2013.3.19(火)
あやめは布団に横たわり、香奈枝の首に腕枕をしていた。香奈枝は、子猫が飼い主にじゃれ付く様にあやめの肩から腋のあたりに顔を埋め、抱きついている。
「どや、香奈。よかったかあ」
「うん、無茶苦茶よかった。本当に死ぬかと思った」
「香奈、あんた、ビアンの経験、長いん?」
「小学校の4年のときから」
「はあー、小4! そらあまたなんと、大ベテランやないの」
「あやめは? いつから?」
「うーん、うちはねえ、よう覚えてへんのやけど、中学校1年やったかなあ。いっこ上の学年の子にね、半分無理やり、みたいな」
「あたしは同じクラスの子と。この子にはオナニーも教わった」
喋りながらも、二人は互いの背を撫で、尻を撫で、唇を交わしあう。
あやめが香奈枝に問いかける。
「オナニーかあ。好きなん? ようやる?」
「うん、好き。大学入ってから相手いてなかったから、しょっちゅうオナってた」
「え? ほな香奈ぁ。大学ではうちが初めていうこと?」
「うん、そう」
「ほうか、それは嬉しいなあ」
あやめは香奈枝を抱きしめて、愛しむように香奈枝の髪をなでる。
「あやめは? いてる? いてるよね」
「うん、おる。うちと同じ化学科の4回の子でね」
「そっかあ」
「そんなん、気にせんでええよ」
「うん、あたしはそういうことあまり気にせんけど。その相手のひとに悪いかなあ、と思って」
「ま、今悩んでもしゃあない。なるようになるて」
「ふーん、あやめって楽天的だねえ」
香奈枝は、あやめの乳首に吸い付いた。先ほどのお返しのように思い切り吸い上げる。
「ひんっ」
「あやめぇ」
「香奈っ、噛んで、乳首、かんで」
香奈枝は、あやめの乳首を吸い立て、噛み締めながら、あやめの股間に手を伸ばした。股間を飾る陰毛は豊富だった。
陰毛を撫で上げ、左右の小陰唇を掻き分け、膣口から中指を膣内に挿入する。膣内に溜まっていた膣液が溢れ出す。
中指で掻き出した膣液を親指に塗りたくり、クリトリスを探りあてる。かなり強い力でクリトリスを押し潰した。
「いいいいいっ」
香奈枝は、中指であやめの膣壁を擦りながら、小指を肛門に伸ばす。
挿入した。
「いやああああああっ」
クリトリスと、膣壁と、肛門の三か所を同時に刺激されたあやめは、まるでレスリング選手のブリッジの様に、背中から腰にかけてを大きく仰け反らせた。支える両脚が痙攣するように震える。
あやめの口元から大量の涎が、膣口からは新たな膣液が噴き零れた。
「くわああああああああっ」
反り返ったあやめの背がすとんと布団に落ちる。あやめは失神していた。
「あ、あやめぇ、気がついた?」
「お、香奈ぁ、なんか凄かったな。あんたの指テク」
「わあ、そんなに言われたらうれしい」
「ほんまに、指だけであないなったん、初めてやわ」
先ほどとは逆に、香奈枝があやめに腕枕をする。しばらく言葉を交わすことも、愛撫し合うこともなく、静かに二人は抱き合っていた。
「あやめぇ、水の流れる音が……聞こえる」
「ああ、窓のすぐ下が川やからね。慣れんうちは耳につくかもしれんなあ」
「吉井勇に有名な短歌、あるよね。『かにかくに祇園は戀し寝るときも枕の下を水のながるる』」
「あ、聞いたことある。へえー、香奈って、短歌なんかも詳しいんや」
「そんなに詳しいってほどでもないけど。こんなのもあるよ。『先斗町の遊びの家の灯のうつる水なつかしや君とながむる』」
「へえー」
あやめは、思わず香奈枝の顔をしげしげと見た。
「すごいなあ、うちはそっち方面はあかんからなあ」
「さっきあやめが歌った『比叡おろし』。あれに似た短歌もあるよ。吉井勇に」
「へえー、どんなん」
「『比叡おろし今日もまた吹く舞姫の戀破れよといふがごとくに』」
「へえー、そういえば、似てるねえ」
二人は、しばらく川音に耳を澄ませた。街も、アパート内も静かだった。闇の中に沈み込むような静寂の中、川音だけが響いている。
「なあ、香奈」
「ん……なあに、あやめ」
「あんたのその指なあ、只者やないな」
「なにそれ、あやめ」
「今まで、何人の女をその指で泣かせてきたんや」
「べつに“泣かせた”わけじゃないけど、つきあった子は何人くらいかなあ。1ダースではきかんかなあ」
