Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
東北に行こう!(24)
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 さて、今、「ビール」とあっさり言ってしまいましたが……。
 正確に言うと、「第三のビール」です。
第三のビール

 ところでみなさん!
 「ビール」「発泡酒」「第三のビール」。
 この違い、ご存知でしょうか?
 ここでちょっと、おさらいしておきましょう。

 「ビール」は、原料のうち、麦芽を3分の2以上使用しなければなりません。
 副原料も、米やトウモロコシなどに限られています。
ビール

 「発泡酒」は、麦芽の使用率が3分の2未満でもよく……。
 副原料は、「ビール」に使えないもの(果汁など)も許可されてます。
発泡酒

 それに対し、「第三のビール」には、麦芽が使われてません。
 早い話、ビールではないんです。
 ビールテイストの発泡アルコール飲料ということ。
第三のビール

 この3種で、最も大きく違うのは……。
 税金です。
 ちなみに、350ml缶にかかる酒税を比べると……。
 「ビール」=77円、「発泡酒」=47円、「第三のビール」=28円となります。

 さてさて。
 いただきま~す。
 ということで、一人乾杯したのち……。
 「秋田の日」ディナーを賞味したわけです。

 “いぶりがっこ”についての感想は……。
 以前に述べたので、省略します。

 で、本日の最重要事項、『きりたんぽ鍋』のお味の方ですが……。
『きりたんぽ鍋』のお味

 で、本日の最重要事項、『きりたんぽ鍋』のお味の方ですが……。
 正直言います。
 マズ……。
 これだけ、おいしくないものを食べたのは……。
 オーブントースターで作った『焼きバナナ』以来でした。
オーブントースターで作った『焼きバナナ』
348回のコメント参照

 たぶんですが……。
 秋田で食べる『きりたんぽ鍋』は、美味しいはずです。
 やっぱ、レンジでチンには無理があるようです。

 まず、比内地鶏。
 これが、肉の形ではなく……。
 “つくね”として入ってるんです。
つくね

 実はわたし……。
 “つくね”とか“つみれ”など……。
つみれ

 練り物が好きでないんですね。

 さらに、スープですが……。
 かなり、甘みが強いです。
 しかも、味が濃い。
 甘じょっぱい、という感じ。
 そのほか、糸こんにゃくみたいな具材が入ってますが……。
糸こんにゃくみたいな具材

 ことごとく、煮こまれきったという感じで……。
 芯まで味が染みてます。

 で、肝心の“きりたんぽ”ですが……。
肝心の“きりたんぽ”

 当たり前の話ながら……。
 ただのご飯です。
 粒が潰れるくらい、くっついてますがね。
 そのご飯が、甘じょっぱい汁に浸かってるというもの。
 はなはだ失礼ながら……。
 子供のころ、うちのばあちゃんが犬にやってた……。
 「汁かけご飯」を思い出してしまいました。
 やっぱ、彩りが、イマイチですよね。
彩りが、イマイチ

 たぶん、これに新鮮なネギが入ったら……。
 だいぶ違うと思います。
新鮮なネギ

 でも、生ネギを、レンジでチンは無理ですよね。

 かなりしょっぱいですから、お豆腐を入れてチンすると……。
お豆腐を入れてチン

 少し薄まって、いいかも?

 で、結局……。
 半分も食べないうちに、降参しました。

 結論。

『“きりたんぽ鍋”は、レンジでチンして食べるものではない』

 しかし、捨ててしまうのは忍びないと言うか……。
 “きりたんぽ”の呪いで書けなくなりそうなので……。
 翌日の朝食で、残りを食べることに。
 冷えたほうが、まだ食べれるんじゃないかと思ったんですね。
 フタを開けると……。
 “きりたんぽ”の粒がすべてほぐれ……。
 茶色い汁の一面に広がってました(びっくりして、写真を撮り忘れた)。
 まさしくそれは……。
 子供のころ犬が食ってた、「汁かけご飯」そのものでした。
汁かけご飯

 味の方ですが……。
 冷えても、美味しくなかったです。
 でも、1滴残さず完食しましたよ。
 きりたんぽの神様!
きりたんぽの神様

 どうか、呪わないでください!

