2013.6.6(木)
小さなウォールライトが部屋の中をぼんやりと照らしている。
カーペットの上でうつ伏せになった奈緒子は、横向きに虚ろな瞳を向けていた。
彩香の唇と舌が、滑らかな背中の肌に鈍く光る曲線を描き出している。
一度滑り降りた彩香の唇は、背骨の繋がりを一本ずつ確かめる様に背中の窪みを這い上がり始めた。
そして背中からうなじへと這い上がった時、ほっそりとした指が臀部の膨らみから脇腹の肌を撫で上がる。
奈緒子は少し眉を寄せてその瞳を閉じた。
「優美さんとはいつ頃からのご関係ですか・・・?」
彩香の声が耳元に響いた。
「そうね、もう三か月ちょっとに・・なる・かしら・・。」
奈緒子は冷静に答えたつもりだった。
しかしその意に反して、息を詰めた言葉尻が小さく震えた。
カーペットと奈緒子の間に滑り込んだ彩香の両手に、やわやわと乳房を掴み込まれたからである。
「もう何度もお会いになったんでしょう?」
「数え切れないわ・・。」
後れ毛の辺りに彩香の唇と舌を感じながら、奈緒子は乳房の先が徐々に硬くなるのを覚えた。
そしてその強張りを、念を押す様に彩香の指に摘まれる。
「いつもどんなことをお話に? お仕事の話も含めて。」
「彼女とはいろんな話をしたわ、彼女には何だって話せたの。勿論彼女は仕事の心配もしてくれたけど、あなたが気にする様な仕事の話はしなかった。そんなことを彼女に話したくなかったの。」
彩香の右手が動きを止めた。
「本当ですか・・・?」
彩香は身を起こして奈緒子の裸身を上向かせた。
両足を少し開かせてその間に座り込むと、左足首を両手で掴んで引き上げる。
「あっ・・!」
短い声を上げると、奈緒子の身体が熱い石の上にでも置かれた様にくねり返った。
左足の指を彩香の口の中に含み込まれたのである。
指の間を彩香の舌に抉られる。
「くうう・・っ。」
響く様な刺激が足の筋から身体を走り抜けた。
内腿の肌を優しく撫でながら、彩香は指の間を熱い舌で丹念に抉っていく。
そして時には真珠の様な白い歯で、足の腹や指の膨らみを甘噛みしたりするのである。
奈緒子は身体を弾ませ、唇を噛んで必死に声を殺した。
彩香は奈緒子の右手を取って自分の股間へ誘う。
淡い繊毛の感触に指を戸惑わせた奈緒子であったが、再び右足の指を口に含まれる感触を覚えると、思い切って彩香の花びらに指を伸ばしていった。
「ん・・む・うう・・。」
押し殺した呻き声を聞いて、彩香は改めて奈緒子の様子を見てみる。
彩香に指を使いながら、奈緒子はまだ触れられてもいない自分の腰を動かしていた。
彩香は頬を緩めて言った。
「じゃあ本当に優美さんは、仕事の件は知らないんですね・・?」
「ふう・・・。ええ、あの人との間にはそんな余計なものはないの。」
「そうですか・・。」
ふいに彩香は奈緒子の両足を広げた。
奈緒子の女のものは、もう幾筋も透明な涙を流していた。
「多分あなたの言ってる事は本当だと思います。でも最後に、あなたの身体に聞かせてくださいね。」
そう言うと彩香は、泣き濡れた奈緒子のものに顔を近づけていった。
「んぐっ!・・・ん~~っ!!」
奈緒子は必死で敏感なものに吸い付いた彩香を押し退けた。
身体が強張ってガクガクと揺れる。
「・・・・んぐっ!!・・・・んふう~・・・・ふうう・・・。」
もう二度三度と絶頂を極めさせられた。
しかし焼け付く様な息を吐きながら、奈緒子は甘えたエクスタシーの声を彩香に上げなかった。
彩香は身をずり上げて奈緒子の身体を抱いた。
「あの方を愛していたんですね・・・。」
「・・・どうしようもないんだけど・・。」
彩香は奈緒子に頬を重ねた。
「もう分かりました。もうそんなに気を張らないで・・。」
奈緒子の身体から力が抜けていった。
「あたし沢田さんに、何だか自分に似たものを感じていたんです。どうしてか、よくわからないんだけど・・・。」
奈緒子は彩香の頬の温かみを感じながら目を開けた。
窓から夜の向こうに、遠くの高層ビルの明かりが瞬いている。
