2012.3.3(土)
律「ほら、人が来るから……。
大の字は、止めなさいって」
み「やだよぅ」
律「ほぅ。
わたしに逆らうわけね」
み「ちょっと、何よ?
起ちあがったりして。
やる気?
それじゃ、寝たまま迎え撃って進ぜよう。
ほれほれ。
どうした、アリ」
律「アリって、何よ?」
み「知らないの?
モハメッド・アリ。
アメリカのボクサー」
み「昔、アントニオ猪木が、アリと戦ったことがあるんだよ」
律「いつごろの話?」
み「よー知らんが、わたしが生まれたころじゃないかな?
何かのマンガで読んだ。
で、アリのパンチを受けないように……。
猪木がリングに寝ころんだわけよ」
律「寝ころんだら、何にも出来ないでしょ?」
み「足技、足技」
律「相手が近づかなかったら、どうにもならないじゃないの?」
み「そうなんだよな。
で、猪木は、さかんにアリを挑発するわけ。
寝たまま、『カモーン』って感じでさ」
律「行く方がバカじゃん」
み「まぁね。
アメリカでは、このシーンに吹き出しを付けてたそう」
律「どんな?」
み「『あなた、もう寝ましょうよ』って」
律「わはは」
み「先生も、もう一度寝ませんこと?
『カムォ~ン』」
み「どうじゃ、パンチは届くまい」
律「ふっ。
愚か者。
わたしが、手に何を持ってると思う?
濡れタオルは、立派な武器になるのよ。
それ、食らえ!
タオル鞭!」
ビシッ。
み「あぎゃぁ」
律「お~。
思ったより手応えがあって、こりゃ面白いわ。
それ、もう一度!」
バシッ。
み「ぎひぃぃ。
痛いぃぃ」
律「猪木はどうしたのよ?」
み「は、反則!
明らかな反則だろ!」
み「おまえ、さては……。
『虎の穴』の使者か?」
律「なに、わからんこと言ってるわけ?
それじゃ、そろそろ止めを刺してくれようか。
食らえ!
股間に、渾身の一撃!」
ビシィィィ。
み「ぴぎ」
律「ありゃぁ。
見事に命中だわ。
白目剥いてる」
律「やっぱり、こんな顔するんじゃないのよ。
泡まで噴いて、ピクピクしちゃって。
寝湯じゃなかったら、溺れ死んでるとこね。
こんなの置いて、次のお風呂行きましょっと」
み「い、行かすかぁ……」
律「きゃっ。
生きてた。
ちょっと、脚にすがらないでよ!」
み「よ、よくも……。
嫁入り前の股間を……。
男だったら、ほんとに死んでたかもだぞ」
律「あなたも死んだんじゃなかったの?」
み「わたしは……。
この刺激が気に入ってしまった。
お願いだから、もう一回ぶって」
律「ええぃ、すがるな!
気色の悪い。
そういうヤツは、足蹴にしてくれるわ!」
み「あ~れ~。
“寛一お宮”の『熱海の場面』みたい」
み「別れろ切れろは、芸者のときに言う言葉!」
律「それは、“寛一お宮”じゃないでしょ?」
み「何だっけ?
あ、『湯島の白梅』だった」
み「“寛一お宮”は……。
『今月今夜のこの月を、ぼくの涙で曇らせてみせよう』
だね。
じゃ、もう一度蹴って。
台詞入りで。
蹴るときは、『売女(ばいた)めー!』って言うんだよ」
律「レバニラ炒め?」
み「違う!
このヘボ女優!
ぜんぜん台詞が入っておらんじゃないか!
もう一度!
今日は、出来るまで帰さんぞ!」
律「誰の真似よ、それ?
あほらし。
素っ裸で、芝居なんかしてられますか。
次、行くわよ」
み「え~。
せっかく面白くなって来たのにぃ」
律子先生は、サッサと“ごろりん湯”を出てってしまいました。
まっすぐ内湯に向かいます。
み「もう、露天風呂出ちゃうの?」
律「座湯に寝湯で、肩先が寒くなっちゃった」
慌てて後を追います。
み「もう一度、白湯に入れば?
パイパンが白湯(パイタン)に入って……。
お湯が『ちゃんぽ~ん』、なんて」
律「何よ、それ?」
み「座布団1枚?」
律「全没収」
み「何でよ~」
律「さっきの2番煎じじゃないの。
やっぱり、檜風呂にしよっと」
内風呂に戻りましたが……。
檜風呂は、おばはん軍団に占拠されてました。
み「カバの群れみたい……」
お話の途中ですが……。
↑の画像を探してて、ちょっとたまげる画像を発見したので、ご紹介します。
ワニが、カバの背中を渡ってます。
対岸まで行こうとしたんでしょうか?
日本では……。
ウサギが、ワニの背中を渡ろうとしますが……。
アフリカでは、事情が異なるようです。
カバの背中は丸くて、渡りづらそうです。
しかしこの直後……。
ワニには、悲惨な運命が待ってました。
カバの巨大な口に、挟まれてしまったのです。
実は、カバの牙ってのは、もの凄いんですね。
骨格で見ると、よくわかりますが……。
顎も強力です。
この顎、150度以上も開くんですね。
顎が閉じる力は、1トンにもなります(人は60㎏程度)。
25型のブラウン管テレビを噛み砕くほどだそうです。
この顎、この牙で噛まれたら……。
ひとたまりもありませんよね。
哀れなワニは……。
この後、ぐちゃぐちゃに噛み潰されたそうです。
実は……。
人が、野生動物に襲われて命を落とす事例で……。
最も多い動物が、カバなんだそうです。
一見、呑気そうな顔をしたカバですが……。
100メートルを7秒で駆け抜ける走力も持ち……。
地上最強の猛獣と云われてます。
さて、話を続けましょう。
み「カバの群れみたい……」
律「聞こえるでしょ!」
み「どうする?」
律「ちよっと、入りづらいわね」
み「露天風呂、戻ろうか?」
律「そうね……。
あれ?
