2010.11.14(日)
戦前までの日本酒造りの進歩の過程は、一にかかって「精米技術の向上」にありました。
戦前の酒造業界においては、吟醸酒というのは概念のみ。実際には造りたくても造れなかったのです。
なぜなら、米粒を50%以下まで精米するという技術がなかったからです。
かつての精米とは、ご存知のように臼・杵などを用いる人力精米や、水車などを動力としたものでした。このような方法でしつこく精米作業を続ければ、米粒そのものが破壊されてしまいます。
で、明治末から大正、昭和初期にかけて、この国に徐々に電気・電気器具が導入されていきました。
酒造界でも、精米を電気(モーター)を用いた精米機によって行うようになり、見果てぬ夢でしかなかった、50%を下回る歩合の精米が現実に可能になっていきました。
そして、夢のまた夢、酒造界の積年の夢であった「吟醸酒」が、ようやく造りだされかけましたが……。
ここで戦争です。
明治27年(1894年)~28年の日清戦争(日本vs.中国)。
明治37年(1904年)~38年の日露戦争(日本vs.露西亜)。
大正3年(1914年)~7年の第一次世界大戦。
昭和11年(1936年)の2・26事件(日本の内戦)を経て、
昭和14年(1939年)~昭和20年(1945年)の第二次世界大戦;日本の参戦は昭和16年(1941年)~。
戦争のたびに国内事情は悪化し、生活物資が不足するようになっていきました。
酒造業界も例外ではありません。
日本酒の原材料は、米。
日本の主食です。
米を酒にするくらいなら、そのまま食べろ。嗜好品である酒などつくっている場合か、という時代になっていきました。
当然、米粒の半分以上も削り落として造ろうという吟醸酒など論外、ということになります。
数百年に亘り多くの酒造業者が夢み、手探りで模索し続け、やっと、ようやっと可能になろうとしていた「吟醸酒」の醸造。
それが戦争の歴史の中に埋もれていくことになりました。
それどころか、普通酒の醸造自体が、厳しい米供給の統制下、不可能になっていき、数多くの蔵元が廃業せざるを得ない時代でした。
米を削るどころではありません。
ほとんど生の玄米に等しい米粒で、細々と、かろうじて造り出され、日本酒の命脈を保っていたのが当時の日本酒だったのです。これが現在の、いわゆる普通酒の原点です
日本酒は、かつて一度滅びかけたのです。
朱鷺(トキ)や、信天翁(アホウドリ)や、日本狼のように……。
で、昭和20年の敗戦。
戦時中にもまして、酒造りどころではない時代になりました。
先日のMikikoさんのコメにある「カストリ焼酎」の時代です。
「吟醸? 寝惚けとるのか」という時代です。
戦時中よりさらに厳しいコメ不足の時代です。
で、当時の酒造業界にとっては大きな福音であり、未来の酒造業界の首を絞める政策が考え出されました。もちろん酒税を確保するためにですが……。
「増醸酒」の認可。これです。
増醸酒とは何か。
世界各地にアルコール飲料は多々存在しますが、すべて酵母菌によるアルコール発酵で生じたアルコール飲料です。当たり前のことです。
ところが、増醸酒とは、酵母菌により生じた本来のアルコールに、工業的に人工合成したアルコールを添加(これを「アル添」と略称します)、いわば工業用アルコールで本来の醸造アルコールを水増しした日本酒のことをいいます。
工業用アルコールには味も香りもありません(これはHQ、自ら味わっております)から、様々な添加物を加えて何とか味を調えていますが、日本酒嫌いの人が嫌うのは、まさにその味・香りなのです。この味・香りは、燗をつけると特に際立ちます。
燗酒は苦手、と言う人が多いのは当然のことです。
で、現在、市場に出回っている、日本酒と称するアルコール飲料の大多数が、この増醸酒なのです。
日本酒の客観的評価基準は二つある、と始めに申し上げました。
