2013.3.3(日)
「ぶぶぶぶぶぶぶ」
理事長の唇が、アヒルの嘴形に突き出て、ぶるぶると震え始めた。
唇の端からは、涎が噴きこぼれてる。
見開いた両目は、あけみ先生の手元を睨んでる。
「がっ」
張り詰めてた理事長の顔が、突然弾けた。
爆風が、表情を吹き飛ばしたみたいだった。
顎が外れたようにぶら下がった。
口蓋の中で、舌だけが転がり動いてる。
目は見開いたままだったけど……。
綺麗な紡錘形の窓の中には、瞳が無かった。
真っ白な双眸が、自らの股間を睨んでる。
「はがぁ」
理事長の頭が、大見得を切るように揺れ……。
そのまま、真後ろに落ちた。
「呆れた女。
怒った顔してイッちゃったわ。
イキそうな表情すると、また止められるとでも思ったのかしら。
浅ましさもここに極まれりって感じだけど……。
ちょっと可哀想にもなっちゃうわね。
さてと。
ともみさんは、2人一緒のときにだけ現れるって言ってたわよね。
にわかには信じられない話だけど。
でも、せっかく2人揃ってるんだから……。
試してみる価値はあるわ。
美里も会いたいでしょ?
ともみさんに。
それじゃ、お望みどおり……。
2人一緒にしてあげましょうか。
場面転換よ」
起ちあがったあけみ先生は、理事長に背を向けかけて動きを止めた。
再び理事長に向き直る。
「脚が、ちょっと鬱血してるみたいね。
あんまり力入れてイクからよ。
縄が食いこんじゃってる」
あけみ先生は、理事長の足元にしゃがみこみ、縄を解き始めた。
「ほーら、楽になった。
脚、伸ばしてあげましょうね。
いい子いい子。
お人形さんみたい。
壊れたお人形さんだけど。
目が真っ白で。
ここで、しばらくおネンネしててね」
理事長の唇が、アヒルの嘴形に突き出て、ぶるぶると震え始めた。
唇の端からは、涎が噴きこぼれてる。
見開いた両目は、あけみ先生の手元を睨んでる。
「がっ」
張り詰めてた理事長の顔が、突然弾けた。
爆風が、表情を吹き飛ばしたみたいだった。
顎が外れたようにぶら下がった。
口蓋の中で、舌だけが転がり動いてる。
目は見開いたままだったけど……。
綺麗な紡錘形の窓の中には、瞳が無かった。
真っ白な双眸が、自らの股間を睨んでる。
「はがぁ」
理事長の頭が、大見得を切るように揺れ……。
そのまま、真後ろに落ちた。
「呆れた女。
怒った顔してイッちゃったわ。
イキそうな表情すると、また止められるとでも思ったのかしら。
浅ましさもここに極まれりって感じだけど……。
ちょっと可哀想にもなっちゃうわね。
さてと。
ともみさんは、2人一緒のときにだけ現れるって言ってたわよね。
にわかには信じられない話だけど。
でも、せっかく2人揃ってるんだから……。
試してみる価値はあるわ。
美里も会いたいでしょ?
ともみさんに。
それじゃ、お望みどおり……。
2人一緒にしてあげましょうか。
場面転換よ」
起ちあがったあけみ先生は、理事長に背を向けかけて動きを止めた。
再び理事長に向き直る。
「脚が、ちょっと鬱血してるみたいね。
あんまり力入れてイクからよ。
縄が食いこんじゃってる」
あけみ先生は、理事長の足元にしゃがみこみ、縄を解き始めた。
「ほーら、楽になった。
脚、伸ばしてあげましょうね。
いい子いい子。
お人形さんみたい。
壊れたお人形さんだけど。
目が真っ白で。
ここで、しばらくおネンネしててね」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2013/03/03 07:35
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み「いじめられたんじゃないか?」
食「可能性は、大でしょうね」
み「叔父さんの嫁が怪しい」
律「案外、娘かもよ」
み「あり得るね」
食「で、とうとう辛抱できなくなり……。
叔父さんの家を飛び出しました」
律「追い詰められたのね」
食「箱根の関所近くまで来ましたが……。
当然、道中手形など持ってません。
お玉は、屏風山を越えようとしますが……」
http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130227162350419.jpg
食「山の上まで、ずーっと柵が巡らされてました」
http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130227162328eff.jpg
食「でも、懸命に探して、小さな破れ目を見つけました。
体が小さかったお玉は、その間を抜けようとしたんです」
み「その柵さえ越えれば、家に帰れるんだもんね」
食「でも、残念ながら体が挟まり、身動きが出来なくなりました」
http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2013022716235169a.jpg
み「そこを、役人に見つかったわけ?」
食「いえ、見つけたのは村人だったそうです」
律「どうして見逃してやらなかったの!」
食「見つけたのが1人だったら、そうしたかも知れませんね。
たぶん、数人で通りかかったんじゃないかな」
み「共有の秘密に出来るほど、仲が良く無かった?」
食「じゃないですか。
ヘタに助けたりしたら、仲間にチクられかねない。
可哀想だと思いつつ、役人に知らせたんでしょう」
http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201302271623284e7.jpg
み「神も仏もないわなぁ。
助けないまでも……。