あっちにも、露天風呂があるじゃない」
律子先生は、脱衣室から続く渡り廊下の方を指差しました。
たしかに……。
そこにも露天風呂があるようです。
さっき、脱衣室から入って来たときは、通り過ぎて気づかなかったみたいですね。
覗いてみると、そこには……。
壷のような湯船がふたつ、並んでました。
幸い、誰も入ってません。
おばちゃん軍団も、気づかなかったのでしょうか。
ひょっとして、お尻が入らなかったのかな?
律「お湯が目一杯入ってるじゃない。
なんか、入りづらいわね。
溢れちゃうわ」
み「それがいいんじゃないの。
ざっばーって、お湯溢れさせながら入るの……。
きっと気持ちいいよ」
律「そうね。
やってみようか?」
律子先生は、長い脚で縁を跨ぎ、お湯の中に。
身を沈めると、お湯が溢れ出ます。
律「すっごーい。
贅沢すぎるわ」
み「アルキメデスのお風呂だね」
律「その人って、お風呂で何を発見したんだっけ?」
み「アルキメデスの原理じゃないの?」
律「だから、その原理って何よ?」
み「知らない。
溢れた水が、体の体積ってことじゃないの?」
律「そんなの、誰でもわかることじゃないの」
み「お風呂で難しいこと言わないの!」
律「そうね。
Mikiちゃんも入んなさいよ。
気持ちいいから」
み「それじゃ、お言葉に甘えまして……。
お邪魔しますよ。
御免なすって」
律「ちょっと!
何で同じ壷に入ってくるのよ!」
み「だって~。
わたしたちで、2つとも占拠したら悪いじゃない」
律「こんな壷の中に並んで入ってたら、思い切り不審でしょ」
み「そうでも無い気がするがのぅ。
ためしに、やってみようよ」
律「お断り!
隣に入ってちょうだい。
シッ、シ」
み「ちぇ~。
つまんないの。
でもさ、蛸の気持ちがわかるよね」
み「なんとなーく、入ってみたくなる。
頭から入ってみようかな?」
律「抜けなくなっても知らないわよ」
み「う。
それは、思い切り苦しそうだ。
やめた。
やっぱ、オーソドックスに、足から行きましょうかね」
律「足以外から入る人なんか、いないでしょ」
み「お~。
気持ちいい。
アルキメデス、アルキメデス。
お湯が溢れるぅ。
極楽、極楽……」
律「ほんと、いいお湯」
み「でもさ……。
よく見ると、やっぱ少しヘンだよ。
壷に入ってるのって。
ほら、あれみたい」
律「なによ?」
み「映画であったじゃん。
壷に入れられる女」
律「そんな映画、あった?」
み「手足切られて、壷に入れられるんだよ。
中国の映画」
律「あぁ、『西太后』ね」
み「子供のころ、テレビで予告編やってて……。
すっげー、怖かった」
律「そうか……。
あれこそが、壷なのよ。
わたしたちが入ってるのは、瓶(かめ)じゃないの?」
み「そうなの?
壷と瓶って、どう違うのよ?」
律「口がすぼまってるのが、壷でしょ?」
み「じゃ、これは『壷風呂』じゃなくて……。
むしろ、『瓶風呂』ってこと?」
律「そうなるわね」
ちなみに。
「はなまるマーケット(TBS)」では……。
口の直径と、胴体の一番太い箇所の直径を比べて……。
・壷(つぼ)・・・口の直径が3分の2未満
・瓶(かめ)・・・口の直径が3分の2以上で蓋がある
・鉢(はち)・・・口の直径が3分の2以上で蓋がない
としてたそうです。
そんなら……。
『鉢風呂』が正解になっちゃいそうだぞ。
律「お湯が茶色いから……。
なんか、お出汁が出てるみたいよね」
み「瓶(かめ)茹でか?
よく、マンガとかであったよね。
ジャングルに入った探検隊が……。
土人に掴まって、茹でられるシーン」
律「今、土人とか言ったら、ダメなのよ」
み「なんて言うのよ?
人喰い人種?」
律「もっと悪いでしょ!
ダッコちゃん人形でさえ、製造できなくなったんだから」
み「なんでダメなの?」
律「腰ミノとか付けてるのが、差別的だってことじゃないの?」
み「差別意識なんか、ぜんぜん無いのにね」
律「ま、差別問題は、いろいろと難しいってことよ。
でも、これがエスカレートすると大変なことになる。
一時期、『ちびくろサンボ』って絵本が……。
まったく出版できなくなったくらいなんだから」
み「そりゃひどいよ。
あの絵本、大好きだったのに。
特に、ぐるぐる回った虎が溶けて……。
バターになるとこ」
み「美味しそうだったなぁ」
律「子どもの感覚なんて、そんなもんよね。
あんな楽しい絵本を子供から取り上げる権利なんて、誰にも無いはずだわ」
み「同感同感」
律「でも、あんたの姿をさっきから見てると……。
別のものを連想しちゃうわね」
み「何よ?」
律「鬼太郎のお父さん」
み「し、失敬な!
