2012.3.3(土)
食「すでに『追分』って駅があったから……」

食「おんなじ名前に出来なかったんです。
で、信州信濃の追分ってことで、『信濃追分』」

み「なんだ。
そんな理由だったのか。
ま、国鉄のセンスじゃ、その程度かね」
食「怪我の功名みたいなもんですね」
み「ほんとだよ。
信濃の追分は、何街道の分かれ道だっけ?」
食「中山道と北国街道です」

み「ふーん。
じゃ、ここの『追分』は?」
食「羽州街道から、男鹿街道が分かれます」

み「なるほど。
街道から云えば、『信濃追分』のほうが、ずっとメジャーだよね。
先に駅が出来たってだけで……。
『追分』の本家みたいになっちゃったんだ。
ここらは、男鹿半島の付け根のあたり?」
食「ですね」

食「鉄道の方でも、この追分駅から、『男鹿線』が分かれてます」

み「男鹿線なんて線があるのか」
食「“なまはげライン”と呼ばれてます。
男鹿半島へは、行かれませんか?」
み「もう、行かれたよ。
昨日」
食「じゃ、鉄道じゃなくて?」
み「観光バス」

み「乗ったことない?
安いよ。
男鹿半島を1日堪能して、5,300円」

食「いちおう、鉄道専門ですんで」
み「バスガイドさん、可愛かったぞ」

食「ほー」
み「でも、デブは嫌いだって」

食「そんなぁ」
律「この駅……。
誰も降りないし……。
誰も乗らないみたいね」

み「ここらへんって、何があるんだ?」
食「学校が多いですね。
秋田県立大学とか……」

み「妙に詳しいな」
食「自慢するわけじゃありませんが……。
秋田駅から、五能線経由で青森駅までは……。
すべての駅で降りましたからね」
み「なんで?」
食「なぜと言われても……。
そこに駅があったからとしか」

み「馬鹿としか……」

食「さすがに、今になってみると、ボクもそう思います。
でも、若さってのは……。
そういう理不尽な情熱に突き動かされる季節なんじゃないですか」

み「自分で言うな。
そんな情熱に駆られてた若人が……。
何で『食い鉄』なんかに落ちぶれたかね」

食「落ちぶれたとは失礼ですね。
年齢相応の変化ですよ」
み「体型相応じゃないのか?」

み「まぁ、いい。
でも……。
リゾート列車を、大学前に止めたって……」

み「誰も乗らないだろ?」
食「そうでも無いと思いますよ。
この便は早いから、あんまり利用者がいないみたいですけど……。
ここは、男鹿半島の付け根ですからね。
男鹿半島で遊んだ人たちが乗りこんだり……。
青森からの便なら、ここで下りて男鹿半島を楽しむってコース」

み「なるほど。
学生が乗り降りするわけじゃないんだ。
学校が多いって言ってたけど……。
ほかにはどんな学校があるの?」
食「秋田西高校。
それと、金足(かなあし)農業」

み「おー。
金足農業。
懐かしや」
律「なんで知ってるの?」
み「小学校のころ……。
その名が脳裏に刻まれる出来事があったのだよ」
律「いったい何よ?」
み「高校野球」

律「へー。
そんなのに興味があるとは思わなかった」
み「今は、まったく無いけどね。
中学高校のころまでは、よくテレビで見てたな。
大会は、夏休みと春休みにあったからね。
自分が高校野球ファンってことにしとけば……。
テレビ観戦で、勉強をサボる口実にもなったからさ」

律「それで、その、なんだっけ?
カニ足高校?」

み「金足農業!
“金の足”って書くの」

律「高校野球に、どんな思い出があるのよ?」
み「新潟市の新潟南高校が、甲子園でベスト8まで行った年があるんだよ」

律「スゴいじゃない」
み「近年、日本文理高校が準優勝したけど……」

み「それまでは、新潟南高校のベスト8が、新潟県勢の最高到達点だったわけ」
律「へー」
み「そう言えば……。
PL学園が、無茶苦茶強かったころよ」

み「桑田、清原がいてさ」

食「あ。
思い出しました。
1984年の大会ですね」

み「何でそんな年号まで知ってるんだ?」
食「数字とか、型番とか、覚えるの得意なんです。
列車の記号なんか、よく覚えましたからね」

食「数字を見ると、覚えるのがクセみたいになってるんです。
でも、高校野球は、もともと好きですよ。
夏休みに旅行してるとき、よくイヤホンで聞いてました」

み「へー。
意外だね」
食「野球が好きって云うより……。
夏の雰囲気に、どっぷりと浸りたかったんでしょうね。
炎天下をリュック背負って歩きながら……」

↑実写なのか? 面白いので、冬の画像だが、載せてしまった。
食「耳からは、高校野球の実況放送」

食「『俺は今、夏の真っ只中にいるんだー』って、気分になりましたもん」

み「それで、新潟南の試合も聞いてたわけか?」
食「違いますよ。
年代が合わないでしょ。
1984年は、今から四半世紀も前です」
律「わかった。
新潟南は、金足農業に勝って、ベスト8になったわけね」
み「ちゃうちゃう。
金足農業に負けて、準決勝に進めなかったわけ」

