2013.11.6(水)
すでにアルコールの入っているらしいミサは、由美の抗弁を聞く耳を持たなかった。
返そうと差し出したレジ袋に背を向け、さっさと歩き出した。
後ろに逃げ口はない。
ミサについていくしかなかった。
エレベーターホールで、レジ袋を渡すつもりだったが……。
間の悪いことに、ミサの脇に立ったときには、すでに扉が開いていた。
エレベーターは、ひとつしかない。
「上に参りまーす。
ほら、乗って乗って」
ミサの片手は、操作ボタンを押さえたままだ。
もう一方の手には、重そうなレジ袋。
由美の袋は、受け取ってもらえないようだ。
エレベーターを長時間止めておくわけにもいかない。
どこかの階で、待っている人がいるかも知れない。
お酒の運搬だけ手伝うことにして、挨拶したら失礼させてもらおう。
そう言い聞かせ、エレベーターに乗りこんだ。
「あー、ちょっと運動したら、回ってきた。
あっちの回転もついてきたし。
ふふ。
おトイレ。
部屋に寄ったのは、そっちの用事もあったのよ。
屋上にトイレが付いてればいいのにね」
屋上階のエレベーターホールを出る。
通常のマンションとは違い、この館では、常時屋上が開放されていた。
屋上への出口も、観音開きの大きなガラス扉だった。
ミサが取っ手を押し開けると、生暖かい夜気が殺到した。
「ほら、あそこ」
屋上には、野外テーブルのセットが、いくつか点在している。
人影があるのは、常夜灯に近いひとつだけだった。
「どう?
貸切のビアガーデンみたいでしょ。
なんでこんな特等席に、誰も来ないのかな?」
それは、暑いからだろう。
じっとしているだけで、汗ばんできそうだった。
返そうと差し出したレジ袋に背を向け、さっさと歩き出した。
後ろに逃げ口はない。
ミサについていくしかなかった。
エレベーターホールで、レジ袋を渡すつもりだったが……。
間の悪いことに、ミサの脇に立ったときには、すでに扉が開いていた。
エレベーターは、ひとつしかない。
「上に参りまーす。
ほら、乗って乗って」
ミサの片手は、操作ボタンを押さえたままだ。
もう一方の手には、重そうなレジ袋。
由美の袋は、受け取ってもらえないようだ。
エレベーターを長時間止めておくわけにもいかない。
どこかの階で、待っている人がいるかも知れない。
お酒の運搬だけ手伝うことにして、挨拶したら失礼させてもらおう。
そう言い聞かせ、エレベーターに乗りこんだ。
「あー、ちょっと運動したら、回ってきた。
あっちの回転もついてきたし。
ふふ。
おトイレ。
部屋に寄ったのは、そっちの用事もあったのよ。
屋上にトイレが付いてればいいのにね」
屋上階のエレベーターホールを出る。
通常のマンションとは違い、この館では、常時屋上が開放されていた。
屋上への出口も、観音開きの大きなガラス扉だった。
ミサが取っ手を押し開けると、生暖かい夜気が殺到した。
「ほら、あそこ」
屋上には、野外テーブルのセットが、いくつか点在している。
人影があるのは、常夜灯に近いひとつだけだった。
「どう?
貸切のビアガーデンみたいでしょ。
なんでこんな特等席に、誰も来ないのかな?」
それは、暑いからだろう。
じっとしているだけで、汗ばんできそうだった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2013/11/06 07:22
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律「キリストの墓って、どういうこと?
ゴルゴダの丘で磔になったんでしょ?」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20131103111728050.jpg
み「それは、実は、キリストではなかった!」
律「じゃ、誰なのよ?」
食「キリストの双子の弟です」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20131103111752a4d.jpg
食「名前は、イスキリですね」
律「バカバカしい」
食「そういうことが、『竹内文書』に書いてあるわけです」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20131103111755c22.jpg
↑こーゆー文字で書かれてます。
み「キリストの遺言があったんじゃなかった?」
食「あ、ありました。
『イスキリス・クリスマスの遺言』」
律「何それ?」
み「だから、それがキリストだって」
食「またの名を、福の神。
あるいは、八戸太郎天空神」
み「わははは」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201311031117550d9.jpg
↑末裔が経営か?!
食「で、キリストの遺言として……。
『五色人(いついろひと)へ遣わし文』という文書が残ってるそうです」
律「“いついろひと”って何です?」
食「漢字で書くと、五つの色の人。
なんでも昔は、5色の人種が存在してたそうです。
黄人(きびと)は、日本人を含むアジア人。
赤人(あかびと)は、インディアンなど。
青人(あおびと)は、肌が青白いんですが……。
現在、純血種はいないそうです」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20131103111729f44.jpg
↑こーゆー人たちでしょうか?
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2. Mikiko- 2013/11/06 07:23
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食「黒人(くろびと)は、アフリカ系で……。
白人(しろびと)が、いわゆる白人」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20131103111732a4e.jpg
↑阿蘇『幣立神宮(へいたてじんぐう)』に伝わる“五色人面”。詳しくはこちら→http://www.y-asakawa.com/tansaku-2010/10-heitate-jingu1.htm
み「それってさ。
五色不動に似てるよね」
食「色は一緒ですね」
律「何よそれ?」
み「知らないの?
