2009.8.22(土)
これは、258回と259回で投稿したコメント「お漬け物と浸透圧(Ⅰ・Ⅱ)」を1本にまとめ、「Mikiko's Garden」に再録したものです。
お盆も終わり、夏も残りわずかとなりました。
夏の名残を噛みしめるように、お漬け物をかじってる今日このごろです。
ところでみなさん、お漬け物はお好きですか?
食べられないって人も、少なからずおられるみたいですね。
実はわたしも、浅漬けしか食べれません。
古漬けは苦手……。
さて、その浅漬けですが。
茄子や胡瓜の浅漬け、美味しいですよね。
色も綺麗だし。
特に、茄子の浅漬けは大好物。

茄子は、お味噌汁の具に入ったり、焼き茄子や麻婆茄子になったり、さまざまな料理で出てきますが……。
正直、あんまり好きではありません。
でも、浅漬けだけは別。
歯を滑るような皮の感触が、たまりません。
うちの母なんか、皮を食べずに出してしまいますが……。
バッカじゃなかろうかと思います。
皮が美味しいんじゃんね。
実はわたし、自分で浅漬けを漬けてたこともあるんです。
東京にいたころ。
漬物用の、出汁入りの塩を使ったり……。
鷹の爪を混ぜたり……。
工夫もしました。
味はまぁ……。
そこそこ。
売り物にはならんだろうけど……。
漬け物を炊きたてのご飯に載せて……。
水ぶっかけて食ってました。
おかずは、なーんも無しでしたね。
ビンボだったから。
さらに金の無いときには……。
麦食ってました。
麦飯に、漬け物だけ……。
たぶん、刑務所以下の食生活。
わたしのチチが発育しなかったのは、こんな食生活を送ってたからでしょうか……。
話が脱線してしまいました。
なにを書きたかったかと言うと……。
お漬け物を食べてると、思い出す風景があるんです。
何年か前、上越市の「うみてらす名立」という施設に行ったときのことです。

わたしが行ったのは、合併前の名立町(なだちまち)のころでしたけど。
「うみてらす名立」は、道の駅を兼ねた観光施設です。
「海テラス」の名のとおり、目の前が日本海。
堤防ぎわには、遊歩道も整備されてました。
で、その遊歩道に沿って、いろんな植物が植えられてたんですが……。
ほとんどが、枯れ果ててました。
哀れなほど。
遊歩道のロケーションを再確認して、納得しました。
わたしが行ったのは、5月ころで……。
遊歩道からは、エメラルド色に輝く穏やかな海が見えました。
けれど……。
わたしの脳裏には、冬の情景がありありと浮かんでました。
ジェロの歌う「海雪」を聞いて……。

冬の出雲崎を見ずに詩を書いたな、秋元康!
と思ったってことは、前にも書きました(211のコメント参照)。
冬の日本海に、雪が舞い落ちるなんてあり得ないって。
大陸からの季節風で、雪は横殴りに吹きつけるって。
その風に逆らって岸壁なんかに立ったら、髪の毛は総立ち、顔のシワがみんな伸びるほどだって。
名立も、同じですね。
波は、楽々と堤防を越えるはず……。
遊歩道は、直接波をかぶることになる……。
植物の株元を、潮水が洗うはずです。
遊歩道の植物が、全滅してるわけがわかりました。
塩害です。
ではなぜ、遊歩道の植物は枯れてしまったのか……。
それは、植物が水を吸う仕組みを考えるとわかります。
植物は、どうやって水を吸い上げているのでしょうか?
ポンプがあるわけじゃありませんよね。
浸透圧という用語、聞いたことありませんか?
浸透圧とは……。
濃度の異なる溶液が、半透膜に隔てられて接していた場合……。
溶液が、濃度の薄い方から濃い方へ移動しようとする圧力のことです。
それでは、半透膜とは何かというと……。
溶媒は通すけど溶質は通さない膜のことです。
溶媒ってのは、早い話、水とかの液体のことで……。
溶質ってのは、そこに溶けてる物質のことです。
溶質に溶媒が溶けてる状態を、溶液と云うわけですね。
ちなみに、溶質・溶媒の両方通すのを全透膜、両方通さないのは不透膜と云います。
で、生物の細胞ってのは、この半透膜になってるわけですね。
そんでもって、根の中の溶液は、土の中より、少しだけ濃度が高いんです。
そのため浸透圧が働き、水が根の中に吸い込まれるわけです。
これが、植物が水を吸う原理です。
ところが!
株元を波が洗うような状況になったらどうでしょう?
海水は、根の中よりも濃度が高いんです。
つまり、浸透圧による水の流れが逆転するんです。
根の中の水分は、土中に吸い出されることになります。
ここで、前回前降りしておいた漬け物を引っ張り出します。
野菜に塩をまぶしておくと……。
野菜の中から、水がいっぱい滲み出てきますよね。
これが、浸透圧の働きです。
野菜の外の濃度が高いため、内部の水分が吸い出されるんですね。
遊歩道の植物には、これと同じ現象が起きたわけです。
つまり、生きながら漬け物にされちゃったってことです。
水を吸うことが出来ないどころか、内部の水まで吸い出されるわけですから……。
とうてい生きられません。
その後、「うみてらす名立」に行くことはありませんので……。
あの遊歩道がどうなってるかわかりませんが……。
もし、何回も植え直してるようなら……。
税金を潮水に流してるようなもんですよね。
お盆も終わり、夏も残りわずかとなりました。
夏の名残を噛みしめるように、お漬け物をかじってる今日このごろです。
ところでみなさん、お漬け物はお好きですか?
食べられないって人も、少なからずおられるみたいですね。
実はわたしも、浅漬けしか食べれません。
古漬けは苦手……。
さて、その浅漬けですが。
茄子や胡瓜の浅漬け、美味しいですよね。
色も綺麗だし。
特に、茄子の浅漬けは大好物。

