Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 1653
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「なんだ。
 じゃ、何の用よ?」
「これから話します。
 早く何か取ってきて。
 あんまり時間、割けないから」

 叔母は、白衣のポケットから千円札を出すと、由美の前に差し出した。

「なんだか、気持ち悪いな」
「パフェなら、500円だから。
 あんまり迷わないでね。
 時間ないんだから」

 由美と美弥子は、注文窓口からアイスコーヒーを持ち帰った。

「あら、そんなのでいいの?」
「はい、お釣り」
「いいわよ。
 取っといて」
「やっぱり、気持ち悪い」
「なによ。
 普段のわたしが、よほどケチみたいじゃない」
「だって、奢られたことなんてないもの」
「奢ってあげたじゃない。
 あなたの、入学祝い」
「あのときだけね。
 いいから、早く要件を話して。
 時間ないんでしょ」
「あなたたちさ、夏休みの後半、予定入ってる?」
「予定っていうか……」

 由美と美弥子は、顔を見合わせた。
 2人で過ごすことは決めてあるが、具体的な過ごし方は、まるで考えてなかった。
 細かい計画を立てたりするのは、2人とも得意な方ではなかったのだ。

「じゃ、2人で一緒にいられればいいわけね」
「そうだけど。
 お金も無いし……」

 2人は、アルバイトもしていない。
 夏休み前半は、帰省と宿題を片付けるために使ったのだ。
 かと言って、遊ぶお金まで親から出してもらうわけにもいかない。
 事情を話すと、叔母はテーブルに身を乗り出した。

「今のあなたたちに、うってつけな話があるの。
 2人で出来るバイトよ」
「これからバイト初めたら、お金が入るころ、夏休み終わっちゃうよ」
「だから、レジャーが合体したバイトなんだって」
「なんか、すごく怪しいんですけど」
「黙って聞きなさいって。
 わたしの高校時代の同級生なんだけど……。
 千葉にお嫁に行った子がいるの。
 旦那はスキューバダイビングの講師。
 早い話、先生と生徒がくっついたわけね。
 でも、旦那の実家ってのが、普通の家じゃなかったのよ。
 海の近くの民宿」
由美と美弥子 1652目次由美と美弥子 1654





コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2014/12/21 07:54
    • 律「固有名詞まで出さなくていいでしょ」
      み「さらに、使った後の割り箸には、大変にエコな役割があるのです」
      律「使った後なんて、捨てるしかないじゃない。
       割り箸を使いまわす気?」
      http://blog-imgs-60.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20141220090618da9.jpg
      み「汚いだろ!
       捨てますよ、もちろん。
       飲食店で捨てられるときは、生ごみと一緒よね」
      律「元は木なんだから、当然でしょ」
      み「生ごみは、処理場に送られて、焼却されます」
      http://blog-imgs-60.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20141220090612a80.jpg
      み「しかし!
       生ごみは、大量の水分を含んでるから燃えにくい。
       これを燃やすためには、大量の重油が必要なんです」
      http://blog-imgs-60.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201412200906138fc.jpg
      律「それと割り箸がどう関係するの?」
      み「わからんか?
       割り箸は、木でしょ?
       よく燃えるのよ」
      http://blog-imgs-60.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20141220090635b70.jpg
      み「早い話、生ごみを燃やす焚き付けになるってこと。
       割り箸の混ざった生ごみは、よく燃えるの。
       すなわち、重油が少なくて済むってわけ」
      http://blog-imgs-60.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20141220090639915.jpg
      老「ほー。
       それは知りませんでした」

