2014.4.7(月)
「あんた、ここに寝て」
「何する気だ?」
「日陰だから、熱くないわよ。
ほら、早く。
仰向けよ」
石上先生は、身の扱いに困ったような所作をしながらも、自らの身をコンクリートに横たえた。
陰茎は屹立したまま、下腹に貼り付いてる。
記号のようだった。
「福島さん、こっちいらっしゃい。
はい、あなたの立ち位置はここ」
山田先生は、石上先生の顔の脇を指さした。
もちろんわたしは、どうしていいかわからない。
「ほら。
どうしたの。
石上先生の顔を跨ぐのよ」
それまで、疑問符の浮いた表情をしていた石上先生が、一気に顔を輝かせた。
「そうか。
そういうサービスか。
望むところだ。
福島、頼む。
おれの顔を跨いでくれ」
山田先生に手を引かれ、石上先生の傍らまで歩んだ。
でも、先生の顔を跨ぐなんて出来ない。
なにしろ、わたしの股間を隠すものは、何ひとつ無いんだから。
「もたもたしない。
あなたの悪いとこは、そうやって吹っ切れないところ。
演技でもそう。
ひとつひとつ、考えながらやってるんじゃない?
流れが無いのよ。
考えるより先に、動く。
場の流れに乗るのよ」
部活の指導めいたことを言われ、思わずわたしは頷いてた。
「ほら」
山田先生が、わたしの手を強く引いた。
つんのめって送った足が、石上先生の顔を踏みつけそうになった。
慌てて持ちあげた足裏が、顔を跨いだ。
「そうそう。
あら、反対か。
でも、これもいいかも。
こっち向いて」
「何する気だ?」
「日陰だから、熱くないわよ。
ほら、早く。
仰向けよ」
石上先生は、身の扱いに困ったような所作をしながらも、自らの身をコンクリートに横たえた。
陰茎は屹立したまま、下腹に貼り付いてる。
記号のようだった。
「福島さん、こっちいらっしゃい。
はい、あなたの立ち位置はここ」
山田先生は、石上先生の顔の脇を指さした。
もちろんわたしは、どうしていいかわからない。
「ほら。
どうしたの。
石上先生の顔を跨ぐのよ」
それまで、疑問符の浮いた表情をしていた石上先生が、一気に顔を輝かせた。
「そうか。
そういうサービスか。
望むところだ。
福島、頼む。
おれの顔を跨いでくれ」
山田先生に手を引かれ、石上先生の傍らまで歩んだ。
でも、先生の顔を跨ぐなんて出来ない。
なにしろ、わたしの股間を隠すものは、何ひとつ無いんだから。
「もたもたしない。
あなたの悪いとこは、そうやって吹っ切れないところ。
演技でもそう。
ひとつひとつ、考えながらやってるんじゃない?
流れが無いのよ。
考えるより先に、動く。
場の流れに乗るのよ」
部活の指導めいたことを言われ、思わずわたしは頷いてた。
「ほら」
山田先生が、わたしの手を強く引いた。
つんのめって送った足が、石上先生の顔を踏みつけそうになった。
慌てて持ちあげた足裏が、顔を跨いだ。
「そうそう。
あら、反対か。
でも、これもいいかも。
こっち向いて」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2014/04/07 07:21
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ここで注釈です。
前々回、『ちゃぺ!』からの情報として、ストーブの燃料が古い枕木だと書きましたが……。
わたしの読み違いでした!
燃料は、石炭です。
細く割った枕木は、石炭に火を点けるための焚き付けとして使われてたんです。
ちゃんとそう書いてありました。
すんませんでした……。
小「えー。
あげれるものなんて、持ってないです」
み「それでクイズを出そうとは、不届き千万。
ほれ、首から下げてるではないか。
当てたら、キミの一眼レフをちょうだい」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201404050925346ac.jpg
↑昔は、こんな雑誌があったんですね。これは、1971年(昭和46年)の号です。
み「外したら、ポケットティシュを1つあげます」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2014040509253509d.jpg
↑『加悦鐵道保存会』のポケットティッシュ(『加悦鉄道資料館』でもらえるようです)。
小「ものすごく不公平です」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140405092606755.jpg
↑鳥の世界も不公平。
み「よし。
真剣に当てにいくぞ。
ストーブ列車の通常運行は、12月から3月まで。
この4ヶ月以外ってことだな。
ふむ。
まず、秋は除外だね」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140405092537336.jpg
↑『芦野公園駅』。サクラの紅葉です。
律「どうしてよ?」
み「12月になったらストーブ列車が走るって楽しみが、薄らいじゃうもの。
わかった。
この先に、サクラの名所があったでしょ?
