Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
続元禄江戸異聞(八)
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「続元禄江戸異聞」 作:八十八十郎(はちじゅう はちじゅうろう)


(八)


お美代はひとしきり話し終えると、再びそのつぶらな瞳を潤ませた。つんと上を向いた向こう意気の強い鼻を赤くして、肩を震わせている。
「まあ、可哀そうに・・・。」
綺麗に頭を剃り上げたまだ若い尼僧は、品のある顔立ちを曇らせてお美代を見つめた。
「私も今でこそ仏に仕える身ではありますが、世の憂き目に身を委ねたこともあります。あなたの気持ちはよく解りますよ・・・。」
「和尚人様・・・。」
優しい言葉をかけられて、お美代はじっと尼僧の顔を見つめ返す。
尼僧は細い筆で白紙の上に墨を引いた様な、綺麗な眉を寄せながら言った。
「それもこれも、みな人の心に巣くう煩悩の為せる業・・。清らかに心を解き放って、生まれたままの自分に立ち返れば、痛みも少しずつ消え失せていきます・・・。」
可愛く頷くお美代に、微笑みを浮かべて尼僧は続ける。
「心配は要りません。私があなたの煩悩を払ってあげましょう・・。さあ、これを見て・・。」
尼僧は座したまま、両手の平をお美代の方へ向ける。
そしてお美代が見つめるその両手の平を、身体の前でゆっくり円を描く様に動かした。
お美代はその動きを追う自分の目が、何故か焦点を失った様に感じた。
「あなたがその伊織という侍に会った時に、腰元も一緒に居たと言いましたね・・。」
「はい、・・和尚人さま・・。」
「その時、あなたは何か思いましたか・・?」
「いえ・・・、別に・・。」
「本当ですか? ・・よく思い出してごらんなさい・・。」
「はい・・・、和尚人さま。・・・本当は・・・、伊織様とその女の人が・・・、少し憎らしく思いました・・・。」
「そうでしょう・・・? それがあなたの、・・・本当の気持ち・・・。」
尼僧は静かに両手を降ろすと、懐から護身用の短刀と、小さな鐘を取り出した。
「それでは、これを御覧なさい・・・。」
尼僧は短刀を抜いて、お美代の目の前にかざす。
揺らめく蝋燭の炎を映した刃の輝きがお美代の目に飛び込んだ。
"チリーン・・!"
尼僧が振った鐘の音がお美代の頭の中に響き渡る。
「はいっ!!」
その鋭い掛け声に、お美代は夢から覚めた様な気がした。

呆然と板張りに座り込んだままのお美代に、尼僧は静かに口を開く。
「さあ、では私が、あなたの煩悩を取り去ってあげますよ・・。」
そう言って立ち上がると、お美代に背を向けた尼僧はゆっくりと僧服を脱ぎ始めた。
二の腕から背中そして二の足と、抜ける様に白くきめの細かい肌が露わになっていく。
「お、和尚人さま・・・な、何を・・?」
お美代がそう戸惑う間にも、尼僧は一糸纏わぬ姿となって振り返った。
二十代半ばくらいだろうか、なだらかな曲線に包まれた白い身体は、先程の尼僧姿からは想像も出来ないほど美しかった。
ほど良い胸の膨らみは量感を湛えながらも張りを失わず、そのなで肩と腰のくびれが女のしとやかさを際立たせていた。
「私の身体を見て、恥ずかしいのですか・・・?」
「は、はい・・。」
お美代は思わず目を伏せて答えた。
「恥ずかしがることはありません。これが自然なままの女の身体です。ほれ、私の方を御覧なさい。」
お美代はおずおずと顔を上げて尼僧を見る。
「私を美しいと思いますか・・・?」
「は、はい・・・とても・・。」
お美代は我知らずうっとりとして答える。
「あなたも同じなのですよ・・。さあ、私のように、生まれたままの姿におなりなさい。」
「えっ、で、でも・・・。」
「煩悩を捨てなさい。あなたも綺麗な姿になりなさい。」
尼僧はそう言うと、優しげな笑みを浮かべながら、お美代の帯に手をかけていく。