わたしのどこが、目玉親父だ」
律「少なくとも……。
『西太后』よりは近いかも。
さ、そろそろ上がりましょ。
十分、温まったわ。
それに……。
お腹空いて来ちゃった」
み「それには、異論は無いが……。
こんなメリハリのある体の、どこが目玉親父なんだ」
み「ほれ、瓶から立ち上がったとこなぞ……。
『ヴィーナスの誕生』、そのものではないか?」
律「はいはい」
み「受け流すな!」
律子先生は、手早く体を拭くと……。
さっさと渡り廊下に消えてしまいました。
慌てて後を追います。
脱衣室は、結構混んでました。
でも、広々とした気持ちのいい設備です。
こういうとこが、ほかとの“差別化”ってことなんでしょうね。
850円も納得!
日帰り入浴のリピーターも多いようです。
なお、今までのお風呂場のシーンで、お断りしなきゃならないことがあります。
お風呂は、もちろん男女別にあるわけですが……。
全く同じ造りではありません。
半月ごとに、男女が入れ替わるようです。
で、今までの描写では……。
『ごろりん湯』と『壷湯』を、同時に利用することになってました。
ここでもう一度、お風呂場の見取り図を見てください(大きい画像は、華のゆ』のページでどうぞ)。
どうやら、『ごろりん湯』と『壷湯』は、それぞれひとつしかないようです。
つまり、『ごろりん湯』のある方には、『壷湯』が無く……。
『壷湯』のある方には、『ごろりん湯』が無い。
なので、1日だけでは、『ごろりん湯』と『壷湯』を、同時に体験することはできないと思われます。
入れ替わりの日を挟んで宿泊すれば、可能でしょうが。
そのほか、両方にあるサウナも……。
中身は別のようですので、ご注意ください。
み「いいお湯だったね」
律「ほんと。
あのさ、入るときも気になってたんだけど……。
お風呂への渡り廊下と、脱衣室の間に、扉があるじゃない?
あれって、何だろ?」
み「ホームページでは、『アカスリコーナー』ってなってたよ」
律「別料金?」
み「当然でしょ。
コースと料金は、下のとおり」
律「“あかすり”だけじゃないんだ」
み「エステって云うか……。
『リフレクソロジー』がメインみたいだね。
いわゆる『リフレ』。
早い話、足裏マッサージ。
足の裏のいろんな場所が、いろんな臓器と繋がってるんだって」
律「それって、生物学的な根拠は、まったく無いのよ」
み「そうなの?」
律「リフレが、マッサージ以上の効果を持つという医学的根拠も無いし」
み「そうなのかぁ。
なんか、あれみたいだね。
ホメオパシー」
律「へ~。
そんな言葉も知ってるの?」
み「乾癬に効くクリームを探してたら……。
ホメオパシー療法のクリームってのがあった」
律「ちょっと、胡散臭くない?」
み「最初は、効いてる気がして……。
2,3回、リピしたかな。
でも、買い忘れて使わないでいるうち……。
塗らなくても、ぜんぜん症状が変わらないってのがわかった」
律「ま、悪化させないだけ良かったわね。
でも、乾癬、良くなってるんじゃないの?
さっき、お風呂で気づかなかったよ」
み「うん。
症状は、大幅に改善された」
律「何が効いたの?」
み「それが……。
たくさん、同時に試してるから……。
何が効いたのかわからないのよ」
乾癬の経過については、そのうち書くつもりです。
実際、赤みはほぼ消え……。
皮膚の剥離は、完全になくなりました。
患部は、まだ少しくすんだ色をしてますが……。
ストッキングを履けば、ほとんど目立ちません。
お話を続けます。
み「リフレ、やってみる?
短いコースなら、20分だよ」
律「温まった後だから……。
眠っちゃうかも」
み「どうする?」
律「お腹空いたから、今回はパスかな。
Mikiちゃんは?」
み「わたしも、早くビールが飲みたい。
じゃ、またの機会にしよう」
律「それじゃ、そろそろ行こうか……。
って、あんた、まだ素っ裸なの?」
み「汗が引かないんだもん」
律「もう一度、水風呂入って来れば?」
み「せっかく温まったのにもったいない。
あ、あそこに自販機がある。
何か飲もうかな?」
律「ダメ」
み「どうして?」
律「ビール飲むんでしょ」
み「あ、そうか。
風呂上がりの一杯は……。
のどごしが強烈だからね」
律「我慢我慢。
早く浴衣着てちょうだい」
み「あのさ。
じいさまって……」
み「風呂上がりに、タオルで股を叩くってほんとかな?」
律「なんでそんなことするのよ?」
み「それが謎じゃないの」
律「おうちのお風呂で、試してみたことないの?」
み「家の風呂じゃ、イマイチ冒険心が湧かんのだよ。
やっぱ、こういう日常を離れたシチュじゃないとな。
ちょっと、やってみよ。
こうやって……。
タオルを広げて、ぶら下げるでしょ。
で、体勢はこう」
律「また、大股開く!」
み「でもって、タオルを大きく前にあおって……。
思い切り股間に叩きつける!」
バシッ。
み「おぉ。
案外、いい音するじゃん。
でもいったい、どういう効能があるんだ?
もう一回、やってみよう」
律「もう止めなさい」
み「わたしの探求心を止めないで。
それ!」
バシッ。
み「わ、わからぬ」
律「男性ならではの効能があるんじゃないの?」
み「ん?
