2014.10.10(金)
マンションのエントランス前、大きく枝を広げたマロニエの影に入ると、ホッと人心地がついた。
由美は張り詰めていた背すじを弛め、エントランスを潜った。
管理人室などは無く、由美がひとりで出入りしても見咎められることは無かった。
古めかしいエレベーターが、由美を待っていたように1階に降りていた。
由美は、古いエレベーターが好きだった。
何が好きかと云うと、匂いだ。
何の匂いなのだろう……。
機械油なのか、あるいは金属自体に匂いがあるのかも知れない。
新しいエレベーターでは、不思議と嗅ぐことが出来なかった。
渡されている合鍵で美弥子の部屋に入る。
背中で重い扉が閉じる。
エアコンを切って出たので、室内は蒸していた。
「ただいま」
もちろん、返事はない。
にわかに寂しさが突きあげた。
美弥子を探すように寝室に入る。
むろん、誰もいるはずはない。
薄いカーテンが掛かっているので、部屋は薄暗かった。
由美はベッドの夏掛け布団を剥ぎ、シーツに身を伏せた。
美弥子の匂いがした。
「美弥ちゃん……。
由美、寂しいよ」
声に出してしまうと、気持ちを抑えられなかった。
涙が、シーツを濡らした。
「どうしていないの?」
理不尽な問いかけだとは、自分でもわかっている。
美弥子のせいではない。
ひとり残った自分が悪いのだ。
でも今は、美弥子を恨んでみたかった。
由美はベッドから身を起こした。
水色のシーツに、涙の染みが落ちていた。
水たまりのように見えた。
ここに身を投げたら、美弥子のもとに行ける……。
わけもない。
由美はベッド脇に立ち、部屋を見回す。
考えてみたら、ここにひとりでいるのは初めてかも知れない。
今なら、何をしても美弥子に見咎められる心配は無い。
由美は張り詰めていた背すじを弛め、エントランスを潜った。
管理人室などは無く、由美がひとりで出入りしても見咎められることは無かった。
古めかしいエレベーターが、由美を待っていたように1階に降りていた。
由美は、古いエレベーターが好きだった。
何が好きかと云うと、匂いだ。
何の匂いなのだろう……。
機械油なのか、あるいは金属自体に匂いがあるのかも知れない。
新しいエレベーターでは、不思議と嗅ぐことが出来なかった。
渡されている合鍵で美弥子の部屋に入る。
背中で重い扉が閉じる。
エアコンを切って出たので、室内は蒸していた。
「ただいま」
もちろん、返事はない。
にわかに寂しさが突きあげた。
美弥子を探すように寝室に入る。
むろん、誰もいるはずはない。
薄いカーテンが掛かっているので、部屋は薄暗かった。
由美はベッドの夏掛け布団を剥ぎ、シーツに身を伏せた。
美弥子の匂いがした。
「美弥ちゃん……。
由美、寂しいよ」
声に出してしまうと、気持ちを抑えられなかった。
涙が、シーツを濡らした。
「どうしていないの?」
理不尽な問いかけだとは、自分でもわかっている。
美弥子のせいではない。
ひとり残った自分が悪いのだ。
でも今は、美弥子を恨んでみたかった。
由美はベッドから身を起こした。
水色のシーツに、涙の染みが落ちていた。
水たまりのように見えた。
ここに身を投げたら、美弥子のもとに行ける……。
わけもない。
由美はベッド脇に立ち、部屋を見回す。
考えてみたら、ここにひとりでいるのは初めてかも知れない。
今なら、何をしても美弥子に見咎められる心配は無い。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2014/10/10 07:29
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律「どこよ?」
み「えーっと。
予約のメールを、印刷してあったはず。
あった。
『ハイパーホテルズパサージュ』」
律「すごい名前のホテルね。
それって、ビジネスホテルなの?」
み「そうだよ」
爺「あぁ。
いい宿をお選びですな。
場所も、青森駅前ですね」
http://blog-imgs-66.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2014100418490821b.jpg
み「さすが、白タク。
よく知ってるな。
ひょっとして、契約してる?