 というわけで……。
 この「秋田の日」は、正直なところ、成功とは言いがたいものでした。

 一番美味しかったのは、ホッケ。
一番美味しかったのは、ホッケ

 “いぶりがっこ”よりも……。
“いぶりがっこ”よりも

 きゅうりの漬物の方が美味しかったし。
きゅうりの漬物の方が美味しかった

 でも、ま、それなりに達成感はありました。
 食べもしないでレポートを書く、という後ろめたさからも解放されましたし。
 いつか秋田に行って……。
 美味しい“きりたんぽ鍋”を食べてみたいものです。
美味しい“きりたんぽ鍋”

 さて、以上で「秋田の日」レポートを終了し……。
 「秋田川反漁屋酒場」のシーンに戻ります。
 わたしと律子先生で、“きりたんぽ”のお骨拾いをする場面からです。
“きりたんぽ”のお骨拾い

 ボチャン!

 “きりたんぽ”が、お鍋に落下しました。

み「あち!
 汁が顔に跳ねたじゃないの」
律「Mikiちゃんが、離すからでしょ。
 すっぴんなんだから、大丈夫よ。
 おしぼりで拭きなさい」
おしぼりで拭きなさい

み「あ。
 これって、きりたんぽに似てる」
律「言われてみればそうね。
 間違って食べないでよ」
み「食べるか!
 ほんとにもう、大人気ないんだから。
 一歩引いて、人に譲る」
一歩引いて、人に譲る

み「それが大人というもんでしょ」
律「わたしは、高校時代から……。
 厳しい競争を勝ち抜いてきたの」
厳しい競争を勝ち抜いてきた

律「人と競うことが、身についちゃってるのよ」
み「それで、“きりたんぽ鍋”でも競うわけ?
 あー、たまげた。
 マスミン、どう思う、この女。
 こら、他人のフリするな!」
他人のフリするな

老「すみましたかな?」
み「止めるだろ、ふつー」
老「女性同士の争いは……。
 離れて見てるに限ります。
 ヘタに顔を突っこんだら……。
 こっちに矛先が向きかねませんからの」
薙刀美人姉妹
↑薙刀美人姉妹【鈴木愛(左・妹):鈴木和(右・姉)/共に秋田大曲高校(2007年)】

み「ほー。
 伊達に年取ってないってことね。
 それじゃ、今日のところは……。
 マスミンの顔を立てて、矛を収めることにしますか。
 どう、先生?」
律「別に、いいわよ」
み「と油断させておいて……。
 食べるのも一番!、とか言うんじゃないでしょうね?」
律「あんたじゃあるまいし」
み「とかなんとか言いながら……。
 突然やるんだよな。
 虎視眈々と狙ってるでしょ。
 お箸の先が、ピクピクしてるよ」
お箸の先が、ピクピク

律「してません。
 まだ煮えてないんだから……。
 フライングしちゃダメよ」
フライングしちゃダメ

み「やっぱり狙ってる。
 ふ。
 わたしを敵に回したら、どれだけ恐ろしいか……。
 思い知らせてやる。
 秘技!
 “きりたんぽ”、そのまま食い!
 あ~ん」
あ~ん

律「ちょっと!
 それ、お鍋に入れる前のやつじゃないの!」
み「もぐもぐ。
 “きりたんぽ”は、炊いたご飯そのものだかんねー」
“きりたんぽ”は、炊いたご飯そのもの

み「煮なくたって、そのまま食べれるのだ」
律「卑しい女!」
み「何とでも言え。
 さすが『秋田こまち』、フツーに美味しいわい」
さすが『秋田こまち』

み「お汁に漬ける必要なんて無いよ。
 マジで食べてみなって」
律「そうね。
 ほんと、真っ白で綺麗。
 お汁に漬けちゃうのがもったいないみたい。
 一口いただこうかしら」
み「先生、お箸で切らなくていいって。
 そのまま竹輪みたいにかぶりつけば」

↑竹輪好きのネコ

律「まるごと1本食べようってわけじゃないわよ。
 ほんの一口」
み「一口齧った残りは……。
 こうやればいいじゃん」
律「ちょっと!
 食べかけをお鍋に入れないで!
 行儀の悪い」
み「気にしないでちょうだい」
律「気にするわい」
老「いい加減、ネギを入れてもよさそうですぞ」
み「おー。
 久々に、お奉行様からご発言でしたねー」
老「さっきから、ネギを入れよと言うとる」
ネギを入れよ

み「そうだっけ?
 まぁ、いいや。
 先生、入れて。
 わたし、生ネギの臭い、ダメだから」
律「吸血鬼みたいね」
吸血鬼みたい

み「それは、ニンニクでしょ。
 ともかく、ネギの一番食は先生に譲るわ」
律「ほんとに、好き勝手なことばっかり言うんだから。
 お嫁に行けないわよ」
み「それはお互いさまでしょ」
律「わたしの場合、理由が違います」
み「あっそう。
 まぁ、いいわ。
 先生、1本1本拾ってないで……。
 ザザーッと入れちゃってよ」
なんだこれ?
↑なんだこれ?