その第一は、Ⅰで述べましたように、原材料としての米の精米歩合(どれだけ米粒の外層を削り落とすか)でした。
で、日本酒の客観的評価基準の第二が、この「アル添」の有無です。
「アル添」をしない日本酒を「純米酒」、した日本酒を「アル添酒」といいます。
ただし,アル添酒メーカー(敢えて、蔵元と言う尊称は使いません)が、自らの製品を「アル添酒」と称することは絶対にない。彼らも、彼らの製品が、ごまかし日本酒であることを百も承知しているからです。
でも、心配要りません。
アル添酒のラベルの原材料表示には「醸造アルコール」と必ず書いてあります。
これを書かないと法律違反になります。
ですので、ラベルの記載をしっかり確認すれば、純米酒とアル添酒は簡単に区別できます。
『純米酒』と言う言葉は「原材料は米と米麹だけですよ」と言う意味ですが、例えば、ワインを「純葡萄ワイン」とか、ウィスキーを「純麦ウィスキー」なんて言うはずもありません。葡萄や麦以外の原材料など、絶対に用いないからです。
『純米酒』
こんなおかしな言葉で「これが本来の日本酒ですよ」と、謳わねばならないのが、日本酒界の現状であり、悲・喜劇なのです。
整理しましょう。
評価基準1:精米歩合……吟醸酒vs.普通酒
評価基準2:アル添の有無……純米酒vs.アル添酒
これを組み合わせると、
本来の日本酒=純米・吟醸酒
ごまかし日本酒=アル添・普通酒
ということになります。
ごまかし日本酒のメーカーは、我が製品、アル添・普通酒を「本醸造酒」「特選酒」「佳撰」「上撰」などなど、いかにも本物の日本酒であるかのように謳うが、これは、言葉のごまかし以外の何者でもない。
ラベルの銘柄名などに目を奪われちゃダメですよ。
「精米歩合&アル添の有無」
これをしっかり確認しましょう!
さらに「本来」と「ごまかし」の中間タイプがあることが問題を複雑にしています。
評価基準1、2をクロスさせます。
中間タイプその1、純米・普通酒。
これはわかりやすい。原材料としては米と米麹しか使っていないが、精米歩合がせいぜい70%くらいなので、到底、吟醸とはいえない日本酒です。
スーパーなどの酒売り場で見かける「純米酒」とか「米だけの酒」などと称する日本酒のほとんどがこれです。当然、美味しくない。
アル添酒のほうがまだまし、という笑えないケースがあるほどです。
でも、これは一応、ごまかし日本酒ではあるが、嘘は言っていないだけ、まだかわいい。
中間タイプその2、アル添・吟醸酒(なんじゃ、そりゃぁ)。
これです。これは許せん。
せっかくの吟醸に、何故アル添するのか。
メーカーはいろいろ言い訳めいたことを言いますが、所詮ごまかし。量を増やして儲けよう。これしか考えられません。
で。
究極のアル添・普通酒にいきましょう
三倍増醸酒!!!
出た! こいつや!!
普通酒を上回る、いや下回る、究極の悪酒(日本の恥)、
諸悪の根源(消費者を舐めとるのか)、
地獄の飲物(閻魔も怒るわ)。
普通の普通酒(なんちゅう日本語や)とどう違うか。
まず、アル添の量が桁外れに多い。何せ、量が3倍になるわけだからな。
それと、添加物の種類と量が凄まじい。
こいつは戦後すぐには「合成酒」とも言われました。ご・う・せ・い・しゅ(凄絶)。
HQ、親父に頭を小突かれて、この合成酒を近所の酒屋に買いに行かされました。
一升瓶を提げて……。昔は酒の量り売りがあったんです。
「豆狸(まめだ)が徳利持って、酒買いに♪……」。まさにこれですわ。
もう、これが嫌で嫌で。生涯、忘れられませんわ。
何がそんなに嫌だったかというと、
一つは「量り売り」で買うという惨めさ(ま、これはそう考える私が間違っとったがな、反省)。
もう一つは「合成酒、頂戴」と店先で言わねばならなかったこと。
"合成酒"という言葉のいかがわしさにHQ、耐えられなかったのだよ!!