律「なんだ、そうなの」
み「父親が野球好きでさ。
新潟の学校なんて、滅多に勝たないから、興奮しちゃって。
でも、ベスト8って言っても……。
初戦が2回戦だったから、2勝しただけなんだよね」
律「なんで、初戦が2回戦なのよ?」
み「仕方ないでしょ。
出場校数が、2の乗数にならないんだから」

み「何校出るんだっけ?」
食「北海道と東京が2校ずつですから……。
全部で、49校ですね」

み「春のセンバツは、32校だから……。
どの学校も、1回勝てば、ベスト16。
2回勝って、ベスト8。
試合数は平等なわけ」

み「でも夏は、2の乗数にならないから……。
試合数が違うチームが出てくる」

律「不平等だわ」
み「それがクジ運ってものです」

み「1回戦から勝ち上がって優勝したチームだって、たくさんあるよ」

食「じゃ、ここでクイズをひとつ」
み「商品はなんじゃ?」
食「ボクと一緒に記念撮影」

み「いらん」
食「連れないなぁ」
み「むしろ、積極的にお断りじゃ。
罰ゲームに近いではないか」

み「商品はいらんから、問題を言ったんさい」
食「それでは……。
リゾートしらかみ『くまげら』車中から、問題です」

食「夏の高校野球の出場校は、先ほど言いましたように、49校です。
それでは、1回戦から決勝まで、全部で何試合行われるでしょう?」
み「降りた」
食「なんでですか」
み「どーせ。
順列組み合わせとか、その系統だろ」

み「あれ、大ッ嫌いだったんだ」

食「そんな複雑な問題じゃありませんよ」
み「先生、わかる?」
律「わかんない」
み「つまらんから、この問題は無かったことにしよう」

食「そんなぁ。
眼から鱗の答えですよ」

み「ほー。
じゃ、言ってよし」
食「なんで許可されなきゃならんのです?」

食「まぁ、いいや。
出場校49校の場合、全試合数は48試合です。
早い話、『出場校数-1』が答えになるわけですよ」
み「なんで?」
食「優勝チームは、1試合も負けませんよね?」
み「当たり前だろ」
食「逆に、優勝しなかったチームは、すべて負けるわけですけど……。
2敗するチームもいないでしょ」
み「負ければ終わり。
それがトーナメントの宿命じゃろうが」

食「つまり……。
優勝校以外の48校が、1回ずつ負けるためには……。
計48試合が必要ってわけです」
み「なんか、騙されてるみたいだな」
食「騙してなんかいませんよ」
み「やっぱり面白くないから……。
この問題は聞かなかったことにしよう」
食「えー。
トーナメント戦の企画をするときには、ぜったいに役立つ知識ですよ」

み「そんな企画、わたしがするわけなかろうが」
律「人生、わからないわよ」

食「ですよね」
み「わたしの話が、途中だろ!」
律「何の話だっけ?」
み「高校野球!」
律「あ、そうかそうか。
新潟明訓ね」

み「違います。
新潟南」

↑新潟南の画像が無い!
律「そこがどうしたんだっけ?」
み「だから、ベスト8になったんだって。
初戦の2回戦は、京都西高校」

↑現在は、京都外大西となってるようです
み「京都の高校に勝つだけでも大したもんだけど……。
なんと、3回戦の相手は、明徳義塾」

律「有名なの?」
み「その後、優勝もしてる。
高知の野球学校だね」

↑朝青龍の出身校でもある
み「ほら、松井を、全打席敬遠した学校」

律「松井って……。
松居直美?」

↑未だに稼げるとは、大したものです
み「アホか!
秀喜に決まってるでしょ!」
律「ブーメランの?」

み「“ブーメラン、ブーメラン、きっとぉ、あなたは、戻ってくるだろうぉ”」

み「違うわ!」
律「いちいち乗らないでよ」
み「誰かの影響で、ノリツッコミが癖になった。
マツイはマツイでも、松井秀喜!」

み「その松井を、全打席敬遠したの」

律「えー。
松井って、大リーガーでしょ」

律「高校生なら、敬遠したってしょうがないわよ」
み「何で大リーガーが、高校野球に出るんだ!
そのころは、松井もまだ高校生だったの」

律「なんだ、そうなの」
み「最初から、わかれよ!」
律「それじゃ、敬遠なんてするのは、いけないわね。
高校生同士なんだから」

み「だから、明徳義塾も、相当批判されたわけよ」

み「でも……。
ルールに則った上で、勝つためにあらゆることをするってのは……。
それはそれで、筋が通ってると思うよ」
律「敬遠って、反則じゃないの?」

み「違います!
話を進める。
あんたと話してると、ラチが明かん。
……。
何話してたか、忘れた」

律「わたしのせい?」
食「新潟南と明徳義塾の話ですよ」
み「それ!
なんと、新潟南が勝ったんだよ。
明徳義塾に」

律「その年は弱かったんじゃないの?」
み「そう思うだろ?
しかし、決してそうではない。
明徳義塾は、1回戦から勝ち上がって来たんだけど……。
その1回戦は、県立岐阜商業に、11対2。
県立岐阜商業ってのも、名門だぞ」

