2015.3.13(金)
美弥子がホースを向けた。
「うわっ」
顔面に水を浴びた涼太は、鯉のように口をパクパクさせた。
「美弥ちゃん、服にかけて」
由美は、水流を浴びたTシャツを擦ってみたが、粘土質の庭土は落ちそうもなかった。
「ダメだわ。
取れない。
よし。
みんなでお風呂行こう。
美弥ちゃん、水止めて」
美弥子は散水ノズルの先端を回し、止水した。
「いいよ、巻かなくて。
それは、後で仕舞おう。
ちょっと、涼くん!
暴れないで。
美弥ちゃん、そっちからも捕まえて」
ホースを置いた美弥子が、反対側から涼太を捕まえる。
涼太は、捕まった宇宙人の姿で風呂場に連行された。
「また床を掃除しなきゃならないじゃない。
早く脱いで」
「やだよ。
なんで僕だけ脱ぐの」
「もちろん、わたしたちも脱ぐわよ。
着たままお風呂に入れないでしょ。
美弥ちゃん、早く脱いじゃお。
雫が滴って、床がビショビショになっちゃう」
由美は、亮太を美弥子に預けた。
ジャージのファスナーを下ろすと、肌に纏わりつく布地を引き抜く。
洗濯機に放りこむ。
ジャージの下のTシャツまで水浸しだ。
肌にぴったり貼り付いている。
頭から抜き取る。
脱ぎ出した由美を見た涼太は、再び暴れ始めた。
しかし、美弥子に抱きとめられていては、身動きもままならない。
ジャージのズボンを踏み脱ぎ、洗濯機に放る。
ブラを外し、ショーツを捲り下ろす。
涼太は、美弥子に抱えられたまま、あらぬ方を向いていた。
案外紳士なのか、恥ずかしがりやなのか……。
いずれにしても、マセていることだけは確かだった。
「うわっ」
顔面に水を浴びた涼太は、鯉のように口をパクパクさせた。
「美弥ちゃん、服にかけて」
由美は、水流を浴びたTシャツを擦ってみたが、粘土質の庭土は落ちそうもなかった。
「ダメだわ。
取れない。
よし。
みんなでお風呂行こう。
美弥ちゃん、水止めて」
美弥子は散水ノズルの先端を回し、止水した。
「いいよ、巻かなくて。
それは、後で仕舞おう。
ちょっと、涼くん!
暴れないで。
美弥ちゃん、そっちからも捕まえて」
ホースを置いた美弥子が、反対側から涼太を捕まえる。
涼太は、捕まった宇宙人の姿で風呂場に連行された。
「また床を掃除しなきゃならないじゃない。
早く脱いで」
「やだよ。
なんで僕だけ脱ぐの」
「もちろん、わたしたちも脱ぐわよ。
着たままお風呂に入れないでしょ。
美弥ちゃん、早く脱いじゃお。
雫が滴って、床がビショビショになっちゃう」
由美は、亮太を美弥子に預けた。
ジャージのファスナーを下ろすと、肌に纏わりつく布地を引き抜く。
洗濯機に放りこむ。
ジャージの下のTシャツまで水浸しだ。
肌にぴったり貼り付いている。
頭から抜き取る。
脱ぎ出した由美を見た涼太は、再び暴れ始めた。
しかし、美弥子に抱きとめられていては、身動きもままならない。
ジャージのズボンを踏み脱ぎ、洗濯機に放る。
ブラを外し、ショーツを捲り下ろす。
涼太は、美弥子に抱えられたまま、あらぬ方を向いていた。
案外紳士なのか、恥ずかしがりやなのか……。
いずれにしても、マセていることだけは確かだった。
コメント一覧
-
––––––
1. Mikiko- 2015/03/13 07:31
-
み「そもそも、指の幅を元にするなんて、おかしいんだよ」
http://blog-imgs-79.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20150308100934936.jpg
み「人によって違うんだから。
ていうか、どの指かによっても違うでしょ。
小指と親指じゃ、大違いじゃない」
http://blog-imgs-79.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20150308100937fc2.jpg
律「たぶん、指を揃えてあてて……。
人差し指から小指までの幅の3倍だったんじゃないの?」
http://blog-imgs-79.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201503081009356c7.jpg
律「4本の指の3倍だから、12本分ってことよ。
人差し指から小指までの幅を言い表す言葉が無かったから……。
そういう表現になったんじゃないかしら?」
み「あ、わかったぞ。
医者の指じゃないんじゃない?」
http://blog-imgs-79.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20150308100905561.jpg
律「じゃ、誰の指よ?」
み「その十二指腸の持ち主の指よ。
持ち主の手を持って、十二指腸に当てたんだ」
律「それは、無理でしょ」
み「なんでよ?
