2010.11.14(日)
ん?
麹黴(コウジカビ)?
なんやそれ??
次に、世界でも類を見ない、日本酒独特の醸造法の話です。
世界の酒を、原材料は何か、という観点で分類したした場合、
「果実酒」と「穀物酒」に大別できます。
果実酒の代表がワイン、穀物酒のそれがウィスキー、日本酒などです。
まず、果実酒。
果実(ワインの場合は葡萄)の主成分はブドウ糖です。
アルコール発酵という化学反応の基質(反応の材料)は、まさにこのブドウ糖です。
そして、果実としての葡萄の表面には、もともと野生の酵母菌が付着しています。
ですから、葡萄を押し潰し、そのまま、雑菌の混入しない適切な容器に保存しておけば、それだけでワインが出来ます。
その昔は、清純な乙女・処女(むふっ)が、桶に入れた葡萄を素足で踏み潰したそうです(私も踏んで、アホ!)。
果実酒の造り方の原理は実に簡単です。
ワインを貶めるつもりは全くありませんが。
穀物酒の場合は少し厄介です。
稲・麦・トウモロコシが世界の三大穀物であり、三大主食でもありますが、その主成分がデンプンであることは共通です。
酵母菌は、デンプンを直接アルコール発酵に用いることは、出来ません。ブドウ糖オンリーなんです。
したがって、穀物酒の製造は、醸造過程(アルコール発酵)に入る前の原材料処理として、主成分のデンプンを、ブドウ糖に変化させておく、という作業が不可欠になります。
トウモロコシの場合は、ややこしいので省きます。マヤ・インカの皆さん。御免。
ウイスキーやビールなどの原材料、大麦の場合は簡単です。
ウィスキーを貶めてはいませんよ。
麦類の「胚」(覚えてますぅ。植物の胎児ですよ)を「麦芽」といいます。
で、発芽が始まった麦粒では、この麦芽が、アミラーゼという酵素を大量に合成し、胚乳の主成分であるデンプンをどんどんブドウ糖に変えていきます。
ですから、麦粒全体をすりつぶせば、自然に多量のブドウ糖が生じますので、そこに酵母菌を添加してやれば、アルコール発酵が始まります。
このような、麦を原材料とする穀物酒(ウィスキー、ビールなど)のラベルには、原材料名としてモルト(麦芽)という記載が必ずあります
さあて、我が酒、日本酒。
これは非常に厄介です。
玄米であれ白米であれ、デンプンをブドウ糖に変えてくれる酵素アミラーゼは、含みません。
ですから、米粒をただ放って置いただけでは、または葡萄や麦粒のように磨り潰したとしても、何もおこらないのです。
そこで麹黴(コウジカビ);米麹(コメコウジともいいます)の出番。
精米過程を終えた米粒に、まず水を吸わせます。
どの程度吸水させるか。この判断が、その後の出来に大きく影響します。杜氏の腕の見せ所の一つですね。この段階で失敗すれば、全てアウトです。
で、吸水させた米粒に、米麹を振りかけます。
米麹は、自らが生きるために、大量のアミラーゼを合成して、米粒に含まれるデンプンを、どんどんブドウ糖に変えていきます。
ここで、タイミングを計って、米粒&米麹に、酵母菌を混入します。すると、
米麹による、デンプン→ブドウ糖という化学反応と、
酵母菌による、ブドウ糖→エタノールという化学反応(つまりアルコール発酵)が、同時進行で進行し(なんちゅう日本語や!)、めでたく、我が日本酒が生じるわけです。
これらの過程を平行並行複発酵といい、世界でも類を見ない、極めて微妙で洗練された醸造法です。
日本酒の原材料名には、必ず「米」「米麹」とあります。どんなしょうもない普通酒といえど、この記載のない日本酒はありません。米麹は、厳密には原材料とはいえませんが、コウジカビに敬意を表して(ほんまかいな)、このような表記が成されます。
麹黴(コウジカビ)?
なんやそれ??
次に、世界でも類を見ない、日本酒独特の醸造法の話です。
世界の酒を、原材料は何か、という観点で分類したした場合、
「果実酒」と「穀物酒」に大別できます。
果実酒の代表がワイン、穀物酒のそれがウィスキー、日本酒などです。
まず、果実酒。
果実(ワインの場合は葡萄)の主成分はブドウ糖です。
アルコール発酵という化学反応の基質(反応の材料)は、まさにこのブドウ糖です。
そして、果実としての葡萄の表面には、もともと野生の酵母菌が付着しています。
ですから、葡萄を押し潰し、そのまま、雑菌の混入しない適切な容器に保存しておけば、それだけでワインが出来ます。
その昔は、清純な乙女・処女(むふっ)が、桶に入れた葡萄を素足で踏み潰したそうです(私も踏んで、アホ!)。
果実酒の造り方の原理は実に簡単です。
ワインを貶めるつもりは全くありませんが。
穀物酒の場合は少し厄介です。
稲・麦・トウモロコシが世界の三大穀物であり、三大主食でもありますが、その主成分がデンプンであることは共通です。
酵母菌は、デンプンを直接アルコール発酵に用いることは、出来ません。ブドウ糖オンリーなんです。
したがって、穀物酒の製造は、醸造過程(アルコール発酵)に入る前の原材料処理として、主成分のデンプンを、ブドウ糖に変化させておく、という作業が不可欠になります。
トウモロコシの場合は、ややこしいので省きます。マヤ・インカの皆さん。御免。
ウイスキーやビールなどの原材料、大麦の場合は簡単です。
ウィスキーを貶めてはいませんよ。
麦類の「胚」(覚えてますぅ。植物の胎児ですよ)を「麦芽」といいます。
で、発芽が始まった麦粒では、この麦芽が、アミラーゼという酵素を大量に合成し、胚乳の主成分であるデンプンをどんどんブドウ糖に変えていきます。
ですから、麦粒全体をすりつぶせば、自然に多量のブドウ糖が生じますので、そこに酵母菌を添加してやれば、アルコール発酵が始まります。
このような、麦を原材料とする穀物酒(ウィスキー、ビールなど)のラベルには、原材料名としてモルト(麦芽)という記載が必ずあります
さあて、我が酒、日本酒。
これは非常に厄介です。
玄米であれ白米であれ、デンプンをブドウ糖に変えてくれる酵素アミラーゼは、含みません。
ですから、米粒をただ放って置いただけでは、または葡萄や麦粒のように磨り潰したとしても、何もおこらないのです。
そこで麹黴(コウジカビ);米麹(コメコウジともいいます)の出番。
精米過程を終えた米粒に、まず水を吸わせます。
どの程度吸水させるか。この判断が、その後の出来に大きく影響します。杜氏の腕の見せ所の一つですね。この段階で失敗すれば、全てアウトです。
で、吸水させた米粒に、米麹を振りかけます。
米麹は、自らが生きるために、大量のアミラーゼを合成して、米粒に含まれるデンプンを、どんどんブドウ糖に変えていきます。
ここで、タイミングを計って、米粒&米麹に、酵母菌を混入します。すると、
米麹による、デンプン→ブドウ糖という化学反応と、
酵母菌による、ブドウ糖→エタノールという化学反応(つまりアルコール発酵)が、同時進行で進行し(なんちゅう日本語や!)、めでたく、我が日本酒が生じるわけです。
これらの過程を
日本酒の原材料名には、必ず「米」「米麹」とあります。どんなしょうもない普通酒といえど、この記載のない日本酒はありません。米麹は、厳密には原材料とはいえませんが、コウジカビに敬意を表して(ほんまかいな)、このような表記が成されます。