんですけど』
刑『てことは……。
その部屋を借り切るためには……。
実際には、2名分の料金が必要になる!』

↑ラブホに入る瞬間が、ストリートビューに載ってしまったカップル。
刑『すなわち!
“ステート”1室の値段は、7,700円×2=15,400円!
“デラックス”ともなれば、10,500円×2=21,000円!
どうです!
一気に足が出てしまうじゃありませんか!』

犯『刑事さん……。
なかなかいいところを突きますね』

刑『でしょ、でしょ、でしょー。
これで決まりですな。
大人しく、お縄をちょうだいしますか?』

犯『着眼点はいいんですが……。
残念ながらハズレです』

刑『何でですか!』

犯『たしかに、繁忙期には……』

犯『貸切料金が必要になります.
でも、2人分取られるわけじゃありませんよ。
1.5倍です』

刑『う。
りょ、良心的ですな』

刑『なぜ、2人分取らないんですか?』

犯『良心的だからじゃないですか?』

刑『でもでも、1.5倍でも、そこそこいっちゃうじゃありませんか。
ちょっと待って下さいよ。
今、ソロバン出しますから』

犯『ソロバンお持ちなんですか?』
刑『準6級ですから』

刑『パチパチパチ、と』

刑『ステートで、11,550円。
デラックスだと、15,750円ですな。
ステートなら、微妙なところですが……。
デラックスでは、明らかに足が出ます』

犯『刑事さん。
人の話を聞きましょうよ』

犯『さっき言ったでしょ。
繁忙期にはって』

刑『耕運機?』

犯『現実逃避しないでください。
お客さんの多い時期ってことですよ』

刑『それは、いつですか?』
犯『7,8,9月の3ヶ月間と、12月下旬から1月上旬までです』
刑『……』
犯『つまり、この期間だけは、1.5倍の料金が取られますが……。
ほかの時期なら、取られないんです』
刑『なぜ取らない?』

犯『お客が少ないからですよ』

↑12人部屋の“ツーリストJ”(ゆうかり/新潟ー小樽)。この日の利用者、3名。
犯『たとえ1人分の料金でも、個室に入ってもらった方が儲かりますから』

犯『で、わたしが乗った日は……。
刑事さんも御存知のとおり、繁忙期ではありませんよね。
どうされました?
すっかりお力落としのようですが』

刑『お気遣いなく。
ちょっとカウンターをもらっただけです』

犯『かなり効いてるようですが』

刑『お気遣いなく。
十分戦えます』

刑『それでは、話を戻します。
“デラックス”の料金は、10,500円でしたな。
でも、これだと、2,000円くらいの差になっちゃいますね。
このくらいの差なら、前泊したほうが楽じゃないですか?
あなたは、“デラックス”でしたか?』

犯『いいえ。
“ステート”です』

↑“あざれあ”のステートB。
刑『……』
犯『大丈夫ですか?
何も、膝まで着かなくても』

刑『まだ戦えます』

刑『カウントエイトで、止めてください。
でも、なぜ……。
なぜ、“デラックス”じゃないんですか?』

犯『なぜって、刑事さんのおっしゃるとおり……。
あんまりお得感ありませんから』
刑『ふーん。
“ステート”の7,700円なら、5,000円くらい安く上げられるわけですな』

犯『大きいですよ』

刑『しかし……。
なんで、“デラックス”なんて名称にしたんでしょうね?』
犯『は?』
刑『今どき、“デラックス”なんて、恥ずかしくありませんか?』

犯『わたしに言われても』
刑『なにか、ほかに無かったんでしょうか?
お洒落で、高級感がある名前。
“ゴージャス”なんてのは、どうです?』

↑福井の喫茶店。値段が書いてないのが不気味。
犯『よけい恥ずかしいと思います』

刑『そうですか。
じゃ、“スペシャル”とか』

犯『風俗みたいですよ』
刑『お好きですか?
いい店、紹介しますよ。
川反の』

犯『ほんとに刑事さんですか?』
刑『よく言われます』

刑『それでは、刑事らしく進めましょう。
あなたは、あの日……。
出張料金を安く上げるために、フェリーを利用した』

刑『しかし、耳ざといあなたは……。
昔の2等、今の“ツーリスト”では、よく眠れない恐れがあった』

刑『会議は、8時半から』

刑『よく眠っておきたいものですな』

刑『で、あなたが泊まったのは……。
個室の、一番安い部屋。
昔の……。
準1等でしたかな?』
犯『1等です。
準なんて、付くわけないでしょ。
ソロバンの級じゃないんだから』