おい! 三増酒メーカー!!
「醸」と言う漢字の読み方と意味を、お前らは知っとるのか。
「じょう」くらいはお前らのボケ頭でも読めるだろうが、訓では「かもす」と読むのだ。
この言葉に込めた、心ある蔵元や優れた杜氏(とうじ。日本酒造りの技術者集団のリーダー)の思いを、お前らは少しでも考えたことがあるのか!!
杜氏(とうじ)はもともと全てお百姓さんだ。
農作業のなくなる冬場の、出稼ぎとして始まったのが杜氏だ。
米を作ったことのない杜氏などおらん。
米は杜氏の子供だ。
そして、その米は稲の子供でもある。れっきとした生き物だ。
我が子を愛さぬ親がおるか!
我が子にも等しい米。
その米を、最大の感謝と畏敬の念を込めて、技術の限りを尽くして極限まで削り、
酒造りの同志とも言うべき米麹や酵母菌(彼らも立派な生き物だ)を心から慈しみ、
朝もなく昼もなく、夜もなく夜中もなく、微妙なバランスを保って営々と続く発酵過程を見守り、時に暴走しようとする酵母の手綱を絞り、時に萎えかける酵母を叱咤激励し……。
心身ともに痩せ細るような、大変な思いをして醸し出されるのが吟醸酒だ。
「吟醸」とはこういうことだ。
三増メーカー。わかっとるのか。
たしかに、米の国内自給率は、国の減反政策で下降の一途をたどっておる。
しかし、戦中・戦後の米不足の時代ならいざしらず、今の飽食の時代に何の三増だ!!
お前らのやっとることは悪魔の飽食だ!!
知っておるぞ。
お前らが、酒に何を添加しておるか。
醸造用アルコール?
んなこた、わかっとるわい。いったいどれほどの量を添加しとるのだ!
お、せや。
「醸造用」と言う言葉もごまかしやないか。
「工業用」アルコール、または「実験室用」アルコールと言わんかい!!
工業用アルコール以外の添加物。
アル添量が桁違いなだけに、お前らも苦労しとるの。
まず、ブドウ糖(出来上がった酒に原材料を添加してどうする!)。
次に、水あめ(原材料はサツマイモだろうが。お前らの作っておるのは芋焼酎か! 芋焼酎メーカーさん、ごめん)。
さらに、乳酸(お前らは漬物を作っとるのか!)。
ほんでもって、グルタミン酸ソーダ!!
これや!
味の素の主成分やないか!!
味の素を貶めるわけではないが、お前らは、我が子にも等しい酒に、化学調味料を添加して何も感じんのか!!!
世の中に、吟醸酒という存在があるのを、お前らは敢えて無視しておるのか。
そら、まあ。まともな神経なら、お前らの立場で吟醸を正視することは出来んわな。
至高の酒、純米・大吟醸酒。
お前らの糞酒・三増酒など、足元どころか、3里向こうの風下にも寄れんわ。
同じ「醸」や「酒」と言う言葉すら使うな、と言いたい
まだまだ、言えと言うなら何ぼでも言うぞ。
文句あるならかかって来い! 糞酒メーカー!!
HQ、いつでも受けて立つぞ!
戦中・戦後はいざ知らず。
この時代になって、いまだに三増酒を造る神経は全く理解できんわ。
灘だ伏見だ、丸だ四角だと宣(のたま)っておるが、やっていることは自らの首を絞めるのみならず、日本酒そのものの未来を滅ぼすも同然だ。
いずれお前らは破綻するやろ。それはお前らの勝手や。
しかし、日本酒の未来を道連れにすることは許さん!!