み「ね?」
食「ですね。
春3回、夏1回、全国優勝してます」
み「その県立岐阜商業に圧勝したわけ。
2回戦は、北海道の広尾に、6対0の完封勝ち。
で、3回戦で当たったのが、新潟南よ。
明徳義塾は、大ラッキー♪、って思ったろうね」

み「勝てばベスト8の試合相手が、新潟県の初出場校だもん。
ところが、勝負はわからんもんだねー。
わたしは、小学生だったけど……。
鮮明に覚えてるシーンがあるんだ」
律「どんなシーン?」
み「ピッチャーが、ホームラン打ったのよ」

律「そんなはずないでしょ。
ピッチャーは、投げる人じゃない」

み「攻撃のときは、ピッチャーも打席に入るでしょ!」

律「入りません。
ピッチャーの代わりに、指名打者(DH)が打席に入ります」

み「……。
あんたの知識って、ものすごくイビツよね」
律「どうしてよ?」
み「何で、指名打者のこと知ってるのに……。
高校野球では、それが採用されてないことを知らないわけ?」

律「あら、高校野球は、ルールが違うの?」
↑コニー・フランシス『Too Many Rules』。スゴくいい歌です。ぜひどうぞ。
み「プロだって、セ・リーグじゃ採用してないの」
律「どうしてよ?」
み「それについては……。
後ろの石塚くんに答えてもらいましょう。
はい、どうぞ」
食「え?
ボクですか?」

↑場面と関係ないけど、面白かったので
み「ほかにいないでしょ」
食「ムチャ振りだなぁ。
ボクだって、よく知りませんよ。
でも、たぶん……。
野球は9人でやるものだ、って考えからじゃないですか」

食「それに、パ・リーグが先に始めたルールを……。
セ・リーグが追随することは有り得ませんよ。
セ・リーグのオーナーなんて、みんなプライドのカタマリみたいな人だから」

み「そう言えば、プロ野球って……。
昔は、鉄道会社ばっかりだったよね」

↑こんなのがあるとは思わなんだ
み「あと、映画会社とか」

食「今、鉄道会社は、阪神と西武だけになっちゃいましたね」

み「昔は、国鉄まで球団持ってたんだからね」

律「へー。
ちょっと考えられないわね」
み「いっぱいあったよね、鉄道球団?」
食「国鉄以外は、みんなパ・リーグだったかな。
ソフトバンクは、もとの南海ですし……」

食「オリックスが、阪急」

食「楽天は、近鉄」

食「西武は、西鉄ですけど……」

食「これは、電鉄会社同士ですね」
み「なんで、鉄道会社が多かったんだ?」
食「鉄道沿線に球場を作れば……。
乗客が増えるってことじゃないですか」

み「そんなんで、ペイするわけないでしょ」
食「ま、乗客だけじゃ無理でしょうね。
人が大勢乗り降りするようになれば……。
沿線の宅地開発なんかもできるってことじゃないですか」

み「なるほど。
沿線の土地、いっぱい持ってたわけか」

み「しかし……。
どんどん人口が増える、国の成長期でしか成り立たないビジネスモデルだよな」
食「だから、みんな撤退したんでしょ」

み「阪神はしないの?」
食「ああいう人気球団なら……。
やっていけるんじゃないんですか」

み「ふーん。
西武は?」

食「さー。
どうなんでしょう」
み「歯切れが悪いな。
ほんとは、よく知らないんじゃないの?
野球」
食「球団経営のレベルまでは知りませんよ」

み「ピッチャーも、バッターボックスにも入るってのは……。
知ってる?」
食「当たり前でしょ。
子供のころ、やりましたから」
み「少年野球?」

食「そんな本格的なのじゃないです。
昼休みに、ゴムボールですよ」

み「指名打者はいなかったわけね」
食「いるわけないじゃないですか
みんな、打ちたくてしょうがないんだから」
み「ほー。
じゃ、ピッチャーがホームランを打ったってのは……。
理解できるよな?」
食「わかりますって」
み「そうなのよ。
新潟南のピッチャーは、すごい大柄でさ。
バット振り回したら、当たったんだね」