刑『ほー。
あなたもソロバンを習われてましたか』

↑してはいけません
刑『何級まで取られました?』
犯『3級です』

刑『それはスゴい。
わたしは、準6級まででした』

↑空手にもありました。でも塾長は、書道も少し頑張りましょう。
犯『それはさっき聞きました。
でも、準6級までって、そこが開始の級でしょう』

刑『そうでしたっけ?』
犯『とにかく!
もう、いいですか?
わたしは、あの夜、フェリーに乗ってたんです』

刑『それを証言してくれる人は、いますか?』

犯『なんか……。
はるか昔に、その質問を受けたような気がします』

刑『2等なら、誰かと顔を合わせたでしょうにね』

犯『そのあたりから、ものすごい大回りしてきた気がします』

刑『2等じゃなかったのが、返す返すも残念ですな』

犯『仕方ないですよ。
アリバイを作るために乗ったんじゃないんですから』

↑アリが這うから“アリバイ”
刑『真っ直ぐお部屋に入ってしまった?』

↑これは、“すずらん(敦賀ー苫小牧東港/直行便)”の廊下。
犯『そうです』
刑『ほんとに誰とも会いませんでしたか?
重要なことなんです。
よく思い出してください。
あなたの人生がかかってるんです』

↑新潟市にある小路です。
犯『脅かさないでくださいよ。
そんなに大事なことなら、いらないこと聞かなきゃいいのに』
刑『いらないこと……。
船室名の変更のことや、料金のことでしょうか?』

犯『そうです』
刑『おかげで、よーくわかりました』
犯『ご旅行の予定でも?』

刑『いいえ。
わかったのは……。
あなたが、あのフェリーについて、驚くほど詳しいということです』
犯『だから……。
それは、新潟から秋田へ安く行く方法を、いろいろ探してたからですって』

刑『ま、理由はこの際、問いません。
詳しいという事実が大事ですから』
犯『詳しいと疑われるんですか?』

刑『もう一度、お聞きします。
どなたかと、お会いしませんでしたか?』
犯『うーん。
あ、そうそう。
乗船の手続きのとき、フェリーのフロントと顔を合わせてます』

刑『なるほど。
そりゃそうですな。
しかし、向こうで覚えてるかな?
失礼ながら、平凡な風貌でいらっしゃる』

犯『ほんとに失礼だな。
でも、覚えてるとおもいますよ。
会話してますから』
刑『どんな会話です?』
犯『海が時化てないか、聞いたんです』

刑『なぜです?』
犯『あの晩、日本酒を少し飲み過ぎたようで……』

犯『船酔いしそうな気がしたもので』

↑これはただの酔っ払い。
刑『時化てましたか?』
↑「小樽→舞鶴」航路での時化の様子。
犯『いや、穏やかな海だとのことでした』

犯『当日のフロント嬢に聞いてみてください』

犯『いくら平凡な顔でも、会話を交わした客のことなら覚えてるはずです』
刑『あなたが、フロントと会話を交わしたのは、何時ごろでしたか?』

犯『何時ごろだったかな……』
刑『船はもう出港してましたか?』

犯『いえ、まだです。
乗船手続きのときですから』
刑『それでは、その後で下船することも出来たわけですな』
犯『待ってくださいよ。
新潟から乗り込んだ客が、そのまま下船したら……。
記録に残っちゃうでしょ。
下船するときは、乗船券が必要なんですから』

↑左側が、下船用の半券。
刑『ふーむ。
何か方策はありませんか?』

犯『わたしに聞かないでください。
そんなこと、考えたこともありませんよ』
刑『そうですか。
あれだけフェリーに詳しいあなたなら……。
何か方策を、思いつきそうなものですが』
犯『簡単にそんなことが出来たら……。
フェリー会社の管理体制が問題にされますよ』