あ、そうか。
コーガンの美少年ね。
玉打つ響きがいいわけか」
み「なるほどー。
そりゃわからんはずだわ。
でも、面白いから、もう一回」
律「いい加減にしなさいって」
み「ちょっと、何よ。
タオル、ぐるぐる回したりして」
律「もう一回お見舞いしてやろうか?
タオル鞭。
今度は、跡がつくほど」
み「降参ですぅ」
律「何よ、そのバカにしたような口調は」
み「してませんって。
本編のウサギちゃんのしゃべり方が移った」
↑わたしの中では夏帆ちゃんのイメージ(ファンの方すみません)
律「2分で浴衣着なさい」
み「なんの。
3秒で着てみせよう。
ひら、ひら、ひら~り。
はい、出来上がり」
律「ちょっと、いきなり浴衣着て。
下着付けないの?」
み「新しい下着、忘れて着た」
律「持ってこなかったの!」
み「まさか。
鞄にはあるよ。
部屋に忘れてきたの」
律「穿いてきたのがあるでしょ」
み「やだよ。
汗くさいの、また穿くなんて。
それに……。
そもそも浴衣ってのは……。
湯上がりの水気を取るために、素肌に羽織るものでしょ」
律「ま、由来はそうなんだろうけどね」
み「部屋までなんだから、大丈夫。
この格好で飲みに行くわけじゃないだろ」
律「あんたの場合、やりかねん」
み「信用無いのぅ」
律「寝湯で這ったりするヤツが信用できますかって」
み「早く着替えて、飲みに行こうよ」
脱衣室を出ると、男女共用スペースです。
み「あ、もう一つ入るとこあるの、忘れてた」
律「なによ?
また戻る気?
つき合わないわよ」
み「ほら、そこだよ」
律「ここにあるってことは、男女共用よね」
み「浴衣のまま入るんだよ。
オンドル」
律「コンドル?」
み「またそういうボケを。
ハーレクインと同レベルだぞ」
律「失礼ね。
酔っぱらいと一緒にしないでちょうだい」
↑ハーレクイン氏のイメージ図
み「なぜ、あのオッサンを知ってる?
まぁ、いいか。
オンドル、ちょっと覗いて見ない?
脱がなくていいんだからさ。
それとも、脱ぎたいの?」
律「それはあんたでしょ。
パンツ穿いてないんだから、危なくてしょうがないわ」
み「男が大勢だったら止めよう。
覗いてみるね」
律「ちょっと!
そんな格好したら、本物の覗きみたいじゃないの」
み「秘技、出歯亀」
律「どこが秘技だ」
み「大丈夫。
誰もいないから。
おいでって」
律「ほんとに?
それじゃ、ちょっとだけお邪魔します。
あら、ほんと誰もいない。
なんか、都合いいけど」
み「細かいことは気にしないの」
律「そもそも、オンドルって何よ?
これ、お風呂なの?」
み「オンドルは、お風呂じゃないよ。
だから浴室じゃなくて、ここにあるんでしょ」
律「お風呂じゃなきゃ、何なのよ?」
み「韓国とかの床下暖房のこと。
元々は、竈の煙を床下に回したらしい」
律「それじゃ、煮炊きしてないときは寒いじゃないの」
み「竈には、常時火が入ってたそうよ。
今は、温水によるオンドルが主流だって」
このオンドル……。
ホームページを見ると、『シルクロード 春の海』と名付けられてました。
シルクロードにも、オンドルがあったんでしょうか?
『シルクロード 春の海』の温度は、40℃前後ですので……。
サウナと違い、汗が噴き出るほどではありません。
内装は「黄土」で塗られてるそうです。
Wikiによると、「黄土」とは……。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
黄土(おうど、こうど)はレス(ドイツ語:Loss 英語:loess)とも称され、砂漠や氷河に堆積した岩粉が風に運ばれ堆積したものである。淡黄色、灰黄色、または茶褐色で、成分の組成により色合いが異なる。
黄土は、0.004~0.06ミリメートルの土の粒子(シルト)からなる。黄土と同様の性質だが黄土より粒径が大きな土壌を黄砂ということもある。
中国の華北地方(黄土高原)やヨーロッパ中部~東部、北米中央部などに分布する。
↑黄土高原
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
早い話、春先日本に降ってくる黄砂と同じ土ですね。
↑日本に降る黄砂は、せいぜいこの程度ですが……。
↓中国のは、強烈です。
まるで火砕流ですよね。
『シルクロード 春の海』は、この黄土から名付けられたってことですね。
しかし『春の海』って……。
シルクロードに、海なんかあったっけ?
さらに、この「黄土」には……。
紫水晶(アメジスト)が散りばめられてるそうです。
同じく、Wikiによると……。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
アメシスト(アメジスト、紫水晶、英:amethyst)は紫色の水晶である。主に装飾用に使われる。2月の誕生石。石言葉は「誠実・心の平和・高貴・覚醒・愛情」など。
英語名 "amethyst" はギリシア語の amethustos(酔わせない)から派生した。アメシストを持つと酔いを防ぐはたらきがあると信じられていたことによる。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
石言葉なんてのがあったんですね。
みなさんの誕生石の石言葉、こちらで確かめてみましょう。
で、どういう仕組か知りませんが……。
黄土に散りばめられた紫水晶が、遠赤外線を発生するのだとか。
遠赤外線については……。
社団法人『遠赤外線協会』のホームページで学びましょう。
こんな社団法人があるとは……。
まったくもって知りませんでした。
これ以上深入りすると、戻れなくなる怖れがあるので……。
お話に戻ります。
大の字は、止めなさいって」
み「やだよぅ」
律「ほぅ。
わたしに逆らうわけね」
み「ちょっと、何よ?
