2014.10.18(土)
亜希子は軽い眩暈を覚えながら、みるみる自分の身体が火照り始めるのを感じていた。
熱い吐息と共に碧の甘酸っぱい唇が絡んでくる。
切ない愉悦が背筋を震えあがり、亜希子は若鮎の様な身体を愛おしく抱き締めた。
やがてその唇を吸い離すと、夢中で可愛い乳房の膨らみに顔を押し付ける。
「は……」
碧の口から切ない溜息が漏れた。
身の内の血が沸き立つのを感じながら、亜希子は淡い彩りの乳首を吸い含む。
すると嬉しい事にまだ控えめなその蕾も、膨らみの中にみるみる弾力を集めて亜希子に応えてくるのだった。
ほっそりとした肩が小さくわなないて、碧の両手の指が亜希子の髪の毛を掴む。
碧は身体を捩って亜希子の唇から乳首を逃がすと、身を転がして亜希子の上になった。
そしてそのしなやかな裸身をひるがえすと、逆さまに亜希子の身体に重なっていった。
亜希子は小さく息を呑んだ。
思いがけず、自分の両足が碧の両手で大きく引き開けられたのである。
「あっ、ひっ……!」
亜希子の口から小さな悲鳴が漏れた。
もう固く頭をもたげていたしこりを、薄皮の上から繊細な舌に弄(なぶ)られたのである。
絶妙に舌で弾かれながら、亜希子は否応も無く自分の物の弾力を感じた。
「ああっ……!」
畳の上から背を反り上げて亜希子の身体が小刻みに跳ねた。
“こ、こんな、碧ちゃん……?”
無垢な少女に対するそんな疑問も、疼く快感の糸を弾かれるままに脳裏から消し飛んでいく。
「あうう……ああ~~、ああいやっ……!」
強く弱く薄皮を舌で揺さぶられ続けて、亜希子は喉の奥から成熟した女の声を絞り出した。
「はくうっ……………!」
突然亜希子の背筋が畳から浮き上がり、お尻の肉がブルブルと揺れた。
はち切れんばかりに快感を集めたものを、熱い滑りに覆われたからである。
そのまま吸い含まれた弾力が、左右に揺さぶられながら舌で弄ばれる。
「ああうう~っ! いやあっ、だめっ!」
亜希子の股間で碧の長い黒髪が揺れていた。
ぐずり泣く様な亜希子の声に性急な響きが加わり始めた時、碧はその顔を上げた。
「まだだめよ亜希子さん。もう少し我慢して、そして私をあなたのものにして」
そう言うと碧は、少し背を丸めて亜希子に自分の下半身を与える。
もう亜希子はためらいも無く、碧に武者ぶりついていった。
二人の激しい息遣いとうめき声が室の中に満ち満ちていた。
「ふうっ……はあっはあっ……、ああもうっ……」
碧のものから顔を離すと、亜希子は切羽詰まった声を上げる。
亜希子の濡れ光った物に、ほっそりとした白い指が見え隠れしていた。
断続的に敏感なしこりを吸われながら、華奢な指で襞の隅々まで愛されていたのだ。
「もうだめでしょう、亜希子さん……?」
「ええもう……、もうだめ。ああ……、もうだめよ、碧ちゃん!」
「来て、亜希子さん」
碧は亜希子の上から身を起こすと、畳の上に仰向けになった。
亜希子がその右側に身を添わせると、碧は待ちかねたように唇を求める。
荒い息を吐きながら、二人の唇が激しく吸い重なった。
そのまま碧の右手が亜希子の下腹部に伸びて行く。
「ん、むん~~ぐ……」
再び濡れたものを碧の指に犯されて、亜希子は甘い舌を受け入れながら呻きを上げた。
亜希子の右手に優しく碧の左手が握り合される。
薄紙一枚の隙間を開けて、碧の唇が囁いた。
「唾をください……」
亜希子は再び碧と深く唇を重ね合せた。
交じり合った二人の唾液が、碧の口中にゆっくりと流れ込んでいく。
碧の左手が亜希子の右手をゆっくりと引き上げた。
碧は少し顔を上げると、亜希子の右手に交じり合った二人の唾を垂らす。
垂れ落ちる二人の露が、かがり火にきらきらと輝いた。
「さあ私を、あなたのものにしてください……」
露を受けた亜希子の右手が、ゆっくりと碧の下半身に導かれていく。
深い湖の様な碧の黒い瞳が亜希子の目を見つめていた。
「碧ちゃん……」
淡い茂みを押し分けて、亜希子の右手は二人の露と共に碧の女を包んだ。
「はっ…………」
亜希子を見つめたまま、薄っすらと開いた唇から碧の白い歯がこぼれた。
二人の優しさと共に分け入った指でさえ、まだ碧の少女に拒まれているように留められたのである。
「大丈夫。亜希子さん、来て……」
「あ、ああ……碧ちゃん……」