「この、憎たらしい奴。しやけど香奈。あんたの指が只者やないいうのは、誇張でもお世辞でもないよ。さっきのあれ。あんな気持ちええの、初めてやわ。ほんまに死ぬかと思ったもん」
「あやめが気持ちよくなってくれたら、すごくうれしい」
あやめは、香奈枝の両手を取って、両の十指と、指の間を丹念に舐めまわす。あやめの唾液にまみれた香奈枝の指と手が、薄暗い電灯の明かりを反射してかすかに光った。
「ああん、気持ちいいよう、あやめぇ」
「香奈の指、魔法の指、うちのもんや……」
「あやめ、あやめぇ」
「香奈、あんたこの指でなあ、オナニーしてみ」
「えーっ、オナニーって、二人でいるのに、何でオナニーせんならんの」
「ええからやっとうみ。うちに見せとうみ。あんたが一人で、この指でいくとこ」
「もう、いややあ」
「お、上手なったやないの、大阪弁」
「いやや、いややあ」
「こら、香奈。うちの言うこと聞けんのか」
「いややあ、あやめは意地悪や」
「香奈、意地悪はな、『いけず』言うんやで」
「いけず、あやめのいけずぅ」
「ええから、やりよし!」
香奈枝は、恨めしそうにあやめに目をやってから、布団の上で両脚を大きく広げた。両膝を立てる。香奈枝の股間が剥き出しになった。陰毛の量はあやめほどはない。
香奈枝は、左手を腰の後ろに突いて上体を支え、右手で乳房を掴む。左右の乳房を交互に揉み立て、乳首を捻り上げる。
唾液を垂らし、乳首にまぶす。そのなめらかな感触が一気に香奈枝を追い上げる。
「あふう」
右手を股間に這わせる。股間は、膣液でぐっしょり濡れている。
香奈枝は、まずクリトリスを探り当てた。
「くふう」
クリトリスを、人差し指の腹で擦り上げる。二度、三度、四度……。
「かはあ」
押し潰す。ひしゃげるクリトリス。
「いひい」
膣内に薬指を挿入する。膣壁をひっかくように擦り上げる。
「きひい」
この体勢では片手しか使えない。もどかしい……。
香奈枝は体を反転させて四つん這いになる。尻を思い切り高く上げた。
腹側から両腕を伸ばし、左手の指で左右の小陰唇を押し開く。右手の中指を伸ばし、指の付け根でクリトリスを擦り、指先で膣口をかき回す。膣液にまみれた左右の指は、滑らかに、股間全体を刺激する。
「くああ」
香奈枝は右手をそのまま、左手を戻して背中から尻へ回し、中指の先で肛門を押えた。辛うじて指先が届く程度なので、深くは挿入できない。
香奈枝は両手を使って、先ほどあやめを愛撫した時のように自らの股間を刺激した。
「けへっ」
香奈枝は首を横に捩じり、頬を布団に擦りつけてあやめを見やる。あやめは食い入るように香奈枝を見ていた。あやめの視線が痛い。尻に食い込むようだ。
「あやめ、見て、もっと見て。あたし、もう、いきそう」
「香奈ぁ、見てるよ、いやらしい香奈のオナニー、見てるよ」
「あ、いや、いくうううううううっ」
香奈枝は、尻を落とし、うつぶせに布団に突っ伏す。
あやめが上から覆いかぶさってきたが、それにこたえることもなく、香奈枝は失神した。
コメント一覧
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1. ハーレクイン- 2013/03/19 10:58
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「まぐはひ」は続きます。
寄り添い、抱き合い、睦みあい、寝物語を交わしながら。
新婚夫婦のようでもあり、もう何年も続いた間柄のようでもあります。
香奈枝せんせが大阪弁を喋りはじめました。『リュック』舞台編の方では、喋りまくってはりました怪しげな関西弁。じつはあやめさんのが移ったものだったんですねえ。あやめさんは本来京都弁ですが、おたかさんとの付き合いで、大阪弁も混じっています。
で、数度の「まぐはひ」の後、始まりました香奈枝せんせのオナニーショー。
あやめさんに命じられ、いやいややらされてるようですが、なあに、もともとオナニー大好き女の香奈枝せんせ。「見て、みてえええ、うちのオナニー。いいっ、いいっ、気持ちいいっ」てなもんですわ。
