2012.3.3(土)
み「いいから、話を続けましょ。
何の話だっけ?」
食「線虫でしょ」
↑これは、サナダムシ
み「あ、そうだ。
線虫が、バラチラシの中に入ってるって話だったね」
食「違うでしょ。
ほんとに、意地が悪いな。
あげませんからね」
み「意地汚いヤツ」
食「意地悪よりマシです」
食「ほら、続けてください。
線虫が、どうして松から松へと移っていくのか。
飛んでいくわけじゃないんですよね」
↑仮面ライダーに登場した、ムササビ怪人(弱そー)。
み「そう。
線虫は、文字通り、線みたいな虫だって……。
さっき、この“くいだおれ太郎”くんが言ったでしょ」
食「また、そのパターンですか。
話が進まないでしょ。
続けて、続けて」
み「ノリの悪いやつ。
まぁ、いい。
良いか。
線虫は、文字通り、線のような虫なの。
つまり、羽が無いのよ」
み「飛べるわけないでしょ」
↑クマバチ。航空力学から見ると、飛べるはずが無いと云われて来ました。
食「……」
み「反応しろよ!」
食「お腹が満たされて、脳が休眠に入りました」
食「どうぞ、続けて下さい」
み「張り合いのないヤツ。
じゃ、仕方ない。
先生に語るか」
律「仕方ないとは失礼ね」
み「じゃ、わかるの?」
律「もちろん」
み「ほー。
何か、大外れの予感なんだけど」
律「空を飛んでは移動できないけど……。
地面の下なら出来るでしょ。
つまり、土の中を這って、隣の松の根に入ったのよ」
み「なるほど。
あんまり、バカにしたものでもないね。
確かに、松林では、隣の松と根が交差してるはずだから……」
み「土の中を這うとしても、それほどの距離じゃないよね」
律「当たりね」
み「残念ながら……。
答えとの距離は、10万光年に開きました」
律「何でよ!」
み「そもそもさ。
線虫にとって、隣の松に移動しなきゃならない必然性って何よ?」
律「それは、今の松が、枯れちゃったからでしょ。
生きてる松に移るのよ」
み「何で、生きてる松じゃなきゃダメなの?」
律「それは……、あれでしょ。
グルメだからよ。
生食しかしないわけ」
み「枯れた松なんざ食えるけー、って?」
律「そうそう」
み「しかしあなた。
マツクイムシは、てっぺんの葉っぱにいるのよ。
地上、30メートルの。
材木の断面を見てもわかるとおり、材の中はびっしり詰まってるわけでしょ」
み「てっぺんから、幹の中を通って根まで降りるって、どんだけ大変だか」
律「幹の中を食べ進んで、根まで降りるって思ってるの?」
み「だって、そう言ったじゃない」
律「言ってません。
土の中を這ってとは言ったけど」
み「だから、根から出るんでしょ?」
律「違うわよ。
位置エネルギーに、身を任せればいいだけじゃない」
み「どゆこと?」
律「飛び降りるのよ。
てっぺんの葉っぱから、華麗に身を躍らせる」
み「線虫が?」
律「そう。
下は松葉が積もってるだろうから……」
律「落ちても大丈夫。
これなら、一瞬で地面に降りられるでしょ」
み「で、そのまま地面に入り……。
生きている根を見つけて潜りこむ?」
律「完璧でしょ」
み「位置エネルギーは、どうすんのよ?」
律「だから、説明したとおりでしょ。
飛び降りれば済む話」
み「古い松を離れるときは、それでいいだろうけどさ」
律「何が言いたいわけ?」
み「新しい松の根に入った後……。
どうやって、天辺までたどり着くわけ?」
律「どうしてこう、鈍いのかしらね」
み「なんで!」
律「いいこと。
松にかぎらず、樹木ってのは、水を吸い上げてるの」
律「根っこから、幹を通って、てっぺんの葉っぱまでね。
つまり、水の通り道があるってことよ」
み「ほー。
なるほど。
うっかり信じそうになるぜ。
じゃ、いちいち飛び降りないで……。
そこを伝って降りてくればいいじゃない」
律「わからない人ね。
通り道には、水が上がって来るわけでしょ」
↑懐かしや、別府温泉『龍巻地獄』
み「降りようったって、降りられないわよ」
↑太りすぎて降りられなくなったハムスター
み「あ、でもさ。
その木から移ろうとしてるってことは……。
その木は、もう枯れちゃったわけでしょ」
み「そんなら、水なんか上がってこないじゃないの」
律「あんたは、松の性質を知らなすぎ」
み「どんな!」
律「松脂よ」
律「松は、ちょっと木肌を傷つけただけで、樹脂が滲み出てくるのよ」
律「水の通り道なんて、すぐに詰まっちゃうわ」
↑ダストシュートに詰まった男(ロシア)
み「凹まない女ね」
律「正論正論」
み「何の話してるか忘れたじゃない」
食「線虫が、どうやって、松から松へと移動できるのか、でしたよね」
み「おー、そうだった」
律「だから、飛び降りるんだって言ってるの」
み「違うの!」
律「どう違うのよ」
み「線虫の運び屋がいるのだ」
↑江戸時代の飛脚の走法『なんば走り』。右手右足を同時に出して走るスタイル。スタミナの消耗が少なく、江戸時代の飛脚は、1日に100キロを走り抜けたとか。
律「何よ、それ?」
み「線虫を、松から松へと運ぶ運び屋」
↑ベトナムの運び屋。生きた牛も、カブで運びます。
律「悪の組織?」
み「そう。
白蝋衆」
み「違う!」
律「それを言うなら、松蝋衆の方が、良くなくて?」
↑これは“松廊”
み「いらんこと、言わんでいい。
線虫の運び屋……。
その名も、マツノマダラカミキリ」
律「ショッカーの怪人みたいね」
み「イー!」
律「いちいち乗らないでちょうだい」
み「そんなら、振らないで!