↑バンザイする林真道投手。身長、190㎝。
み「それがなんと……。
センターの頭上を超えて……。
ホームランよ」

食「バックスクリーンですか?」
み「だから、ホームランだって」
食「ですから……。
バックスクリーンに入ったんでしょ?」
み「なんでバスクリンに入るんだ?」

み「風呂なんか、入らんわい」

↑お風呂嫌い犬
食「……。
もっと詳しいのかと思った。
バックスクリーンってのは、打ち込んだ場所のことです。
スコアボードがあるでしょ、センターの後ろに」

↑目覚まし時計。アラームはもちろん、プレイボールのサイレン。
み「そのくらい知っとる」
食「そのスコアボード手前のことです。
スコアボードの下が一色の壁みたいになってて……。
観客も入れないんですよ」

み「なんで?」
食「あんなとこで人がうろうろしてたら……。
バッターが見にくいでしょ」
み「人がうろうろしてると……。
なんで、バッターが醜いんだ?」

↑『世界で最も醜い犬コンテスト』優勝犬
み「イケメンバッターはいないのか?」

食「醜いって……。
顔のことですか?」
み「チミが言ったんじゃない」
食「見ること難し、の見にくいです。
なんか……。
不毛、とか、徒労、という言葉が浮かぶんですけど……」

み「そんなら、見づらいと言うべきじゃろ。
何が見づらいんじゃ」
食「球です。
ボール。
Do You Understand?」

み「No,I'm not.」

食「はぁ……。
ピッチャーがボールを投げますよね」
み「普通、そうだな」
食「そのとき、ピッチャーの背後が白っぽかったり……。
人がウロウロ動いたりしてたら、バッターが見づらいでしょ。
ボールを。
だから、濃い目の色で、スクリーンみたいに塗られてるわけですよ」

食「それで、バックスクリーン」
み「ボールを黒くすればいいんじゃないのか?」

食「雨のとき、ボールが泥んこになったら、取れないでしょ!
ゴロとか」

↑こういうときは、中止になります
み「土の色を変えればいいじゃん。
テニスのクレーコートみたいに。
赤土」

食「ルールでそうなってるんです!」
み「なんだ。
最初から、そう言えばいいじゃん」
食「異様に疲れる……」

み「つまりその、バスクリンではなくて……。
バックスクリーンに、ホームランを打ちこんだわけよ。
新潟南のピッチャーが。
あそこに入ると、点数が違うの?」

食「おんなじですよ」
み「そりゃ、おもろないなぁ。
バックスクリーンに入るホームランって、たくさん出るの?」

食「滅多に出ませんね。
一番距離がありますから」

み「なんでよ?
バッターボックスからの距離なんて、どこでも一緒だろ?
ホームベースにコンパスの足を立てて……。
ぐるっと円弧を描くわけでしょ」

食「違うんです。
グランドってのは、歪んでるんですよ。
正確な円弧には、なってません。
たいてい、ポール際が狭くなってます」

み「なんでまた?
あ、わかった。
両端は、ちょっと窄めた方が、ホーム方向を見やすいんじゃない?」

み「正確な円弧だと、正面がホームを向かないのよ」
食「そんなの、椅子の角度を調整すればいいだけじゃないですか」

↑デジタルノギス(こんなのがあるんだ!)
み「えー。
そっちの方が、簡単じゃないと思うぞ。
場所によって、調節角度が違うだろうし」

食「球場施工のプロがいるんです」

↑広島市新球場
食「一級球場施工管理技士」

み「ほんまかー?」
食「国際試合が出来る球場を作れるのは、一級だけです」

食「それ以外なら、二級資格だけで作れます」

み「準六級は?」
食「そんな級はありません。
ソロバンじゃないんだから」

み「そういうのを、半可通と云う」

み「準六級球場施工管理技士は……。
野球盤が作れるのじゃ」

み「大学時代に準六級を取れば、エポック社に入れる」

食「任天堂はダメですか?」

み「あそこは……。
順天堂大学からの推薦しか採らないから」

律「ウソばっかり」
み「ほんとじゃ」
律「今度、聞いてみよっと。
うちの病院に、順天堂大出の先生がいるから」

食「すいません。
もちろんウソです」
み「どこからウソだったんだ?」
食「一級球場施工管理技士からです」

み「いい加減なホラばっかり吹きおって。
ホントは、知らないんだろ。
球場の両サイドが、すぼまってるわけ」

食「知ってますよ。
今の話は、ささやかな仕返しです」
み「何の?」
食「あなた、与太話ばっかりだったじゃないですか」

み「失敬な。
“真実一路”とは、わたしのためにある言葉じゃ」

食「じゃこちらも、真実一路で話します。
ホームベースからの距離で考えるから、イビツに思えるんですよ」

み「ほかにどんな測り方があるんだ?」
食「ホームベース以外のベースからの距離です」

み「は?」

食「おんなじ名前に出来なかったんです。
で、信州信濃の追分ってことで、『信濃追分』」

み「なんだ。
そんな理由だったのか。
ま、国鉄のセンスじゃ、その程度かね」
食「怪我の功名みたいなもんですね」
み「ほんとだよ。
信濃の追分は、何街道の分かれ道だっけ?」
食「中山道と北国街道です」