み「いいよね、マスミン?」
老「どうぞ」
み「ほれ。
 全投入」
ガーヤちゃん
↑「こしがや鴨ネギ鍋」のイメージキャラクター『ガーヤちゃん』でした(鍋に入ってる!)

み「セリは、まだだからね」
セリは、まだ

律「わかってるわよ」
み「ところで、マスミンは何飲んでるの?」
老「何に見えますかな?」
み「ま、日本酒にしか見えんわな。
 枡酒なんだから」
枡酒

老「ここのメニューでは、『手酌酒』と称するようじゃ」
み「吉幾三だね」


み「その枡、どのくらい入ってるの?」
老「一合じゃよ」
み「なんだ、大して入ってないじゃん」
老「柄杓酒というメニューもありますぞ。
 まさしく、柄杓で汲むんじゃな」
手酌酒(左)と柄杓酒(右)
↑手酌酒(左)と柄杓酒(右)

み「『悪魔の手毬唄』みたいだね」
悪魔の手毬唄

律「何よ、それ?」
み「知らない?
 横溝正史の推理小説。
 金田一耕助が出てくるやつ」
金田一耕助が出てくるやつ

み「手毬唄の歌詞どおりに殺人が起こるっていう、お約束パターンだね。
 その手毬唄の一節に、こんなのがあったんだ」
手毬唄の一節

♪うちの裏の前栽に
 雀が三羽とまって
 一羽の雀が言う事にゃ 言う事にゃ
 おらが在所の陣屋の殿様 狩好き酒好き女好き
 わけても好きなが女でござる
 女たれがよい枡屋の娘
 枡屋器量よしじゃがうわばみ娘
 枡ではかって漏斗で飲んで日がな一日酒浸り
 それでも足らぬとて返された 返された

律「Mikiちゃんみたいね」
み「ちがわい!」
律「あ、返されるためには……。
 まず、行かなきゃならないか」
み「人のこと言えるの!」
律「うへ。
 やぶ蛇だったか。
 でもそれって、秋田の手毬唄?」
み「横溝正史の作詞でしょ。
 あの人の小説って、岡山とかあっちの方が舞台じゃないの?」
岡山とかあっちの方が舞台

み「戦争中、そっちの方に疎開してたらしいから」
戦争中、そっちの方に疎開してたらしい

律「なんだ。
 結局、その手毬唄、ここのメニューと関係ないの」
み「あるかいな」
律「それじゃ、なんでそんな手毬唄持ちだしたわけよ?」
み「だって、歌詞にあるじゃん。
 『枡ではかって柄杓で飲んで』……
 あ。
 違った。
 『漏斗で飲んで』だった」
漏斗で飲んで

み「ま、いいか。
 ここまで書いちゃったの、消すのもったいないから」
律「ズサンな展開」
み「このまま話を進めましょう。
 金田一耕助ってさ……。
 事件を事前に防いだことって、あるのかね?
 肝心なときに、遠方に調査に行ってたりしてて……」
肝心なときに、遠方に調査

み「結局、連続殺人が完成するまで、犯行を止められないじゃないかね」
連続殺人が完成するまで、犯行を止められない

律「Mikiちゃんが、そんなこと言ってどうすんのよ。
 途中で止めたら、小説になんないでしょ」
み「そりゃ、そうだけどさ。
 しかし……。
 推理作家って、つくずく尊敬するよ」
律「何がよ?」
み「筋を作ってから書いてるってとこ」
筋を作ってから書いてる

律「それが普通なんじゃないの」
み「先がわかってること書いてて、面白いかね?」
律「先の見通しを立てずに書いてて……。
 不安にならない?」
み「何が?」
律「ちゃんと結末を付けられるか、とか」
み「結末のことなんて、考えてないもの」
律「途中で、矛盾に気づくとか」
み「気づかなきゃいいじゃん」
律「読者は、気づくでしょ」
み「ふむー。
 そんときは……。
 解決策を公募しよう」
公募しよう