確か、太宰の『津軽』にも出てきた」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140405092604663.jpg
↑小説『津軽』の像記念館(北津軽郡中泊町)
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2. Mikiko- 2014/04/07 07:22
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小「芦野公園ですね。
『金木駅』の次が『芦野公園駅』です」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140405092538cee.jpg
み「そうそう。
金木町長の逸話を、太宰が書いてたんだ。
知ってる?」
小「知りません」
み「金木の町長が、東京出張からの帰りに、上野で『芦野公園駅』の切符を注文した」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201404050925403ea.jpg
↑芦野公園旧駅舎。開業の昭和5年から昭和51年まで使われました。
み「しかし、駅員に、そんな駅はないと言われたわけ。
ま、国鉄の駅じゃないんだから無理ないんだけどね。
今と違って、検索システムがあるわけじゃないし。
でも、金木の町長は納得しなかったわけ。
津軽鉄道の『芦野公園』を知らんかと怒って、駅員に30分も調べさせ……。
とうとう『芦野公園駅』行きの切符をせしめたそうよ」
律「後ろに並んでる人は、大迷惑だわ」
み「町長なんかになる人は、人の迷惑なんて忖度しないのです。
ま、町長が怒るのも無理ないほど、ここらでは有名なサクラの名所なんだよね」
小「サクラは、2,200本あると聞きました」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140405092601bbe.jpg
↑ポスターにもなりました。
み「ほー。
そりゃ大したもんだ」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140405092603c90.jpg
↑ホームには、吉永小百合さんの立ち位置が。同じポーズで記念撮影する方が多いようです。
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2014/04/07 10:18
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誰だっけ。
もうわからなくなってきたよ。
まあいいか。山田せんせに手を引かれ、導かれる福島さん。
行き先はどこなのかなあ。地獄だったりして、いや、天国かな。
「考えるより先に動く」ですか、山田せんせ。
ま、確かに。いちいち考えてたら勝負になりまへん、柔道でもね。
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4. ハーレクイン- 2014/04/07 10:50
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了解しました。
石炭ストーブ。
わたしの小学生の頃の、学校の暖房が石炭ストーブでした。
で、「石炭掛かり」というのがありました。生き物掛かりちゃいまっせ。
金属製のバケツに石炭を満杯に入れ、石炭置場から教室まで運ぶんですね。重かった。
「カメラ毎日ジュニア」
向かって一番左のミニスカの子。男の子かと思っちまったよ、ごめん。
加越鉄道資料館。
そんなのあるんや。
鳥の世界が何で不公平なんだよ、順番順番。いっぺんに二つも三つも運べないだろ。
「芦野公園駅」
そんな駅はおまへん。
国鉄駅員の血涙の叫びですなあ。
これには国鉄の誇りが掛かっております。
しかし、ごり押し町長。
まんまとせしめます「芦野公園駅」行きの切符。
ほほう、誰かと思ったら、小百合姐さんですかいな。
2,200本の桜に囲まれる小百合姐さん。
お綺麗ですなあ。
ポスターは覚えありまへんが。
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5. Mikiko- 2014/04/07 19:53
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脳粗鬆症性ですね。
福島さんは、女教授ではないか。
石炭掛かり。
石炭係ではないのか?
↓石炭を入れるバケツのようです。
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140407194829bf8.jpg
なんで、こんな形をしてる必要があるのだ?