み「ふーん。
じゃ、ここの『追分』は?」
食「羽州街道から、男鹿街道が分かれます」

み「なるほど。
街道から云えば、『信濃追分』のほうが、ずっとメジャーだよね。
先に駅が出来たってだけで……。
『追分』の本家みたいになっちゃったんだ。
ここらは、男鹿半島の付け根のあたり?」
食「ですね」

食「鉄道の方でも、この追分駅から、『男鹿線』が分かれてます」

み「男鹿線なんて線があるのか」
食「“なまはげライン”と呼ばれてます。
男鹿半島へは、行かれませんか?」
み「もう、行かれたよ。
昨日」
食「じゃ、鉄道じゃなくて?」
み「観光バス」

み「乗ったことない?
安いよ。
男鹿半島を1日堪能して、5,300円」

食「いちおう、鉄道専門ですんで」
み「バスガイドさん、可愛かったぞ」

食「ほー」
み「でも、デブは嫌いだって」

食「そんなぁ」
律「この駅……。
誰も降りないし……。
誰も乗らないみたいね」

み「ここらへんって、何があるんだ?」
食「学校が多いですね。
秋田県立大学とか……」

み「妙に詳しいな」
食「自慢するわけじゃありませんが……。
秋田駅から、五能線経由で青森駅までは……。
すべての駅で降りましたからね」
み「なんで?」
食「なぜと言われても……。
そこに駅があったからとしか」

み「馬鹿としか……」

食「さすがに、今になってみると、ボクもそう思います。
でも、若さってのは……。
そういう理不尽な情熱に突き動かされる季節なんじゃないですか」

み「自分で言うな。
そんな情熱に駆られてた若人が……。
何で『食い鉄』なんかに落ちぶれたかね」

食「落ちぶれたとは失礼ですね。
年齢相応の変化ですよ」
み「体型相応じゃないのか?」

み「まぁ、いい。
でも……。
リゾート列車を、大学前に止めたって……」

み「誰も乗らないだろ?」
食「そうでも無いと思いますよ。
この便は早いから、あんまり利用者がいないみたいですけど……。
ここは、男鹿半島の付け根ですからね。
男鹿半島で遊んだ人たちが乗りこんだり……。
青森からの便なら、ここで下りて男鹿半島を楽しむってコース」

み「なるほど。
学生が乗り降りするわけじゃないんだ。
学校が多いって言ってたけど……。
ほかにはどんな学校があるの?」
食「秋田西高校。
それと、金足(かなあし)農業」

み「おー。
金足農業。
懐かしや」
律「なんで知ってるの?」
み「小学校のころ……。
その名が脳裏に刻まれる出来事があったのだよ」
律「いったい何よ?」
み「高校野球」

律「へー。
そんなのに興味があるとは思わなかった」
み「今は、まったく無いけどね。
中学高校のころまでは、よくテレビで見てたな。
大会は、夏休みと春休みにあったからね。
自分が高校野球ファンってことにしとけば……。
テレビ観戦で、勉強をサボる口実にもなったからさ」

律「それで、その、なんだっけ?
カニ足高校?」

み「金足農業!
“金の足”って書くの」

律「高校野球に、どんな思い出があるのよ?」
み「新潟市の新潟南高校が、甲子園でベスト8まで行った年があるんだよ」

律「スゴいじゃない」
み「近年、日本文理高校が準優勝したけど……」

み「それまでは、新潟南高校のベスト8が、新潟県勢の最高到達点だったわけ」
律「へー」
み「そう言えば……。
PL学園が、無茶苦茶強かったころよ」

み「桑田、清原がいてさ」

食「あ。
思い出しました。
1984年の大会ですね」

み「何でそんな年号まで知ってるんだ?」
食「数字とか、型番とか、覚えるの得意なんです。
列車の記号なんか、よく覚えましたからね」

食「数字を見ると、覚えるのがクセみたいになってるんです。
でも、高校野球は、もともと好きですよ。
夏休みに旅行してるとき、よくイヤホンで聞いてました」

み「へー。
意外だね」
食「野球が好きって云うより……。
夏の雰囲気に、どっぷりと浸りたかったんでしょうね。
炎天下をリュック背負って歩きながら……」

↑実写なのか? 面白いので、冬の画像だが、載せてしまった。
食「耳からは、高校野球の実況放送」

食「『俺は今、夏の真っ只中にいるんだー』って、気分になりましたもん」

み「それで、新潟南の試合も聞いてたわけか?」
食「違いますよ。
年代が合わないでしょ。
1984年は、今から四半世紀も前です」
律「わかった。
新潟南は、金足農業に勝って、ベスト8になったわけね」
み「ちゃうちゃう。
金足農業に負けて、準決勝に進めなかったわけ」