皆さん! 以上の添加物は、三増酒のラベルに書いてありますからね(書かないと法律違反)。しっかり確認してね。
全ての日本酒が純米・吟醸酒になれば、日本酒の未来は明るいと思います。
吟醸ももっと安くなるでしょう。
が、現状はこのように悲惨なものです。
現在、本物の日本酒のほとんどは、いわゆる地方の蔵元が、細々と(失礼!)造っておられる、いわゆる地酒です。
地酒ブームと言われて久しいですが……。まだまだ、営業的には厳しいと思います。
日本酒の原点は、700年頃に造られ始めた「口嚼ノ酒(くちかみのさけ)」ではないか、とされています。
これは、人が口内で噛み砕いた米飯を容器に吐き出し、自然発酵させた酒のことです。
多くは女性、特に処女が行ったそうです。
う~~む。ワインもそうだが、バッカスは処女がお好みか。
ま、おっさんの噛み砕いた酒など誰も飲まんわな。
以来、営々と造られてきた日本酒。その未来は、もうないのかもしれません。
ただ、大手メーカーを一言、擁護しておけば(したくはないが)、アル添酒、三倍増醸酒というごまかし日本酒がつくられるようになったきっかけは、上述しましたように、戦中・戦後の米不足にあります。
当時の蔵元(ここでは蔵元といわせてもらおう)は、米の絶対的な不足と、軍の厳しい統制下で、何とか酒を造り続けたい、と言う切実な思いから、いわば断腸の思いで粗悪な普通酒を造り続け、未来に希望を託したのでしょう。
今の大手メーカーには、この彼らの希望に思いを馳せてもらいたい。
全てを戦争のせいにして現状を糊塗し、未来に目をつぶるのはもうやめませんか。
日本酒は、少なくとも1300年以上の伝統をもつ、日本が世界に誇りうる食文化なのですから。
戦前の酒造業界においては、吟醸酒というのは概念のみ。実際には造りたくても造れなかったのです。
なぜなら、米粒を50%以下まで精米するという技術がなかったからです。
かつての精米とは、ご存知のように臼・杵などを用いる人力精米や、水車などを動力としたものでした。このような方法でしつこく精米作業を続ければ、米粒そのものが破壊されてしまいます。
で、明治末から大正、昭和初期にかけて、この国に徐々に電気・電気器具が導入されていきました。
酒造界でも、精米を電気(モーター)を用いた精米機によって行うようになり、見果てぬ夢でしかなかった、50%を下回る歩合の精米が現実に可能になっていきました。
そして、夢のまた夢、酒造界の積年の夢であった「吟醸酒」が、ようやく造りだされかけましたが……。
ここで戦争です。
明治27年(1894年)~28年の日清戦争(日本vs.中国)。
明治37年(1904年)~38年の日露戦争(日本vs.露西亜)。
大正3年(1914年)~7年の第一次世界大戦。
昭和11年(1936年)の2・26事件(日本の内戦)を経て、
昭和14年(1939年)~昭和20年(1945年)の第二次世界大戦;日本の参戦は昭和16年(1941年)~。
戦争のたびに国内事情は悪化し、生活物資が不足するようになっていきました。
酒造業界も例外ではありません。
日本酒の原材料は、米。
日本の主食です。
米を酒にするくらいなら、そのまま食べろ。嗜好品である酒などつくっている場合か、という時代になっていきました。
当然、米粒の半分以上も削り落として造ろうという吟醸酒など論外、ということになります。
数百年に亘り多くの酒造業者が夢み、手探りで模索し続け、やっと、ようやっと可能になろうとしていた「吟醸酒」の醸造。
それが戦争の歴史の中に埋もれていくことになりました。