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6. ハーレクイン- 2014/04/07 21:47
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そんなん覚えとらんよ。
自作の登場人物すら怪しいのに。
広辞苑によりますと……。
掛りでも係りでもいいそうです。さらに懸り・繋りも可。
石炭バケツ。
専用のスコップがあるんだよね。
>なんでこんな形
それはもちろん、スコップで掬いやすくするためだよ。
普通のバケツだと、石炭が少なくなったら掬いにくいだろ。
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7. Mikiko- 2014/04/08 07:30
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“係”だけでしょ。
石炭スコップ。
↓こんなのでしょうか?
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201404080513132d8.gif
しかし、あのバケツ……。
校舎の2階や3階まで上げるのは、タイヘンなんじゃないか?
低学年の教室には、高学年の子が運んだのかな?
たぶん、両側から2人でツルを持ったんでしょうね。
今朝方、地震がありました。
うちのあたりでは、震度2くらいだったようですが……。
わたしの家は建て付けが悪いので、少し軋みました。
震度5が来たら、たぶん潰れます。
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8. ハーレクイン- 2014/04/08 09:20
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「係」だけ。
そうかのう。
石炭スコップ。
もっと掬う部分が小さかったような……。
石炭バケツは重い。
どうだったかなあ。さほど重いという記憶はありません。
石炭って、そんなに重くないんじゃないの。
わたしの教室の石炭ストーブは、担任の爺様教師が、いっつもスルメを焼いていました。
地震。
こちらでは何も感じませんでした。
ま、酔って寝ていたからなあ。
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9. Mikiko- 2014/04/08 20:36
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ま、あのスコップより小さいというのはうなずけます。
あのスコップは、機関車用ですから。
石炭の比重は、0.8のようです。
水より少し軽い程度ですね。
バケツ一杯になれば、そこそこ重たいんでないの?
教室でスルメなんか焼かれたら、臭くてしょうがないわな。
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10. ハーレクイン- 2014/04/08 22:36
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道理でデカいと思ったよ。
機関士助手って云ったっけ、あの、石炭投入係り。見ている分には面白いんだけど、やってる方は大変だろうね。大汗まみれになるんじゃないかな、冬場でもね。
んでも、ちょっとでも手を止めれば機関車が停まってしまう。ご苦労様です。
♪きしゃ汽車ポッポ ポッポ
シュッポ シュッポ シュッポッポ
ぼくらを乗せてシュッポ シュッポ シュッポッポ
スピード スピード窓の外
畑も飛ぶとぶ 家もとぶ
はしれ 走れ 走れ
鉄橋だ 鉄橋だ楽しいな
蒸気機関車、Steam Locomotive。
蒸気機関は1695年、フランスからイギリスに亡命したドニ・パパンが嚆矢とされます。
実用的な蒸気機関は、もちろん1769年、イギリスのジェームズ・ワットですね。これがいわゆる「産業革命」のきっかけになったのはご存知の通り。
♪きしゃ汽車ポッポ ポッポ
シュッポ シュッポ シュッポッポ
汽笛を鳴らしシュッポ シュッポ シュッポッポ
ゆかいだ愉快だ いい景色
野原だ林だ ほら山だ
はしれ 走れ 走れ
トンネルだトンネルだ うれしいな
ほほう。
石炭の比重は0.8。
ふうむ、この程度ならさほど重くないかもしれん。
爺様先生。
スルメどころか、弁当も温めとりました。
いい時代だったなあ。
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11. Mikiko- 2014/04/09 08:00
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担任する教室が、自分のお城なんでしょうかね。
中学校以上だと、担任はあっても、そのクラスにずっといるわけじゃないですからね。
わたしだったら……。
ご飯食べるときも子供と一緒なんてのは、ご免ですが。
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12. ハーレクイン- 2014/04/09 09:13
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小学校の先生。
自分が小学生だったときは、そういう感覚は無かったですが、まあ、そうだったんでしょうね。
わたしも、授業中はなんとなくそんな感覚があります。
ま、授業中だけですけどね。
この爺様先生。
何年か前に、年賀状が返ってこなくなりました。
おそらく、お亡くなりに……。