「わたし、今まで誰も愛さなかったし愛されたこともなかったんです。だけど今夜沢田さんと居て、少し分かった様な気がして。」
「そう・・・。」
奈緒子は身を起こそうとした。
「待って。・・・もう少しここに居ていい? おねえさん・・・。」
奈緒子は間近に彩香の顔を見つめた。
彩香は幼く寂しげな少女だった。
奈緒子は優しくそのしなやかな身体を抱きしめながら、おずおずと触れかかる彩香の唇をもう避けなかった。
「はあっ! おねえさん、あたし・・・ああ、おかしくなるっ・・・。あたし、初めて。」
彩香は奈緒子のものから顔を上げて叫んだ。
二人はお互いのものを口で愛し合っていたのだ。
奈緒子は薄桃色の彩香のしこりを吸い離すと答える。
「はあ・・・あなたもしかして・・、自分では初めてなのね。だいじょうぶ、だいじょうぶよ。ね、こっちにいらっしゃい。」
奈緒子はいそいそと身を起こすと、彩香の身体を優しく抱き寄せた。
「ね、あたしも一緒よ。いいのよおかしくなっても、とても可愛いわ。」
深く唇を重ねると、互いの濡れそぼったものに指を添わせる。
腕に筋を立てて奈緒子がしこりを弄り始めると、彩香はあっけないほど早く腰を振り始めた。
「ああああ・・・、もう・・・、もうおかしくなるっ!!」
彩香は断末魔を直前にして奈緒子に縋り付く。
中指と人差し指を潤みに滑り込ますと、小指が菊の蕾に立ち上がる。
全体を掴みながら小指が蕾に覗き込み、親指がクリトリスを押し転がした。
途端に奈緒子は下腹部の柔らかみを震わせる。
「ああっ、だめっ! もういきそうっ!!」
奈緒子は獣の様に腰を振り立てながら、彩香の突起を撫でさする。
「ああ、怖いっ! おねえさん、だめっ!!」
「彩香ちゃん、一緒にっ!!!」
「あっ・・きゃあっ・・・!」
彩香はその柳腰を激しく振り立てると、生まれて初めての絶頂に縛られた。
彩香の甘酸っぱい吐息を吸い込みながら、奈緒子の身体を耐えがたい愉悦の波が襲った。
「あふううう・・・!!!」
背を丸めて強張った身体を次の瞬間反り返らせて、快楽の熱い火柱が奈緒子の身体を貫いていた。
その夜、二人は抱き合って眠った。
夜半目を覚ますと、彩香は奈緒子の胸に顔を預けて眠っていた。
そして二人の身体を温かい毛布が包んでいた。
彩香はまた安らかな眠りについた。
これまでに無いほど安らかな眠りに。
窓の外がほんのりと白み始める頃、彩香はそっと奈緒子の胸を抜け出した。
静かに服を着ると、マンションのドアを開け部屋を後にする。
“もう、会うこともないでしょう・・。”
そう思うと、急に早朝の冷気が彩香の身体を包み始めた。
コメント一覧
-
––––––
1. Mikiko- 2013/06/06 20:31
-
BGMに、ペドロ&カプリシャスの『別れの朝』が聞こえてきそうですね。
http://www.youtube.com/watch?v=9ouwC0B-4rg
これは、デビュー曲で……。
ボーカルは、高橋真梨子ではなく、前野曜子さん(宝塚出身)でした。
残念ながら、25年も前に、40歳の若さで亡くなっています。
肝臓病。
ペドロ&カプリシャスを脱退したのも……。
お酒が元のトラブルが続いたせいのようです。
-
––––––
2. ハーレクイン- 2013/06/06 20:50
-
奈緒子さんに質問を重ねる彩香ちゃん。
どうもも一つ意味不明だなあ、伏線なんだろうか。
それにしても「あなたの体に聞かせて下さいね。」は、やらしいなあ。











![[官能小説] 熟女の園](https://livedoor.blogimg.jp/mikikosroom2008/imgs/3/e/3e07a9c3.gif)





































































