起ちあがったりして。
やる気?
それじゃ、寝たまま迎え撃って進ぜよう。
ほれほれ。
どうした、アリ」
律「アリって、何よ?」
み「知らないの?
モハメッド・アリ。
アメリカのボクサー」
み「昔、アントニオ猪木が、アリと戦ったことがあるんだよ」
律「いつごろの話?」
み「よー知らんが、わたしが生まれたころじゃないかな?
何かのマンガで読んだ。
で、アリのパンチを受けないように……。
猪木がリングに寝ころんだわけよ」
律「寝ころんだら、何にも出来ないでしょ?」
み「足技、足技」
律「相手が近づかなかったら、どうにもならないじゃないの?」
み「そうなんだよな。
で、猪木は、さかんにアリを挑発するわけ。
寝たまま、『カモーン』って感じでさ」
律「行く方がバカじゃん」
み「まぁね。
アメリカでは、このシーンに吹き出しを付けてたそう」
律「どんな?」
み「『あなた、もう寝ましょうよ』って」
律「わはは」
み「先生も、もう一度寝ませんこと?
『カムォ~ン』」
み「どうじゃ、パンチは届くまい」
律「ふっ。
愚か者。
わたしが、手に何を持ってると思う?
濡れタオルは、立派な武器になるのよ。
それ、食らえ!
タオル鞭!」
ビシッ。
み「あぎゃぁ」
律「お~。
思ったより手応えがあって、こりゃ面白いわ。
それ、もう一度!」
バシッ。
み「ぎひぃぃ。
痛いぃぃ」
律「猪木はどうしたのよ?」
み「は、反則!
明らかな反則だろ!」
み「おまえ、さては……。
『虎の穴』の使者か?」
律「なに、わからんこと言ってるわけ?
それじゃ、そろそろ止めを刺してくれようか。
食らえ!
股間に、渾身の一撃!」
ビシィィィ。
み「ぴぎ」
律「ありゃぁ。
見事に命中だわ。
白目剥いてる」
律「やっぱり、こんな顔するんじゃないのよ。
泡まで噴いて、ピクピクしちゃって。
寝湯じゃなかったら、溺れ死んでるとこね。
こんなの置いて、次のお風呂行きましょっと」
み「い、行かすかぁ……」
律「きゃっ。
生きてた。
ちょっと、脚にすがらないでよ!」
み「よ、よくも……。
嫁入り前の股間を……。
男だったら、ほんとに死んでたかもだぞ」
律「あなたも死んだんじゃなかったの?」
み「わたしは……。
この刺激が気に入ってしまった。
お願いだから、もう一回ぶって」
律「ええぃ、すがるな!
気色の悪い。
そういうヤツは、足蹴にしてくれるわ!」
み「あ~れ~。
“寛一お宮”の『熱海の場面』みたい」
み「別れろ切れろは、芸者のときに言う言葉!」
律「それは、“寛一お宮”じゃないでしょ?」
み「何だっけ?
あ、『湯島の白梅』だった」
み「“寛一お宮”は……。
『今月今夜のこの月を、ぼくの涙で曇らせてみせよう』
だね。
じゃ、もう一度蹴って。
台詞入りで。
蹴るときは、『売女(ばいた)めー!』って言うんだよ」
律「レバニラ炒め?」
み「違う!
このヘボ女優!
ぜんぜん台詞が入っておらんじゃないか!
もう一度!
今日は、出来るまで帰さんぞ!」
律「誰の真似よ、それ?
あほらし。
素っ裸で、芝居なんかしてられますか。
次、行くわよ」
み「え~。
せっかく面白くなって来たのにぃ」
律子先生は、サッサと“ごろりん湯”を出てってしまいました。
まっすぐ内湯に向かいます。
み「もう、露天風呂出ちゃうの?」
律「座湯に寝湯で、肩先が寒くなっちゃった」
慌てて後を追います。
み「もう一度、白湯に入れば?
パイパンが白湯(パイタン)に入って……。
お湯が『ちゃんぽ~ん』、なんて」
律「何よ、それ?」
み「座布団1枚?」
律「全没収」
み「何でよ~」
律「さっきの2番煎じじゃないの。
やっぱり、檜風呂にしよっと」
内風呂に戻りましたが……。
檜風呂は、おばはん軍団に占拠されてました。
み「カバの群れみたい……」
お話の途中ですが……。
↑の画像を探してて、ちょっとたまげる画像を発見したので、ご紹介します。
ワニが、カバの背中を渡ってます。
対岸まで行こうとしたんでしょうか?
日本では……。
ウサギが、ワニの背中を渡ろうとしますが……。
アフリカでは、事情が異なるようです。
カバの背中は丸くて、渡りづらそうです。
しかしこの直後……。
ワニには、悲惨な運命が待ってました。
カバの巨大な口に、挟まれてしまったのです。
実は、カバの牙ってのは、もの凄いんですね。
骨格で見ると、よくわかりますが……。
顎も強力です。
この顎、150度以上も開くんですね。
顎が閉じる力は、1トンにもなります(人は60㎏程度)。
25型のブラウン管テレビを噛み砕くほどだそうです。
この顎、この牙で噛まれたら……。
ひとたまりもありませんよね。
哀れなワニは……。
この後、ぐちゃぐちゃに噛み潰されたそうです。
実は……。
人が、野生動物に襲われて命を落とす事例で……。
最も多い動物が、カバなんだそうです。
一見、呑気そうな顔をしたカバですが……。
100メートルを7秒で駆け抜ける走力も持ち……。
地上最強の猛獣と云われてます。
さて、話を続けましょう。
み「カバの群れみたい……」
律「聞こえるでしょ!」
み「どうする?」
律「ちよっと、入りづらいわね」
み「露天風呂、戻ろうか?」
律「そうね……。
あれ?