黙って聞かんシャイ」
律「何弁よ?」
み「九州弁ですたいまんねん!」
律「あのさ……。
これって、タダの行稼ぎじゃないの?」
み「だから、本筋を語らせて!
わたしだって、真っ直ぐに語りたいの」
↑長野県・野辺山高原を一直線に走る線路。
律「本気かしら?」
み「♪好きさ大好きさ」
律「やっぱり行稼ぎだ」
み「いちいち振るなというのに」
み「いいですか?
運び屋と言っても……。
カミキリムシには……。
線虫を運ぼうなんて気は、さらさらないの」
律「線虫が利用してるってこと?」
み「ノンノンノン」
み「カミキリムシには、運ぶ気なんかないし……。
線虫にだって、運んでもらうつもりはないはず。
聞いてみたことないけど」
律「両者にその気がないのに、どうして運ばれるわけ?
松にとっては、大迷惑じゃないの」
み「マツノマダラカミキリは、松の新芽だけを食べるわけ。
そのとき、口の中に、線虫が一緒に入っちゃうのよ。
で、カミキリムシには羽があるでしょ。
彼は、新芽を求めて、別の松に移る。
で、新芽を囓るわけ。
そのとき、口の中の線虫が、新しい松に移るってわけ」
律「カミキリムシの口移し?」
み「そーゆーこと。
先生の大好きなね」
律「何よそれ」
み「というわけで……。
マツクイムシ防除の薬剤散布ってのは……。
実は、運び屋のカミキリムシを征伐する作業なのです」
↑岡山駅の桃太郎像
み「なぜなら!
線虫は木の中にいるので……。
こいつらを直接退治するのは、甚だ困難だから」
律「ふーん。
まどろっこしいわね」
み「仕方おまへん」
律「その薬剤は、効くの?」
み「強烈だそうです」
↑岩室温泉(新潟市)のとある旅館にて【アートサイト岩室温泉2011】
み「例の、ジョガーの女が、目撃したところによると……。
噴き上がった薬剤が、霧状になって落ちてくるところに……。
一匹のトンボが飛びこんで来たんだって」
み「霧に入った途端、真下に落ちたそうよ。
その女の言うことにゃ……。
直角に落ちたそうです。
野茂のフォークより、遥かに鋭かったと言っておった」
律「話半分としても、かなり強い薬剤みたいね」
み「なんで、半分にするんだよ」
み「じゃ、もうひとつ。
叔父のレポートも追加しましょう。
西海岸公園には、住宅街が隣接してる」
み「だから、風向きなんか気にしながら……。
見張りを立ててやってるんだって。
それでも、急に風が変わったりして……。
屋根まで、霧状になった薬剤が届いちゃうことがある。
でね。
屋根を銅板葺きに葺き替えた家があったんだって」
み「その情報を、市が把握してなかったんだろうだね。
わかってりゃ、必ず業者に注意喚起があるはずから。
で、薬剤が風に流され……。
その屋根にかかってしまった。
どうなったと思う?
