Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 1270
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「あー、美味しい。
 甘露甘露。
 ほら、また溜まってきた。
 無限の泉ね。
 その泉を……。
 クリちゃんが、帽子脱いで覗いてるよ。
 頭、撫で撫でしてって。
 してあげようか?」

 してほしかった。
 しかし、由美の体内では、快感に集中しきれない内憂が生じつつあった。
 尿意だった。
 雨に打たれたせいで、冷えてしまったようだ。

「あの……。
 お手洗い、貸していただけますか」
「あら。
 冷えちゃった?」

 夫人は、手の平を由美の腹部に当てた。

「ほんとだ。
 パンパンになってる。
 もっと早く言えばいいのに」

 そんなことを言えるタイミングなど、無かったではないか。
 由美は、少し恨みを含めた視線を、夫人に送った。

「そう言われてみると……。
 なんだか、わたしもしたくなっちゃったな。
 こうなると、集中出来ないのよね。
 オナニーしてても、たまにある。
 おしっこしたくなっちゃうとき。
 でも、せっかく盛りあがってたのに……。
 もったいないわ。
 おトイレ行ったら、気分が冷めちゃいそう」

 夫人は、由美の顔を伺いながら、小首をかしげた。
 口に出したせいか、由美の尿意も募ってきた。
 由美は、夫人の胸に預けた腰を外そうとした。
 しかし、由美の身じろぎを、夫人の両腕が阻んだ。

「せっかく裸なんだし……。
 せっかく外なんだから……。
 おトイレなんて、行くことないよ。
 ここでしちゃえばいいわ」
「そんな」
「大丈夫だって。
 ほら、あそこ見て。
 散水用のホースがあるでしょ。
 屋根のない木製デッキって、黄砂のときとか、真っ白になっちゃうの。
 それを、あれで洗い流すわけね。
 だから、おしっこしたって大丈夫」
「でも……」
由美と美弥子 1269目次由美と美弥子 1271





コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2013/07/03 07:24
    • 食「うーん。
       青森といえば、太宰治ですよね」
      http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2013062720322790a.jpg
      食「深浦は、太宰が『津軽』の執筆で訪れたそうです。
       当時泊まった旅館が、『太宰の宿 ふかうら文学館』になってます」
      http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130627203203d73.jpg
      食「宿泊当時の部屋が再現されてるんですよ」
      http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201306272032265ce.jpg
      み「太宰が泊まったのって、いつごろ?」
      食「昭和19年と、20年だそうです」
       少し長くなりますが、『津軽』より引用します。
      『深浦町は、現在人口五千くらゐ、旧津軽領西海岸の南端の港である。江戸時代、青森、鯵ヶ沢、十三などと共に四浦の町奉行の置かれたところで、津軽藩の最も重要な港の一つであつた。丘間に一小湾をなし、水深く波穏やか、吾妻浜の奇巖、弁天嶋、行合岬など一とほり海岸の名勝がそろつてゐる。しづかな町だ。漁師の家の庭には、大きい立派な潜水服が、さかさに吊されて干されてゐる。何かあきらめた、底落ちつきに落ちついてゐる感じがする。駅からまつすぐに一本路をとほつて、町のはづれに、円覚寺の仁王門がある。この寺の薬師堂は、国宝に指定せられてゐるといふ。私は、それにおまゐりして、もうこれで、この深浦から引上げようかと思つた。完成されてゐる町は、また旅人に、わびしい感じを与へるものだ。私は海浜に降りて、岩に腰をかけ、どうしようかと大いに迷つた。まだ日は高い。東京の草屋の子供の事など、ふと思つた。なるべく思ひ出さないやうにしてゐるのだが、心の空虚の隙《すき》をねらつて、ひよいと子供の面影が胸に飛び込む。私は立ち上つて町の郵便局へ行き、葉書を一枚買つて、東京の留守宅へ短いたよりを認めた。子供は百日咳をやつてゐるのである。さうして、その母は、二番目の子供を近く生むのである。たまらない気持がして私は行きあたりばつたりの宿屋へ這入り、汚い部屋に案内され、ゲートルを解きながら、お酒を、と言つた。すぐにお膳とお酒が出た。意外なほど早かつた。私はその早さに、少し救はれた。部屋は汚いが、お膳の上には鯛と鮑(あわび)の二種類の材料でいろいろに料理されたものが豊富に載せられてある。鯛と鮑がこの港の特産物のやうである。お酒を二本飲んだが、まだ寝るには早い。津軽へやつてきて以来、人のごちそうにばかりなつてゐたが、けふは一つ、自力で、うんとお酒を飲んで見ようかしら、とつまらぬ考へを起し、さつきお膳を持つて来た十二、三歳の娘さんを廊下でつかまへ、お酒はもう無いか、と聞くと、ございません、といふ』
       ゲートルというのが、まさに戦時中ですね。
      http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130627203159b5b.jpg
      ↑脛に巻いてるのがゲートル。これは祭り装束のようです(http://11.pro.tok2.com/~kazuo/m20-61.html)。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2013/07/03 07:25
    •  着流しでふらふら旅行するわけにはいかない時代だったんでしょう。
       酒を2本しか飲めないのも、戦時中ならではでしょうか?
      http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201306272032058c9.jpg
       飲もうと思ったときに飲めないのは、ちょっと切ないですね。
       「汚い部屋」と書いたのは、その鬱憤かも知れません。
       汚いはずないと思うんですよ。
       この秋田屋旅館が建ったのは、昭和5年のことですから。
       写真のとおり、斜陽館を思わせる立派な作りです。
       建った当時は、御殿のようだったと思います。
       太宰が滞在したのは、建築から14年後のこと。
       部屋なんか、まだ十分綺麗だったはず。
       ま、『津軽』は小説ですから、ウソを書いたというのは当たりませんが。
       またちょっと脱線します。
       江戸の吉原を描いた映画なんかで……。
       店の中のシーン。
       しどけなく肩を着崩した花魁が、廊下なんかを歩いてます。
       リアリティを出すためなんでしょうか……。
       廊下も柱も、黒光りするほど古びた感じに描かれてます。
      http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2013062720323150f.jpg
      ↑京都島原に残る揚屋『角屋(すみや)』
       ま、花魁の衣装や肌の白さが映えるようにと……。
       バックを暗くしたいというのもあるんでしょうね。
       でも、吉原の店が、黒光りするほど古びることは有り得ないんです。
       なぜなら……。
       江戸時代、吉原は、23回も火事で丸焼けになってるからです。
       つまり、常に新築同然で、古びるヒマなんてなかったわけ。
       おそらく、いつ行っても、木の香がプンプンしてたでしょう。
      http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130627203203d41.jpg
       で、この『津軽』の翌朝のシーン。
      『「あなたは、津島さんでせう。」と言つた。
      「ええ。」私は宿帳に、筆名の太宰を書いて置いたのだ。
      「さうでせう。どうも似てゐると思つた。私はあなたの英治兄さんとは中学校の同期生でね、太宰と宿帳にお書きになつたからわかりませんでしたが、どうも、あんまりよく似てゐるので。」
      「でも、あれは、偽名でもないのです。」
      「ええ、ええ、それも存じて居ります、お名前を変へて小説を書いてゐる弟さんがあるといふ事は聞いてゐました。どうも、ゆうべは失礼しました。さあ、お酒を、めし上れ。この小皿のものは、鮑のはらわたの塩辛ですが、酒の肴にはいいものです。」
       私はごはんをすまして、それから、塩辛を肴にしてその一本をごちそうになつた。塩辛は、おいしいものだつた。実に、いいものだつた。かうして、津軽の端まで来ても、やつぱり兄たちの力の余波のおかげをかうむつてゐる。結局、私の自力では何一つ出来ないのだと自覚して、珍味もひとしほ腹綿にしみるものがあつた。要するに、私がこの津軽領の南端の港で得たものは、自分の兄たちの勢力の範囲を知つたといふ事だけで、私は、ぼんやりまた汽車に乗つた』
       これも、太宰一流の作り話という気がします。
       兄から、中学の同級生が深浦で秋田屋という旅館をやっていることを聞いていて……。
       あえて、そこに泊まったんじゃないでしょうか。
       秋田屋では、主人が自分に気づくかどうかと思い……。
       正体を黙ってたのかも知れませんね。
       でも、気づいてはもらえなかったんでしょう。
       同級生の弟とわかってれば、お酒の追加も出来たでしょうから。
       ひょっとして、その日ご主人は出かけてたのかも。
       翌朝もたぶん、顔を合わせなかったのかも知れません。
       小説にあるような交流があったのなら……。
       「汚い部屋」なんて、書けないじゃないでしょうか。
       しかし、朝から塩辛を肴にお酒飲むんですね。
       わたしなら、動きたくなくなります。
       ↓『太宰の宿 ふかうら文学館』を訪ねる動画がありました。
      http://www.youtube.com/watch?v=80NwIK26aHc
       鮑の塩辛も出てきます。
      http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130627203201d7b.jpg
       続きは、次回。

    • ––––––
      3. ハーレクイン
    • 2013/07/03 09:14
    • 次は放尿プレイか。
      タイミングがいいのか悪いのか。
      >おトイレ行ったら、気分が冷めちゃいそう
      これはその通りですね、倉沢夫人。
      そういえば、ずっと「倉沢夫人」って書いてるなあ。
      美帆ちゃんって書くタイミングを逃しちまったよ。
      これはもうしょうがないね、倉沢夫人。
      いまさら美帆ちゃんなんて書けないよ、倉沢夫人。
      で、するよね、
      おしっこ。