お腹なんだから、届くでしょ」
律「十二指腸って名前が付いたときは……。
生きた人間のお腹を開いて見てたわけじゃないでしょ」
み「なんで?」
律「最初は、解剖よ」
み「おー、腑分けってやつですな」
http://blog-imgs-79.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20150308100904cc8.jpg
-
––––––
2. Mikiko- 2015/03/13 07:33
-
律「つまり、ご遺体なわけ。
硬直してるから、手をお腹まで持っていくなんて、無理な話」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130727193154d3d.jpg
み「あ、そうか……。
いい考えだと思ったんだけどな。
十二指腸は、持ち主の指12本の幅だって」
律「太ったり痩せたりすれば、指の幅も変わるでしょ」
み「あ、そうそう。
結婚指輪が抜けなくなったりするもんね」
http://blog-imgs-79.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20150308100906070.jpg
律「太ると、十二指腸が伸びるわけじゃないでしょ」
み「だよな。
でも、ぜったいアバウトですよ。
指12本幅なんて」
律「だいたい、そのくらいの長さの器官ですって目安じゃないの」
http://blog-imgs-79.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201503081009025cd.jpg
み「そんならさ。
ほかの腸は、どうして指で測らないの?
全部の腸を指で測って、これは三十六指腸とか、云えばいいのに」
律「ほかは長いからよ」
http://blog-imgs-79.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201503032008314ad.jpg
律「十二指腸ってネーミングには、腸の中では短いって意味もこもってるのよ。
いらない質問するから、話が続かないじゃない」
http://blog-imgs-53.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20120815072536adf.jpg
続きは、次回。
-
––––––
3. ハーレクイン- 2015/03/13 10:09
-
そりゃあ、小学……あれ、何年生だっけ、涼太。
まあ、1,2年生ということはあるまい。ならば、当然だな。
肉体的にはともかく、精神的には十分成熟している。まして民宿の息子。人はたくさん見ているし、そのほとんどが女性だろうし、耳学問は十分すぎるくらい受けているはず。自習もたっぷりしているだろうし……。
由美美弥お二人さん。油断していると逆襲されるぞ。
大丈夫か。
-
––––––
4. ハーレクイン- 2015/03/13 10:15
-
外部講師を招いて、3・4日ほど連続して行われる授業・講義をいいます。
まそれはともかく、「十二指腸」問題。
言われてみれば、妙な発想のネーミングですなあ。それだけに、名称だけなら一発で覚えるんだけどね。
腑分け。
千住・小塚原刑場で行われたものが日本最初とされております。
参加者、といいますか見学者は豊前中津藩の藩医・前野良沢、若狭小浜藩藩医・杉田玄白、同じく中川淳庵。
この三人がこの経験に触発され、オランダの医学書「ターヘル・アナトミア」を翻訳し、「解体新書」のタイトルで出版したのはよくご存知の通り。
この訳業。玄白・淳庵の両名は蘭語(オランダ語)を全く解せず、良沢が辛うじてアルファベットを知っている程度で行われたとか。無謀の極みとも云えますが、二年数か月の筆舌に尽くせぬ苦闘の末、何とか完訳・出版に漕ぎつけた。もちろん、誤訳、こじつけは多くあるものの、この偉業が、鎖国日本における蘭学(西洋学)の勃興に繋がったのもよくご存知の通り。
この訳業の模様は、杉田玄白著『蘭学事始』に詳説されていますが、これは岩波文庫で読むことが出来ます。
福沢諭吉はこれ(文庫版ではない)を読み、先人の偉業に涙したとか。
で、十二指腸。
>律「十二指腸ってネーミングには、腸の中では短いって意味もこもってるのよ。
いらない質問するから、話が続かないじゃない」
ほほう。説得力ありますなあ「律」せんせ。
それにしてもまだ続けるおつもりですかな、腸談義。
-
––––––
5. Mikiko- 2015/03/13 20:02
-
10歳の設定ですので、小学校4年生になります。
今思うに……。
小学校の中学年、3,4年生ころが、人生で一番いい時期なんじゃないでしょうか。
『蘭学事始』。
↓以前にも書きましたが、“フルヘッヘンド”の話が、頭に残ってます。
http://iaozora.net/ReadTxt?filename=rangaku_kotohajime.txt&card_id=497&person_id=83&from=38025&guid=ON
十二指腸という名称に、“短い”という意味がこもってるという発言は……。
思いつきで書きました。
医学会の定説ではないかもしれません。
ま、いいじゃないですか。
話が続けば。
-
––––––
6. ハーレクイン- 2015/03/14 00:20
-
誕生日後だと4年生、前だと5年生ですね。
性に目覚める頃であり、人生の歓びと悲哀に目覚める頃でもあります。
勉強は一番大変で大事な時。この頃蹴躓くと、取り返すのは大変です。
頑張れ、涼太。
菊池寛の蘭学事始。
現代語訳、というより小説なんですね。
へえ、こんなのあるんですね。知らなかった。
文中の「弦適」は玄白と同じく若狭藩医。小塚原に先立ち、京都で腑分けに立ち会ったとか。で、これが日本初の腑分けだとか。
彼が小塚原にいたかどうかは不明です。良沢・玄白・淳庵以外に数名いたのは確かですが
で、タアヘルアナトミア翻訳開始時の様子ですが……菊池本には↓このようにあります。
「ただ茫洋として、艫舵(ろだ)なき船の大洋に乗出(のりいだ)せしがごとく、どこから手のつけようもなく、あきれにあきれているほかはなかった」
フルヘッヘンド(堆い)の語が、タアヘルアナトミアに無いのは有名な事実。これは、翻訳の労苦の生々しさ、雰囲気を伝えようと、玄白が蘭学事始に施したフィクションだ、というのが定説のようです。
十二指腸一件。
思いつきかよ!
