2014.5.28(水)
平日の昼間ということもあるのだろう、店内には数えるほどの客しかいなかった。
書店のカバーが掛けられた、買ったばかりの本を開いている人もいた。
万里亜は美弥子を先導し、店の奥に歩みを進めた。
この店には、高校時代、ほんの2,3度だが入ったことがある。
間口が狭く、奥に伸びた構造だった。
書店のあるフロアの構造が、正確な矩形を成していないようで、そのツケがこの店に回っていた。
店は、奥に向かって細まっているのだ。
三角錐のような形状だ。
間口近くでは、通路の両側に4人掛けの座席があったが……。
奥の方では、2人向かい合わせの座席が、片側にあるだけだった。
座席の側面は壁ではなく、アクリル板を思わせるパネルになっていた。
薄茶色のパネルの向こうには、外の通路が透けて見えた。
しかし、通路側からは、店内が見えないのだ。
マジックミラーのような造りになっているのだろう。
万里亜が選んだのは、その一番奥の席だった。
万里亜は、入口を背にした座席に手を掛け、向かい側の席を美弥子に促した。
美弥子は、店の一番奥まった席に座ることになった。
袋小路に追い詰められた気がした。
無愛想な女店員が水を置いて注文を取り、やがてホットコーヒーが2つ運ばれてきた。
それまで、他愛のない思い出話をしていた万里亜が、湯気の立つテーブルに身を乗り出した。
表情が変わっていた。
潤んだ大粒の瞳には、さざ波が揺れて見えた。
こんな目で見つめられたら、自制できる男は少ないのではないか。
それほどまでに、隠微な眼差しだった。
「あなた……。
高校時代、あの先生のペットだったのよね?」
「え?」
「隠さなくてもいいのよ。
わかってたんだから。
あなたが、あの鳥小屋に入ってたこと」
傍で聞いている者がいたとしても、“鳥小屋”が何のことか呑みこめないだろう。
しかし美弥子には、はっきりと判った。
保健室の奥にあった、大きな物入れだ。
観音開きの前面扉は、百葉箱めいた細長い横板で覆われていた。
その物入れに全裸で入れられた美弥子は、横板の隙間から、さまざまなショーを見せられたのだ。
書店のカバーが掛けられた、買ったばかりの本を開いている人もいた。
万里亜は美弥子を先導し、店の奥に歩みを進めた。
この店には、高校時代、ほんの2,3度だが入ったことがある。
間口が狭く、奥に伸びた構造だった。
書店のあるフロアの構造が、正確な矩形を成していないようで、そのツケがこの店に回っていた。
店は、奥に向かって細まっているのだ。
三角錐のような形状だ。
間口近くでは、通路の両側に4人掛けの座席があったが……。
奥の方では、2人向かい合わせの座席が、片側にあるだけだった。
座席の側面は壁ではなく、アクリル板を思わせるパネルになっていた。
薄茶色のパネルの向こうには、外の通路が透けて見えた。
しかし、通路側からは、店内が見えないのだ。
マジックミラーのような造りになっているのだろう。
万里亜が選んだのは、その一番奥の席だった。
万里亜は、入口を背にした座席に手を掛け、向かい側の席を美弥子に促した。
美弥子は、店の一番奥まった席に座ることになった。
袋小路に追い詰められた気がした。
無愛想な女店員が水を置いて注文を取り、やがてホットコーヒーが2つ運ばれてきた。
それまで、他愛のない思い出話をしていた万里亜が、湯気の立つテーブルに身を乗り出した。
表情が変わっていた。
潤んだ大粒の瞳には、さざ波が揺れて見えた。
こんな目で見つめられたら、自制できる男は少ないのではないか。
それほどまでに、隠微な眼差しだった。
「あなた……。
高校時代、あの先生のペットだったのよね?」
「え?」
「隠さなくてもいいのよ。
わかってたんだから。
あなたが、あの鳥小屋に入ってたこと」
傍で聞いている者がいたとしても、“鳥小屋”が何のことか呑みこめないだろう。
しかし美弥子には、はっきりと判った。
保健室の奥にあった、大きな物入れだ。
観音開きの前面扉は、百葉箱めいた細長い横板で覆われていた。
その物入れに全裸で入れられた美弥子は、横板の隙間から、さまざまなショーを見せられたのだ。
コメント一覧
-
––––––
1. Mikiko- 2014/05/28 07:24
-
み「ほんとにケチなんだから。
じゃ、立て替えといて」
律「あんたが立て替えればいいでしょ」
み「あにゃたね。
お金で友だちなくすと思うよ」
律「友だちより、お金が大事」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201405252009548d6.jpg
み「あちゃー。
すかたない。
それじゃ、わたしがお立て替えしましょう」
律「何書いてるの?」
み「借用書」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140525200957fcd.jpg
み「利息は、10分で1割になります」
律「ヤミ金よりヒドいじゃないの!」
み「よーし。
じゃ、いっそのこと、賭けにしない?