それどころか、普通酒の醸造自体が、厳しい米供給の統制下、不可能になっていき、数多くの蔵元が廃業せざるを得ない時代でした。
米を削るどころではありません。
ほとんど生の玄米に等しい米粒で、細々と、かろうじて造り出され、日本酒の命脈を保っていたのが当時の日本酒だったのです。これが現在の、いわゆる普通酒の原点です
日本酒は、かつて一度滅びかけたのです。
朱鷺(トキ)や、信天翁(アホウドリ)や、日本狼のように……。
で、昭和20年の敗戦。
戦時中にもまして、酒造りどころではない時代になりました。
先日のMikikoさんのコメにある「カストリ焼酎」の時代です。
「吟醸? 寝惚けとるのか」という時代です。
戦時中よりさらに厳しいコメ不足の時代です。
で、当時の酒造業界にとっては大きな福音であり、未来の酒造業界の首を絞める政策が考え出されました。もちろん酒税を確保するためにですが……。
「増醸酒」の認可。これです。
増醸酒とは何か。
世界各地にアルコール飲料は多々存在しますが、すべて酵母菌によるアルコール発酵で生じたアルコール飲料です。当たり前のことです。
ところが、増醸酒とは、酵母菌により生じた本来のアルコールに、工業的に人工合成したアルコールを添加(これを「アル添」と略称します)、いわば工業用アルコールで本来の醸造アルコールを水増しした日本酒のことをいいます。
工業用アルコールには味も香りもありません(これはHQ、自ら味わっております)から、様々な添加物を加えて何とか味を調えていますが、日本酒嫌いの人が嫌うのは、まさにその味・香りなのです。この味・香りは、燗をつけると特に際立ちます。
燗酒は苦手、と言う人が多いのは当然のことです。
で、現在、市場に出回っている、日本酒と称するアルコール飲料の大多数が、この増醸酒なのです。
日本酒の客観的評価基準は二つある、と始めに申し上げました。
その第一は、Ⅰで述べましたように、原材料としての米の精米歩合(どれだけ米粒の外層を削り落とすか)でした。
で、日本酒の客観的評価基準の第二が、この「アル添」の有無です。
「アル添」をしない日本酒を「純米酒」、した日本酒を「アル添酒」といいます。
ただし,アル添酒メーカー(敢えて、蔵元と言う尊称は使いません)が、自らの製品を「アル添酒」と称することは絶対にない。彼らも、彼らの製品が、ごまかし日本酒であることを百も承知しているからです。
でも、心配要りません。
アル添酒のラベルの原材料表示には「醸造アルコール」と必ず書いてあります。
これを書かないと法律違反になります。
ですので、ラベルの記載をしっかり確認すれば、純米酒とアル添酒は簡単に区別できます。
『純米酒』と言う言葉は「原材料は米と米麹だけですよ」と言う意味ですが、例えば、ワインを「純葡萄ワイン」とか、ウィスキーを「純麦ウィスキー」なんて言うはずもありません。葡萄や麦以外の原材料など、絶対に用いないからです。
『純米酒』
こんなおかしな言葉で「これが本来の日本酒ですよ」と、謳わねばならないのが、日本酒界の現状であり、悲・喜劇なのです。
整理しましょう。
評価基準1:精米歩合……吟醸酒vs.普通酒
評価基準2:アル添の有無……純米酒vs.アル添酒
これを組み合わせると、
本来の日本酒=純米・吟醸酒
ごまかし日本酒=アル添・普通酒
ということになります。
ごまかし日本酒のメーカーは、我が製品、アル添・普通酒を「本醸造酒」「特選酒」「佳撰」「上撰」などなど、いかにも本物の日本酒であるかのように謳うが、これは、言葉のごまかし以外の何者でもない。
ラベルの銘柄名などに目を奪われちゃダメですよ。
「精米歩合&アル添の有無」
これをしっかり確認しましょう!
