2014.6.7(土)
「じゃとうとう、介添えとやらをやることになったのかい? あっははは、そりゃ面白いなあ」
「笑い事じゃないわよ。あたし渋ってたら、村からも正式にお願いしますなんて担当の人が会社にまで電話するもんだから、社長から私に電話がかかってきたのよ」
「へえ、社長から?」
「うん、体験できるなんてそれ以上の取材はないなんて言って。仕舞いにはこれは仕事だよ、社長命令だからね、なんて言い出すんだもの………」
「ははは、社長命令はちょっと古かったけど、まあ仕方ないさ。身体に気を付けてやりなよ」
「うん……。ところでそっちは大丈夫……? ちゃんとやってる?」
「大丈夫、ちゃんとやってるよ。ああそうだ、不思議なことに君がそっちに行ってから社内の女性にモテ始めてね。不自由ですねなんて言って、交代で僕の分の弁当を会社に持って来てくれたりするんだ。こんなことは初めてだよ。やっぱり俺って素質があったんだな」
「バカじゃないの。あたしが帰ったらお返しが大変なんだからね。じゃ身体に気を付けて。またね」
「ああ、そっちもがんばって。じゃあ……」
夫からの電話を切ると、再び山奥の静寂が亜希子を包みこんだ。
今日帰り際の碧の言葉をぼんやりと思い出す。
「もうお山はあなたのことを受け入れているみたいです」
“受け入れているって……何の事……? どうして分かるの……?”
何のことか見当もつかず、その時亜希子は碧に問い返すこともしなかった。
そしてまた、帰りの車の中で薫が口にしたことも亜希子は気になっていた。
「巫女は室に入る時と出る時では変化していると言い伝えられています。そして介添えはそれを見届ける役割もあると………。うふふ、多分興味本位で言い伝えられてきた事でしょうけど、面白い記事になればいいですね」
興味を持つというより、亜希子は不安を感じざるを得なかった。
「介添えは室に入るまでにしなくちゃいけないこともあります。でもご心配なく、そんな難しいことじゃありません。2,3日内にあたしがお教えしますから………」
そこまで思い出してふと気づくと、もう十日室が始まる午前零時に差し掛かろうとしていた。
巫女は誰にも見られず、一人で室に入るのだそうだ。
“大丈夫かしら、碧ちゃん………。”
その時、隣室の襖が音も無く開いた。
「亜希子さん……」
「ひゃっ!」
亜希子が振り返ると、10センチほど開いた襖の間から真希の顔がのぞいていた。
「ああ、びっくりしたわ、真希ちゃん」
「遅くにすいません、亜希子さん。亜希子さんも眠れなかったんですか? そろそろ十日室が始まる時間ですよね」
「ええそうね。あなた、気になって眠れなかったの?」
「うん、い、いえそれも気にはなるんだけど……」
「じゃあ、なに?」
「あたし持病で少し胸苦しくて……。申し訳ないんですけど、少し背中をさすってくれませんか?」
「まあ……、喘息かなにか……? ええ、わかったわ」
「ありがとうございます。じゃ、こっちで………」
亜希子は真希が休む隣室に入って行った。
真希は向こう向きのままパジャマの上着を脱いだ。
「あ………」
亜希子は小さく声を上げた。
彼女は下着を付けていなかった。
そのまま布団の上にうつ伏せになると顔を横に向ける。
「そのままだと滑りが悪いので、このパウダーを背中に振って下さい」
「これ……?」
真希の枕元に白い円筒形の容器が置いてあった。
亜希子は蓋を取ると真希の背中の上でその容器を振った。
きめの細かい白い粉が真希の背中に舞い降りた。
「これくらいかな……?」
「ええ大丈夫。じゃあ、ゆっくりさすってください」
亜希子は黙って真希の背中に手の平を置いた。
薄く伸ばす様にパウダーを背中に滑らせる。
「……亜希子さん、とても上手………」
「そ、そう……?」
うっとりと目を閉じた真希に、亜希子はぎこちない返事をした。
「ふう、とても楽になったわ。窪みに沿ってもう少し続けて……」
「ええ、いいけど………」
しばらくの間、真夜中の静寂が二人を包む。
若い肌が手に馴染むにつれ、亜希子は息苦しさを感じ始めていた。
真希の息遣いが次第に大きくなり、亜希子の両手の中で若い素肌が起伏する。
「う……ん、気持ちいい。とても上手……。パウダーを使うと、とても肌が敏感になるの。亜希子さん、とても気持ちいいわ……」
亜希子の脳裏に、とうとう思い出してはいけない昨夜の光景が浮かんだ。
「そ、そう、よかった。じゃもう大丈夫ね。もう遅くなっちゃったわ、休みましょう」
亜希子は急いで真希の肌から手を引くとそう言った。
「いや」
うつ伏せの真希の横顔が、潤んだ視線を亜希子に送っていた。
「いやってあなた……」
亜希子は言葉が見つからなかった。
「このパウダーでマッサージすると、リラックスしてとても気持ちいいんですよ。あたし亜希子さんにもやってあげたくて……」
そう言うと真希は身体を廻して仰向けになった。
真希の乳房が弾みながら亜希子の視野に飛び込んでくる。
「ま、真希ちゃん!」
思わず亜希子は真希から目を逸らした。
「うふふ、亜希子さん。女同士なのに、そんなに恥ずかしがらなくてもいいでしょう?」
真希の右手が優しく亜希子の左手に添えられた。
「あ、あたしはもういいわ。ねっ、早く休みましょう」
亜希子は真希の手から逃げるように立ち上がった。
そのまま自室へ向かおうとする亜希子の背中に真希の声がかかった。
「亜希子さん、これ見て」
亜希子が振り向いて見ると、真希が右手で何か白い布を掲げていた。
何だろうと凝視する亜希子の身体からみるみる血の気が引いて行った。
それは昨日の夜無くした亜希子自身の下着であった。
「ま………、真希ちゃん……、あなた………?」
ゆっくりと頷くと、真希の表情に怪しい笑みが浮かんだ。
「亜希子さん、あなたはもうお山に受け入れられたと言ったでしょう……? もう断れないのよ……」
亜希子は呆然と真希の顔を見つめた。
「あんなに恥ずかしい恰好でおしっこしながら、亜希子さん、とても気持ちよかったんでしょう?」
「そ、そんな……、違うわ!」
「違う? 本当……? こんな顔してても……?」
真希は敷布団の下から一枚の写真を取り出し亜希子に示した。
「ああっ、いや!」
亜希子はそう叫んで写真から顔を背けた。
暗視カメラの画像は、中腰で放尿しながら陶然と目を閉じている亜希子の姿だった。
