2014.3.31(月)
「うひひひひひ」
松の陰から現れたのは、“マツ”だった。
冗談を言ってるわけじゃない。
その男は近隣の有名人で、皆から“マツ”と呼ばれてた。
今の言葉で云えば、『知的障害者』ということになるのだろう。
当時は、『知恵遅れ』とか、『精薄』といった言葉で表されてた。
語感は身も蓋も無いけどね。
でも、言葉だけ繕って、そうした人たちを施設に隔離してしまう今とは違い……。
当時、そうした人たちは、健常者の中に混じって、普通に暮らしてた。
マツも、そのひとりだった。
本名は知らない。
もちろん、大人たちは知ってたのだろうが……。
わたしたち子供は、マツがどこに住んでいるのかも知らなかった。
でもマツは、子供たちには人気者だった。
太ってるけど異様に俊敏で、虫を器用に捕まえては、子供に与えたりしてた。
いつも国民服みたいな上着を着て、つんつるてんの太いズボンを穿いてた。
足元は、常に下駄だった。
子供にとって、大人の年齢はわかりづらいものだけど……。
マツの歳は、さらにわかりづらかった。
子供たちの間では、さまざまな説がささやかれてた。
20代から、中には60だという者までいた。
今から思うと……。
おそらく、40代前半くらいではなかったろうか。
坊主頭の後ろ首には、太い脂肪の括れが出来てた。
マツはもちろん、職についてはいない。
おそらく、親に養われていたのだろう。
昼間は通学路の神社などにいて、棒のついた飴をしゃぶってた。
わたしは知らなかったが、おそらくこの墓地も、マツの巡回エリアだったのだろう。
もちろん、こんなことは、後になってから考えたことで……。
その時のわたしの頭は、まさしく真っ白だった。
松の陰から現れたマツは、わたしの脚元に、ゆっくりと近づいてきた。
トレードマークの飴をしゃぶりながら。
マツはいつも、細い目をして笑ってた。
その時も、目元は細らんでたけど……。
中の瞳は、笑ってなかった。
松の陰から現れたのは、“マツ”だった。
冗談を言ってるわけじゃない。
その男は近隣の有名人で、皆から“マツ”と呼ばれてた。
今の言葉で云えば、『知的障害者』ということになるのだろう。
当時は、『知恵遅れ』とか、『精薄』といった言葉で表されてた。
語感は身も蓋も無いけどね。
でも、言葉だけ繕って、そうした人たちを施設に隔離してしまう今とは違い……。
当時、そうした人たちは、健常者の中に混じって、普通に暮らしてた。
マツも、そのひとりだった。
本名は知らない。
もちろん、大人たちは知ってたのだろうが……。
わたしたち子供は、マツがどこに住んでいるのかも知らなかった。
でもマツは、子供たちには人気者だった。
太ってるけど異様に俊敏で、虫を器用に捕まえては、子供に与えたりしてた。
いつも国民服みたいな上着を着て、つんつるてんの太いズボンを穿いてた。
足元は、常に下駄だった。
子供にとって、大人の年齢はわかりづらいものだけど……。
マツの歳は、さらにわかりづらかった。
子供たちの間では、さまざまな説がささやかれてた。
20代から、中には60だという者までいた。
今から思うと……。
おそらく、40代前半くらいではなかったろうか。
坊主頭の後ろ首には、太い脂肪の括れが出来てた。
マツはもちろん、職についてはいない。
おそらく、親に養われていたのだろう。
昼間は通学路の神社などにいて、棒のついた飴をしゃぶってた。
わたしは知らなかったが、おそらくこの墓地も、マツの巡回エリアだったのだろう。
もちろん、こんなことは、後になってから考えたことで……。
その時のわたしの頭は、まさしく真っ白だった。
松の陰から現れたマツは、わたしの脚元に、ゆっくりと近づいてきた。
トレードマークの飴をしゃぶりながら。
マツはいつも、細い目をして笑ってた。
その時も、目元は細らんでたけど……。
中の瞳は、笑ってなかった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2014/03/31 07:20
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律「サポーターって、県外の人でもなれるの?」
み「当たり前でんがな。
青森県に絞ったら、3人くらいしか集まらないよ」
律「それはヒドいんじゃない」
しかし……。
『津軽鉄道サポーターズクラブ』。
ほんとに、やる気あるのか?