律「気楽な家業」
み「でなきゃ、続きませんて」
律「それもそうね」
み「ところで、何で推理小説の話になったんだっけ?」
律「『枡ではかって柄杓で飲んで』でしょ」
枡ではかって柄杓で飲んで

み「あ、そうか。
 ちょっと、お酒のメニュー見てみよう」
律「『きりたんぽ鍋』を食べるからには……。
 やっぱり、秋田のお酒を合わせたいわね」
み「どれか飲んでみようかな」
老「ぜひ、お勧めしますぞ」
み「いろんな銘柄があるね。
 これみんな、秋田のお酒?」
老「秋田の厳選酒じゃな」

 さてここで……。
 「秋田川反漁屋酒場」さんのページで……。
 ミスプリを発見したので、ご指摘しておきます。
手酌酒と柄杓酒のフリガナが、逆

 手酌酒と柄杓酒のフリガナが、逆になってますよ。

秋田川反漁屋酒場・酒の値段

み「しかし……。
 高けー。
 手酌酒って、1合でしょ。
 一番安くても550円じゃん」
律「880円ってのもあるわよ」
老「いずれも純米酒、もしくは吟醸酒じゃからな」
み「もっと高いのがあるよ。
 ほら、ボトルってなってるやつ。
 180mlって、まさに1合じゃん。
 980円!」
律「ほんとだ。
 でも、これって何て読むのかしら?」
み「飛良泉(ひりょうせん)?」
律「そのまんま音読みじゃない」
老「肥料を運ぶ船のようじゃの」
み「そうか!
 それでわかった。
 このお酒は……。
 もともと、肥料を積んだ船で運ばれてたんだよ。
 で、『肥料船』という名前で取引されてた」
蟹工船
↑これは、『蟹工船』

律「どうして、肥料と一緒に運ばれなきゃならないの?」
み「密輸に決まってるでしょ。
 いわゆる『抜け荷』よ」
抜け荷

律「お酒なんて、公に取引されてたんでしょ」
復元された北前船『みちのく丸』
↑復元された北前船『みちのく丸』【「みちのく北方漁船博物館」所蔵】

み「江戸の昔……。
 ある藩で、禁酒法が布かれた」
律「アメリカでなら知ってるけど……」
密造酒を下水に捨ててる写真
↑1920年、アメリカで『禁酒法』が施行(密造酒を下水に捨ててる写真)

律「日本でも施行されたなんてこと、聞いた覚えないわ。
 どこの藩よ?」
み「過去のすべての出来事が……。
 記録として残ってると思ったら、大間違いです。
 歴史の狭間に葬り去られた事実が、無数にあるんです」
律「それは、否定しないけど……」
み「つまり、禁酒法の布かれた藩が無かったとは、誰も言えない」
禁酒法の布かれた藩が無かったとは、誰も言えない

律「で、このお酒が……。
 その藩に密輸されてたってわけ?」
み「左様です」
律「なんで、肥料船なんかが使われたの?」
み「江戸時代の肥料って云ったら……。
 何だと思う?
 もちろん、化学肥料なんて無いのよ」
化学肥料

律「腐葉土とか?」
腐葉土

み「綺麗事を言うでない!
 当時の肥料と云えば……。
 『最高級有機質肥料』のこと!」
律「それって……。
 筒井康隆の?」
筒井康隆の?

律「食事中に聞きたくない話みたいね」
食事中に聞きたくない話

み「こーゆーことから、目を逸らしてはなりません」
律「でも、どうして……。
 そういうのを積んだ船で、お酒を運んだのよ?」
み「そんなもん、詮議が甘くなるからに決まってるでしょ。
 お役人だって、肥溜りの中まで、いちいち調べないだろうからね」
肥溜りの中まで、いちいち調べない

律「ちょっと!
 そんな中に入れて運んだってこと?」
み「御意」
律「汚い!
 臭いが移るに決まってるじゃない。
 江戸時代には、瓶なんて無かったのよ」
み「あ、そうか。
 樽で運んだわけだね」
樽で運んだ

