2013.8.26(月)
再び顔を上げた女教授は、四囲に微笑みを投げた。
顔の下半分が、濡れ輝いている。
口紅が、頬まで赤い線を引いていた。
女教授は、うなだれかけた男根をねぎらうように、指先で押さえた。
男根は、護符を翳された蛇さながらに、小窓から消えた。
曲が変わった。
さっきまでと同系統のアップテンポな曲だった。
女教授は立ち上がり、小窓を離れた。
四囲を見回しながら手拍子を始める。
女教授の視線が止まった。
その先の小窓から、札が出ていた。
さっきの千円札と同じく、うなだれてはいたが……。
色彩が違った。
赤みを帯びている。
五千円札だろう。
女教授は、おどけた仕草で小窓に駆け寄った。
五千円札を抜き取ると、両手で端を持ち、目の前で広げた。
マスクの中の瞳が、中央に寄っている。
女教授は、水飲み鳥よろしく顔を振りおろし、札にキスをした。
それを合図のように、小窓から男根が現れた。
「さっきのより、おっきいね」
由美の言うとおりだった。
2回りくらい大きいだろう。
香純の弟より、長さも太さもあった。
むろん、あのディルドゥには及びもつかないが。
しかし、先ほどの男根に比べ、色彩は明らかに若かった。
白じろとした陰茎の先に、ピンク色の亀頭が載っている。
仰角も高く、肉色の尖塔みたいに立ち上がっている。
尖塔。
まさにそうだった。
先細りなのだ。
指で摘んで引き伸ばしたように、亀頭に向けて細らんでいる。
亀頭のカリも、張り出しが無かった。
女教授は、大げさな身振りで腕を振り上げると、五千円札を頭上で放した。
折り皺のついた札は、不規則に翻りながら床に落ちた。
顔の下半分が、濡れ輝いている。
口紅が、頬まで赤い線を引いていた。
女教授は、うなだれかけた男根をねぎらうように、指先で押さえた。
男根は、護符を翳された蛇さながらに、小窓から消えた。
曲が変わった。
さっきまでと同系統のアップテンポな曲だった。
女教授は立ち上がり、小窓を離れた。
四囲を見回しながら手拍子を始める。
女教授の視線が止まった。
その先の小窓から、札が出ていた。
さっきの千円札と同じく、うなだれてはいたが……。
色彩が違った。
赤みを帯びている。
五千円札だろう。
女教授は、おどけた仕草で小窓に駆け寄った。
五千円札を抜き取ると、両手で端を持ち、目の前で広げた。
マスクの中の瞳が、中央に寄っている。
女教授は、水飲み鳥よろしく顔を振りおろし、札にキスをした。
それを合図のように、小窓から男根が現れた。
「さっきのより、おっきいね」
由美の言うとおりだった。
2回りくらい大きいだろう。
香純の弟より、長さも太さもあった。
むろん、あのディルドゥには及びもつかないが。
しかし、先ほどの男根に比べ、色彩は明らかに若かった。
白じろとした陰茎の先に、ピンク色の亀頭が載っている。
仰角も高く、肉色の尖塔みたいに立ち上がっている。
尖塔。
まさにそうだった。
先細りなのだ。
指で摘んで引き伸ばしたように、亀頭に向けて細らんでいる。
亀頭のカリも、張り出しが無かった。
女教授は、大げさな身振りで腕を振り上げると、五千円札を頭上で放した。
折り皺のついた札は、不規則に翻りながら床に落ちた。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2013/08/26 07:21
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み「すでに語り部が憑依しておる。
しまいまで語らせないと、100代祟るぞ」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130818185412c60.jpg
↑『新八犬伝』玉梓(たまずさ)が怨霊。
み「短い話だから、参考までに聞きなさい」
律「小さい声で語ってよね」
み「むかし、昔、あるところに……」
律「おじいさんとおばあさんがいました」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130818185407f3b.jpg
み「黙って聞け!
おばあさんはいないの!」
律「なんでよ」
み「離婚したのだ」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130818185425364.jpg
律「理由は?
DV?」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201308071947190f3.jpg
み「話をかき回すな!
離婚の理由まで知るか!