銅葺きの屋根一面が変色して……。
水玉模様になっちゃったのよ」
み「弁償だって。
全面張替えよ。
市が出したのか業者が出したのか、知らないけどさ」
律「へー。
いろいろあるものね」
み「700万本の松林。
子孫に伝えていきたい宝物だけど……。
その維持は、想像以上に難しいってこと」
み「さて。
話を変えましょう。
能代名物は……。
バスケットと風の松原。
あとは無いの?」
食「♪秋田音頭です」
み「出たな」
食「歌詞にありますよ」
み「何だっけ?」
食「♪秋田名物、八森ハタハタ」
食「♪男鹿で男鹿ブリコ」
み「ヨイヨイ」
食「合いの手が違います。
キタカサッサー、でしょ」
み「早く進めろ!」
食「♪能代春慶、桧山納豆、大館曲げわっぱ」
み「おー、確かに出てくる。
“しゅんけい”って、なんのこった?」
食「春慶塗りという、漆工芸です」
み「そんなに有名なのか?」
食「春慶塗りは、全国的に分布してますが……。
岐阜県の飛騨春慶」
食「茨城県の粟野春慶」
食「そして、秋田県の能代春慶。
この3つが、日本三大春慶塗りと呼ばれてます」
み「春慶ってのは、創始者の名前?」
食「ちょっと違います。
春慶塗りには、“透き漆”という、透明な漆が使われます」
み「えー。
透明な漆なんてあるんだ。
なんで透明なの?」
食「ていうか、漆ってのは、もともと透明なんです。
赤や黒の漆塗りは、漆に顔料を混ぜてあるんですよ」
み「げ、それは知らなんだ」
食「透明な漆を使うのは、木目の美しさをそのまま生かすためです」
食「春慶と云うのは、鎌倉時代の加藤景正の号です」
み「やっぱり、名人の名前なんだろ?」
食「春慶は、陶工です。
瀬戸焼の開祖と云われてます」
↑瀬戸市古瀬戸小学校正門前の像
み「陶工って、壺とか作る?」
食「そうです」
み「なんで陶工の名前が、漆塗りの名称になるわけ?」
食「加藤景正(藤四郎)の名陶『飛春慶(とびしゅんけい)』の茶壷に似てるってことかららしいですよ」
↑真中古茶入/こちらから拝借。これが飛春慶なのか、わたしには、さーぱりわかりません。
み「ふーん。
秋田は、『大館曲げわっぱ』とか、木工品の名物が多いみたいだね」
↑大館曲げわっぱのお弁当箱。これで食べたら、美味しいだろうなぁ。
食「木の国ってことですね」
↑白神山地の原生林
み「そんなに語るからには、買ったんだろうな?
春慶塗り」
食「買いませんよ」
み「なんで?」
食「食べられないものには興味がありません」
食「第一、荷物になるでしょ。
旅先で買うのは“消え物”だけと決めてます。
旅は、身軽が一番」
み「体が身重だろうが」
み「じゃ、“消え物”でもいいから、名物をあげよ」
食「うーん。
じゃ、まず甘党には……。
『志んこ』と『だまこ餅』。
上町の『セキト』というお店の名物です」
食「『志んこ』は、秋田米で作ったお餅を餡でくるんだ餅菓子」
食「蓋を開いた途端、満面が笑み崩れますよ」
み「想像できすぎるな」
食「いくつでもいけます。
『だまこ餅』は、お餅の中にゴマだれが入った生菓子です」
食「これもまた、ウマい!」
み「甘党は、もういい。
聞いてるだけで胸焼けしそうだ。
辛い方、いって」
食「辛党には、もちろんお酒です。
『喜久水酒造』って聞いたことありませんか?」
↑建物は、はなはだイケてません。消防団の倉庫みたい。
み「なんとなく」
食「ここの貯蔵庫はスゴいですよ」
食「国鉄のトンネルを購入して、貯蔵庫にしちゃったんです」
み「列車が走れなくなるだろ」
食「廃線のトンネルに決まってるでしょ」
↑鶴形トンネル(奥羽本線旧線・明治33年完成)
み「ボケてみただけじゃ」
食「見学できますよ」
み「試飲は?」
食「一杯くらいなら、大丈夫じゃないですか?」
み「十杯は?」
食「追い出されます」
食「あ、今、駅を通過したでしょ。
北能代駅です」
↑貨車を転用した駅舎だそうです。仮設トイレかと思った。
み「能代から幾つめだっけ?」
食「向能代、北能代ですから、2つめです」
食「この北能代駅近くに、霊水(みたまのみず)という清水が湧く神社があります。
『泉神社の霊水』として、古くから知られてました」
食「眼病に苦しんでいた第二代秋田藩主・佐竹義隆が……」
↑クセのありそうなオヤジですね。
食「この水で目を洗ったところ……」
食「たちどころに治ったと伝えられてます」
み「あぁ。
その手の話は、世界中にあるよね」
食「ルルドの泉とか?」
み「おー、知っとるじゃないか」
律「どういう話?」
み「簡単に云うと……。
ベルナデッタという貧しい少女が……」
み「山で薪を拾ってるときに、聖母マリアが現れたという話」
律「マリアさまは、何しに出たの?」
み「出たのって……。
幽霊みたいに言ったら、差し障りがあるでしょ」
み「とりあえず、出てみたのよ。
でも、場所が気に入ったのか、ベルナデッタが気に入ったのか……。
彼女が山に入ると、頻繁に現れるようになった」
み「わたしなら、ぜったいレズビアンシーンにするんだけど」
律「罰あたりめ」
み「ベルナデッタは、聖母マリアに会ったことを隠さず話したんだけど……。
誰も信じようとしなかった」
律「でしょうね」
み「で、マリアさま9回目のご出座のとき……」
み「ベルナデッタに、近くの洞窟の中を掘るように命じた」
↑函館のトラピスチヌ修道院にある『ルルドの洞窟』。ベルナデッタもいますね。
律「ここ掘れワンワンって?」
み「云うわけないでしょ。
犬じゃないんだから」
律「でも、どうして少女に穴掘りなんか命じるの?