津鉄のホームページ(http://tsutetsu.com/)の左側下にバナーがありますが……。
クリックすると、「このページは現在準備中です(http://tutetu.join-us.jp/)」。
↓『入会申込書』のページを見つけましたが……。
http://tutetu.join-us.jp/nyukaiannnai/nyukaiannnai1.htm
どこからもリンクされてません。
しかもこの『入会申込書』には、「会費は、年会費1,000円と致します。高校生は、500円です」とあります。
中学生以下は、入会できないわけ?
それすら書いてありません。
↓最新の決算書を見ても、そうとう苦しそうです。
http://tsutetsu.com/pdf/24.4.1-25.3.31.pdf
『退職給付引当金』の取り崩しで、どうにかプラスになってますが……。
これは、以前の損失処理を益金に戻してるだけなので、お金が入ってるわけではありません。
あと2年でこの戻しも無くなり、そうなれば、当期純利益が赤転します。
そもそも、貸借対照表の「鉄道事業固定資産」ってのが、ほんとにこんな価値を保ってるのか甚だ疑問です。
時価に置き換えたら、すでに債務超過なんでないの?
ま、出資しようってわけじゃないので、あまり詮索はしないでおきますが。
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2. Mikiko- 2014/03/31 07:22
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み「『サポーターズクラブ』の会員と云うことは……。
いろいろ、詳しいわけね?」
小「一応」
み「それじゃ、質問。
津軽鉄道は、ここ『津軽五所川原』から『津軽中里』までだよね」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140222194849b5a.jpg
小「はい」
み「『津軽中里』って、すごく中途半端な場所じゃないの?
十三湖にも届かないし。
何か、理由があるわけ?」
小「最初に『津軽中里』まで行ったとき、ボクもそう思いました。
なので、お父さんに聞いたんです。
その時は、お父さんもわからなかったんですけど、後で調べてくれました」
み「ほー。
いいお父さんじゃの」
小「津軽鉄道は、『川部駅』と『五所川原駅』間を走ってた陸奥鉄道という私鉄が元なんです」
み「『川部』と『五所川原』間って、五能線じゃない」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140325074537bf1.jpg
小「そうです。
陸奥鉄道は、その後、国鉄に買収されたんです。
そのとき、陸奥鉄道に出資してた株主には……。
出資額の何倍ものお金が戻ってきたそうです」
み「おー。
羨ましいほど美味しい話じゃな」
小「で、出資してた人たちは……。
さらに鉄道を伸ばせば、また国鉄に買ってもらえると思ったわけです」
み「柳の下になんとやらだな」
http://blog-imgs-69.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20140325074535694.jpg
小「津軽半島を一周する路線を目指したそうです。
で、とりあえず、『津軽五所川原』から『津軽中里』まで線路を伸ばして開業したのが、津軽鉄道です」
み「にゃるほど。
『津軽中里』は、とりあえずの終点だったわけね」
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2014/03/31 10:57
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太っているが俊敏。
なんか「食」くんみたいだな。今、どのへん走っているのかなあ「食」くん。
「棒のついた飴」って、あの丸いやつかなあ。
さあ、どう出るマっちゃん。
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4. ハーレクイン- 2014/03/31 11:01
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津軽鉄道サポーターズクラブ。
会員ゼロの幽霊クラブだったりして。
入会申込書に書いてある「新聞報道された津軽鉄道の問題」って何なんだろうね。
中学生以下は無料なんだろ。
しかし、ドジョウって釣竿で釣るのか。掬うんだろ。
安来の人に笑われるぞ。
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5. Mikiko- 2014/03/31 20:47
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実は、モデルがあります。
