2013.7.2(火)
あやめは、香奈枝の股間を通した瘤もつ蛇の尻尾を、香奈枝の腰に回した縄の尻の上あたりに結び、固定した。
蛇は、香奈枝の腹部から垂れ下がり、股間の陰核、膣前庭から膣口、会陰から肛門にかけて隈なく喰い入り、舐め、噛みついている。
「ぎいいいいいいっ」
香奈枝は歯を食いしばり、天を仰いだ。
天は見えない。
香奈枝の、霞む目に映るものは、電灯のほの暗い明かりと、煤けた天井板だけだった。
「かはっ」
香奈枝が大きく口を開いた。吐息とも、喘ぎとも、悲鳴ともつかない短く掠れた声とともに、開いた唇の端から透明な液が零れ落ちた。
涎である。
香奈枝の涙のような涎は、顎の縁から、喉元、胸にかけて流れ落ちて行く。いや、香奈枝の眼尻からは涙も流れていた。透き通った涙は頬を伝い下り、涎と合流して一筋の川となって流れ下って行った。
「香奈、痛いんか」
香奈枝は、顏を左右に振った。
「苦しいんか」
再び、顏が振られた。
「もう、嫌なんか」
香奈枝は、一段と激しく左右に顔を振った。涙と涎の川が、香奈枝の顎の先で分流した。新たに生じた支流は、決壊した川の様に空中に散り、光りながら床に落ちて行った。
「嫌じゃ……ない」
あやめは香奈枝に歩み寄り、正面から両肩を手で掴み、引き寄せた。あやめの唇が香奈枝の顔に近付き、涙と涎を掬い取り舐め取っていく。
「あやめぇ」
「香奈、今、あんたの股の間に通した縄なあ。これ『股縄』、云(ゆ)うんや。股に掛ける縄やから股縄。何の工夫もない名前やろ」
「また……な、わ」
「せや、股縄や。どや、感想は」
香奈枝は返答に窮した。
痛いか、と言われれば痛くはない。
苦しいか、と言われれば少しは苦しい。
嫌か、と問われれば……これがわからない。先ほどの、正気を保てるだろうかというほどの思いから考えれば、嫌、なのかもしれない。しかし、あやめがしてくれていることだと思えば、全く嫌でもない。
「わからない……」
香奈枝は、そう答えるしかなかった。
「わからんって、自分のことが何でわからんの」
「だって……」
「まあ、ええ。せやけど、さっきの縄渡りより楽やろ。股縄は動かんのやし」
「うん、だけど……喰いこんでるから」
あやめは、香奈枝から一歩離れて、改めて香奈枝の姿を見遣った。
上体は高手小手縛り。下半身には股縄。
香奈枝の両腿は、いつの間にか固く閉じられている。股縄は香奈枝の陰毛を下に越したあたりで深々と体内に喰いこみ、姿を隠していた
「あやめ、お願い、手……握って」
「手、握ってほしいんか、香奈」
「握って、お願い、しっかり握って」
あやめは、再び正面から香奈枝に歩み寄ると、縄の衣を、麻の衣を纏った香奈枝を両の腕で抱きしめた。あやめの左右の手が香奈枝の背後にまわり、その手を探る。
ああ、あやめぇ……
ここよ、あたしの手は、ここよ、ここにあるわ……。
きて、早く来て、しっかり握って……。
あやめの手が、香奈枝の手を探り当てた。
あやめの左手が香奈枝の左手を、右手が右手をしっかり捉えた。
指が絡み合った。
左右の、それぞれ五本の指どうしが、あわせて二十本の指どうしが、結ぼれる縄のように絡み合った。
香奈枝の、全ての指と指の間に生じた感触が脳に伝わり、鮮烈な感覚を生み出した。
「はあああ」
香奈枝は思わず呻いた。が、その耳は自分のもの以外の者が上げる全く同じ呻き声も同時に捉えていた。
え?
あやめも?
あやめも同じに感じてるの?
気持ちいい?
うれしい。
うれしい。
「嬉しい、あやめぇ」
「香奈ぁ」
「あやめも同じに感じてるのね。すごく嬉しい」
「香奈ぁ。可愛い」
あやめは、しばらく香奈枝の十指をまさぐり続けた後、一瞬強く握りしめ、そして、振り解くように指を放した。
「あ、いや……」
香奈枝の抗議に構わず、あやめは香奈枝の股間に手を伸ばし、股間に喰いこむ縄に手を掛け、やにわに引き上げた。
「がっ」
蛇の三つの瘤は、香奈枝の股間にさらに深々と喰いこんだ。
「あ……あ……あ……」
股間に生じた激烈な感覚に、香奈枝は体のバランスを崩した。倒れかかるが、あやめは支えてくれない。再び両脚を開いて体を支えた。股間が大きく開き、縄は更に喰いこんだ。
「あぅっ、うふぅ」
あやめは縄を握ったまま緩め、引き、緩め、引き、を繰り返す。そのたびに三つの瘤は香奈枝の股間から離れ、喰いこみ、離れ、喰いこみ、香奈枝を翻弄した。
「いや、いや、いやああああっ、あっ」
こんな、こんな……こんな、ことって……。
裂ける。
体が、裂けちゃう。
股から腹、胸、首、頭……体が縦に、二つに裂けちゃう。
あやめは、香奈枝の唇を自分の唇で塞いだ。香奈枝の悲鳴は口の中に閉じ込められた。あやめは、もう片方の手の指で香奈枝の乳首を捻り上げた。
「くはっ」
香奈枝は、あやめの唇を振り解くように顔を仰け反らせた。再び天を仰いだ香奈枝だが、その目には何も見えていない。
あやめは、香奈の耳に噛みついた。
「ぎいっ」
香奈枝は失神した。
コメント一覧
-
––––––
1. ハーレクイン- 2013/07/02 09:16
-
今回の『アイリス』、股縄による戯れ。
展開はさほど問題はないと思うのですが、表現が問題だなあ。
あやめさんと香奈枝せんせの振る舞いの表現、かなりぎごちないような気がします。
要するにわかりにくいと思いますが、どうでしょう。
♪ああ我ダンテの奇才なく……(あるわけなかろ!)