さらに「本来」と「ごまかし」の中間タイプがあることが問題を複雑にしています。
評価基準1、2をクロスさせます。
中間タイプその1、純米・普通酒。
これはわかりやすい。原材料としては米と米麹しか使っていないが、精米歩合がせいぜい70%くらいなので、到底、吟醸とはいえない日本酒です。
スーパーなどの酒売り場で見かける「純米酒」とか「米だけの酒」などと称する日本酒のほとんどがこれです。当然、美味しくない。
アル添酒のほうがまだまし、という笑えないケースがあるほどです。
でも、これは一応、ごまかし日本酒ではあるが、嘘は言っていないだけ、まだかわいい。
中間タイプその2、アル添・吟醸酒(なんじゃ、そりゃぁ)。
これです。これは許せん。
せっかくの吟醸に、何故アル添するのか。
メーカーはいろいろ言い訳めいたことを言いますが、所詮ごまかし。量を増やして儲けよう。これしか考えられません。
で。
究極のアル添・普通酒にいきましょう
三倍増醸酒!!!
出た! こいつや!!
普通酒を上回る、いや下回る、究極の悪酒(日本の恥)、
諸悪の根源(消費者を舐めとるのか)、
地獄の飲物(閻魔も怒るわ)。
普通の普通酒(なんちゅう日本語や)とどう違うか。
まず、アル添の量が桁外れに多い。何せ、量が3倍になるわけだからな。
それと、添加物の種類と量が凄まじい。
こいつは戦後すぐには「合成酒」とも言われました。ご・う・せ・い・しゅ(凄絶)。
HQ、親父に頭を小突かれて、この合成酒を近所の酒屋に買いに行かされました。
一升瓶を提げて……。昔は酒の量り売りがあったんです。
「豆狸(まめだ)が徳利持って、酒買いに♪……」。まさにこれですわ。
もう、これが嫌で嫌で。生涯、忘れられませんわ。
何がそんなに嫌だったかというと、
一つは「量り売り」で買うという惨めさ(ま、これはそう考える私が間違っとったがな、反省)。
もう一つは「合成酒、頂戴」と店先で言わねばならなかったこと。
"合成酒"という言葉のいかがわしさにHQ、耐えられなかったのだよ!!
おい! 三増酒メーカー!!
「醸」と言う漢字の読み方と意味を、お前らは知っとるのか。
「じょう」くらいはお前らのボケ頭でも読めるだろうが、訓では「かもす」と読むのだ。
この言葉に込めた、心ある蔵元や優れた杜氏(とうじ。日本酒造りの技術者集団のリーダー)の思いを、お前らは少しでも考えたことがあるのか!!
杜氏(とうじ)はもともと全てお百姓さんだ。
農作業のなくなる冬場の、出稼ぎとして始まったのが杜氏だ。
米を作ったことのない杜氏などおらん。
米は杜氏の子供だ。
そして、その米は稲の子供でもある。れっきとした生き物だ。
我が子を愛さぬ親がおるか!
我が子にも等しい米。
その米を、最大の感謝と畏敬の念を込めて、技術の限りを尽くして極限まで削り、
酒造りの同志とも言うべき米麹や酵母菌(彼らも立派な生き物だ)を心から慈しみ、
朝もなく昼もなく、夜もなく夜中もなく、微妙なバランスを保って営々と続く発酵過程を見守り、時に暴走しようとする酵母の手綱を絞り、時に萎えかける酵母を叱咤激励し……。
心身ともに痩せ細るような、大変な思いをして醸し出されるのが吟醸酒だ。
「吟醸」とはこういうことだ。
三増メーカー。わかっとるのか。
たしかに、米の国内自給率は、国の減反政策で下降の一途をたどっておる。
しかし、戦中・戦後の米不足の時代ならいざしらず、今の飽食の時代に何の三増だ!!
お前らのやっとることは悪魔の飽食だ!!
知っておるぞ。
お前らが、酒に何を添加しておるか。
醸造用アルコール?
んなこた、わかっとるわい。いったいどれほどの量を添加しとるのだ!
お、せや。
「醸造用」と言う言葉もごまかしやないか。
「工業用」アルコール、または「実験室用」アルコールと言わんかい!!