あっちにも、露天風呂があるじゃない」
律子先生は、脱衣室から続く渡り廊下の方を指差しました。
たしかに……。
そこにも露天風呂があるようです。
さっき、脱衣室から入って来たときは、通り過ぎて気づかなかったみたいですね。
覗いてみると、そこには……。
壷のような湯船がふたつ、並んでました。
幸い、誰も入ってません。
おばちゃん軍団も、気づかなかったのでしょうか。
ひょっとして、お尻が入らなかったのかな?
律「お湯が目一杯入ってるじゃない。
なんか、入りづらいわね。
溢れちゃうわ」
み「それがいいんじゃないの。
ざっばーって、お湯溢れさせながら入るの……。
きっと気持ちいいよ」
律「そうね。
やってみようか?」
律子先生は、長い脚で縁を跨ぎ、お湯の中に。
身を沈めると、お湯が溢れ出ます。
律「すっごーい。
贅沢すぎるわ」
み「アルキメデスのお風呂だね」
律「その人って、お風呂で何を発見したんだっけ?」
み「アルキメデスの原理じゃないの?」
律「だから、その原理って何よ?」
み「知らない。
溢れた水が、体の体積ってことじゃないの?」
律「そんなの、誰でもわかることじゃないの」
み「お風呂で難しいこと言わないの!」
律「そうね。
Mikiちゃんも入んなさいよ。
気持ちいいから」
み「それじゃ、お言葉に甘えまして……。
お邪魔しますよ。
御免なすって」
律「ちょっと!
何で同じ壷に入ってくるのよ!」
み「だって~。
わたしたちで、2つとも占拠したら悪いじゃない」
律「こんな壷の中に並んで入ってたら、思い切り不審でしょ」
み「そうでも無い気がするがのぅ。
ためしに、やってみようよ」
律「お断り!
隣に入ってちょうだい。
シッ、シ」
み「ちぇ~。
つまんないの。
でもさ、蛸の気持ちがわかるよね」
み「なんとなーく、入ってみたくなる。
頭から入ってみようかな?」
律「抜けなくなっても知らないわよ」
み「う。
それは、思い切り苦しそうだ。
やめた。
やっぱ、オーソドックスに、足から行きましょうかね」
律「足以外から入る人なんか、いないでしょ」
み「お~。
気持ちいい。
アルキメデス、アルキメデス。
お湯が溢れるぅ。
極楽、極楽……」
律「ほんと、いいお湯」
み「でもさ……。
よく見ると、やっぱ少しヘンだよ。
壷に入ってるのって。
ほら、あれみたい」
律「なによ?」
み「映画であったじゃん。
壷に入れられる女」
律「そんな映画、あった?」
み「手足切られて、壷に入れられるんだよ。
中国の映画」
律「あぁ、『西太后』ね」
み「子供のころ、テレビで予告編やってて……。
すっげー、怖かった」
律「そうか……。
あれこそが、壷なのよ。
わたしたちが入ってるのは、瓶(かめ)じゃないの?」
み「そうなの?
壷と瓶って、どう違うのよ?」
律「口がすぼまってるのが、壷でしょ?」
み「じゃ、これは『壷風呂』じゃなくて……。
むしろ、『瓶風呂』ってこと?」
律「そうなるわね」
ちなみに。
「はなまるマーケット(TBS)」では……。
口の直径と、胴体の一番太い箇所の直径を比べて……。
・壷(つぼ)・・・口の直径が3分の2未満
・瓶(かめ)・・・口の直径が3分の2以上で蓋がある
・鉢(はち)・・・口の直径が3分の2以上で蓋がない
としてたそうです。
そんなら……。
『鉢風呂』が正解になっちゃいそうだぞ。
律「お湯が茶色いから……。
なんか、お出汁が出てるみたいよね」
み「瓶(かめ)茹でか?
よく、マンガとかであったよね。
ジャングルに入った探検隊が……。
土人に掴まって、茹でられるシーン」
律「今、土人とか言ったら、ダメなのよ」
み「なんて言うのよ?
人喰い人種?」
律「もっと悪いでしょ!
ダッコちゃん人形でさえ、製造できなくなったんだから」
み「なんでダメなの?」
律「腰ミノとか付けてるのが、差別的だってことじゃないの?」
み「差別意識なんか、ぜんぜん無いのにね」
律「ま、差別問題は、いろいろと難しいってことよ。
でも、これがエスカレートすると大変なことになる。
一時期、『ちびくろサンボ』って絵本が……。
まったく出版できなくなったくらいなんだから」
み「そりゃひどいよ。
あの絵本、大好きだったのに。
特に、ぐるぐる回った虎が溶けて……。
バターになるとこ」
み「美味しそうだったなぁ」
律「子どもの感覚なんて、そんなもんよね。
あんな楽しい絵本を子供から取り上げる権利なんて、誰にも無いはずだわ」
み「同感同感」
律「でも、あんたの姿をさっきから見てると……。
別のものを連想しちゃうわね」
み「何よ?」
律「鬼太郎のお父さん」
み「し、失敬な!