茄子は、お味噌汁の具に入ったり、焼き茄子や麻婆茄子になったり、さまざまな料理で出てきますが……。
正直、あんまり好きではありません。
でも、浅漬けだけは別。
歯を滑るような皮の感触が、たまりません。
うちの母なんか、皮を食べずに出してしまいますが……。
バッカじゃなかろうかと思います。
皮が美味しいんじゃんね。
実はわたし、自分で浅漬けを漬けてたこともあるんです。
東京にいたころ。
漬物用の、出汁入りの塩を使ったり……。
鷹の爪を混ぜたり……。
工夫もしました。
味はまぁ……。
そこそこ。
売り物にはならんだろうけど……。
漬け物を炊きたてのご飯に載せて……。
水ぶっかけて食ってました。
おかずは、なーんも無しでしたね。
ビンボだったから。
さらに金の無いときには……。
麦食ってました。
麦飯に、漬け物だけ……。
たぶん、刑務所以下の食生活。
わたしのチチが発育しなかったのは、こんな食生活を送ってたからでしょうか……。
話が脱線してしまいました。
なにを書きたかったかと言うと……。
お漬け物を食べてると、思い出す風景があるんです。
何年か前、上越市の「うみてらす名立」という施設に行ったときのことです。

わたしが行ったのは、合併前の名立町(なだちまち)のころでしたけど。
「うみてらす名立」は、道の駅を兼ねた観光施設です。
「海テラス」の名のとおり、目の前が日本海。
堤防ぎわには、遊歩道も整備されてました。
で、その遊歩道に沿って、いろんな植物が植えられてたんですが……。
ほとんどが、枯れ果ててました。
哀れなほど。
遊歩道のロケーションを再確認して、納得しました。
わたしが行ったのは、5月ころで……。
遊歩道からは、エメラルド色に輝く穏やかな海が見えました。
けれど……。
わたしの脳裏には、冬の情景がありありと浮かんでました。
ジェロの歌う「海雪」を聞いて……。

冬の出雲崎を見ずに詩を書いたな、秋元康!
と思ったってことは、前にも書きました(211のコメント参照)。
冬の日本海に、雪が舞い落ちるなんてあり得ないって。
大陸からの季節風で、雪は横殴りに吹きつけるって。
その風に逆らって岸壁なんかに立ったら、髪の毛は総立ち、顔のシワがみんな伸びるほどだって。
名立も、同じですね。
波は、楽々と堤防を越えるはず……。
遊歩道は、直接波をかぶることになる……。
植物の株元を、潮水が洗うはずです。
遊歩道の植物が、全滅してるわけがわかりました。
塩害です。
ではなぜ、遊歩道の植物は枯れてしまったのか……。
それは、植物が水を吸う仕組みを考えるとわかります。
植物は、どうやって水を吸い上げているのでしょうか?
ポンプがあるわけじゃありませんよね。
浸透圧という用語、聞いたことありませんか?
浸透圧とは……。
濃度の異なる溶液が、半透膜に隔てられて接していた場合……。
溶液が、濃度の薄い方から濃い方へ移動しようとする圧力のことです。
それでは、半透膜とは何かというと……。
溶媒は通すけど溶質は通さない膜のことです。
溶媒ってのは、早い話、水とかの液体のことで……。
溶質ってのは、そこに溶けてる物質のことです。
溶質に溶媒が溶けてる状態を、溶液と云うわけですね。
ちなみに、溶質・溶媒の両方通すのを全透膜、両方通さないのは不透膜と云います。
で、生物の細胞ってのは、この半透膜になってるわけですね。
そんでもって、根の中の溶液は、土の中より、少しだけ濃度が高いんです。
そのため浸透圧が働き、水が根の中に吸い込まれるわけです。
これが、植物が水を吸う原理です。
ところが!
株元を波が洗うような状況になったらどうでしょう?
海水は、根の中よりも濃度が高いんです。
つまり、浸透圧による水の流れが逆転するんです。
根の中の水分は、土中に吸い出されることになります。
ここで、前回前降りしておいた漬け物を引っ張り出します。
野菜に塩をまぶしておくと……。
野菜の中から、水がいっぱい滲み出てきますよね。
これが、浸透圧の働きです。
野菜の外の濃度が高いため、内部の水分が吸い出されるんですね。
遊歩道の植物には、これと同じ現象が起きたわけです。
つまり、生きながら漬け物にされちゃったってことです。
水を吸うことが出来ないどころか、内部の水まで吸い出されるわけですから……。
とうてい生きられません。
その後、「うみてらす名立」に行くことはありませんので……。
あの遊歩道がどうなってるかわかりませんが……。
もし、何回も植え直してるようなら……。
税金を潮水に流してるようなもんですよね。