律「なんだ、そうなの」
み「父親が野球好きでさ。
新潟の学校なんて、滅多に勝たないから、興奮しちゃって。
でも、ベスト8って言っても……。
初戦が2回戦だったから、2勝しただけなんだよね」
律「なんで、初戦が2回戦なのよ?」
み「仕方ないでしょ。
出場校数が、2の乗数にならないんだから」

み「何校出るんだっけ?」
食「北海道と東京が2校ずつですから……。
全部で、49校ですね」

み「春のセンバツは、32校だから……。
どの学校も、1回勝てば、ベスト16。
2回勝って、ベスト8。
試合数は平等なわけ」

み「でも夏は、2の乗数にならないから……。
試合数が違うチームが出てくる」

律「不平等だわ」
み「それがクジ運ってものです」

み「1回戦から勝ち上がって優勝したチームだって、たくさんあるよ」

食「じゃ、ここでクイズをひとつ」
み「商品はなんじゃ?」
食「ボクと一緒に記念撮影」

み「いらん」
食「連れないなぁ」
み「むしろ、積極的にお断りじゃ。
罰ゲームに近いではないか」

み「商品はいらんから、問題を言ったんさい」
食「それでは……。
リゾートしらかみ『くまげら』車中から、問題です」

食「夏の高校野球の出場校は、先ほど言いましたように、49校です。
それでは、1回戦から決勝まで、全部で何試合行われるでしょう?」
み「降りた」
食「なんでですか」
み「どーせ。
順列組み合わせとか、その系統だろ」

み「あれ、大ッ嫌いだったんだ」

食「そんな複雑な問題じゃありませんよ」
み「先生、わかる?」
律「わかんない」
み「つまらんから、この問題は無かったことにしよう」

食「そんなぁ。
眼から鱗の答えですよ」

み「ほー。
じゃ、言ってよし」
食「なんで許可されなきゃならんのです?」

食「まぁ、いいや。
出場校49校の場合、全試合数は48試合です。
早い話、『出場校数-1』が答えになるわけですよ」
み「なんで?」
食「優勝チームは、1試合も負けませんよね?」
み「当たり前だろ」
食「逆に、優勝しなかったチームは、すべて負けるわけですけど……。
2敗するチームもいないでしょ」
み「負ければ終わり。
それがトーナメントの宿命じゃろうが」

食「つまり……。
優勝校以外の48校が、1回ずつ負けるためには……。
計48試合が必要ってわけです」
み「なんか、騙されてるみたいだな」
食「騙してなんかいませんよ」
み「やっぱり面白くないから……。
この問題は聞かなかったことにしよう」
食「えー。
トーナメント戦の企画をするときには、ぜったいに役立つ知識ですよ」

み「そんな企画、わたしがするわけなかろうが」
律「人生、わからないわよ」

食「ですよね」
み「わたしの話が、途中だろ!」
律「何の話だっけ?」
み「高校野球!」
律「あ、そうかそうか。
新潟明訓ね」

み「違います。
新潟南」

↑新潟南の画像が無い!
律「そこがどうしたんだっけ?」
み「だから、ベスト8になったんだって。
初戦の2回戦は、京都西高校」

↑現在は、京都外大西となってるようです
み「京都の高校に勝つだけでも大したもんだけど……。
なんと、3回戦の相手は、明徳義塾」

律「有名なの?」
み「その後、優勝もしてる。
高知の野球学校だね」

↑朝青龍の出身校でもある
み「ほら、松井を、全打席敬遠した学校」

律「松井って……。
松居直美?」

↑未だに稼げるとは、大したものです
み「アホか!
秀喜に決まってるでしょ!」
律「ブーメランの?」

み「“ブーメラン、ブーメラン、きっとぉ、あなたは、戻ってくるだろうぉ”」

み「違うわ!」
律「いちいち乗らないでよ」
み「誰かの影響で、ノリツッコミが癖になった。
マツイはマツイでも、松井秀喜!」

み「その松井を、全打席敬遠したの」

律「えー。
松井って、大リーガーでしょ」

律「高校生なら、敬遠したってしょうがないわよ」
み「何で大リーガーが、高校野球に出るんだ!
そのころは、松井もまだ高校生だったの」

律「なんだ、そうなの」
み「最初から、わかれよ!」
律「それじゃ、敬遠なんてするのは、いけないわね。
高校生同士なんだから」

み「だから、明徳義塾も、相当批判されたわけよ」

み「でも……。
ルールに則った上で、勝つためにあらゆることをするってのは……。
それはそれで、筋が通ってると思うよ」
律「敬遠って、反則じゃないの?」

み「違います!
話を進める。
あんたと話してると、ラチが明かん。
……。
何話してたか、忘れた」

律「わたしのせい?」
食「新潟南と明徳義塾の話ですよ」
み「それ!
なんと、新潟南が勝ったんだよ。
明徳義塾に」

律「その年は弱かったんじゃないの?」
み「そう思うだろ?
しかし、決してそうではない。
明徳義塾は、1回戦から勝ち上がって来たんだけど……。
その1回戦は、県立岐阜商業に、11対2。
県立岐阜商業ってのも、名門だぞ」