とにかく、おじいさんがひとりで住んでたの」
律「はいはい」
み「おじいさんは、昔話がとても上手でした。
ある晩、ひとりの小僧さんが……。
『昔話を聞かせてください』と、おじいさんの家にやってきました」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130818185426bb0.jpg
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2. Mikiko- 2013/08/26 07:21
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み「初めて見る小僧さんでしたが……。
おじいさんは、昔話を語ってやりました。
小僧さんは、とても喜んで、おじいさんの話に聞き入ってたそうです。
以来、小僧さんは、毎晩やってくるようになりました。
小僧さんがとても熱心に聞いてくれるので……。
おじいさんも、語りがいがあります」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110904101316be5.jpg
み「囲炉裏の火が消えそうになるのも忘れるほどでした。
で、ある夜、消えそうな火に、新しい薪を足したところでした」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130818185408211.jpg
み「火が一瞬明るくなり、小僧さんの影が、ムラムラと動きました。
おじいさんは、冷や水を浴びた気がしました。
小僧さんの影は、人のものでは無かったのです。
おじいさんは、小僧さんに気づかれないように、火箸を火の中に刺しました。
で、語り疲れて、うつらうつら居眠りをする振りをしました。
長い眉毛の下から、小僧さんの様子を伺っていると……。
小僧さんは、短い着物の裾から、なにやら引っ張り出しました。
毛むくじゃらの布みたいなものです。
小僧さんがそれを、囲炉裏の火で炙り始めると……。
毛むくじゃらの布は、みるみる広がっていきます。
『こいつ、狸だ』。
おじいさんは、ようやく気づきました。
小僧さんが裾から出したのは、金玉だったのです。
おじいさんが、眠りこんだ振りをすると……。
狸小僧は金玉を大きく広げ、おじいさんに被せようとしました」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2013081818541027c.jpg
↑これまた歌川国芳。
み「おじいさんは、大きく舟を漕ぐ振りをして、囲炉裏の火箸を取り上げると……」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130818185411447.jpg
↑ほぼ凶器です。
み「頭上に被さってきた金玉に、深々と突き刺しました」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130818185428dce.jpg
↑鶏の白子串(希少部位、だとか)。
み「『あんぎゃー』」
狸は悲鳴をあげて逃げて行きました」
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2013/08/26 08:59
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樋口の一葉さんだな。
気張ったのう、兄ちゃん。
で「ちんぽくらべ」では、兄ちゃんの勝ち。
先ほどのおっさん(たぶん)より2回り大きい。
しかし、白陰茎の先にピンクの亀頭。先細。
色と形は、おっさんチンポの逆転勝ち。まだまだ修行が足りぬぞ、兄ちゃん。
やはりチンポの値打ちは雁。あの北斎、春画での雅号は「紫色雁高」らしいぞ。
ま、精進したまへ、若者よ。
女教授。捨てちゃうのか、五千円札。
あれ? そういえば、さっきの三千円はどうしたんだっけ。
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4. ハーレクイン- 2013/08/26 09:02
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これも死ぬまでに読めそうもないなあ。
ダイジェスト版では読んだんだけど。
三行半。
離縁状とも去り状とも称したけど、離婚時にこれをもらっとかないと、再婚できなかったんだよね。離縁状なしに再婚すると罰せられました。
字の書けないものは、三本の線と、その半分の長さの線を一本書けば、れっきとした離縁状として通用したとか。しかし、こんなのいくらでも偽造出来るよね。
そういえば、北斎の三女、お栄。この人、父譲りの絵の腕の持ち主だが、離婚経験者。離婚の理由がふるってるよ。
嫁いだ相手も絵師なんだけど、その絵を見てお栄、下手くそと嗤ったらしい。で、あえなく離縁となりましたとさ。なかなかの女傑だったらしいね。
>おじいさんも、語りがいがあります
講釈師見てきたような嘘を言い
“たぬきのきんたま人を呑むの図”
こら、勝手にお題をつけるな。
で、これを影絵で見ると金魚。
国芳は、この手の趣向の絵、ようけ描いてるらしいね。
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5. Mikiko- 2013/08/26 19:48
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鈴木牧之をいじめた滝沢馬琴が嫌いなので、読む気はありません。
お栄。
映画『北斎漫画』では、田中裕子が演じて話題になったそうです。
1981年公開ですが……。
↓キャストを見ると、北斎役の緒形拳さんを始め、亡くなった方がたくさんいらっしゃいますね。
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%96%8E%E6%BC%AB%E7%94%BB_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
葛飾北斎(1760年10月31日~1849年5月10日)。
歌川国芳(1798年1月1日~1861年4月14日)。
北斎が37歳年上ですが……。
活動時期は重なってますね。
交流はあったんでしょうか?
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6. ハーレクイン- 2013/08/26 21:28
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なるほど。
牧之さんとの確執があったね。
映画『北斎漫画』
へえ、こんなのあったんですか。知らなかった。
レンタル屋で探してみるかな。
北斎は、初代豊国とは仲が悪かったそうですが、国直など弟子の幾人かとは交流があったみたいです。国芳はどうだったんでしょうね。
ああいう人物ですから、敵は多かったでしょう。
歌麿とは仲が悪かったらしいよ。知らんけど。
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7. Mikiko- 2013/08/27 07:38
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1度ご覧になってみても悪くないと思います。
田中裕子が、若々しいヌードを披露してたと思います。
北斎の図柄にある、大蛸との絡みなんかもあったんじゃないかな?
そう言えば……。
『死都日本』は、読んだのか?
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8. ハーレクイン- 2013/08/27 10:29
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ほう、それはそれは。
『死都日本』
読んでますよ。なかなか進みませんが。
読み終わったらレポートしましょう。