わたしのどこが、目玉親父だ」
律「少なくとも……。
『西太后』よりは近いかも。
さ、そろそろ上がりましょ。
十分、温まったわ。
それに……。
お腹空いて来ちゃった」
み「それには、異論は無いが……。
こんなメリハリのある体の、どこが目玉親父なんだ」
み「ほれ、瓶から立ち上がったとこなぞ……。
『ヴィーナスの誕生』、そのものではないか?」
律「はいはい」
み「受け流すな!」
律子先生は、手早く体を拭くと……。
さっさと渡り廊下に消えてしまいました。
慌てて後を追います。
脱衣室は、結構混んでました。
でも、広々とした気持ちのいい設備です。
こういうとこが、ほかとの“差別化”ってことなんでしょうね。
850円も納得!
日帰り入浴のリピーターも多いようです。
なお、今までのお風呂場のシーンで、お断りしなきゃならないことがあります。
お風呂は、もちろん男女別にあるわけですが……。
全く同じ造りではありません。
半月ごとに、男女が入れ替わるようです。
で、今までの描写では……。
『ごろりん湯』と『壷湯』を、同時に利用することになってました。
ここでもう一度、お風呂場の見取り図を見てください(大きい画像は、華のゆ』のページでどうぞ)。
どうやら、『ごろりん湯』と『壷湯』は、それぞれひとつしかないようです。
つまり、『ごろりん湯』のある方には、『壷湯』が無く……。
『壷湯』のある方には、『ごろりん湯』が無い。
なので、1日だけでは、『ごろりん湯』と『壷湯』を、同時に体験することはできないと思われます。
入れ替わりの日を挟んで宿泊すれば、可能でしょうが。
そのほか、両方にあるサウナも……。
中身は別のようですので、ご注意ください。
み「いいお湯だったね」
律「ほんと。
あのさ、入るときも気になってたんだけど……。
お風呂への渡り廊下と、脱衣室の間に、扉があるじゃない?
あれって、何だろ?」
み「ホームページでは、『アカスリコーナー』ってなってたよ」
律「別料金?」
み「当然でしょ。
コースと料金は、下のとおり」
律「“あかすり”だけじゃないんだ」
み「エステって云うか……。
『リフレクソロジー』がメインみたいだね。
いわゆる『リフレ』。
早い話、足裏マッサージ。
足の裏のいろんな場所が、いろんな臓器と繋がってるんだって」
律「それって、生物学的な根拠は、まったく無いのよ」
み「そうなの?」
律「リフレが、マッサージ以上の効果を持つという医学的根拠も無いし」
み「そうなのかぁ。
なんか、あれみたいだね。
ホメオパシー」
律「へ~。
そんな言葉も知ってるの?」
み「乾癬に効くクリームを探してたら……。
ホメオパシー療法のクリームってのがあった」
律「ちょっと、胡散臭くない?」
み「最初は、効いてる気がして……。
2,3回、リピしたかな。
でも、買い忘れて使わないでいるうち……。
塗らなくても、ぜんぜん症状が変わらないってのがわかった」
律「ま、悪化させないだけ良かったわね。
でも、乾癬、良くなってるんじゃないの?
さっき、お風呂で気づかなかったよ」
み「うん。
症状は、大幅に改善された」
律「何が効いたの?」
み「それが……。
たくさん、同時に試してるから……。
何が効いたのかわからないのよ」
乾癬の経過については、そのうち書くつもりです。
実際、赤みはほぼ消え……。
皮膚の剥離は、完全になくなりました。
患部は、まだ少しくすんだ色をしてますが……。
ストッキングを履けば、ほとんど目立ちません。
お話を続けます。
み「リフレ、やってみる?
短いコースなら、20分だよ」
律「温まった後だから……。
眠っちゃうかも」
み「どうする?」
律「お腹空いたから、今回はパスかな。
Mikiちゃんは?」
み「わたしも、早くビールが飲みたい。
じゃ、またの機会にしよう」
律「それじゃ、そろそろ行こうか……。
って、あんた、まだ素っ裸なの?」
み「汗が引かないんだもん」
律「もう一度、水風呂入って来れば?」
み「せっかく温まったのにもったいない。
あ、あそこに自販機がある。
何か飲もうかな?」
律「ダメ」
み「どうして?」
律「ビール飲むんでしょ」
み「あ、そうか。
風呂上がりの一杯は……。
のどごしが強烈だからね」
律「我慢我慢。
早く浴衣着てちょうだい」
み「あのさ。
じいさまって……」
み「風呂上がりに、タオルで股を叩くってほんとかな?」
律「なんでそんなことするのよ?」
み「それが謎じゃないの」
律「おうちのお風呂で、試してみたことないの?」
み「家の風呂じゃ、イマイチ冒険心が湧かんのだよ。
やっぱ、こういう日常を離れたシチュじゃないとな。
ちょっと、やってみよ。
こうやって……。
タオルを広げて、ぶら下げるでしょ。
で、体勢はこう」
律「また、大股開く!」
み「でもって、タオルを大きく前にあおって……。
思い切り股間に叩きつける!」
バシッ。
み「おぉ。
案外、いい音するじゃん。
でもいったい、どういう効能があるんだ?
もう一回、やってみよう」
律「もう止めなさい」
み「わたしの探求心を止めないで。
それ!」
バシッ。
み「わ、わからぬ」
律「男性ならではの効能があるんじゃないの?」
み「ん?