み「そりゃ……。
 臭くなるわな。
 でも、そんなお酒でも、飲みたいヤツは飲みたいんだよ」
そんなお酒でも、飲みたいヤツは飲みたい

み「酒飲みのサガよのぅ。
 HQに聞いてみ。
 きっと、鼻を摘んで飲んだに違いないから」
鼻を摘んで飲んだ

律「マスミンさん。
 もちろん、違いますよね」
み「否定しないんだから、当たりじゃないの?」
老「呆れて声も出んのじゃよ」
み「あ、今、“声”と、肥料の“肥”を掛けたでしょ?」
老「アホ臭さ」
み「あ、“臭さ”は、肥料の“臭”を掛けた?」
老「いちいち、掛けんわい!
 しかし……。
 下肥を運ぶ船があったなどということ、よく知ってたの。
 それだけは、関心するわい」
み「いつの時代でも……。
 都市にとって、糞尿の処理は大問題ですからね」
都市にとって、糞尿の処理は大問題

律「そう云えば……。
 ヨーロッパって、汚かったそうね」
み「そうそう。
 何かで読んだことがある。
 バケツかなんかがトイレ代わりで……。
 それを、窓から道路に捨ててたんだって」
窓から道路に捨ててた

み「建物際を歩いてると、頭の上から糞尿が降ってくるから……。
 雨が降ってなくても、傘は必需品だったそうよ」
雨が降ってなくても、傘は必需品

律「ほんとなの?」
み「見てきたわけじゃないけどね。
 でも、ほら。
 昔の絵画に描かれてるみたいな……。
 裾が傘みたいに広がったスカートってあるじゃない?」
裾が傘みたいに広がったスカート

律「ワイヤーの入ったやつ?」
み「それそれ。
 あのスカートって……。
 外で用を足すためのものだったらしいよ」
スカートは、外で用を足すためのもの

律「ほんとなの?」
み「ハイヒールは……。
 うんこを踏まないために出来たっていうし」
ハイヒールは、うんこを踏まないために出来た

み「あ、そうそう。
 そもそも、ヨーロッパの庭園ってのは……」
ヨーロッパの庭園

み「隠れて大小便をする場所として発達したんだよ。
 舞踏会とか、多人数のパーティーをするお屋敷には……。
 広い庭園が必ずあった」
お屋敷には、広い庭園が必ずあった

み「それは、トイレの役目をしてたんです」
うんこ3兄弟

み「実際、庭にトイレしに行くことを……。
 『花を摘みに行く』と言い表してたそうよ」
花を摘みに行く

み「ねー、マスミン。
 そうだよね?」
老「他国のことは、あまり存ぜぬのぉ」
み「なんだよ。
 日本史オンリーかい」
日本史オンリーかい

み「わたしと一緒じゃん。
 ま、わたしが書いてるキャラなんだから……。
 仕方ないか」
律「何言ってるの?」
み「ともかく!
 昔は、世界の大都市と言えども……。
 路地裏なんか、うんこの山だったと思うよ。
 時間旅行するときは、うんこ踏まないように気をつけなきゃね」
時間旅行するときは……

律「もう。
 汚い話は止めてちょうだい。
 どっからこんな話になったの?」
み「あれだ。
 肥料船(ひりょうせん)。
 なんでわたしが、そんな船のことを思いついたかと云うと……。
 かつての新潟の町には、“肥やし舟”と呼ばれる舟が、実際あったんです」
 この舟のおかげで……。
 町中に糞尿が溢れることがなかったわけ」
律「てことは……。
 下の物を集める舟だったってわけ?」
み「左様です」
律「なんで、舟なのよ?」
み「新潟の町は、堀割りが縦横に走ってたからね」
新潟の町は、堀割りが縦横に走ってた

み「重量物を運搬するには……。
 舟が最適だったの」
律「いつごろの話よ?」
み「江戸時代」
律「その舟って、藩が運営してたの?」
み「武士が、うんこ集めなんてするわけないじゃん。
 公営ではありません」
律「じゃ、誰が集めてたのよ」
み「近在のお百姓さん。
 新潟町の堀割りは、信濃川に繋がってる。
 信濃川には、たくさんの支流が通じてる。
 当然、近郷の農村にも流れてる。
 農村には、その支流に繋がる用水路や排水路が、網の目のように広がってる」
農村には、その支流に繋がる用水路や排水路が、網の目のように広がってる