レーザービームのようなあやめさんの視線に射抜かれながら、気持ちよさそうにいっちゃいました、香奈枝せんせ。
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2. Mikiko- 2013/03/19 22:14
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ただいま帰りました。
でも……。
コートを忘れてきた。
古町の飲み屋を出てすぐ、着てないのに気づいたんですよ。
でも、なーんか戻る気にならず、そのまま帰ってしまいました。
コートを着ないで歩いて気づいたことは……。
「コートなんて要らない!」
アメダスで確認すると……。
わたしが、コート無しで歩きはじめたころの気温は、8度くらいでした。
でも、ぜんぜん寒さを感じなかったんですよね。
そのまま、バスにも乗る気にならず、新潟駅まで歩きました。
30分のお散歩コース。
気持ちよかったぁ。
で、電車にのってすぐ、Tejがありました。
「あんた、コート忘れてたでしょ」
同僚が、持って帰ってくれてました。
また、バカのレッテルが1枚増えましたが……。
ま、いいじゃないですか。
ほんとに気持ちのいい、お散歩が出来たんですから。
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3. ハーレクイン- 2013/03/20 02:20
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ふーん。
これが若さか勢いか(これ誰のセリフだったかなあ)、8℃というとまだまだ寒いだろうに、寒くなかったか。
風が無かったのかな。
酒が入ってたということもあるんだろうけど、しかし、遭難する時ってのはこんな感じじゃないかなあ。「大丈夫、いける」と、勢いで無理やり歩いて体力を奪われ、行くも引くもならなくなって……。
ま、街中ならな、いよいよとなればタクシーもあるし。
とにかく、無事で何より。「春は近い」ということにしておこう。
TejはTel、だな。
「車内での携帯電話での通話はご遠慮ください」
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4. Mikiko- 2013/03/20 08:20
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新潟では生きて行けません。
夕べは、コメント入れてから飲み直し……。
結局、12時近くまで飲んでしまいました。
BSで録画しておいたスポーツ物、1本見たら面白くて……。
もう1本見てしまったのです。
最初に見たのは、打倒山下に燃えた斉藤仁の物語(柔道)。
次の1本は、奇跡の返り咲きを果たした輪島功一の物語(ボクシング)
録画はもう1本あり……。
これは、伝説のバックスクリーン3連発の物語(野球)。
打たれた槙原投手へのインタビューもあるようです。
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5. ハーレクイン- 2013/03/20 10:40
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飲み潰れて寝ちゃいましたよ。
で、夜中に目覚めてコメ、と。
山下vs.斉藤仁か。
山下は、もちろん203連勝の山下泰裕八段。
斉藤仁は、ある意味、山下の衣鉢を継いだ男。
日本柔道の命脈は、脈々と繋がれている。
ま、今は色々あるみたいだけど、「人は人吾は吾なり とにかくに吾が行く道を吾は行くなり(西田幾多郎)」。
これでどや。
夏実がおったらなあ。
輪島巧一はボクシング、輪島大士は第54代横綱。
1985年、バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発は、是非じっくり見ていただきたい。それにしても、相手投手が槙原ってのもすごいよね。
これはもう、いわゆる一つの、歴史です(長嶋茂雄)。