あ、そうか。
コーガンの美少年ね。
玉打つ響きがいいわけか」
み「なるほどー。
そりゃわからんはずだわ。
でも、面白いから、もう一回」
律「いい加減にしなさいって」
み「ちょっと、何よ。
タオル、ぐるぐる回したりして」
律「もう一回お見舞いしてやろうか?
タオル鞭。
今度は、跡がつくほど」
み「降参ですぅ」
律「何よ、そのバカにしたような口調は」
み「してませんって。
本編のウサギちゃんのしゃべり方が移った」
↑わたしの中では夏帆ちゃんのイメージ(ファンの方すみません)
律「2分で浴衣着なさい」
み「なんの。
3秒で着てみせよう。
ひら、ひら、ひら~り。
はい、出来上がり」
律「ちょっと、いきなり浴衣着て。
下着付けないの?」
み「新しい下着、忘れて着た」
律「持ってこなかったの!」
み「まさか。
鞄にはあるよ。
部屋に忘れてきたの」
律「穿いてきたのがあるでしょ」
み「やだよ。
汗くさいの、また穿くなんて。
それに……。
そもそも浴衣ってのは……。
湯上がりの水気を取るために、素肌に羽織るものでしょ」
律「ま、由来はそうなんだろうけどね」
み「部屋までなんだから、大丈夫。
この格好で飲みに行くわけじゃないだろ」
律「あんたの場合、やりかねん」
み「信用無いのぅ」
律「寝湯で這ったりするヤツが信用できますかって」
み「早く着替えて、飲みに行こうよ」
脱衣室を出ると、男女共用スペースです。
み「あ、もう一つ入るとこあるの、忘れてた」
律「なによ?
また戻る気?
つき合わないわよ」
み「ほら、そこだよ」
律「ここにあるってことは、男女共用よね」
み「浴衣のまま入るんだよ。
オンドル」
律「コンドル?」
み「またそういうボケを。
ハーレクインと同レベルだぞ」
律「失礼ね。
酔っぱらいと一緒にしないでちょうだい」
↑ハーレクイン氏のイメージ図
み「なぜ、あのオッサンを知ってる?
まぁ、いいか。
オンドル、ちょっと覗いて見ない?
脱がなくていいんだからさ。
それとも、脱ぎたいの?」
律「それはあんたでしょ。
パンツ穿いてないんだから、危なくてしょうがないわ」
み「男が大勢だったら止めよう。
覗いてみるね」
律「ちょっと!
そんな格好したら、本物の覗きみたいじゃないの」
み「秘技、出歯亀」
律「どこが秘技だ」
み「大丈夫。
誰もいないから。
おいでって」
律「ほんとに?
それじゃ、ちょっとだけお邪魔します。
あら、ほんと誰もいない。
なんか、都合いいけど」
み「細かいことは気にしないの」
律「そもそも、オンドルって何よ?
これ、お風呂なの?」
み「オンドルは、お風呂じゃないよ。
だから浴室じゃなくて、ここにあるんでしょ」
律「お風呂じゃなきゃ、何なのよ?」
み「韓国とかの床下暖房のこと。
元々は、竈の煙を床下に回したらしい」
律「それじゃ、煮炊きしてないときは寒いじゃないの」
み「竈には、常時火が入ってたそうよ。
今は、温水によるオンドルが主流だって」
このオンドル……。
ホームページを見ると、『シルクロード 春の海』と名付けられてました。
シルクロードにも、オンドルがあったんでしょうか?
『シルクロード 春の海』の温度は、40℃前後ですので……。
サウナと違い、汗が噴き出るほどではありません。
内装は「黄土」で塗られてるそうです。
Wikiによると、「黄土」とは……。
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黄土(おうど、こうど)はレス(ドイツ語:Loss 英語:loess)とも称され、砂漠や氷河に堆積した岩粉が風に運ばれ堆積したものである。淡黄色、灰黄色、または茶褐色で、成分の組成により色合いが異なる。
黄土は、0.004~0.06ミリメートルの土の粒子(シルト)からなる。黄土と同様の性質だが黄土より粒径が大きな土壌を黄砂ということもある。
中国の華北地方(黄土高原)やヨーロッパ中部~東部、北米中央部などに分布する。
↑黄土高原
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早い話、春先日本に降ってくる黄砂と同じ土ですね。
↑日本に降る黄砂は、せいぜいこの程度ですが……。
↓中国のは、強烈です。
まるで火砕流ですよね。
『シルクロード 春の海』は、この黄土から名付けられたってことですね。
しかし『春の海』って……。
シルクロードに、海なんかあったっけ?
さらに、この「黄土」には……。
紫水晶(アメジスト)が散りばめられてるそうです。
同じく、Wikiによると……。
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アメシスト(アメジスト、紫水晶、英:amethyst)は紫色の水晶である。主に装飾用に使われる。2月の誕生石。石言葉は「誠実・心の平和・高貴・覚醒・愛情」など。
英語名 "amethyst" はギリシア語の amethustos(酔わせない)から派生した。アメシストを持つと酔いを防ぐはたらきがあると信じられていたことによる。
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石言葉なんてのがあったんですね。
みなさんの誕生石の石言葉、こちらで確かめてみましょう。
で、どういう仕組か知りませんが……。
黄土に散りばめられた紫水晶が、遠赤外線を発生するのだとか。
遠赤外線については……。
社団法人『遠赤外線協会』のホームページで学びましょう。
こんな社団法人があるとは……。
まったくもって知りませんでした。
これ以上深入りすると、戻れなくなる怖れがあるので……。
お話に戻ります。