刑『ま、いずれにしろ……。
出港前のアリバイじゃ、弱いですな』

犯『と言われても……。
あぁ、そうか。
わたしもどうかしてる。
やっぱり、酔ってたんですね。
出港してからのアリバイなら、ありますよ』

刑『お聞きしましょう』
犯『廊下では、誰ともすれ違いませんでした。
部屋に入って、すぐに浴衣に着替え、眠ろうとしたんですが……』

↑こちらは、“すずらん”のデラックスルーム。
刑『ちょっと待って下さい。
あなた、お風呂は入らないんですか?
普通、浴衣に着替える前に、ひとっ風呂浴びませんか?』

犯『残念ながら、ステートには、お風呂が付いてません』
刑『そうですか。
お風呂が付いてる部屋は?』
犯『デラックスとスイートですね』

↑“あざれあ”スイートのバスルーム。普通のお風呂ですね。
刑『なるほど。
新婚さんは、デラックス以上にした方がいいですな』

↑こちらは、“ゆうかり”スイートのバスルーム。ちょっとラブホ風。
犯『新婚旅行で、日本のフェリーに乗る人は、あまりいないでしょう』

刑『そうなんですか?
外国なんかに行くより、ずっと楽しそうですけどね。
よく、新婚旅行で事故に遭ったりするじゃないですか。
やっぱり、日本は安全ですよ』

↑昭和40年代の宮崎。すべて新婚カップルですね。
犯『刑事さんは、どちらでした?』
刑『別府です』

犯『それはまた……』
刑『なんですか?』
犯『いえ。
そういうのも、楽しそうですね』

↑別府秘宝館
刑『良かったですよ。
地獄めぐり』

刑『今思えば、それからの人生を暗示してましたけど』

犯『はぁ』
刑『また脱線しましたな。
とにかく、お風呂にも入らずに寝てしまうというのは……。
どんなもんでしょう』

犯『そう言われましても』
刑『お部屋についてなくても、大浴場があるでしょう?
“ツーリストJ”のお客さんもいるんだから』

↑24:30分まで開いてますから、新潟から乗船した人も入れます。
犯『ありますが……。
やっぱり、お酒が入ってると、足元が危ないですからね』

刑『そんなお年でもないでしょう』

犯『揺れるんですよ。
それに、フェリーの大浴場は……。
入れない可能性もあるということを、頭に入れて置いた方がいいですよ』
刑『営業時間中でも?』
犯『そうです。
時化ると、閉鎖されるんです』

刑『どうしてです?』
犯『危ないからですよ。
下が濡れてるんだから、転んだりするでしょ』

刑『そんなに揺れるんですか?』
犯『湯船のお湯が、ザバザバ溢れます』

↑昼間は、窓の外に日本海が見えます。
刑『ほー。
波の立つプールみたいじゃありませんか』

刑『子供は喜びそうですね』

↑東京サマーランドの波のプール。人波のことか?
犯『喜ぶ前に船酔いしますよ』

↑ツラそうですね。オレに話しかけるな状態。
刑『それもそうですな。
となると、お風呂は朝ですか?』

犯『無理です。
秋田着は、5:50分。
大浴場はまだ開いてません。
確か、8時からです』

刑『うーむ。
それはおかしい』

犯『何がです?』
刑『秋田本店の会議は、大事なものなんでしょ?』

犯『もちろんです』
刑『お偉いさんがズラッと並ぶ?』

犯『ま、そんなもんです』
刑『そういう会議に……。
前の晩、お酒を飲んだまま、お風呂も入らずに出れますか?』

犯『あぁ。
そういう意味ですか。
フェリーでは、入れませんが……。
下りてから会議まで、2時間半あります。
お風呂に入れて朝食も取れる施設があるんですよ』
刑『そんなとこ、あるんですか?
日帰り温泉?』

犯『いわゆる、健康ランドですね』

↑岐阜市にある健康ランド。わかりやすくていいですね。
刑『あぁ、スーパー銭湯ですか。
そんなに朝早くからやってるとこ、秋田にありましたっけ』
犯『朝早くも何も、24時間営業ですよ』

刑『何てところです?』
犯『“ゆ~らんど”と云います』

↑外観は、イマイチですが。
刑『また、ベタな名前ですね。
市の運営ですか?』
犯『確かに、このネーミングセンスは……。
公共施設系ですけどね。
実際は、違います。
“ユーランドホテル八橋”というホテルに併設されてるんです』