み「ね?」
食「ですね。
春3回、夏1回、全国優勝してます」
み「その県立岐阜商業に圧勝したわけ。
2回戦は、北海道の広尾に、6対0の完封勝ち。
で、3回戦で当たったのが、新潟南よ。
明徳義塾は、大ラッキー♪、って思ったろうね」

み「勝てばベスト8の試合相手が、新潟県の初出場校だもん。
ところが、勝負はわからんもんだねー。
わたしは、小学生だったけど……。
鮮明に覚えてるシーンがあるんだ」
律「どんなシーン?」
み「ピッチャーが、ホームラン打ったのよ」

律「そんなはずないでしょ。
ピッチャーは、投げる人じゃない」

み「攻撃のときは、ピッチャーも打席に入るでしょ!」

律「入りません。
ピッチャーの代わりに、指名打者(DH)が打席に入ります」

み「……。
あんたの知識って、ものすごくイビツよね」
律「どうしてよ?」
み「何で、指名打者のこと知ってるのに……。
高校野球では、それが採用されてないことを知らないわけ?」

律「あら、高校野球は、ルールが違うの?」
↑コニー・フランシス『Too Many Rules』。スゴくいい歌です。ぜひどうぞ。
み「プロだって、セ・リーグじゃ採用してないの」
律「どうしてよ?」
み「それについては……。
後ろの石塚くんに答えてもらいましょう。
はい、どうぞ」
食「え?
ボクですか?」

↑場面と関係ないけど、面白かったので
み「ほかにいないでしょ」
食「ムチャ振りだなぁ。
ボクだって、よく知りませんよ。
でも、たぶん……。
野球は9人でやるものだ、って考えからじゃないですか」

食「それに、パ・リーグが先に始めたルールを……。
セ・リーグが追随することは有り得ませんよ。
セ・リーグのオーナーなんて、みんなプライドのカタマリみたいな人だから」

み「そう言えば、プロ野球って……。
昔は、鉄道会社ばっかりだったよね」

↑こんなのがあるとは思わなんだ
み「あと、映画会社とか」

食「今、鉄道会社は、阪神と西武だけになっちゃいましたね」

み「昔は、国鉄まで球団持ってたんだからね」

律「へー。
ちょっと考えられないわね」
み「いっぱいあったよね、鉄道球団?」
食「国鉄以外は、みんなパ・リーグだったかな。
ソフトバンクは、もとの南海ですし……」

食「オリックスが、阪急」

食「楽天は、近鉄」

食「西武は、西鉄ですけど……」

食「これは、電鉄会社同士ですね」
み「なんで、鉄道会社が多かったんだ?」
食「鉄道沿線に球場を作れば……。
乗客が増えるってことじゃないですか」

み「そんなんで、ペイするわけないでしょ」
食「ま、乗客だけじゃ無理でしょうね。
人が大勢乗り降りするようになれば……。
沿線の宅地開発なんかもできるってことじゃないですか」

み「なるほど。
沿線の土地、いっぱい持ってたわけか」

み「しかし……。
どんどん人口が増える、国の成長期でしか成り立たないビジネスモデルだよな」
食「だから、みんな撤退したんでしょ」

み「阪神はしないの?」
食「ああいう人気球団なら……。
やっていけるんじゃないんですか」

み「ふーん。
西武は?」

食「さー。
どうなんでしょう」
み「歯切れが悪いな。
ほんとは、よく知らないんじゃないの?
野球」
食「球団経営のレベルまでは知りませんよ」

み「ピッチャーも、バッターボックスにも入るってのは……。
知ってる?」
食「当たり前でしょ。
子供のころ、やりましたから」
み「少年野球?」

食「そんな本格的なのじゃないです。
昼休みに、ゴムボールですよ」

み「指名打者はいなかったわけね」
食「いるわけないじゃないですか
みんな、打ちたくてしょうがないんだから」
み「ほー。
じゃ、ピッチャーがホームランを打ったってのは……。
理解できるよな?」
食「わかりますって」
み「そうなのよ。
新潟南のピッチャーは、すごい大柄でさ。
バット振り回したら、当たったんだね」