負けたほうが、綺麗さっぱり払う」
律「どんな賭けよ?」
み「“しじみラーメン”に、しじみがいくつ入ってるか?」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2014052520095528a.jpg
み「奇数と偶数を当てるわけ。
丁半博打ね」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2014052520095983a.jpg
律「そんなの数えてたら、ラーメンが伸びちゃうでしょ」
-
––––––
2. Mikiko- 2014/05/28 07:25
-
み「そしたら……。
とりあえず、麺だけ食べちゃって、“しじみごはん”で勝負しよう。
丁半、どっち?」
律「よし、丁!」
み「丁、入りました。
半方ないか?、半方ないか?」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201405252010202a3.jpg
律「あんたしかいないでしょ」
み「じゃ、わたしも丁」
律「それじゃ、勝負にならないわよ」
み「わたしは、丁が、超好きなの」
律「洒落のつもり?」
み「ていうか、半は、半端とか半ちくとか、あまりいい語感がしないじゃない」
律「じゃ、わたしが半でいいわよ。
でもあんた、『半七捕物帳』が好きだったんじゃないの?」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140525201019cfa.jpg
み「あ。
じゃ、わたしも半」
律「だから、2人が半じゃ、勝負にならないでしょ。
そんなら、わたしは丁に戻すわ」
み「うーん。
丁も捨てがたい。
そしたら、丁半両建て!」
律「ダメに決まってるでしょ。
そもそも、そんなことして何の意味があるのよ」
み「ぜったいに負けないではないか」
律「勝負には負けなくても……。
テラ銭を取られるから、確実に損よ」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201405252009562a4.jpg
続きは、次回。
-
––––––
3. ハーレクイン- 2014/05/28 13:52
-
店の構造がよくつかめないなあ。
書店と同じフロアに喫茶店があるということだな。
前回を読み返しちまったよ。
で、側面のパネルから外が透けて見えるということは、側面が外に面している、ということだよね。
当たり前だけど、入り口は外に面しているわけだから、角地にあるということなのかなあ、この店。
あ、違うか、何階にあるんだ、この店。
-
––––––
4. ハーレクイン- 2014/05/28 13:54
-
>律「友だちより、お金が大事」
至言だな、せんせ。
貸借より賭け。
立派な行動だな「み」さん。
女壷振り師。
だれだ?
テラ銭の「テラ」とは……、
あ、フライングかな。
-
––––––
5. Mikiko- 2014/05/28 19:38
-
喫茶店。
構造は、詳しく考えて書いてるわけでないから、てきとーにご理解いただきたい。
書店と喫茶店の間には、廊下というか、通路が通ってるんでないの?
パネルは、その通路に面してるわけですね。
階数までは、想定しておらんです。
ちなみに、新潟の紀伊國屋書店は、2階にありました。
ちまちま割り勘にするより……。
その場その場で、賭け勝負した方が、ずっとおもろいと思います。
ドームみたいなカプセルに入った、携帯用のサイコロ装置とか、無いですかね。
女壺振り師。
↓残念ながら、出典は書かれてませんでした。
http://markethack.net/archives/51831537.html
テラ銭については、フライングありません。
ご自由にお書きください。
-
––––––
6.- 2014/05/28 21:24
-
なんて出てきたか?