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2014/12/21 07:55
    • み「つまりは、飲食店が塗り箸を使ったり……。
       あるいは、個人個人がマイ箸を持ちこんだりしても、ちっともエコじゃないってこと。
       むしろ、木材の端切れの有効利用を阻害し、化石燃料を大量に消費させているということ」
      http://blog-imgs-60.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20141220090616297.jpg
      み「どうじゃ。
       これだけ言っとけば、『全日本割箸生産組合』から、何か付け届けが来るんではないか?」
      http://blog-imgs-60.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201412200906408aa.jpg
      ↑組合長……。ではありません。
      律「そんな組合があるの?」
      み「知らんが」
      律「割り箸が届くんじゃないの?
       百膳くらい」
      み「そんなの、百均で買えるだろ!」
      http://blog-imgs-60.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201412200906417a3.jpg
      律「でも、この話って、前にも聞いたような気がするわ」
      み「わたしも途中から、前にも演説した気がしてきた。
       お酒ってのは、便利ですのぅ。
       何度でも同じ話が出来るし……。
       聞く方も忘れてるから、何度でも新しい話として聞ける」
      http://blog-imgs-60.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201412200906364cf.gif
      律「だから、前にも聞いたこと、覚えてたって」
      み「忘れなはれ。
       酒の上のことは」
      http://blog-imgs-60.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20141220090615cb6.jpg
       続きは、次回。

    • ––––––
      3. ハーレクイン
    • 2014/12/21 09:06
    •  そう思うんなら由美ちゃん。
       うかうかと誘いに乗らない方がいいぞ、いくら叔母さんの誘いでも。
       なるほど、それで『周旋屋律子』か。
       それにしても、千葉の民宿ねえ。千葉はどこかな。外房だろうな。
       それにしてもそれにしても、律子叔母さんって、『東北』でもそうだけど、ほいほい人に奢ったりしないんだね。恐れ入谷の鬼子母神。
       さらにそれにしても、今は夏休み。全く季節感がないが、ま、これはしょうがないよね。

    • ––––––
      4. ハーレクイン
    • 2014/12/21 09:08
    •  なるほどー。これは知りませんでした(老「ワシのセリフやがな)。
       しかしそれだけなら、木材の切れっ端を生ゴミに混ぜても同じことだと思うが。ま、いったん割り箸として用いるところに意味があるんだろうが。
       それにしても、
       >生ゴミの水分一滴は石油一滴
       血涙の叫びですな。生ゴミは、しっかり水分を切って出しましょう
       で、なにぃ、この話は以前にも出てきたあ!?
       >聞く方も忘れてる
      と言われれば返す言葉はない。入院中じゃないよね。
       うーむ、やはり酒はひかえよう。

    • ––––––
      5. Mikiko
    • 2014/12/21 12:42
    •  アイリスも同様ですな。
       割り箸の話。
       確かにしてましたが……。
       『紙上旅行倶楽部』の中ではありませんでした。
       285回(https://mikikosroom.com/archives/2671579.html)、303回(https://mikikosroom.com/archives/2671631.html)、304回(https://mikikosroom.com/archives/2671634.html)でした。
       5年以上前のことですから、覚えてなくて当然ですよね。

    • ––––––
      6. ハーレクイン
    • 2014/12/21 16:30
    •  確かに、アイリスも現在、五山の送り火の翌日、八月十六日。炎熱の京都が舞台です。
       ま、フィクションに季節感のある方がおかしいよね。ルポルタージュやないんやから。
       で、割箸話が出たのは285回、303回、それと304回ですか。本文ではなく、コメの方ですね。
       『由美美弥』本文、285回は第37章「夜のお散歩」。ミサちゃんの野外うんこシーンでした。
       ミサちゃんはともかく(ミサ「なんやと、おう、こら)、303回・304回は第41章「黒いローファー」。
       おお、懐かしや、黒いローファーの少女。
       以前に書きましたがこの章、数多い『由美美弥』の章(現在129章)の中で、わたしにとってはベスト3に入ります。
       リリシズムあふれる佳作、美しいシーンです。未読の向きは、是非ご一読を。
       『風楡の季節』を書いた時、この「黒いローファー」へのオマージュとして、似たシーンを書きたいと考えたのですが、残念ながら諸般の事情で果たせませんでした。『リュック』第2幕で再挑戦してみるかな。
       そういえば、この「黒いローファー」の章も、季節は夏だったなあ。

    • ––––––
      7. Mikiko
    • 2014/12/21 18:37
    •  また雪が、もさもさ降り始めました。
       まさに、夏は遠くになりにけり。

    • ––––––
      8. ハーレクイン
    • 2014/12/21 20:46
    • タイミングもずれていますが、
       ♪麦わら帽子はもう消えた
        たんぼの蛙はもう消えた
        それでも待ってる夏休み
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