2014.2.13(木)
「6年か……長いようで短かったわね」
観測用スコープをケースに仕舞いながら、ヴェロニカは彼女が何を言おうとしているのか悟っていたが、言うに任せた。
「そうね」
「それで、初めて会った……」
パキッ。
遠くで小枝が折れた音が聞こえた。
追手がヘマをしでかした音だ。
「しっ!」
とっさにヴェロニカは彼女をかばう様に抱え込むと、窪みに飛び込んだ。
「奴らはどこに行った!」
「発砲光が見えたのはこの辺りのはずだ」
「良く探せ」
敵兵数人が射撃体勢で突き進んで来た。
窪地に落ちた二人は茂みの中で息を凝らし成り行きを見守っていた。
数人のグルジア兵が盛んに周辺を捜索している気配を頭上に感じ、ナデージュダは、見つかった時のことを考えると背筋が凍る思いだった。だが、背中に覆いかぶさるヴェロニカから伝わる温もりが、そんな気持ちを徐々に緩めてくれていた。
※作者コメント

写真は、ヴェロニカ(タチアナ)のイメージに近い女性像です。
この女性について知りたい方はこちら(なお、女性と本文は一切関係ありません)。
コメント一覧
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1. ハーレクイン- 2014/02/13 08:32
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彼女もベテランの狙撃兵だろ。
>見つかった時のことを考えると背筋が凍る思いだった
というのはどうなん。も一つ腹が据わっていないというか、根性無しというか。
ごめんな、ナデージュダはん。
で、
>背中に覆いかぶさるヴェロニカから伝わる温もり
ですか。
ということは、二人の関係は……。
イメージ写真は、某国のスーパーモデルだそうです。
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2. Mikiko- 2014/02/13 20:16
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未だに発音できん。
男だったら、クリヴェリョフってことですかね?
スーパーモデルは、リンデル・ジャーヴィス嬢。
なぜか、生年月日も身長もわかりませんでした。
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3. ハーレクイン- 2014/02/13 21:55
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さあ……。
どうでしょう。
ひょっとして、物語が終わるまで覚えられなかったりして。
ナデージュダ・クリヴェリョワ。
そういえば、思い出しましたよ。
院生だったとき、山奥にある調査対象の湖(ほんとは池)の近くに、一冬、下宿させてもらったことがあります。冬季の状況も調べたかったのでね。
まあ連日連夜、雪の中。3メートル近くは積もったんじゃないかな。
大学にはめったに行かず(単車はもちろん乗れないし、バス代が高い)、ほとんど冬籠り状態でした。
で、夜はヒマなんで、何を思ったかロシア語の勉強を始めました。その時思ったのは「ロシア語って、アバウトな言語だなあ」ということでした。いわゆる「助詞」に相当する語が無い(と思う)んですね。
ま、すぐに挫折しましたが。
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4. Mikiko- 2014/02/14 07:43
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また、大雪の予報となってます。
気温からして、雨になる可能性も大きそうですが……。
全部雪になった場合、大変なことになるかも知れません。
↓関東で1.7メートル、という予想をする人もいます。
http://www.yukawanet.com/archives/4623820.html
今回は、近畿も人ごとじゃないみたいですよ。
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5. ハーレクイン- 2014/02/14 10:04
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数センチというところ。
大阪でこれだけ雪が積もるのは1964年、わたしの高校受験の朝以来でしょうか。
「気象予報士大竹さんの話によると、関東の今後の積雪量の予想は『青梅』で170mm。つまり1.7メートル」
もしもし大竹さん。170mmは17センチでっせ。
1.7メートル積もったら、関東壊滅だな。
どうでもええけど、寒(さぶ)いよう。