やがて尼僧の前で、お美代の若い裸体が露わになった。
尼僧ほどの輝く白さはないが、その肌は健やかな潤いと張りを感じさせる。
時折は左官仕事も手伝うだけのことはあって、引き締まった体躯と共に、乳房も誇らしげに上を向いていた。
だが生娘の上に人前で裸になる様な経験もなく、お美代は首まで染め上げて、胸の膨らみを両腕で隠している。
「お美代さん、とてもきれい・・・、きれいですよ・・。」
尼僧は恥ずかしげに俯いたお美代に顔を近づけながら囁いた。
「どれ、煩悩を払うために、まずあなたの気を確かめてみましょう・・。」
尼僧の顔が思いがけず近くに近づいて来て、お美代は思わず顔を背けた。
「私がこう近づくのは嫌ですか?」
「い、いえ・・、そういう訳では・・。」
お美代は改めて尼僧の顔を見た。
美しく優しい顔が目の前で微笑んでいる。
上品な口元の脇の小さなホクロが目に入ると、お美代は何故か微かに胸がときめくのを感じた。
「んっ・・・。」
不意に尼僧の唇がお美代の唇に重ねられた。
同時に両脇から差し込まれた尼僧の両手に、優しく身体を抱き締められる。
初めて唇を奪われる感触と共に、お美代は身体がひとりでに震えるのを感じた。
温かい鼻息が交じり合うままに、柔らかく吸い合わされた唇から、背筋を震わす愉悦が走る。
背中に廻された尼僧の両手が、ゆっくりとお美代の腰のくびれから肩先の肌を撫で上げてくる。
「む・・・、んふう~・・。」
お美代はどうしようもなく息が荒くなり、恥ずかしい事に、自分の女の部分が潤ってくる感触を覚えた。
尼僧はゆっくりと唇を離すと、閉じた睫毛を震わせているお美代の耳元に囁く。
「さあ、お美代さん・・。私があなたの煩悩を、全て出し尽くしてあげましょう・・。」
お美代は尼僧に肩を抱かれたまま、誘われる様に板張りの上に身を横たえていった。
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コメント一覧
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    • ––––––
      1. ハーレクイン
    • 2012/02/09 19:33
    • 口から出まかせ出放題。
      あることないこと、もっともらしい御託を並べたて、お美代ちゃんを誑し込みにかかる赤蛇尼。
      先ずはさりげなく、伊織・羅紗姫についての情報収集。
      このあたりの抜かりの無さは、敵とはいえあっぱれじゃ。
      パームパフォーマンス(なんじゃこりゃ)と、抜身の短刀と鐘。揺らめく蝋燭の炎。
      催眠術か。後催眠か。このあたりは忍術の定番。
      >さあ、私のように、生まれたままの姿におなりなさい。
       煩悩を捨てなさい。あなたも綺麗な姿になりなさい……。
      これ、女教師のセリフを思い出すなあ。相手は……体育教師だったかなあ。
      “ちりーん”。
      お美代ちゃんの背後を閉ざすような不気味な鐘の音。
      お美代ちゃんの運命やいかに。
      待て! 次回。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2012/02/09 20:04
    •  読みは、“しゃくだに”でしたね。
       うっかり、“あかだに”と読んでしまった。
       というのも、新潟県新発田市に、“赤谷”という地区があるんです。
       豪雪地帯。
       かつて、この地区に通じる「赤谷線」という国鉄の路線がありましたが……。
       1984年に廃線となってます。
       女教師のセリフ。
       そんなん、あったかのぅ。
       まったく覚えておらぬわ。
       「このアマ!」の“アマ”って、やっぱり“尼”のことなんでしょうかね。
       ま、江戸時代になると……。
       宴席にはべって、売春する“尼”もいたそうですから……。
       吹っかけられた客が、「この尼!」とでも言ったのかもね。

    • ––––––
      3. ハーレクイン
    • 2012/02/09 20:22
    • >オナニーするときは……。
       全裸になること。
       結婚後の[斜体]性行為は、とうぜん全裸[/斜体]で行われます。
       [斜体]オナニーは、その予行演習[/斜体]なんですからね。
       自分の身体の隅々まで、反応を確かめる目的もあるし。
       それに、[斜体]着衣のままオナニーすると……。
       間違った罪悪感にとらわれやすい[/斜体]の。
       [斜体]全裸になることで……。
       オナニーが、誰にも恥じることのない行為だってことを、正しく認識できる[/斜体]のよ……

    • ––––––
      4. Mikiko
    • 2012/02/09 20:31
    •  覚えとらんかった。
       よくもまぁ……。
       こんな無茶苦茶な理屈を考えたものだのぅ。
       われながら、感心するわい。

    • ––––––
      5. ハーレクイン
    • 2012/02/09 20:41
    • 鮮明に覚えとりました。
      体育教師の反応も面白かったしねえ。
      九州でストリッパーやってるってのは、体育教師だっけ?
      このアマ! のアマ
      中国語の「阿媽(アーマー)」、母、母上、お母さん、母ちゃん、おっかあ……だと思ってました。
      日本国有鉄道赤谷線。
      新発田駅-東赤谷駅間、総延長18.9km、駅数7。
      全線単線、全線非電化。
      もとは赤谷から産出する鉄鉱石の輸送用路線として1920年(大正9年)に敷設される。
      1925年(大正14年)旅客輸送業務を開業、
      1984年(昭和59年)全線廃線……。
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