屈強な男の前に出て、命じれば良かったのに」
み「やっぱ、男はヤバいんじゃない?
山の中で、2人きりなわけだし」
律「そっちの方向に行くわけね。
そんな気起こす不届き者がいるかしら?」
↑この不届き者の股間を咄嗟に隠した帽子は、後にチャリティー・オークションで2,400ユーロで落札されたそうです。
み「1対1で遭ったら、ぜったいに起こすやつがいると思う」
み「やっぱ、美人だし、色っぽいもの。
マリアさま」
↑ポルトガル・コインブラカルメル修道会の聖母マリア像
律「じゃ、男性が何人かいるときに出ればいいわけね。
穴掘りには、人出がいるから」
み「もっと悪いでしょ。
白雪姫のジョーク、知らない?」
律「何よそれ?」
み「白雪姫の処女膜には……。
小さな7つの穴が空いてましたって話」
↑左下が白雪姫のものと思われます。でもよく見ると、8つ空いてますね。どうやら、動物のどれかともヤッたらしい。
律「どーしても、そっち方向に持ってくわけね」
み「とにかく、男の前に出るのは剣呑極まりない。
何しろ、マリアさまはバージンだからね」
律「あぁ、処女懐胎ってことね。
そんなことが出来るのは、単細胞生物だけだわ」
み「身も蓋もない。
とにかく!
ベルナデッタに、穴を掘れって言ったの。
ベルナデッタが従ったところ、そこからは泉が湧き出した」
み「里に戻ったベルナデッタは、この出来事もまわりに話した。
誰も笑って取り合わなかったんだけど……。
1人の青年だけが、その洞窟に向かった」
み「彼は、重い眼病を患っててね。
お医者さんからは、もうすぐ何も見えなくなるだろうと言われてた。
で、藁にもすがる気持ちだったんだろうね」
↑こどもにんぎょう劇場 「わらしべ長者」
み「泉にひざまずくと、湧き出す水で目を洗ってみた」
↑懐かしの『洗眼水栓』。わたしはこれが苦手でした。
み「するとなんと!
たちどころに病が癒えたって」
み「小躍りしながら里に帰った青年は……」
み「泉の効能を振れて回った。
その話を聞き、腕の痛みに悩む老女が泉に向かった」
み「腕を泉に浸したところ……。
たちまち痛みが消え、力まで湧いてきた」
み「不思議な泉の噂は、たちまちヨーロッパ中に広がった」
み「なにしろ、まだ医学の発達してない時代だからね」
↑実際に使われてた手術道具だそうです。死んだ方がマシかも。
律「いつごろの話よ?」
み「たしか、1858年。
日本で云えば、幕末のころだね」
↑ご存知、新撰組副長。超イケメン。
律「確かに、当時の医学で治せる病気は、限られてたでしょうね」
み「つまり、病に悩む人は大勢いたわけ。
で、泉のあるルルドを目指し、ヨーロッパ中から人が集まるようになった」
み「やがてルルドの洞窟はカトリックの聖地となり、大聖堂が建てられた」
み「今でも、巡礼者が絶えないそうよ」
律「でも、佐竹藩の2代目が目を洗ったんなら……。
能代の霊水のほうが、ルルドより早いわね」
み「確かにね。
日本にキリスト教が普及してたら……」
↑細川ガラシャ
み「能代が聖地になってたかもね」
↑今は、バスケの聖地
み「でも、マリアさまが出なきゃならないでしょ」
律「出ていただきましょうよ」
↑観音様みたいですね
み「言葉、わかるの?」
律「わかるわよ。
キリスト教布教のためには、それくらい勉強しなきゃ」
み「マリアさまって、布教も担当してたの?」
↑ご存知フランシスコ・ザビエルの肖像。顎に点を打って逆さにすると……。ペンギン現る!
