2009.7.11(土)
これは、231回で投稿したコメント「モクレンの話」を、「Mikiko's Garden」の1本として再録したものです。
思いっきり、季節外れですが。
モクレンの話をします。
普通にモクレンと言った場合は、紫色のモクレン、シモクレンを指すようです。
でも、白いモクレンを思い浮かべる方も多いんじゃないでしょうか?
正式な名前は、ハクモクレン。
今日のお話も、このハクモクレンの話。
わたしは、新しい環境に馴染むのがヘタで……。
新学期はいつも切ない思いで過ごしてたってことは、何度か書きました。
で、その時期に咲くソメイヨシノは、わたしにとって哀しい花だったって話も。
実は、もうひとつ、そんな気分で見上げていた花があります。
それが、ハクモクレン。
ソメイヨシノは、学校で咲いてたんだけど……。
ハクモクレンは、通学路で咲いてました。
新潟では、ソメイヨシノとハクモクレンは、ほぼ同じ時期に咲くんです。
通学途中、そこここの庭先で、ハクモクレンが咲いてました。
ソメイヨシノの透き通るような花が、頼りない気持ちにさせるのとは対照的に……。
ハクモクレンの花は、ぼってりと厚くて。
気持ちまで重たくなるようでした。

実は昔、家にも大きなハクモクレンの木があったんです。
父が植えた木でした。
春休みに、蕾がふくらんでくるのを見ると……。
また新学期が始まるんだって、気持ちが沈んでいったものです。
今、その木はありません。
東京で就職して、帰省したとき。
家の窓が妙に明るく感じた。
空が見えます。
空を覆っていたハクモクレンが、無くなってたんです。
母に尋ねると。
父が、植木屋を呼んで切らせてしまったとか。
いつか自分は、この木で首を括ることになる……。
父はそう言ったそうです。
そのころの父は、すでにアルコールが脳に回ってたようで、ときおり妙な言動をするようになってました。
突然、リスを飼い出したり。
自伝を書くといって、ノートを百冊も買ったり。
結局、リスも逃がしてしまい、ノートも白紙のまま死んでしまいましたけど。
ハクモクレンは苦手な花だったので……。
木が切られたと聞いても、「ふーん」というくらいの感じでした。
でも……。
なぜか今でも、夢に出て来るんです。
幻肢痛のようなものなのでしょうか……。
失われた手足が痛むように、切られた木が庭で痛んでるような……。
考えてみれば、立派な木だったんです。
幹は、人の首くらいの太さがありました。
花の時期は、屋根が真っ白に覆われたほど。
今でも、夜中にトイレに起きたときなんか……。
ふと小窓の外を覗いてみたりします。
あのハクモクレンが、大きく枝を広げてる気がして……。
思いっきり、季節外れですが。
モクレンの話をします。
普通にモクレンと言った場合は、紫色のモクレン、シモクレンを指すようです。
でも、白いモクレンを思い浮かべる方も多いんじゃないでしょうか?
正式な名前は、ハクモクレン。
今日のお話も、このハクモクレンの話。
わたしは、新しい環境に馴染むのがヘタで……。
新学期はいつも切ない思いで過ごしてたってことは、何度か書きました。
で、その時期に咲くソメイヨシノは、わたしにとって哀しい花だったって話も。
実は、もうひとつ、そんな気分で見上げていた花があります。
それが、ハクモクレン。
ソメイヨシノは、学校で咲いてたんだけど……。
ハクモクレンは、通学路で咲いてました。
新潟では、ソメイヨシノとハクモクレンは、ほぼ同じ時期に咲くんです。
通学途中、そこここの庭先で、ハクモクレンが咲いてました。
ソメイヨシノの透き通るような花が、頼りない気持ちにさせるのとは対照的に……。
ハクモクレンの花は、ぼってりと厚くて。
気持ちまで重たくなるようでした。

実は昔、家にも大きなハクモクレンの木があったんです。
父が植えた木でした。
春休みに、蕾がふくらんでくるのを見ると……。
また新学期が始まるんだって、気持ちが沈んでいったものです。
今、その木はありません。
東京で就職して、帰省したとき。
家の窓が妙に明るく感じた。
空が見えます。
空を覆っていたハクモクレンが、無くなってたんです。
母に尋ねると。
父が、植木屋を呼んで切らせてしまったとか。
いつか自分は、この木で首を括ることになる……。
父はそう言ったそうです。
そのころの父は、すでにアルコールが脳に回ってたようで、ときおり妙な言動をするようになってました。
突然、リスを飼い出したり。
自伝を書くといって、ノートを百冊も買ったり。
結局、リスも逃がしてしまい、ノートも白紙のまま死んでしまいましたけど。
ハクモクレンは苦手な花だったので……。
木が切られたと聞いても、「ふーん」というくらいの感じでした。
でも……。
なぜか今でも、夢に出て来るんです。
幻肢痛のようなものなのでしょうか……。
失われた手足が痛むように、切られた木が庭で痛んでるような……。
考えてみれば、立派な木だったんです。
幹は、人の首くらいの太さがありました。
花の時期は、屋根が真っ白に覆われたほど。
今でも、夜中にトイレに起きたときなんか……。
ふと小窓の外を覗いてみたりします。
あのハクモクレンが、大きく枝を広げてる気がして……。