工業用アルコール以外の添加物。
アル添量が桁違いなだけに、お前らも苦労しとるの。
まず、ブドウ糖(出来上がった酒に原材料を添加してどうする!)。
次に、水あめ(原材料はサツマイモだろうが。お前らの作っておるのは芋焼酎か! 芋焼酎メーカーさん、ごめん)。
さらに、乳酸(お前らは漬物を作っとるのか!)。
ほんでもって、グルタミン酸ソーダ!!
これや!
味の素の主成分やないか!!
味の素を貶めるわけではないが、お前らは、我が子にも等しい酒に、化学調味料を添加して何も感じんのか!!!
世の中に、吟醸酒という存在があるのを、お前らは敢えて無視しておるのか。
そら、まあ。まともな神経なら、お前らの立場で吟醸を正視することは出来んわな。
至高の酒、純米・大吟醸酒。
お前らの糞酒・三増酒など、足元どころか、3里向こうの風下にも寄れんわ。
同じ「醸」や「酒」と言う言葉すら使うな、と言いたい
まだまだ、言えと言うなら何ぼでも言うぞ。
文句あるならかかって来い! 糞酒メーカー!!
HQ、いつでも受けて立つぞ!
戦中・戦後はいざ知らず。
この時代になって、いまだに三増酒を造る神経は全く理解できんわ。
灘だ伏見だ、丸だ四角だと宣(のたま)っておるが、やっていることは自らの首を絞めるのみならず、日本酒そのものの未来を滅ぼすも同然だ。
いずれお前らは破綻するやろ。それはお前らの勝手や。
しかし、日本酒の未来を道連れにすることは許さん!!
皆さん! 以上の添加物は、三増酒のラベルに書いてありますからね(書かないと法律違反)。しっかり確認してね。
全ての日本酒が純米・吟醸酒になれば、日本酒の未来は明るいと思います。
吟醸ももっと安くなるでしょう。
が、現状はこのように悲惨なものです。
現在、本物の日本酒のほとんどは、いわゆる地方の蔵元が、細々と(失礼!)造っておられる、いわゆる地酒です。
地酒ブームと言われて久しいですが……。まだまだ、営業的には厳しいと思います。
日本酒の原点は、700年頃に造られ始めた「口嚼ノ酒(くちかみのさけ)」ではないか、とされています。
これは、人が口内で噛み砕いた米飯を容器に吐き出し、自然発酵させた酒のことです。
多くは女性、特に処女が行ったそうです。
う~~む。ワインもそうだが、バッカスは処女がお好みか。
ま、おっさんの噛み砕いた酒など誰も飲まんわな。
以来、営々と造られてきた日本酒。その未来は、もうないのかもしれません。
ただ、大手メーカーを一言、擁護しておけば(したくはないが)、アル添酒、三倍増醸酒というごまかし日本酒がつくられるようになったきっかけは、上述しましたように、戦中・戦後の米不足にあります。
当時の蔵元(ここでは蔵元といわせてもらおう)は、米の絶対的な不足と、軍の厳しい統制下で、何とか酒を造り続けたい、と言う切実な思いから、いわば断腸の思いで粗悪な普通酒を造り続け、未来に希望を託したのでしょう。
今の大手メーカーには、この彼らの希望に思いを馳せてもらいたい。
全てを戦争のせいにして現状を糊塗し、未来に目をつぶるのはもうやめませんか。
日本酒は、少なくとも1300年以上の伝統をもつ、日本が世界に誇りうる食文化なのですから。
コメント一覧
-
––––––
1. Mikiko- 2010/11/16 08:02
-
新潟の弥彦村で作られる「弥彦愛国」は……。
古代米「愛国」を、55%まで削った純米吟醸酒。
今まで、削った米粉の使い道はありませんでしたが……。
この度、この米粉を使った、おせんべいが開発されたそうです。
ちょっと、食べてみたいですね。
-
––––––
2. ハーレクイン- 2010/11/16 10:53
-
飲んでみたいが、
新潟以外には出回ってないでしょうねぇ。
削った米粉でせんべいを作るというのは、
聞いたことがあります。
ワンガリ・マータイさんの「もったいない」精神そのものですね。
許せんのは、
削った米粉をブドウ糖に変え(そういう機械があるそうな)、これで酒をつくろうという輩がおるそうです。
三増酒より悪辣なこの企み。
許せん!(怒)
ったく、“悪知恵”とはよういうた。
-
––––––
3. Mikiko- 2010/11/16 19:44
-