み「でも、東北弁までは習ってないだろ」
↑ご存知ダニエル・カール
み「出会った村娘に話しかけても、何言ってるかわからんかもよ」
↑秋田美人(1953年撮影)。こんな人でも、東北弁だったんでしょうね。
み「『おかしいわね、ここは日本のはずだけど』って、首ひねるんじゃないかしら」
食「案外、わかるかもしれませんよ」
み「何で?」
食「エデンの園は日本の青森にあったって……」
↑エデンの園があったとされる『迷ヶ平』
食「大真面目で唱える人もいましたからね」
み「アダムとイブは、東北弁をしゃべってた?」
食「そうそう。
で、2人が食べた果実は……」
食「当然、青森リンゴだった」
み「ちゃんちゃん」
↑北海道名物『ちゃんちゃん焼き』。あまり美味しいとは思えなかった。
何の話だっけ?」
食「線虫でしょ」
↑これは、サナダムシ
み「あ、そうだ。
線虫が、バラチラシの中に入ってるって話だったね」
食「違うでしょ。
ほんとに、意地が悪いな。
あげませんからね」
み「意地汚いヤツ」
食「意地悪よりマシです」
食「ほら、続けてください。
線虫が、どうして松から松へと移っていくのか。
飛んでいくわけじゃないんですよね」
↑仮面ライダーに登場した、ムササビ怪人(弱そー)。
み「そう。
線虫は、文字通り、線みたいな虫だって……。
さっき、この“くいだおれ太郎”くんが言ったでしょ」
食「また、そのパターンですか。
話が進まないでしょ。
続けて、続けて」
み「ノリの悪いやつ。
まぁ、いい。
良いか。
線虫は、文字通り、線のような虫なの。
つまり、羽が無いのよ」
み「飛べるわけないでしょ」
↑クマバチ。航空力学から見ると、飛べるはずが無いと云われて来ました。
食「……」
み「反応しろよ!」
食「お腹が満たされて、脳が休眠に入りました」
食「どうぞ、続けて下さい」
み「張り合いのないヤツ。
じゃ、仕方ない。
先生に語るか」
律「仕方ないとは失礼ね」
み「じゃ、わかるの?」
律「もちろん」
み「ほー。
何か、大外れの予感なんだけど」
律「空を飛んでは移動できないけど……。
地面の下なら出来るでしょ。
つまり、土の中を這って、隣の松の根に入ったのよ」
み「なるほど。
あんまり、バカにしたものでもないね。
確かに、松林では、隣の松と根が交差してるはずだから……」
み「土の中を這うとしても、それほどの距離じゃないよね」
律「当たりね」
み「残念ながら……。
答えとの距離は、10万光年に開きました」
律「何でよ!」
み「そもそもさ。
線虫にとって、隣の松に移動しなきゃならない必然性って何よ?」
律「それは、今の松が、枯れちゃったからでしょ。
生きてる松に移るのよ」
み「何で、生きてる松じゃなきゃダメなの?」
律「それは……、あれでしょ。
グルメだからよ。
生食しかしないわけ」
み「枯れた松なんざ食えるけー、って?」
律「そうそう」
み「しかしあなた。
マツクイムシは、てっぺんの葉っぱにいるのよ。
地上、30メートルの。
材木の断面を見てもわかるとおり、材の中はびっしり詰まってるわけでしょ」
み「てっぺんから、幹の中を通って根まで降りるって、どんだけ大変だか」
律「幹の中を食べ進んで、根まで降りるって思ってるの?」
み「だって、そう言ったじゃない」
律「言ってません。
土の中を這ってとは言ったけど」
み「だから、根から出るんでしょ?」
律「違うわよ。
位置エネルギーに、身を任せればいいだけじゃない」
み「どゆこと?」
律「飛び降りるのよ。
てっぺんの葉っぱから、華麗に身を躍らせる」
み「線虫が?」
律「そう。
下は松葉が積もってるだろうから……」
律「落ちても大丈夫。
これなら、一瞬で地面に降りられるでしょ」
み「で、そのまま地面に入り……。
生きている根を見つけて潜りこむ?」
律「完璧でしょ」
み「位置エネルギーは、どうすんのよ?」
律「だから、説明したとおりでしょ。
飛び降りれば済む話」
み「古い松を離れるときは、それでいいだろうけどさ」
律「何が言いたいわけ?」
み「新しい松の根に入った後……。
どうやって、天辺までたどり着くわけ?」
律「どうしてこう、鈍いのかしらね」
み「なんで!」
律「いいこと。
松にかぎらず、樹木ってのは、水を吸い上げてるの」
律「根っこから、幹を通って、てっぺんの葉っぱまでね。
つまり、水の通り道があるってことよ」
み「ほー。
なるほど。
うっかり信じそうになるぜ。
じゃ、いちいち飛び降りないで……。
そこを伝って降りてくればいいじゃない」
律「わからない人ね。
通り道には、水が上がって来るわけでしょ」
↑懐かしや、別府温泉『龍巻地獄』
み「降りようったって、降りられないわよ」
↑太りすぎて降りられなくなったハムスター
み「あ、でもさ。
その木から移ろうとしてるってことは……。
その木は、もう枯れちゃったわけでしょ」
み「そんなら、水なんか上がってこないじゃないの」
律「あんたは、松の性質を知らなすぎ」
み「どんな!」
律「松脂よ」
律「松は、ちょっと木肌を傷つけただけで、樹脂が滲み出てくるのよ」
律「水の通り道なんて、すぐに詰まっちゃうわ」
↑ダストシュートに詰まった男(ロシア)
み「凹まない女ね」
律「正論正論」
み「何の話してるか忘れたじゃない」
食「線虫が、どうやって、松から松へと移動できるのか、でしたよね」
み「おー、そうだった」
律「だから、飛び降りるんだって言ってるの」
み「違うの!」
律「どう違うのよ」
み「線虫の運び屋がいるのだ」
↑江戸時代の飛脚の走法『なんば走り』。右手右足を同時に出して走るスタイル。スタミナの消耗が少なく、江戸時代の飛脚は、1日に100キロを走り抜けたとか。
律「何よ、それ?」
み「線虫を、松から松へと運ぶ運び屋」
↑ベトナムの運び屋。生きた牛も、カブで運びます。
律「悪の組織?」
み「そう。
白蝋衆」
み「違う!」
律「それを言うなら、松蝋衆の方が、良くなくて?」
↑これは“松廊”
み「いらんこと、言わんでいい。
線虫の運び屋……。
その名も、マツノマダラカミキリ」
律「ショッカーの怪人みたいね」
み「イー!」
律「いちいち乗らないでちょうだい」
み「そんなら、振らないで!