↑フロントのようです。
犯『もちろんホテルなので、宿泊も出来ますが……。
日帰り施設としても利用できます』

刑『24時間?』
犯『そうです。
朝食は、7時から食べられます』

犯『フェリーが5:50分の着でしょ。
フェリー乗り場近くのセリオンから、バスが通じてます』

犯『始発のバスが……。
セリオン前を、6:23分に出ます。
最寄りの“陸運支局入り口”に着くのは、6:34分。
↓そこから施設まで、歩いて5,6分です(アクセス)』
犯『施設に着いて、ゆっくりお風呂を楽しんで……』

犯『出ると、ちょうど朝食が食べられるという塩梅です』

刑『待ってくださいよ。
そんな施設まで利用したら……。
やっぱり足が出るんじゃありませんか?』

犯『また、足の出る話ですか』
刑『すいませんね、景気の悪い話で』

↑“貧乏神”の絵。こういうのを描いて、何の得があるんだろう。
犯『ま、警察官が景気が良かったら、気味悪いですからね』

刑『ありがとうございます。
それでは、端的にお聞きします。
その施設の利用料は、いくらですか』

↑“やつはし”ではなく、“やばせ”と読みます。施設の建ってるあたりの地名です。
犯『3時間の入浴コースで、600円。
朝食は、和定食と洋定食がありますが……。
共に、630円』

刑『ほー。
朝食で630円とは、そこそこの値段ですね』
犯『洋定食には、400円のメニューもありますよ』
刑『どんなメニューですか?』
犯『ジャムとバターを塗ったトーストに、野菜サラダ』

↑イメージです。
犯『これに、ドリンクが付きます』
刑『それはちょっと、寂しいですね。
630円だと、どうなるんです?』
犯『さっきのメニューに、ハムエッグと、フルーツヨーグルトが付きます』

↑これも、イメージ。“ゆ~らんど”の卵は1個だと思う。
刑『なるほど。
ちなみに、ドリンクは何ですか?』
犯『ホットコーヒー、アイスコーヒー、ウーロン茶、オレンジジュース、牛乳です』

↑しつこいけど、イメージです。
刑『それ、ぜんぶ飲めるんですか?』
犯『こんなの全部飲んだら、お腹がガボガボになっちゃうでしょ』

犯『どれかひとつです』
刑『なるほど。
ビールは無いわけですな?』

犯『ありません』
刑『やっぱり、洋定食じゃ物足りないな。
和定食のメニューは、どうなってますか?』

犯『こんなことまでメモするんですか?』

↑メモを取る画像って、案外無いものですね。これは、とある吟行会での一コマ。
刑『どんな些細な事でも、メモすることにしてます』

刑『あとで、このメモを睨んでると……。
見えてくることがあるんですよ』

犯『怖いですね。
そんなに何でもかんでも書いたら……。
見返すとき、大変じゃないですか。
要点だけ書けばいいのに』

刑『話を聞いてる段階では……。
それが要点かどうかなんてわかりません。
要点だけ書くってのは……。
結局は、先入観で取捨選択してることになります』

刑『とにかく、聞いた話は、先入観を入れずに、すべてメモすることにしてます。
メモしなかったことを後悔することはあっても……』

刑『メモしたことを後悔することはありませんからね』

↑ベートーベン直筆の買い物メモ。7万4千ユーロ(約860万円)でフランス人収集家が落札。
犯『なるほど』
刑『和定食のメニュー、どうぞ』
犯『和定食は、2種類あります』

刑『ほー。
こちらも、400円のメニューがあるわけですね』
犯『いえ。
和定食は、どちらも630円です』
刑『なぜです?』
犯『わたしに聞かないでください。
でもたぶん……。
朝、卵をどう食べたいかで、好みが違うからじゃないですか?』

刑『ということは……。
卵の料理法が違うわけですな』

↑右は恐竜の卵、ではなく、ダチョウの卵。
犯『そうです。
Aセットのメインディッシュは、焼き魚に卵焼きです』

刑『おー。
卵焼き。
いいですな。
でも、当たり外れがありますからね』

犯『そうですか。
ハズレのないメニューだと思いますが』
刑『甘みですよ。
お菓子みたいに甘ったるい卵焼きがあるじゃないですか』

刑『わたしはあれが大嫌いでしてね』

刑『わが家の卵焼きは、砂糖をいっさい使いません。
塩味オンリー。
これが、わが家の憲法です』

犯『はぁ』