話を続けるために、「み」さんが施したフィクション、とな。
-
––––––
7. Mikiko- 2015/03/14 08:34
-
人生は、楽しいばっかりの世界じゃなくなってしまうのではないでしょうか。
勉強で、わたしがつまずいたのは、高校1年ですね。
数学、物理が、まったくわからなくなりました。
中3までは、教科書で理解できない箇所はなかったのです。
フルヘッヘンド。
そうですか。
もしそうなら、杉田玄白には、小説家の才能もあったということですね。
あの量のコメントを、週5回連載するためには……。
思いつきでも、そのまま書かなきゃ追いつきません。
裏付けを取ってるヒマなんて、ありゃせんのです。
十二指腸。
この名称は、ターヘル・アナトミアが『解体新書』として和訳刊行された(1774年)際に、新たに作られた医学用語のひとつだそうです。
「十二指腸は其の長さ十二の指の横径の如くして、胃の下口に接す」と書かれてるそうです。
-
––––––
8. ハーレクイン- 2015/03/14 09:32
-
だよねえ。わかる方が不思議だよ、あんなの。
わたしは理科4科目のうち、化学に次いで物理を捨てました。
数学は、捨てたら受験できないのでなんとかしがみつきましたが、受かりさえすりゃこっちのもん、という姿勢でしたからもちろん物にはなりません。大学でどれだけ苦労したことか。
杉田玄白は医師であるとともに、一流のエッセイストでしょう。そして、『蘭学事始』は一級の記録文学です。
『解体新書』の十二指腸。
ふうん。これは知りませんでした。
「十二の指の横径」ですか。誰のアイディアなんだろうね。
-
––––––
9. Mikiko- 2015/03/14 13:05
-
理系じゃないと思いますが。
生物だけで受験できたんですか?
十二指腸。
オランダ語では、“twaalfvingerige darm”。
“twaalf”が12。
“vinger”が指。
“darm”が腸。
文字通り、指12本分の腸ということになります。
-
––––––
10. ハーレクイン- 2015/03/14 16:40
-
地学で受けられる大学は少なくてね。あっても、「生物・地学のどちらか」+「物理・化学のどちらか」が多くてね。苦労しました。
理科は1科目、という大学もあってね、もちろん生物で受験しました。ここに合格して進学したんだったかな。
調べたんですか、オランダ語。
すごいな。
『解体新書』を原文で読めたりして。
-
––––––
11. Mikiko- 2015/03/14 18:54
-
地学って、理科だっけ?
社会じゃなかった?
わたしの高校では、地学は授業さえありませんでした。
十二指腸のオランダ語。
↓単に検索しただけです。
http://ja.wiktionary.org/wiki/%E5%8D%81%E4%BA%8C%E6%8C%87%E8%85%B8
-
––––––
12. ハーレクイン- 2015/03/14 19:29
-
中学校でも理科の時間にあったはずですよ。
天文や海洋は記憶にないとしても……火山とか覚えてないですか。
あと火成岩。火山岩とか、堆積岩とか。変成岩とか。
それと鉱物。石英、長石、雲母。
やったはずだけどなあ。
-
––––––
13. Mikiko- 2015/03/15 08:32
-
“理科”の中にみんな詰まってるわけですから、当然、やったでしょうね。
岩の名前は、いくつか覚えてますし。
↓もう一回、やり直したい気もします。
http://www.fdtext.com/txtpdf/
-
––––––
14. ハーレクイン- 2015/03/15 09:50
-
ⅠとⅡがあるんだよね。
Ⅰは、高校理科でいうと物理と化学。Ⅱが生物と地学です。
わたしはⅠもⅡも「どこからでもかかってきなさい」。無敵だったんだけど、高校ではⅠ(物理・化学)が全くダメ。
Ⅱ(生物・地学)よりⅠが、いろんな意味でメインだからね。苦労しました、入試では。そのあおり(!?)で、生物の講師だよ。
学べよ、若者よ。