み「農家の裏は、必ず水路に面してたの。
 つまり、家の裏にもやった船に乗れば……」
家の裏にもやった船に乗れば……

み「自分の田んぼはもちろんのこと、遠い新潟の町中まで、乗り換えなしで行けたんだよ」
律「へー。
 それは便利ね」
み「今はさ……。
 ひとつの家に、大人の人数分だけ車があって……」
ひとつの家に、大人の人数分だけ車があって

み「家の車庫から車に乗れば、どこにでも行けるわけだよね」
律「新潟は、典型的な車社会なわけね」
み「車を持たなきゃ、生きて行けないね。
 免許が無ければ、就職も出来ない」
免許が無ければ、就職も出来ない

み「町中の商店街は、ことごとくシャッター通りで……」
町中の商店街は、ことごとくシャッター通り

み「お店は、郊外の大型スーパーだけになっちゃったからね」
お店は、郊外の大型スーパーだけ
↑イオン新潟南

律「運転できないお年寄りとかは、どうすんの?」
み「わたしの住んでるあたりだと……。
 区が、大型スーパーを通るバスを運行してる」
区が、大型スーパーを通るバスを運行

み「それでもまだ、江戸時代から続く露天市もあるし……」
江戸時代から続く露天市もある

み「農家の人が毎朝行商に来るから、比較的便利なんだよ」
律「あ、知ってる。
 トラック乗って来て、お店開くのよね」
トラック乗って来て、お店開く

み「あれは、八百屋さんとかがやってるんでしょ?」
律「違うの?」
み「農家の人が、朝採った野菜を軽トラに積んで来て……。
 一軒一軒、売って回るのよ」
農家の人が、一軒一軒売って回る

律「そりゃ、便利だわ」
み「また、脱線したな。
 何の話だっけ?」
律「車社会」
み「それそれ。
 江戸時代って、今と似てたんだよ。
 家の裏から舟に乗れば……。
 どこにでも行けたんだから。
 行こうと思えば、信濃川から海にだって出れたわけだからね」
律「舟社会ね」
み「はは。
 上手いこと言う。
 つまり当時は……。
 川が、道路の役目をしてたってわけよ」
川が、道路の役目
↑ベトナムです

律「それで……。
 重量物を運搬するには、舟が一番便利だったってことね」
み「そう」
律「で、“肥やし舟”が存在したってわけか。
 お百姓さんが集めてたのよね。
 収集料金って、どのくらいだったんだろ?」
み「いくらだと思う?」
律「うーん」
み「今の“うーん”は、洒落のつもり?」
律「違うわよ。
 そうね……。
 一両くらい?」
一両くらい?

み「阿呆か!
 ほら、マスミンが笑ってるわよ」
、マスミンが笑ってる

み「一両あったら……。
 江戸で一家四人が、丸1ヶ月暮らせたのよ」
江戸で一家四人が、丸1ヶ月暮らせた

律「一両って、そんなに価値があったの?」
み「今で云えば、30万くらいじゃないの」
今で云えば、30万くらい

律「ひぇ。
 じゃ、千両箱ってのは……。
 三億円!」
千両箱は三億円

老「十両盗んだら、首が飛びましたからな」
十両盗んだら、首が飛びました

律「そうか。
 じゃ、もっとずっと安いわけよね。
 “両”の下の単位って何よ?
 “銭”?」
み「それは、“円”の下でしょ」
二銭銅貨

み「明治以降の話」
律「じゃ、何よ?」
み「えーっと。
 マスミン、ちょっと解説して」
老「江戸時代の通貨制度は……。
 ちょっと複雑じゃぞ。
 なぜなら、金、銀、銅、三種の異なる貨幣体制が並立してたからじゃ。
 これを、三貨制度と云う」
三貨制度

老「まずは、金貨。
金貨

老「単位は、両・分(ぶ)・朱の3通りじゃ。
 一両は四分。
 一分は四朱。
 すなわち、一両が、十六朱になる」
一両が、十六朱

老「次に、銀貨」
銀貨

老「銀山に近い地方では、銀で決裁する商習慣があったんじゃな。
 単位は、貫、匁(もんめ)・分(ふん)・厘・毛の5通りもある。
 単位ごとの換算は、ややこしいので省略。
 最後が、銅貨」
銅貨

老「単位は、貫・文。
 千文で一貫文になる」
千文で一貫文
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