ドームみたいな……。
昔の喫茶店にはよくあったよね。
近ごろはさっぱり見かけなくなったなあ。
女壷振り師、とくると江波杏子サンなんだが、どうも違うな。
テラ銭。
大した話ではありません。
昔(江戸時代)の鉄火場が、寺の本堂を借りて行われていたことに由来します。
-
––––––
7. Mikiko- 2014/05/29 07:30
-
↓柏原芳恵の名曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=m89eBRFvXlI
真っ直ぐで太い足。
いいですねー。
↓ドームみたいなヤツは、占いマシンだったと思います。
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140529072749ea8.jpg
お寺は寺社奉行の管轄で……。
町奉行が手を出せなかったからですね。
本日、マッチロック・ショーは、休戦日です。
-
––––––
8.- 2014/05/29 12:19
-
わたしはやはり岩崎宏美だなあ。
歌唱力が段違い平行棒だよ。
占いマシン。
おみくじが出てくるんだよね。
わたしの見知っているのは、こんな小奇麗なのではありませんでしたが……。
寺社奉行と町奉行。
あと、勘定奉行を合わせて三奉行。
いずれも、庶民に関わりのある役職だったそうです。
マッチロック・ショーは、休戦日。
ま、争い事が無いのは結構なことです。
-
––––––
9. Mikiko- 2014/05/29 19:36
-
ただの酔っぱらいが板に付きましたね。
改名したのか?
80年代アイドルは、歌唱力だけでは語れませんぞ。
携帯用丁半博打装置。
よく考えたら、コイントスでいいじゃん。
でも、わたしはあのトスが苦手で、キャッチできたためしが無いのです。
それでは、ここで問題です。
寺社奉行、町奉行、勘定奉行の中で……。
一番偉かったのはだれ?
-
––––––
10. ハーレクイン- 2014/05/29 20:22
-
いい加減にしてくれよ。
偉かったかどうかはともかく……
町奉行、勘定奉行は旗本から任命されたのに対し、
寺社奉行は譜代大名から任命されたそうです。
別に、なんの働きもしてなかったと思いますが。
-
––––––
11. Mikiko- 2014/05/30 07:40
-
江戸市中です。
勘定奉行が携わるのも、幕府の財政だけです。
諸藩は、独立採算ですから。
それに対し、寺社奉行は、日本全国の寺社を統括します。
ときには、諸藩の大名とも、対等に渡り合わなくてはなりません。
ということで、町奉行や勘定奉行が旗本の役職だったのに対し……。
寺社奉行には、譜代大名が任ぜられました。
寺社奉行は、町奉行や勘定奉行とは、格が違ったのですよ。
決してお飾りが据えられる役職ではありません。
実力者中の実力者です。
寺社奉行を勤めあげると、老中への道が開けました。
ま、だからこそ、町奉行は、寺社には手を出せなかったわけです。
というわけで、罪人が逃げこんだり、賭場が開かれたりしんですね。
-
––––––
12. ハーレクイン- 2014/05/30 12:12
-
お飾りではない。
へえー、そうだったのか。
しらなかった。
三奉行の中では一番暇そうに思えるんだけどね。
それにしても、そんなに偉いお奉行様が統括する寺社内で、賭場なんか開いていいのか。
-
––––––
13. Mikiko- 2014/05/30 19:48
-
若年寄、大坂城代、京都所司代、老中しかいません。
賭場を開くことを“開帳”というのも……。
お寺がショバだったからですね。
“開帳”は本来、厨子を開いて秘仏を公開することを云いました。
-
––––––
14. ハーレクイン- 2014/05/30 20:43
-
大坂城代や京都所司代は、そんな高級官僚なのか。
京都の寺などの御開帳が江戸で開かれると、まさにおすな押すなの賑わいだったそうですね。
当時の庶民の信仰心が偲ばれます。ま、ただの物珍しさ、という輩もいたのでしょうが。











![[官能小説] 熟女の園](https://livedoor.blogimg.jp/mikikosroom2008/imgs/3/e/3e07a9c3.gif)





































































