黙って聞かんシャイ」
律「何弁よ?」
み「九州弁ですたいまんねん!」
律「あのさ……。
これって、タダの行稼ぎじゃないの?」
み「だから、本筋を語らせて!
わたしだって、真っ直ぐに語りたいの」
↑長野県・野辺山高原を一直線に走る線路。
律「本気かしら?」
み「♪好きさ大好きさ」
律「やっぱり行稼ぎだ」
み「いちいち振るなというのに」
み「いいですか?
運び屋と言っても……。
カミキリムシには……。
線虫を運ぼうなんて気は、さらさらないの」
律「線虫が利用してるってこと?」
み「ノンノンノン」
み「カミキリムシには、運ぶ気なんかないし……。
線虫にだって、運んでもらうつもりはないはず。
聞いてみたことないけど」
律「両者にその気がないのに、どうして運ばれるわけ?
松にとっては、大迷惑じゃないの」
み「マツノマダラカミキリは、松の新芽だけを食べるわけ。
そのとき、口の中に、線虫が一緒に入っちゃうのよ。
で、カミキリムシには羽があるでしょ。
彼は、新芽を求めて、別の松に移る。
で、新芽を囓るわけ。
そのとき、口の中の線虫が、新しい松に移るってわけ」
律「カミキリムシの口移し?」
み「そーゆーこと。
先生の大好きなね」
律「何よそれ」
み「というわけで……。
マツクイムシ防除の薬剤散布ってのは……。
実は、運び屋のカミキリムシを征伐する作業なのです」
↑岡山駅の桃太郎像
み「なぜなら!
線虫は木の中にいるので……。
こいつらを直接退治するのは、甚だ困難だから」
律「ふーん。
まどろっこしいわね」
み「仕方おまへん」
律「その薬剤は、効くの?」
み「強烈だそうです」
↑岩室温泉(新潟市)のとある旅館にて【アートサイト岩室温泉2011】
み「例の、ジョガーの女が、目撃したところによると……。
噴き上がった薬剤が、霧状になって落ちてくるところに……。
一匹のトンボが飛びこんで来たんだって」
み「霧に入った途端、真下に落ちたそうよ。
その女の言うことにゃ……。
直角に落ちたそうです。
野茂のフォークより、遥かに鋭かったと言っておった」
律「話半分としても、かなり強い薬剤みたいね」
み「なんで、半分にするんだよ」
み「じゃ、もうひとつ。
叔父のレポートも追加しましょう。
西海岸公園には、住宅街が隣接してる」
み「だから、風向きなんか気にしながら……。
見張りを立ててやってるんだって。
それでも、急に風が変わったりして……。
屋根まで、霧状になった薬剤が届いちゃうことがある。
でね。
屋根を銅板葺きに葺き替えた家があったんだって」
み「その情報を、市が把握してなかったんだろうだね。
わかってりゃ、必ず業者に注意喚起があるはずから。
で、薬剤が風に流され……。
その屋根にかかってしまった。
どうなったと思う?