一人送りこんだら、いくらとか」
爺「してませんがな。
そういう怪しいホテルじゃありませんよ。
楽天トラベルアワードを受賞してますから」
http://blog-imgs-66.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2014100418490930a.jpg
↓2012年、2013年と、『東北エリア ビジネス・シティ部門』で、『お客さまアンケート大賞』を受賞してるホテルです。
http://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/68192/CUSTOM/GW68192101010184336.html
み「さすが、わたしも見る目があるな」
律「知らなかったの?」
み「知りまへんがな」
律「じゃ、どうしてそこにしたのよ?」
み「『まっぷる』に広告が載ってた。
青森駅からも近かったしね」
律「見る目もへったくれも無いじゃない」
み「ホームページを見れば、いいホテルかどうか、たいがいわかります」
http://www.hyperhotel.co.jp/index.php
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2. Mikiko- 2014/10/10 07:30
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律「結果オーライのくせに」
爺「そろそろ、青森市街に入りましたよ」
み「おー。
なかなかに都会ではないか」
http://blog-imgs-66.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201410041849136a2.jpg
↑新潟市より都会っぽいです。
爺「やっぱり、東北新幹線が伸びたのが大きいですね」
み「でも、青森市って、雪がスゴいよね」
http://blog-imgs-66.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20141004184933a77.jpg
爺「県庁所在地では、日本一でしょうね。
一冬で、8メートル近く降るんですよ」
み「そんなに!
ビルごと埋まってしまうではないか」
http://blog-imgs-66.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20141004184912024.jpg
↑ほんとに埋まってしまいそうです。
爺「これは、累積の降雪量です。
積雪量じゃありませんよ」
み「なんだ。
でも、それにしてもスゴいな」
http://blog-imgs-66.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20141004184910e93.gif
↑新潟市の、4倍以上です。このグラフを見ても、新潟市の降雪量が、近隣地域に比べて少ないのがわかります。
爺「日本海を渡って来た湿った風が、八甲田山系にぶつかって、麓の青森に大雪を降らせるんです」
http://blog-imgs-66.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2014100418493560f.jpg
↑青森市街のすぐ背後に聳える八甲田山。
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2014/12/30 12:07
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〔由美美弥〕1601回
>エアコンを切って出たので、室内は蒸していた
つけっぱなしで出れば、戻ったとき涼しいのに(宝田明子)。
>ここに身を投げたら、美弥子のもとに行ける……
かなり違うけど、杉浦日向子にそんなのあるよ、由美ちゃん
>今なら、何をしても美弥子に見咎められる心配は無い
何をするつもりなのだ、由美ちゃん。
ま、あれしかないと思うが。
〔東北〕979回
今夜の宿は「ハイパーホテルズパサージュ」。
パサージュはともかく、ハイパーって……。
地図の上!の方に「観光物産館アスパム」ってあるよね。「青森観光物産館」のことだそうですが、アスパムって何じゃい、で調べましたところ……、
Aomori(青森)
Sightseeing(観光)
Products(物産)
Mansion(館)
に由来するそうです。
典型的なお役所ネーミングですな。
>ひょっとして、契約してる?
>一人送りこんだら、いくらとか
滋賀県雄琴のソープ街。
最寄りの駅はJR湖西線の「おごと温泉駅」ですが、駅から少しあります。で、電車で行った場合はタクシーに乗るのですが、このタクシーが店と契約しており、契約店に客を送りこもうとします。で、好みの店に行くために押し問答になるわけですね。
雄琴温泉。近頃、ソープは次第に寂れ、通常の温泉宿が息を吹き返しつつあるようです。
で、ホテルパサージュ外観。
楽天トラベルアワード受賞はともかく、建物自体はともかく、外壁のカラーは何とかならんか。
大都会青森市。
♪ああ果てしない
夢を追い続け
ああいつの日か
大空かけめぐる……
歌うはもちろんクリキン、クリスタルキングです。
しかし海辺の大都会。神戸のようですね。
ふーん、新潟市の降雪量って、ほんとに少ないんだね。金沢より少ないんや。
風に飛ばされ、吹き過ぎていくそうですね。
おー、青森の屋根八甲田山。
「天は我々を見放した!」は、ご存知、映画『八甲田山』の名台詞。北大路欣也だったかな。
原作は新田次郎『八甲田山死の彷徨』。
筒井康隆に『六甲山死の彷徨』というパロがあります。
いずれにしても、山を見くびると痛い目に遭いますぜ。











![[官能小説] 熟女の園](https://livedoor.blogimg.jp/mikikosroom2008/imgs/3/e/3e07a9c3.gif)





































































