わたしは見たことが無いのですが、叔父から聞いた話です。
叔父の子供のころですから、昭和40年台だと思います。
俊敏で虫を捕まえるとかは、わたしの創作です。
津軽鉄道の問題は……。
↓存続問題のようです。
http://www.search-document.com/doc/1/1/%E9%89%84%E9%81%93.html
ドジョウは……。
↓釣れるようです。
http://www.youtube.com/watch?v=6sjLNZi31Ss
本日は、決算日。
忙しかった。
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6. ハーレクイン- 2014/03/31 21:48
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存続問題。
ま、そうでしょうね。
こんな言いかたはなんやけど、津軽。どうしても“地の涯”というイメージが拭えないんだよ。
決してそうではない、というのは『東北』を見て分かったし、津軽鉄道の乗客数はそこそこある、というのは1456回の車内画像を見て分かった(いつもこうだというわけではないだろうが)。ひょっとしたら、京都・嵐山電鉄より多いかもしれん(と、さりげなく番宣)。
それでもなお且つ、経営が楽になるほどの乗客数はないだろうし、いつ潰れてもおかしくない、という思いは拭えないんだよね。
しかし、こういう地方の小私鉄には潰れてほしくない。
頑張ってほしいものです、津軽鉄道。
ドジョウ釣り動画。
残念ながら、釣り上げる場面はありませんでした。
あ、今日は31日か。
明日から4月。
そろそろ新学期の準備をせんとなあ。
こちらは桜が7分咲きくらいです。
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7. Mikiko- 2014/04/01 07:39
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地元の人が、日常的に使ってるとは思えん。
でも、バスはもっと高いだろうし……。
タクシーは、更に高い。
やっぱり、電動アシスト自転車だな(冬が難儀だが)。
『津軽中里ー津軽五所川原』。
↓通学定期でも、1ヶ月22,070円もします(通勤定期は、32,600円!)。
http://tsutetsu.com/pdf/farestuugaku.pdf
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8. ハーレクイン- 2014/04/01 09:41
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冬が難儀って……乗ること自体が不可能だろ。
片道45分で1ヶ月定期が32,600円。この位もらわないと経営が維持できない。
→しかし、こんなに高いと乗る人が少ない。
→収入が少ない。
→値上げする。
→ますます乗客数が減る。
典型的な「悪循環」ですね。
ま、実際には鉄道の運賃というのは、勝手には値上げできないと聞きますが。
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9. Mikiko- 2014/04/01 19:41
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↓「これ以上高くしてはならないという上限額を認可する仕組み」なんだそうです。
http://www.caa.go.jp/information/koukyou/railroad/ra03.html
↓「運賃が安い事業者・高い事業者」という表がありました。
http://www.desktoptetsu.com/unchinhikaku.htm#tab_6
やはり、津軽鉄道は、かなり高い方ですね。
でもそれより、こんなに鉄道会社があるということが驚きでした。
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10. ハーレクイン- 2014/04/01 22:12
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と称するようですね。
要するに、認可された上限金額値以下であれば、低く設定するのはある程度自由。それ以上に設定したければ、新たに国土交通大臣の認可を受けねばならないと、こういうことですかね。
「運賃の高い安い」
すんまへん、到底読めませんでした。今日は酔うとりますし。
また後日。
>こんなに鉄道会社があるということが驚き
以前にサイクルトレインの話をしたとき、実施している鉄道会社を列記したろ。
あれでもわかるように、頑張っておるよ、全国の鉄道会社。
京都では、叡山電鉄と、嵐山電鉄だ。
大阪の阪堺電軌では、新車両を導入したと、先日のテレビでやっていました。
カッコよかった。