    • ––––––
      4. ハーレクイン
    • 2013/07/03 09:19
    • 太宰といえば青森。
      太宰の青森といえば……
      深浦は「しづかな町」ですか、太宰せんせ。
      「津軽」をたどるプラン。一泊三食付お一人様17,000円。
      酒は付くんですかね
      “散策ガイド付き”というのが何か鬱陶しいなあ。
      朝から鮑の塩辛で一杯。
      最高のもてなしですねえ、太宰せんせ。
      「汚い部屋」は何かの憂さ晴らしでしょうね。わたしなら“小汚い”と書きます。
      しかし、昭和19、20年に旅館泊りの旅行ができるんだから、やはり裕福だったんだなあ、太宰治。
      ほおお。
      京都島原の揚屋がまだ残ってるんですか、「角屋」さん。
      ま、京都だもんなあ。
      見学はできるんですかね。
      吉原は木造三階建てですか。
      大衆割烹「がたろ」さん、元遊郭説は間違いではなさそうですね(だから、人さまへのコメで番宣はよせって)。
      ゲートルは、要するに江戸期の脚絆(きゃはん)。
      ズボンの裾が何かに絡まって事故を起こすのを防ぐためのもの。
      登山用衣服のニッカボッカも同じ発想ですね。
      それにしても、鳶職さんなどのニッカボッカはなんであんなに裾が広がってるんですかね。
      ただのファッションかなあ。
      危ないと思うがなあ。

    • ––––––
      5. tsuyopo
    • 2013/07/03 17:56
    • しばらく忙しくてなかなか来れませんでした。
      久しぶりに読んでます。
      個人的には婦人が責める方が好きですね。
      このままもう少し続くとうれしいかもです。

    • ––––––
      6. Mikiko
    • 2013/07/03 19:47
    • > ハーレクインさん
       お酒はたぶん……
       『津軽』にちなんで、2本付くんじゃないですか?
       それ以上は、追加料金をいただきます。
       鮑の塩辛。
       どんな味なんでしょうね。
       食べてみたいような、みたくないような。
       歯触りは良さそうですけどね。
       『角屋』。
       ↓公益財団法人『角屋保存会』になってるようです。
      http://www16.ocn.ne.jp/~sumiyaho/index.html
       入館料、1,000円。
       しかも、2階の座敷が見たければ、さらに800円必要。
       儲けすぎだろ!
       どこが“公益”じゃ。
       ゲートル。
       裾が絡まらないようにって、その程度の用途だったわけ?
       細いズボンを穿けばいいだけではないか。
       ニッカボッカ。
       鳶職は、しゃがんだり立ったりの作業が多いので……。
       膝周りが細いズボンだと、汗でひっついたりして具合が悪いんじゃないかな。
       と思って、調べたら、別の重要な役割があるようです。
       それは、障害物センサー。
       高いところで、後ろ向きに歩きながらの作業なんかもあるわけです。
       後ろに障害物があった場合、それに当たってひっくり返ったりすると、たいへん危険です。
       で、あのひらひらのズボンが、センサーの役割を果たすわけです。
       ズボンが先に何かに当たるので、障害物の有無がわかるんだそうです。
       猫のヒゲみたいなもんですかね。
      > tsuyopoさん
       この先、どう展開するんだったか……。
       ほぼ忘れてしまってます。
       わたしも、先を楽しみたいと思います。

    • ––––––
      7. ハーレクイン
    • 2013/07/03 21:36
    • >tsuyopoさん
      お久しぶりです。
      『由美美弥』、始めからも読むとおっしゃってましたが、どこまで行きました?
      いいなあ。この稀有な物語を初めて読めるんだもんなあ。
      羨ましいです。
      >Mikikoさん
      鳶のひらひらは障害物センサー
      へええー。
      それはまたなんと。
      ただのファッションじゃないのか。
      そうだよなあ。
      十人が十人、百人が百人、皆ひらひらだもんなあ。
      ふううーん。
      登山用のニッカボッカの場合、丈は膝のすぐ下。膝上をたるませて膝下で締めますから、膝が曲げやすく、歩きやすいんですね。特に登りで。
      膝から下はゲートルでも脚絆でもなく、膝下まである長い靴下を穿きます。

    • ––––––
      8. Mikiko
    • 2013/07/04 07:27
    •  実用よりも、“ファッション”だったんじゃないでしょうか。
       戦時中という意識を、国民に植え付けるための国策ファッション。
       “ファッショ”による“ファッション”ですかね。
       本日、参議院議員選挙公示です。
       わたしの大好きな選挙がまた始まります。
       22日は休むぞ。

    • ––––––
      9. ハーレクイン
    • 2013/07/04 08:11
    • ふうむ、なるほど。
      なら、モンペもそうなんですかね。
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