↑バンザイする林真道投手。身長、190㎝。
み「それがなんと……。
センターの頭上を超えて……。
ホームランよ」

食「バックスクリーンですか?」
み「だから、ホームランだって」
食「ですから……。
バックスクリーンに入ったんでしょ?」
み「なんでバスクリンに入るんだ?」

み「風呂なんか、入らんわい」

↑お風呂嫌い犬
食「……。
もっと詳しいのかと思った。
バックスクリーンってのは、打ち込んだ場所のことです。
スコアボードがあるでしょ、センターの後ろに」

↑目覚まし時計。アラームはもちろん、プレイボールのサイレン。
み「そのくらい知っとる」
食「そのスコアボード手前のことです。
スコアボードの下が一色の壁みたいになってて……。
観客も入れないんですよ」

み「なんで?」
食「あんなとこで人がうろうろしてたら……。
バッターが見にくいでしょ」
み「人がうろうろしてると……。
なんで、バッターが醜いんだ?」

↑『世界で最も醜い犬コンテスト』優勝犬
み「イケメンバッターはいないのか?」

食「醜いって……。
顔のことですか?」
み「チミが言ったんじゃない」
食「見ること難し、の見にくいです。
なんか……。
不毛、とか、徒労、という言葉が浮かぶんですけど……」

み「そんなら、見づらいと言うべきじゃろ。
何が見づらいんじゃ」
食「球です。
ボール。
Do You Understand?」

み「No,I'm not.」

食「はぁ……。
ピッチャーがボールを投げますよね」
み「普通、そうだな」
食「そのとき、ピッチャーの背後が白っぽかったり……。
人がウロウロ動いたりしてたら、バッターが見づらいでしょ。
ボールを。
だから、濃い目の色で、スクリーンみたいに塗られてるわけですよ」

食「それで、バックスクリーン」
み「ボールを黒くすればいいんじゃないのか?」

食「雨のとき、ボールが泥んこになったら、取れないでしょ!
ゴロとか」

↑こういうときは、中止になります
み「土の色を変えればいいじゃん。
テニスのクレーコートみたいに。
赤土」

食「ルールでそうなってるんです!」
み「なんだ。
最初から、そう言えばいいじゃん」
食「異様に疲れる……」

み「つまりその、バスクリンではなくて……。
バックスクリーンに、ホームランを打ちこんだわけよ。
新潟南のピッチャーが。
あそこに入ると、点数が違うの?」

食「おんなじですよ」
み「そりゃ、おもろないなぁ。
バックスクリーンに入るホームランって、たくさん出るの?」

食「滅多に出ませんね。
一番距離がありますから」

み「なんでよ?
バッターボックスからの距離なんて、どこでも一緒だろ?
ホームベースにコンパスの足を立てて……。
ぐるっと円弧を描くわけでしょ」

食「違うんです。
グランドってのは、歪んでるんですよ。
正確な円弧には、なってません。
たいてい、ポール際が狭くなってます」

み「なんでまた?
あ、わかった。
両端は、ちょっと窄めた方が、ホーム方向を見やすいんじゃない?」

み「正確な円弧だと、正面がホームを向かないのよ」
食「そんなの、椅子の角度を調整すればいいだけじゃないですか」

↑デジタルノギス(こんなのがあるんだ!)
み「えー。
そっちの方が、簡単じゃないと思うぞ。
場所によって、調節角度が違うだろうし」

食「球場施工のプロがいるんです」

↑広島市新球場
食「一級球場施工管理技士」

み「ほんまかー?」
食「国際試合が出来る球場を作れるのは、一級だけです」

食「それ以外なら、二級資格だけで作れます」

み「準六級は?」
食「そんな級はありません。
ソロバンじゃないんだから」

み「そういうのを、半可通と云う」

み「準六級球場施工管理技士は……。
野球盤が作れるのじゃ」

み「大学時代に準六級を取れば、エポック社に入れる」

食「任天堂はダメですか?」

み「あそこは……。
順天堂大学からの推薦しか採らないから」

律「ウソばっかり」
み「ほんとじゃ」
律「今度、聞いてみよっと。
うちの病院に、順天堂大出の先生がいるから」

食「すいません。
もちろんウソです」
み「どこからウソだったんだ?」
食「一級球場施工管理技士からです」

み「いい加減なホラばっかり吹きおって。
ホントは、知らないんだろ。
球場の両サイドが、すぼまってるわけ」

食「知ってますよ。
今の話は、ささやかな仕返しです」
み「何の?」
食「あなた、与太話ばっかりだったじゃないですか」

み「失敬な。
“真実一路”とは、わたしのためにある言葉じゃ」

食「じゃこちらも、真実一路で話します。
ホームベースからの距離で考えるから、イビツに思えるんですよ」

み「ほかにどんな測り方があるんだ?」
食「ホームベース以外のベースからの距離です」

み「は?」