新潟市のお酒屋さんが、ネット販売してました。
http://www.tasai-jizake.com/SHOP/yahiko23.html
四合瓶で、2,400円(高けー!)。
弥彦愛国の粕取り焼酎もあるようです。
http://www.tasai-jizake.com/SHOP/yahiko16.html
-
––––––
4. ハーレクイン- 2010/11/16 23:05
-
4合瓶1本、2400円。
1合当たり600円か。
ま、確かに高いが……
寒梅の粕取り焼酎。
同じく4合瓶1本、2万円、に比べればお安いもんですぜ、お客さん。
吟醸の価格は、最低このくらいはします。
弥彦愛国。飲んでみるかな。
Wikiによると、愛国はコシヒカリやササニシキの遠い先祖に当たるそうですね。
-
––––––
5. ハーレクイン- 2010/11/19 06:12
-
え~。
Mikikoさん。
本文、60~61行目
「いわば工業用アルコールで本来の醸造アルコールを水増しした日本酒のことをいいます。」
これから、
『醸造』の語を削除していただきたいのですが。
「醸造アルコール」の語は、添加用のアルコールという意味が大きいので……。
この語は、本来は、酵母菌が作り出したアルコール、と言う意味や!
ほんまに腹立たしい!!
お手数ですが宜しくお願いします。
-
––––––
6. Mikiko- 2010/11/19 06:28
-
削除したように見えないので、『醸造』の語自体を取り去りました。
-
––––––
7. ハーレクイン- 2010/11/19 06:36
-
有り難う御座います。
-
––––––
8. ハーレクイン- 2011/01/04 17:43
-
え~~。
Mikikoさん。
またまたすみません。
本文、下から55~56行目、
『さらにさらに、コハク酸(アミノ酸じゃねえか。雑味の素を添加してどうする!)。』
この2行を削除して頂きたいのですが。
うっかりしてました。
コハク酸は、有機酸という物質の一種で、アミノ酸ではありません。
ま、とんでもない添加物であることに変わりはないんですけどね。あまり上手い罵りを思いつきませんので。
お手数ですが、宜しくお願いします。
-
––––––
9. Mikiko- 2011/01/04 19:48
-
訂正線だと鬱陶しいので、行ごと削りました。
-
––––––
10. ハーレクイン- 2011/01/05 09:53
-
有り難う御座います。
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11.- 2012/01/11 05:22
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海外ではアル添の日本酒!?は醸造酒では無くリキュール扱いになるそうですね(笑)
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12. ハーレクイン- 2012/01/11 11:42
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以下、879回の私のコメの引き写しですが……。
「私が何故、アル添をここまで忌み嫌うのかと申しますと、世界レベルでの酒の定義では、アル添酒は『リキュール』の範疇に含まれるからなのです。
リキュールとは、蒸留酒に果汁やハーブなどの『副材料を添加』した酒類、と定義されます。
つまり、『酵母菌のアルコール発酵によって得た本来の酒類』としては扱われないのです。
ここなのですよ。
仮にアル添によって“より良い酒”ができたとしても、それはもはや、『米と水のみを原材料とする本来の日本酒』ではないのです」
といいうことで、本物の日本酒は純米です。
純米吟醸を飲みましょー。
ところで「夜の訪問者」さん。
Mikiko’s Roomでは、ハンドルを入れないで投稿されると、自動的に“夜の訪問者”というネームで掲載される仕組みになっています。
「夜の訪問者」さんは“本物の”夜の訪問者さんですか、それとも“HN入れなかった”訪問者さんですか(笑)。