2012.2.21(火)
二人の少女は、互いにバスタオルを相手の体に這わせ、全身を濡らした湯を拭き取り合う。泉のほとりで戯れ合う妖精のように。
「あの、由美さん」
「なあに」
「さっきの……もう一つって」
「ああ、そうね、うーん」
「難しいことなんですか」
「そうでもないんだけどね、でも……これも夏実の身体に聞いた方が早いかな」
「えー、またですか」
「また、って、いやなの」
「えー、そんなことありません、楽しみです」
「あらあら、やらしい娘、夏実って、そんなにいやらしい娘だったかなあ」
「やだ、それは由美さんのせいです、う、んんっ」
由美は、夏実の口を塞ぐように、口全体でキスをする。
夏実は、侵入してくる由美の舌を待ち構え、反撃する。
「う、ふうん」
「んむ、む」
「うあ、あ、夏ぅ……」
「ゆみ、さあん、ゆみぃ……いいっ」
ひとしきり戯れあった二人の少女は、全裸のまま部屋に戻る。上体をベッドに縁にもたせ掛け、下半身を床に伸ばして寄り添う。抱き合う。
「んんっ、ゆみ、さぁん」
「なつ、夏実ぃ、可愛いよ」
「ゆみさん、ゆみ……さん、好き、好き、大好きです」
「ふううん」
「むふ、うん……」
由美は、夏実の肩に回した腕で夏実を抱き寄せる。
「んね、夏……、もう一つ、だけど」
「あ、はい、由美さん」
「ちょっと待ってて」
由美は、名残惜しそうに夏実を離れて立ち上がり、クローゼットの下の引き出しを開ける。夏実の位置からは、引き出しの中は見えない。
由美が引出しから取り出して夏実の傍らに持ってきた物は、真紅のロープだった。太さはおよそ1センチ。
「え、由美さん、これ……」
「夏実、縛るよ」
「し、縛るって、由美さん」
「いやなの」
「え、いえ、でも、なぜ、わたしもう、由美さんに逆らったりしません」
「それはわかってるわよ、縛るってのはね、そうじゃなくて意味が違うの」
「あ、はい……」
「いいから、私に任せなさい」
「はい……はい、由美さん」
由美は赤いロープを中央で折り、全体を二重の状態にする。
「夏実、両手を後ろに回しなさい」
「はい、由美さん」
由美は、背に回した夏実の肘を深く曲げ、肘から手首にかけての両腕を水平にさせる。
両手首をまとめて左手で握り、右手に掴んだロープの端を巻き付け、縛る。
「あっ」
「痛いかな、夏実」
「いえ、全然、大丈夫です」
由美は、手首を縛ったロープの続きを夏実の胸に水平に巻き付ける。乳房の上に一巻き、更に下に一巻き。
夏実は、両腕を背中で固定された状態で、胸を締め上げられる。
「んんっ、ん、あ……はあっ」
「どう、夏実、きついかな」
「……いえ、由美さん、あん……」
由美は、背後から両手を夏実の胸前に廻し、ロープに絞り上げられた乳房を掴む。指で乳首を捉える。
「あ、はっ、いいっ」
「夏実、可愛いよ」
由美は、自分の乳房を夏実の固定された両手に擦りつけながら、夏実の耳に唇を這わせる。舌を耳穴に差し込む。舐める……。
耳たぶを噛む。優しく、時に強く。
うなじを舌で舐める。吸う。唇で吸う、吸う。舐める、吸う。
乳首を摘む。擦る。潰す。
「あ、ゆみ、さあん、はんっ、んんっ」
「夏実、どうなの、縛られて」
「どうって、由美さん、よくわかりません」
由美は、いきなり夏実の肩と額に手を当て、夏実の上半身を叩きつけるように床に押し倒す。
夏実は顎を胸元に引き付け、後頭部が床に当たるのを防ぐ。柔道の受け身技の技法である。
「ひいっ」
「わからないわけないでしょ、夏実!」
「す、すみません」
「また! 謝れなんて言ってないでしょ!