銅葺きの屋根一面が変色して……。
水玉模様になっちゃったのよ」
み「弁償だって。
全面張替えよ。
市が出したのか業者が出したのか、知らないけどさ」
律「へー。
いろいろあるものね」
み「700万本の松林。
子孫に伝えていきたい宝物だけど……。
その維持は、想像以上に難しいってこと」
み「さて。
話を変えましょう。
能代名物は……。
バスケットと風の松原。
あとは無いの?」
食「♪秋田音頭です」
み「出たな」
食「歌詞にありますよ」
み「何だっけ?」
食「♪秋田名物、八森ハタハタ」
食「♪男鹿で男鹿ブリコ」
み「ヨイヨイ」
食「合いの手が違います。
キタカサッサー、でしょ」
み「早く進めろ!」
食「♪能代春慶、桧山納豆、大館曲げわっぱ」
み「おー、確かに出てくる。
“しゅんけい”って、なんのこった?」
食「春慶塗りという、漆工芸です」
み「そんなに有名なのか?」
食「春慶塗りは、全国的に分布してますが……。
岐阜県の飛騨春慶」
食「茨城県の粟野春慶」
食「そして、秋田県の能代春慶。
この3つが、日本三大春慶塗りと呼ばれてます」
み「春慶ってのは、創始者の名前?」
食「ちょっと違います。
春慶塗りには、“透き漆”という、透明な漆が使われます」
み「えー。
透明な漆なんてあるんだ。
なんで透明なの?」
食「ていうか、漆ってのは、もともと透明なんです。
赤や黒の漆塗りは、漆に顔料を混ぜてあるんですよ」
み「げ、それは知らなんだ」
食「透明な漆を使うのは、木目の美しさをそのまま生かすためです」
食「春慶と云うのは、鎌倉時代の加藤景正の号です」
み「やっぱり、名人の名前なんだろ?」
食「春慶は、陶工です。
瀬戸焼の開祖と云われてます」
↑瀬戸市古瀬戸小学校正門前の像
み「陶工って、壺とか作る?」
食「そうです」
み「なんで陶工の名前が、漆塗りの名称になるわけ?」
食「加藤景正(藤四郎)の名陶『飛春慶(とびしゅんけい)』の茶壷に似てるってことかららしいですよ」
↑真中古茶入/こちらから拝借。これが飛春慶なのか、わたしには、さーぱりわかりません。
み「ふーん。
秋田は、『大館曲げわっぱ』とか、木工品の名物が多いみたいだね」
↑大館曲げわっぱのお弁当箱。これで食べたら、美味しいだろうなぁ。
食「木の国ってことですね」
↑白神山地の原生林
み「そんなに語るからには、買ったんだろうな?
春慶塗り」
食「買いませんよ」
み「なんで?」
食「食べられないものには興味がありません」
食「第一、荷物になるでしょ。
旅先で買うのは“消え物”だけと決めてます。
旅は、身軽が一番」
み「体が身重だろうが」
み「じゃ、“消え物”でもいいから、名物をあげよ」
食「うーん。
じゃ、まず甘党には……。
『志んこ』と『だまこ餅』。
上町の『セキト』というお店の名物です」
食「『志んこ』は、秋田米で作ったお餅を餡でくるんだ餅菓子」
食「蓋を開いた途端、満面が笑み崩れますよ」
み「想像できすぎるな」
食「いくつでもいけます。
『だまこ餅』は、お餅の中にゴマだれが入った生菓子です」
食「これもまた、ウマい!」
み「甘党は、もういい。
聞いてるだけで胸焼けしそうだ。
辛い方、いって」
食「辛党には、もちろんお酒です。
『喜久水酒造』って聞いたことありませんか?」
↑建物は、はなはだイケてません。消防団の倉庫みたい。
み「なんとなく」
食「ここの貯蔵庫はスゴいですよ」
食「国鉄のトンネルを購入して、貯蔵庫にしちゃったんです」
み「列車が走れなくなるだろ」
食「廃線のトンネルに決まってるでしょ」
↑鶴形トンネル(奥羽本線旧線・明治33年完成)
み「ボケてみただけじゃ」
食「見学できますよ」
み「試飲は?」
食「一杯くらいなら、大丈夫じゃないですか?」
み「十杯は?」
食「追い出されます」
食「あ、今、駅を通過したでしょ。
北能代駅です」
↑貨車を転用した駅舎だそうです。仮設トイレかと思った。
み「能代から幾つめだっけ?」
食「向能代、北能代ですから、2つめです」
食「この北能代駅近くに、霊水(みたまのみず)という清水が湧く神社があります。
『泉神社の霊水』として、古くから知られてました」
食「眼病に苦しんでいた第二代秋田藩主・佐竹義隆が……」
↑クセのありそうなオヤジですね。
食「この水で目を洗ったところ……」
食「たちどころに治ったと伝えられてます」
み「あぁ。
その手の話は、世界中にあるよね」
食「ルルドの泉とか?」
み「おー、知っとるじゃないか」
律「どういう話?」
み「簡単に云うと……。
ベルナデッタという貧しい少女が……」
み「山で薪を拾ってるときに、聖母マリアが現れたという話」
律「マリアさまは、何しに出たの?」
み「出たのって……。
幽霊みたいに言ったら、差し障りがあるでしょ」
み「とりあえず、出てみたのよ。
でも、場所が気に入ったのか、ベルナデッタが気に入ったのか……。
彼女が山に入ると、頻繁に現れるようになった」
み「わたしなら、ぜったいレズビアンシーンにするんだけど」
律「罰あたりめ」
み「ベルナデッタは、聖母マリアに会ったことを隠さず話したんだけど……。
誰も信じようとしなかった」
律「でしょうね」
み「で、マリアさま9回目のご出座のとき……」
み「ベルナデッタに、近くの洞窟の中を掘るように命じた」
↑函館のトラピスチヌ修道院にある『ルルドの洞窟』。ベルナデッタもいますね。
律「ここ掘れワンワンって?」
み「云うわけないでしょ。
犬じゃないんだから」
律「でも、どうして少女に穴掘りなんか命じるの?