「でも亜希子さん大丈夫よ。心配しなくても、私は亜希子さんがリラックス出来るようにマッサージするだけなんですから……。だから、さあ、何も考えないでここに横になって……」
亜希子は閉じた瞼を開けて半裸の真希を見た。
布団の上で横座りになった真希は、若く魅力的な女性から妖艶な女へと変わっていた。
亜希子は昨夜と同じように軽い眩暈を感じ、何かが背筋をざわざわと這い上がって来る感触に身を震わせた。
コメント一覧
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1. ハーレクイン- 2014/06/07 13:40
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そうか、亜希子さんは亭主持ちだったのか。
ちょっとテンション下がるなあ。
ま、こればっかりはしょうがないよね。
「もうお山はあなたのことを受け入れているみたいです」
始まりましたなあ、怪しさいっぱい、胸いっぱい(なんのこっちゃ)。
で、真希さんと亜希子さん。
「希」つながりでややこしいぞ、と。
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2. Mikiko- 2014/06/07 13:52
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『そんな女のひとりごと』という歌謡曲です。
↓以下、その歌詞。
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お店のつとめは はじめてだけど
真樹さんの 紹介で
あなたの隣りに 座ったの
あそびなれてる 人みたい
ボトルの名前で わかるのよ
そんな女の ひとりごと
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この歌を初めて聞いたとき、不思議に思いました。
お店の勤めが初めてなのに……。
なぜ、ボトルの名前を見ただけで、遊び慣れてる人かわかるのでしょうか?
さっぱりわかりません。
さて、本編。
ビアン物の1ジャンルを成す、レズエステ、開幕です。
よろしなぁ。
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3. ハーレクイン- 2014/06/07 14:05
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それはもちろん、このご本人が遊び慣れているからですね。
ちょっと待ってくれ。
十日室って、レズエステものなのか。
そんなの、どこに書いてあるんだよ。
読解力、無くなったかなあ。
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4. 八十郎- 2014/06/07 17:36
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Mikiko's Roomの6周年に掲載していただき、
恐縮すると共に、大変有難く思っています。
官能場面を乗り越えることは、
登場人物のやる気や当方のやる気も相まって、
なかなかエネルギーを使います。(僕の場合)
何年にも渡って書き綴り、
更新してこられたことは、
これは大変なことだと思います。
何だかタイミング遅れの書き込みになりました。(笑)
では、失礼します。
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5. ハーレクイン- 2014/06/07 19:22
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Miさんとこって6周年なん!
ちおっとまってクレイ射撃!!
ほんまかよ、知らんかった!!!
全然知らんかったよ!
んじゃ、あらためて。
6周年、おめでとうございます。
なんかなあ、6年もたったのかね。
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6. Mikiko- 2014/06/07 19:55
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> ハーレクインさん
パソの前に、貴殿の脳内をデフラグする必要がありそうです。
> 八十郎さん
官能場面を書くことは、エネルギーを使うだけでなく……。
それによって、生命力も得ているんじゃないでしょうか。
同年代の人より、ぜったい若いと思いますよ。
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7. ハーレクイン- 2014/06/07 21:28
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なんでっか。
昨日から、この歌が耳について離れぬのだよ。
♪若い力と感激に
燃えよ若人胸を張れ
歓喜あふれるユニホーム
肩にひとひら花が散る
花も輝け希望に満ちて
競え青春強き者
なんですやろ、この歌。
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8. Mikiko- 2014/06/08 08:08
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↓こういうことです。
http://e-words.jp/w/E38387E38395E383A9E382B0.html
「スタート」→「プログラム」→「アクセサリ」→「システムツール」とたどると……。
『ディスクデフラグツール』があります。











![[官能小説] 熟女の園](https://livedoor.blogimg.jp/mikikosroom2008/imgs/3/e/3e07a9c3.gif)





































































































