2011.11.24(木)
「ひいっ! いや~っ!!」
ふと伊織の身体が悲鳴と共に反り返った。
女の人差し指の先が、伊織の蜜壺の中にのぞき込んだからである。
「まあ、きついこと・・・。」
「いやっ、やめてっ!」
伊織は精一杯その指から腰を逃がしながら叫んだ。
乙女の伊織には、女の細い指先がまるで太い木刀のように感じられたからである。
「まあ大げさねえ・・・。でもこれが嫌だったら、伊織様・・・書付の行先を教えておくんなさい。」
「そ、それは死んでも・・・。」
「死んでも嫌だじゃあしょうがありませんね。もっとも死ぬよりましどころか、今に奥まで気持ち良くなって昇天するくらいですからね・・。」
そう言うと女は、人差し指を一寸ほど滑り込ませて、くりくりとうねらせた。
伊織は激しく身を揉むと、か細い声で言った。
「はあっ、もうやめてっ・・・、い、言います・・・。書付は松川家下屋敷に届けるはずだったもの。で、でもあきらめなさい、この書状は符号になっています。下屋敷にある書状と符を合わせねば意味はありません。 う、う・・・うう~・・・。」
そう言うと伊織は堪りかねたように嗚咽を漏らした。
「まあ、よくお教えいただきました。あたしだって伊織様にこんな無理強いはしたくなかたんだ。もう十分でございますよ。」
女は泣きぬれる伊織の肩をあやすように抱き締めた。
しかしやがて伊織の肩先で、再び女の目が怪しく光り始める。
「折角お話しいただいたのに、このまま半端じゃ申し訳ありません。あたしが最後まで、いい思いをさせて差し上げますよ。なに、こんどはちっとも恐い思いなんかさせやしません・・・。・・さあ、伊織様・・・。」
そう言うと女は、己が裸身を伸びやかな伊織の身体に絡み付かせていく。
「ああいや・・、もうやめて・・・。」
伊織は首を振りながら力なく呟いた。
しかし散々いたぶられた身体は、抱かれたとたんに背筋を震わせてその女の身体に応えてしまうのだ。
「ああ・・伊織様・・・。」
熱い吐息と共に女の唇が伊織の右耳を這い廻った。
右足が伊織の両足の間に割り込み、女の太腿の肌が濡れた女の部分に擦り付いてきた。
「はああ・・・あうっ・・・。」
やるせなく反らしたお乳に女の右手が滑り上がり、長い指がたちまち桃色の乳首をしこり立たせる。
「んぐ~・・、だめ、ゆるして・・・。」
先ほどより一層熱を帯びた抱かれ方に、伊織は呻いた。
「んうう・・・いいえ、まだ許しませんよう~、まだ伊織様が何もかも分からなくなるまで・・・はあ・・・。」
耳元でそう囁いた女の唇が、そのまま伊織の右の乳房に吸い付いていく。
その唇に乳首を細かく吸い離される度に、伊織の乳房がぶるぶると弾んだ。
女は伊織の濡れたものに擦り付けていた右腿を緩めて、右手を差し込んでいく。
「んああっ、・・・ああ~・・・。」
土間の上で組み敷かれた伊織の白い裸身が、いっそう激しくくねり返った。
女の指が熱い露を絡ませながら、再び伊織の花びらに戯れ始めたのである。
伊織の反応を窺うと、女は身をずり上げて囁いた。
「ねえ、伊織様・・・。お口を吸わせて・・・。」
「はあ・・・、いや・・・あはっ・・。」
伊織は熱に浮かされるように喘いでいる。
女はにんまりとほくそ笑んだ。
もう伊織が我を忘れかけていることが、その表情で十分に感じとれたからである。
第一、痺れ薬の効き目は、もうとうに切れているはずだった。
女は花びらに戯れていた指を、その上の小さくしこったものに這わせた。
そのまま露を滑らせながら、僅かに薄皮が動く程度に擦り始める。
「んくうっ!」
女の腕の中で、伊織の身体がガクガクと震えた。
「ああ・・可愛い・・きれい・・。ねえ伊織様・・・お口を吸わせて・・・、ねえ吸わせて・・・・。」
そう囁きながら、女が熱い吐息で唇を近づけていった時、伊織はその息の温かみの方へ迎えるように顔を向けた。
次の瞬間、女のふくよかな唇が伊織の端正な唇にしっとりと絡み付いた。
二人の荒い鼻息が互いの頬をなぶった。
女の舌が、伊織の薄紅色の唇を押し分けて滑り込んでいく。
「あっ、いやっ・・・。」
思い直したように、伊織は悲しげな表情で顔を逸らした。
「はああ・・・舌を噛みますよ・・。」
「どうぞ、噛んでごらんなさい、あたしの舌を・・・・。」
女は首を振って逃げる伊織の唇を、同じように唇で追って、再び吸い合わせた。
左右に首を振って伊織の唇を割ると、舌を滑り込ませる。
同時に右手の指を、伊織の敏感なしこりにぬらぬらと戯れかけた。
「むんんん~・・・・、ふむうんん・・・。」
相手の舌を噛むどころか、ねっとりと舌を絡まれながら、伊織は甘えるような鼻声を漏らした。
熱い蜜を滑らせて固い突起を可愛がりながら、女は蕩ける様に舌に絡んだ伊織の甘い唾を吸い出してやる。
「んふうう~ん・・・・。」
女の魅力を煮詰めたようなその味わいに、今度は女が堪らず呻きをあげた。
コメント一覧
-
––––––
1. ハーレクイン- 2011/11/24 09:48
-
あ~あぁ
とうとう伊織ちゃん。
書状の届き先を白状しちゃったよ。
さすがのテクニック、くの一お蝶。
まあ、なんとやあらしいキスシーン。
あ、「おさしみ」だったな。
>「・・・お口を吸わせて・・・、ねえ吸わせて・・・・。」
>「むんんん~・・・・、ふむうんん・・・。」
しかし、ディープキスって、なんであんなに気持ちいいんだろうね。
-
––––––
2. 八十八十郎- 2011/11/24 12:49
-
多分キスって、バンコク共通、
太古の昔からあるものなんでしょう。
物を食べるのは勿論、
意思表示の器官でもあるし。
赤ん坊には口移しで食べ物を与えたりする、
その辺がちょっと真理を含んでる感じも。
しかし映像で見ると、
白色人種(欧米人)がキスは上手いし、
粘着的なのは面白いですね。(笑)
有難うございました。
-
––––––
3. Mikiko- 2011/11/24 19:48
-
星新一の『親善キッス』が印象に残ってます。