亜希子は碧の右手の指が再び自分を愛し始めたのを感じた。
「むぐ……んはっ、うっ!」
左手でしっかりと碧の肩を抱きながら、亜希子の裸体がビクビクと跳ねた。
もう碧の少女も、小ぶりな突起を膨らまして花びらから露を流していた。
しかし亜希子に抱かれながら、碧も亜希子の濡れたものを忙しなく愛してくるのである。
背筋に熱いたぎりが通い始めて、もう亜希子の方が快感の極みに総身を縛られそうなのだ。
とうとう亜希子は、碧の指に合わせて我知らず下肢を振っていた。
「ああ……、だめよ碧ちゃん、先にだめになりそう……」
「いいのよ亜希子さん、さあ……」
その時、碧の中指と薬指がヌルヌルと亜希子の中に滑り込み、親指が敏感なしこりを揉み始めた。
とたんに亜希子の身体の柔らかみが弾んだ。
「ああっ! だめよっ、そんなことしちゃ、ああもうっ……!」
「いいの! 亜希子さんと一緒に私を! ねっ、さあ来てっ!」
碧の右手が激しく亜希子を追い上げていく。
亜希子は左手でしっかり碧の肩を抱くと、激しく腰を振り立てた。
右手が思いを込めて碧の少女に挑む。
「あああ~~、もうっ! ああだめっ……くうう~~~っ!!」
背筋に熱い火柱が上るのを感じながら、亜希子は重い扉を開けて自分の指が碧に受け入れられたのが分かった。
同時に目くるめく快感に貫かれて、亜希子の身体が二度三度と大きく痙攣する。
「ああっ、亜希子さん!」
まだ極みに追い上げながら、碧は左手で亜希子の身体にしっかりとしがみ付く。
その頬を伝い落ちた涙が、亜希子の胸を濡らした。
「あっ!………くっ……!!」
声も無く快感に縛られた亜希子は、熱い絶頂の露を碧の指に浴びせた。
そしてその震える睫毛から零れた涙は、碧の黒髪を輝きながら伝い降りていった。
「あ、いたた……」
工事現場のカラーコーンを跨いだ後、目方慶子は腰に手を当てて顔を歪めた。
「民ちゃんと盛り上がったくらいで、あたしも年かな……?」
東岡山の道路工事は、三日前より100メートルほど東に移動していた。
「あ……」
昼弁当を食べていたガードマンは、慶子の姿を見て縁石から立ち上がった。
「また来たんか、おばちゃん」
慶子は何も聞こえなかった様に悠然と歩いて行く。
「おばちゃん、勝手に入ったらいけんて言うたじゃろ」
小太りのお腹を揺らして、慶子の後を追う。
「こ、こら、ねえちゃん!」
「なに?」
慶子は人懐こい笑みを浮べて振り返る。
「聞こえとるやんか、今日はまた何しに来たんじゃ?」
「ちょっと確かめたい事があってね。あ……、いてて……」
「確かめたいって、勝手に現場入ったら……」
ガードマンの言葉が途切れた。
「おばちゃん……、あんた、どこ行って来たんや……?」
「もう、おばちゃんじゃないって言ってるじゃ………」
言い返そうとした慶子は、男の顔を見て口をつぐんだ。
人の良さそうな中年男の表情が消え、鋭い視線が慶子を見つめていた。
「あんた、その痛みは病気やない……、障りや……」
「さ、障り……?」
きつく目を閉じて首を左右に振ると、ガードマンは再び口を開く。
「い、いや、障りはその前で……、たぶん痛みは知らせや。おばちゃん、あんた今……、何かに守られとるで」
「守られてる……?」
慶子は男の顔をじっと見つめた。
「あんた、腰が痛くて何かしたか?」
「え、ええ……そうね……。ベルトだと腰が痛くて、サスペンダーに変えたんだけど。どう、似合う?」
バイクズボンを吊ったサスペンダーに両手を添えると、慶子は男に笑顔を向けた。
「また若ぶって……。だけど、ひょっとしたらおばちゃん、素質あるで……」
ガードマンは縁石の上に置いたままの弁当を振り返った。
「何だかよくは分からんけど、あんた事件に遭遇しそうやな。それも、そう遠いことじゃない……。気を付けなあかんで」
歩いて行くガードマンの背中から慶子は声をかけた。
「ただの酔っ払いおじさんが言いそうな話で……、どうも信じられないんだけど……」
ガードマンは向こうを向いたまま立ち止まった。
「酔っ払ってる……? ふふ、そうやな、酔っ払ってるんならわし、幸せなんやけどな」
眼鏡を上げながら、慶子はそんなガードマンの背中をじっと見つめた。











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