2014.3.6(木)
「第29回夏季オリンピック北京大会、女子体操決勝が行われております北京国家体育館から、CMNがお送りしております。
解説者には、前回アテネオリンピック女子体操総合でメダリストのキャリー・ヘンダーソンさんにお越し頂いております。こんばんは、ようこそ御出で下さりました」
「こんばんは」
「予選まで見ていただいて、我がアメリカの選手たちの印象はいかがでしょうか?」
「はい、申し分ない内容だと思います」
「そうですね。予選では団体総合が2位、個人総合では1,2位を独占しております。
気になる選手はおられますか?」
「はい、タチアナ・マリー二ナ選手です」
「タチアナ・マリーニナ選手は手元の資料を見ますと、変わった経歴をお持ちになっておられますね。1984年、ウクライナで生まれ、生後間もなく、ご両親は離婚。3歳のころ、お母様と渡米され、2年後にアメリカ国籍を取得、現在に至ります。体操に関しては、5歳から10歳まではバレエを習っていたそうですが、自宅のTVで女子体操の映像を見てから憧れを抱くようになり、お母様を説得され、この世界に入ったそうです。その後の活躍は皆さまのご記憶に新しい処です。それからタチアナ選手は、今回のオリンピックで引退を表明しており、コーチとして体操を教えたいとの希望ですが、残念ながら所属は決まっていないそうです。何か気になる点はありますか?」
「はい。10歳まで習っていたバレエのおかげで、彼女独特な床運動が特徴で、まるで床の上を滑っているかのようにも見えるのびやかな動きは“床上の妖精”と呼ばれており、観客を魅了させ、高得点は狙えると思います。……ただ、今回は例のことが、少なからず審査に影響を及ぼさないか危惧しております」
「例の事とは、カミングアウトの事でしょうか?」
「そうです。カミングアウトと体操の内容や表現とは関係なはずなのですが、国や人によっては拒絶または嫌悪感を抱く場合が残念ながら見受けられます。審査員の方々は公平に審査されると思いますし、そう信じていますが、会場の空気や声援の微妙な違いから影響を与えないとは断言できないことも事実です」
「タチアナ選手には、今以上の演技を求められるということですね」
「はい、その通りです」
タチアナは、演技する床を見つめていた。
(私はこの舞台の為にすべてをさらけ出した。後悔はしていない。
秘密や悩みなど、演技には重石になるだけ……。ただ……。
この姿を、ヴェロニカが見てくれてたらいい)
コメント一覧
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1. ハーレクイン- 2014/03/06 11:46
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この姿を、ヴェロニカが見てくれてたらいい。
生き別れでっかいな、タチアナ、ヴェロニカ姉妹!
そおんななあ。
ま、この世でっさかい、しょうおまへんのんかなあ。
ほれにしてもなあ。
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2. Mikiko- 2014/03/06 19:14
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脳ドックの受診をお勧めします。
ヴェロニカ、タチアナ姉妹の生き別れの経緯は……。
「プロローグ・ⅱ」に記載されています。
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3. ハーレクイン- 2014/03/06 20:50
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ははあ。
どこかで読んだ気はしたんだよね。
うーむ。
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4. Mikiko- 2014/03/07 08:06
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前回の東京オリンピックの時代には……。
チャスラフスカという優美な選手がいたそうです。
その後、女子体操は、小人の曲芸のようになってしまいました。
でも最近は、田中理恵さんとか、変わってきてるんでしょうかね?
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5. ハーレクイン- 2014/03/07 10:47
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べラ・チャスラフスカ。
1960年(ローマ)、64年(東京)、68年(メキシコシティ)、チェコ共和国(当時はチェコスロバキア共和国)の体操競技代表選手。
オリンピックで金7銀4、ワールドカップで金4銀5銅1を獲得した、とんでもない体操選手です。愛称は「オリンピックの名花」。
可愛かったぞお、今は見る影もないが、ま、これはしょうがないわな。
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6. Mikiko- 2014/03/07 19:38
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ラリサ・ラチニナ(ソ連)は、1956年(メルボルン)、1960年(ローマ)、1964年(東京)と、3度のオリンピックに出場し……。
金9、銀5、銅4を獲得したそうです。
チャスラフスカも、この選手と活躍時期が重ならなかったら、もっとメダル数が増えてたでしょうね。
↓ベラ・チャスラフスカ。
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140307125716630.jpg
身長は、160㎝だったそうです。
現在の写真は、あえて載せませんが……。
ほぼ、妖怪人間ベラと化してます。
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7. ハーレクイン- 2014/03/07 21:21
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知らんなあ。
そういえば体操といいますと、何といってもルーマニアのコマネチ、ナディア・エレーナ・コマネチでしょう。
彼女は、1976年モントリオールオリンピック体操競技の、段違い平行棒と平均台で、本来ありえない10点満点を獲得しました。
彼女は当時14歳。
現在の規定では、オリンピック出場は16歳以上だそうです。したがって、この記録が破られる可能性は、規定が変わらない限り有り得ないということに……。
ナディア・コマネチ。
その可憐な容姿、純白のレオタード姿から「白い妖精」と称えられました。
可愛かったなあ、ナディア・コマネチ。
その後、紆余曲折を経ながらも、ルーマニア体操界の為に寄与し続けているそうです。
それにしても、体操競技の平均台。
とうてい人間業とは思えん。
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8. Mikiko- 2014/03/08 08:53
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同時代に活躍したナタリア・クチンスカヤ(ソ連)という選手が、とても可愛かったです。
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140308085201520.jpg
メキシコオリンピックでは、「メキシコの花嫁」「メキシコの恋人」と呼ばれたとか。
札幌オリンピックのジャネット・リンみたいだったんでしょうね。
平均台。
常に千鳥足の人には、そう思えるんでしょう。
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9. ハーレクイン- 2014/03/08 11:26
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なんとなく見覚えがあります。
「メキシコの花嫁」「メキシコの恋人」
札幌のジャネット・リン。
凄かったよねえ。
まあ、わたしにはとてもとても。
平均台。
再び申し添えますが、到底、人間業とは思えません。
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10. Mikiko- 2014/03/08 12:56
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天井裏の梁を走る大泥棒に転職できます。