-
––––––
2. Mikiko- 2013/07/02 19:55
-
噛み砕くように読めば、ちゃんと理解出来ます。
ただ、読者がみんな、ちゃんと読んでくれるかってのは、ありますよね。
終盤、香奈枝の独白調になってますが、これでずっと通したらどうだったでしょう。
3人称の客観的描写で説明するのではなく……。
1人称に感情移入させて、主観的感覚的に把握してもらう手法。
成功するかどうかは、保証出来ませんが。
-
––––––
3. ハーレクイン- 2013/07/02 20:38
-
うーん。
これは作家の永遠の悩みだろうなあ。
今はほとんどなくなっちゃいましたが、昔は小説主体の月刊誌なんてのがありました。
で「愛読者のお便り」なあんて欄があって。
自分が読者だった頃(今も読者ですが)ふんふん、てな感じで読み飛ばしてましたけど、作者は切実な、身を切られるような思いで読んでたんだろうね。今ようやくそれが実感できます。
『アイリス』緊縛の章。そろそろ終盤です。
一人称で押す。
やってみますかね。
でもそのためには、自分が縛られてる感覚を想像せんといかんのだよなあ。
誰か縛って(アホ!)。
-
––––––
4. Mikiko- 2013/07/03 07:39
-
気持ち悪いので止めていただきたい。
しかし……。
男の股縄って、あるのでしょうか?
あるとしたら、前の部分は、どう処理するのだ?
-
––––––
5. ハーレクイン- 2013/07/03 09:47
-
んなものは見たくもありませんが、もしあるとしたら、“出っ張り”を左右に避けて二本かますんですかね。
女性の場合、陰部を覆う様に複数本の縄を掛けるやり方があります。
これを称して「縄ふんどし」。
見た目も語感も、わたしの好みではありません。
-
––––––
6. Mikiko- 2013/07/03 19:46
-
なぜか想像はしてしまいます。
玉の間を通った縄が、竿で2本に分かれるのでしょうか?
昔から不思議に思ってたことですが……。
男性は、自転車に乗ってて、玉が潰れないんですか?
非常に危険な乗り物だと思うのですが。
「縄ふんどし」。
AVで、モザイクをかけたくないときに使うんじゃないでしょうか?
愛好家が日常で使う意味があるとは思えません。
-
––––––
7. ハーレクイン- 2013/07/03 21:49
-
痛いと思います。
玉を二つとも、それと竿。これらを二筋の縄で挟む。これが最も合理的でしょうね。
男の自転車。
潰れません。
玉は、サドルの前部、とんがってる部分に乗っかってます。
長時間自転車に乗ってると、こーもんの方が痛くなります。
-
––––––
8. Mikiko- 2013/07/04 07:26
-
わたしだって、通常の乗り方で潰れるとは思ってません。
そんなんじゃ、痛くて乗ってられませんよね。
わたしが言いたいのは……。
例えば、急ブレーキをかけたとき。
体勢が前のめりになりますよね。
サドル前部に乗っかってれば、潰れるんじゃないですか?
サドルの左右に分かれるんでしょうか?
ピチピチのジーンズなんか穿いてたら、それも無理ですよね。
-
––––––
9. ハーレクイン- 2013/07/04 08:08
-
玉は袋に入ってて、身体から結構垂れ下がってるんだよ。
少々前のめりになったって、潰れるほど体に近くないって。
ジーンズは……長いこと穿いたことないからわからんがの。
-
––––––
10. Mikiko- 2013/07/04 19:22
-
『人体の不思議展』で確認済みです。
しかし、素っ裸で乗ってるわけじゃないんだから……。
自由落下はできんでしょう。
ブリーフの人は、ほぼ股間に密着してるはず。
ツール・ド・フランスなんかで、集団で転倒するシーンを見ると……。
ひとつくらい潰れたのが転がってないか、地面を探してしまいます。
-
––––––
11. ハーレクイン- 2013/07/04 20:21
-
>ブリーフの人は、ほぼ股間に密着してるはず
いや、そうじゃなくてね、
もっとおもろい話があったのだがどっかにいっちまったい。
しょうがねえな、どうにも。
-
––––––
12. Mikiko- 2013/07/05 07:49
-
↓あまりに長時間乗るのは、良くないみたいです。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1363767038
-
––––––
13. ハーレクイン- 2013/07/05 08:36
-
長時間自転車は男性機能によくない、と
関西で長距離自転車といいますと、やはり琵琶湖一周かなあ。
ま、150kmくらいだから、そんなに長距離というわけでもないけどね。
わたしはやったことありません。











![[官能小説] 熟女の園](https://livedoor.blogimg.jp/mikikosroom2008/imgs/3/e/3e07a9c3.gif)





































































