目黒とか目白は知ってるでしょ?」
律「当たり前よ」
み「あそこには、お不動さんがあるの。
目黒不動に目白不動。
で、もちろん……。
目赤不動、目青不動、目黄不動ってのもあったわけ」
律「そんなの、どこにあったのよ?」
み「はい、検索」
食「↓こちらです」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201311031117339d3.jpg
み「四神の色も同じだよね。
東の青龍(せいりゅう)、南の朱雀(すざく)、西の白虎(びゃっこ)、北の玄武(げんぶ)。
朱雀は赤、玄武が黒」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201311031117515bb.jpg
↑怪獣でんな。
律「1つ足りないじゃないの。
えーっと、黄色ね」
み「黄色は中央ね。
黄龍(おうりゅう)」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20131103111731e38.jpg
↑中国山西省大同市『九龍壁』に描かれた黄龍。
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2013/11/06 10:18
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なんも変わっとらんなあ、由美ちゃん。
ミサちゃんの言いなり、なすがまま。
その気になれば、なんぼでも逃げられると思うが。
「……なんでこんな特等席に、誰も来ないのかな?」
>」それは、暑いからだろう
いやあ、それは話の都合だろ。
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4. ハーレクイン- 2013/11/06 10:33
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こないだ、例の、お気楽適当義兄と話してたら、どういうわけかこの話題になってね。
義兄の野郎、「磔って、実際にはどないしたん」て聞きよるから、「ほらあ、両手に釘打ちいの、両足にも釘打ちいの……」と喋ったらえらく感心しておった。
しやけど、それだけで全身支えられるわけないしなあ。どないしたんやろね。
双子の弟。
よくある手だよね。
白土三平『カムイ伝』でも使ってるよね。名前は同じ「カムイ」だけど、ムカイとかにする手もあったかなあ。
しかし、竹内文書。
すごいね。
コノヤロ、と言いたくなるよね。
イスキリス・クリスマス
福の神。
八戸太郎天空神。
五色人。
黄・赤・青・黒・白。
五色人ときますと、E・Rバローズの火星シリーズ。
主人公ジョン・カーターは、赤色人になりすますため、赤色の顔料を全身に塗りたくりました
はい検索
こちらです
便利だななあ、タブレット。
全く理解できんが。
四神相応。えーっと。
東は希美ちゃん。南は香奈枝さん、西は佳ちゃん、北は珠恵ちゃん。
で、中央は中垣内芳江(なかがいち よしえ)、おとぼけ芳江ちゃんですな。
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5. Mikiko- 2013/11/06 19:48
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身体の重みで肉が裂け、抜け落ちてしまうそうです。
実際には、腕や脛の、骨が2本並んでる隙間に打ち込んだみたいですね。
バローズの火星シリーズと云えば……。
表紙絵の武部本一郎ですね。
http://blog-imgs-35.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111211102422548.jpg
武部画伯の絵は、海外でも人気があるそうです。
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6. ハーレクイン- 2013/11/06 22:01
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痛そう。
日本の磔では、足を載せる台があるみたいだけど。
しかも、日本の場合、槍で両脇腹から肩にかけてを突き通して殺すわけだけど、イエスの場合、数日間ほったらかしだからね。ひどいよね。
しかし、相変わらず色っぽいなあ、デジャー・ソリス姫。
わたしがこの書物を手にしたのは高校生の時。この表紙絵だけでピン立ちだったよ。
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7. Mikiko- 2013/11/07 06:33
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↓中古市場で、5万円くらいするようです。
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201311070515217bc.jpg
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8. ハーレクイン- 2013/11/07 09:10
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亡くなられて30年以上になるんですね。
小説もそうですが、こういう形のある作品というのは永遠に残りますねえ。
いや、絵画の場合、大事に保存しないと原画は失われる可能性があるなあ。関係者の方々、よろしくお願いします。もう二度と描かれることはないんだから。
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9. Mikiko- 2013/11/07 20:24
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1914年(大正3年)4月24日、大阪船場の生まれだそうです。
存命なら、99歳ですね。
父は日本画家の武部白鳳。
ご本人も、初めは日本画家を志し、後に洋画に転じたそうです。
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10. ハーレクイン- 2013/11/07 21:27
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それにしても凄い。
ま、おっぱいはさて置き、すらっとした鼻筋の高さはどうだろう。
これより高すぎても低すぎても、この品格は出せないよね。
で、このデジャー・ソリスの美貌と気品にメロメロになっちゃうのが、地球人ジョン・カーター。ここから、火星を股にかけた大冒険活劇が始まるわけです。
面白いよ、『火星シリーズ』。
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11. Mikiko- 2013/11/08 08:01
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↓この鼻でっか?
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2013110807594124c.jpg
高すぎ晋作。
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12. ハーレクイン- 2013/11/08 09:21
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そうかのう。
ちょうどええと思うが。