屈強な男の前に出て、命じれば良かったのに」
み「やっぱ、男はヤバいんじゃない?
山の中で、2人きりなわけだし」
律「そっちの方向に行くわけね。
そんな気起こす不届き者がいるかしら?」
↑この不届き者の股間を咄嗟に隠した帽子は、後にチャリティー・オークションで2,400ユーロで落札されたそうです。
み「1対1で遭ったら、ぜったいに起こすやつがいると思う」
み「やっぱ、美人だし、色っぽいもの。
マリアさま」
↑ポルトガル・コインブラカルメル修道会の聖母マリア像
律「じゃ、男性が何人かいるときに出ればいいわけね。
穴掘りには、人出がいるから」
み「もっと悪いでしょ。
白雪姫のジョーク、知らない?」
律「何よそれ?」
み「白雪姫の処女膜には……。
小さな7つの穴が空いてましたって話」
↑左下が白雪姫のものと思われます。でもよく見ると、8つ空いてますね。どうやら、動物のどれかともヤッたらしい。
律「どーしても、そっち方向に持ってくわけね」
み「とにかく、男の前に出るのは剣呑極まりない。
何しろ、マリアさまはバージンだからね」
律「あぁ、処女懐胎ってことね。
そんなことが出来るのは、単細胞生物だけだわ」
み「身も蓋もない。
とにかく!
ベルナデッタに、穴を掘れって言ったの。
ベルナデッタが従ったところ、そこからは泉が湧き出した」
み「里に戻ったベルナデッタは、この出来事もまわりに話した。
誰も笑って取り合わなかったんだけど……。
1人の青年だけが、その洞窟に向かった」
み「彼は、重い眼病を患っててね。
お医者さんからは、もうすぐ何も見えなくなるだろうと言われてた。
で、藁にもすがる気持ちだったんだろうね」
↑こどもにんぎょう劇場 「わらしべ長者」
み「泉にひざまずくと、湧き出す水で目を洗ってみた」
↑懐かしの『洗眼水栓』。わたしはこれが苦手でした。
み「するとなんと!
たちどころに病が癒えたって」
み「小躍りしながら里に帰った青年は……」
み「泉の効能を振れて回った。
その話を聞き、腕の痛みに悩む老女が泉に向かった」
み「腕を泉に浸したところ……。
たちまち痛みが消え、力まで湧いてきた」
み「不思議な泉の噂は、たちまちヨーロッパ中に広がった」
み「なにしろ、まだ医学の発達してない時代だからね」
↑実際に使われてた手術道具だそうです。死んだ方がマシかも。
律「いつごろの話よ?」
み「たしか、1858年。
日本で云えば、幕末のころだね」
↑ご存知、新撰組副長。超イケメン。
律「確かに、当時の医学で治せる病気は、限られてたでしょうね」
み「つまり、病に悩む人は大勢いたわけ。
で、泉のあるルルドを目指し、ヨーロッパ中から人が集まるようになった」
み「やがてルルドの洞窟はカトリックの聖地となり、大聖堂が建てられた」
み「今でも、巡礼者が絶えないそうよ」
律「でも、佐竹藩の2代目が目を洗ったんなら……。
能代の霊水のほうが、ルルドより早いわね」
み「確かにね。
日本にキリスト教が普及してたら……」
↑細川ガラシャ
み「能代が聖地になってたかもね」
↑今は、バスケの聖地
み「でも、マリアさまが出なきゃならないでしょ」
律「出ていただきましょうよ」
↑観音様みたいですね
み「言葉、わかるの?」
律「わかるわよ。
キリスト教布教のためには、それくらい勉強しなきゃ」
み「マリアさまって、布教も担当してたの?」
↑ご存知フランシスコ・ザビエルの肖像。顎に点を打って逆さにすると……。ペンギン現る!
み「でも、東北弁までは習ってないだろ」
↑ご存知ダニエル・カール
み「出会った村娘に話しかけても、何言ってるかわからんかもよ」
↑秋田美人(1953年撮影)。こんな人でも、東北弁だったんでしょうね。
み「『おかしいわね、ここは日本のはずだけど』って、首ひねるんじゃないかしら」
食「案外、わかるかもしれませんよ」
み「何で?」
食「エデンの園は日本の青森にあったって……」
↑エデンの園があったとされる『迷ヶ平』
食「大真面目で唱える人もいましたからね」
み「アダムとイブは、東北弁をしゃべってた?」
食「そうそう。
で、2人が食べた果実は……」
食「当然、青森リンゴだった」
み「ちゃんちゃん」
↑北海道名物『ちゃんちゃん焼き』。あまり美味しいとは思えなかった。