今の感じはどうなのって聞いてるの!」
由美は、両脚を開いて夏実の胸の上に馬乗りになり、夏実の首に両手をかけて締め上げる。
夏実は、豹変した由美の仕草、言葉に瞬時に対応する。誰に教わったわけ訳でもなく……
「どうなんだ、夏実、縛られた感じを言えっていってるんだ」
「あ、ああ、はい、なんか……」
「このぉ」
由美は右手を振り上げ、夏実の左頬に平手打ちを見舞う。
「ひっ」
「夏実、まだわからないのかい、今のお前は生かすも殺すもわたしの思うままなんだよ」
「あ、はい、由美さんのお好きなように、して……下さい」
由美は、今度は右手の甲で夏実の右頬を張り飛ばす。往復ビンタだ。
「あ、がっ」
「わかった風なことを言ってんじゃないよ、夏実、人に好き放題されるってことがどんなことか、まだお前にはわかっていない!」
「あ、え、す、すみませ……う、ぐぅっ」
「いちいち謝るなって言ってるだろ、この馬鹿女!」
由美は、左手を広げて夏実の口をふさぐ。
右手を伸ばし、夏実の乳首を捻り潰す。
「ぐうううぅ、ううっ」
「この、この、この、どうだ、堪えたか」
由美が手を離す。
夏実の両目尻から涙がこぼれる。
「ゆみ、さあん」
「泣くのは早いぞ、なつみ、罰だ、縛られるってことがどういうことか、わかっていない馬鹿女に罰を与える」
「はい、はい……ゆみ、さん、なんでも、どんなことでも」
「よおし、いい覚悟だ、死んでもいいんだな」
「ゆみ、さま、こ、殺して、なつみをころして、下さいっ」
「このお、まだ生意気言うか!」
夏実にさらに二度、往復ビンタを与えた由美は、両膝を使ってにじり上がり、夏実の顔の上に股間を持っていく。
「ほら夏実、見ろ、よく見ろ、見えるか」
「はい由美さん」
「なにが見える、言ってみろ」
「あ、あの……いいいいっ」
由美は、夏実の短い髪を掴んで夏実の顔を持ち上げ、股間に擦りつける。
「ほら、ほら、よく見せてやるよ」
「ぐっ、うっ、ううっ」
「見るんだ、夏実、どうだ、夏実、言え、何が見える!」
「ゆみ、さんの……」
「わたしの、何だ、何が見える!」
「あ、あの……お、おちんこ、ひいっ」
由美は、再び夏実の頬を張り飛ばす。
「なんだって! わたしは女だ! ちんこなんかあるか!」
「ご、ごめんなさあい」
「この無礼者め、教えてやる、これは、ま・ん・こ、おまんこと言うのだ」
「はい、はい……まんこ、由美さんのまんこ、おまんこが、見えますっ」
「よおし、由美のまんこ、どうなってる」
「あ、え……ぐああっ」
由美は、再び夏実の髪を鷲掴みにし、のけ反った夏実の咽喉を締め付ける。
「もたもたするんじゃないよ!」
「あ、はい、あの、ぬ、濡れてます、縦に割れた隙間から、透明な、液が……零れています」
「よおし、じゃ、この濡れまんこで、今からお前を殺す」
由美は、いきなり腰を夏実の顔の上に下ろす。
腰を前後に送り、夏実の顔全体に、股間の全てを、膣口を、膣前庭を、会陰を、肛門を、そして……陰核を、擦りつける。
夏実は、誰に何を教わったわけでもなく、由美の腰の動きに的確に応じて、舌を、唇を、激しく動く由美の股間に這わせる。吸う、舐める、噛む。
「いっ、なつみぃ、ひいいいいっ、いいっ」
「む、ぐっ、うぐうっ」
「な、なつ……、いいっ」
夏実は、両腕を縛られて上半身の自由を奪われ、先ほどのシャワーの時のように、由美を抱くこともならぬまま、唇と舌が由美との唯一の絆であるかのように、由美の股間を吸い、舐め、噛み続けた。
「うっ、うぐっ」
「ああっ、ああっ、な、なつ……なつぅ、なつみいっ」
コメント一覧
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1. ハーレクイン- 2012/02/21 18:39
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『由美美弥』本編の方にもコメさせていただきましたが、どういうはずみか『風楡』、SMモードに突入してしまいました。
これを放置しますと『風楡』、いつになったら終わるやら……。
いやいや、もとよりそれは本旨ではございませぬ。なんとしても次回を最終回にする所存。
(せや! も、ええから早よ終われ!)
あ、いや、その、なんとああた。
♪パピプペ パピプペ パピプペポ~
うちの女房にゃ髭があるぅ~
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2. Mikiko- 2012/02/21 19:49
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まともに読めないのですが。
恥ずかしゅうて。
しかし……。
これを書いてて、恥ずかしさを感じないというのが……。
不思議でならん。
鋼の心臓と云わねばなるまい。
要するに……。
夏実は、マゾでもあったということね。
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3. ハーレクイン- 2012/02/21 21:03
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見たか!
我が鋼の心臓。
『エイトマン』
前田武彦 作詞
萩原哲晶 作曲
克美しげる 唄
光る海 光る大空 光る大地
ゆこう 無限の地平線
走れエイトマン 弾丸(たま)よりも速く
叫べ胸を張れ 鋼鉄の胸を
呼んでいる 呼んでいる 呼んでいる
立とう 正義の旗のもと
誇れエイトマン 天よりも高く
振えその腕を 鋼鉄の腕を
燃ゆる空 燃ゆる風 燃ゆる心
進め 無敵の力もて
征けエイトマン 誰よりも強く
響け轟け 鋼鉄の男
>要するに夏実はマゾ……。
これ!
ばらすでない!
全ては完結編で、じゃ。
恥ずかしさに、悶え死にさせて進ぜよう。
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4. Mikiko- 2012/02/22 07:23
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あの恥ずかしいセリフを読んでたら、誰でもわかるでしょうが。