せめて、見ぬふりして行ってくれれば」
食「でも、2月だったそうですからね。
箱根の山中で放って置かれたら、たぶん凍死です」
http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130227162351a38.jpg
み「はぁ。
つくずく運が無いわ」
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2. Mikiko- 2013/03/03 07:36
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食「役人も、村人からの通報があったんでは……。
表立って処理するしかないでしょう」
み「どうなったの?」
食「2ヶ月間、獄屋に入れられた後……」
http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20130227162327571.jpg
食「処刑されました」
み「無残な……」
食「でも、本来なら磔のところを……」
http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201302262010587b9.jpg
食「刑がひとつ軽くされたそうです」
み「どんな刑よ?」
食「獄門です」
http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201302271623271b8.jpg
み「ぜんぜん軽くないだろ!」
食「お玉の首を洗ったと云う池は、『お玉ヶ池』と名付けられました」
http://blog-imgs-48.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2013022716232996d.jpg
み「化けて出てやれば良かったんだよ」
律「親は、堪らなかったでしょうね」
み「奉公に出したのは、自分たちなんだもんね」
食「時代が悪かったんでしょう。
江戸時代も半ばを過ぎると……。
監視も緩くなって、賄賂を出せば通れたそうですから」
http://blog-imgs-53.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20121124105808b60.jpg
食「ま、お玉はお金を持ってなかったでしょうから……。
追い返されてしまったかも知れませんけど」
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2013/03/03 08:55
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いきかたが凄まじいね、どうにも。
>がっ
>はがぁ
>頭が……真後ろに落ちた
だもんなあ。
>ほーら、楽になった
>脚、伸ばしてあげましょうね
おーや。優しいじゃねえか、あけみセンセ。
ま、なんかあったら、それこそ警察沙汰だもんなあ。
ともみさんに会えずに獄の中じゃあ、それこそ「死んでも死にきれん」ってやつだわなあ、あけみセンセ。
で、次の獲物はゆうちゃんかい?
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4. ハーレクイン- 2013/03/03 09:01
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叔父さんの嫁、というと叔母さんだな
叔父さんの娘、というと従姉妹だよ。
ふーん、家族総出でいぢめられたか、お玉ちゃん。
こういうのは、赤の他人にやられるより堪えるよなあ、わかるわかる。
で、飛び出したか、お玉ちゃん。
よく、道わかったなあ。
てより、女の子の足で、いや男でも、江戸から箱根まで1日では無理だろ。途中どこで寝たんだ?
その前に、ご飯はどうしたんだ?
可哀想によう。
さすがに、箱根の関所は越えられぬ、は知っていたか、お玉ちゃん。
で、山越え、関所破り、と。
大胆不敵だが、ま、必死だったんだろうね。
当時の道路状況は知らんけど、伊豆の先っぽに行くんなら、小田原あたりから海沿いをたどる、という手もあったんじゃないか。
山にも柵!
このあたり、さすが箱根、というところだが、これに見事に引っかかったかお玉ちゃん。可哀そうによう。
血も涙もない村人たちに発見され、血も涙もない役人に捕縛されるお玉ちゃん。
可哀想によう。
で、二た月も放り込まれた揚句、獄門かよ。
獄門というと、首切りだよなあ。
よく出来たね、そんな血も涙もない真似。
やろうと思えば、いくらでもうまく処理できたやろ、と思うがのう。
それにしても、二た月放り込まれたということは、その間、取調べはあったよな。当然、実家の親や、江戸の叔父さんに知らせは行くよな。
なんも手、打たんかったんやろか。減刑運動とか。
それとも関わり合いを恐れたか。血も涙もねえなあ。
必死に泣きつきゃ、たかが小娘のやったこと、何とでもなったと思うがのう。
で、何?
「お玉が池」ぇ?
神田千葉道場とはかんけーないよな。
今から所用で出かけます。
帰りはさあ、何時になりますか。
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––––––
5. Mikiko- 2013/03/03 13:07
-
学級委員的な融通の聞かないリーダーがいて、“正義”を通したんじゃないですか。
周りの子は、可哀想だと思いつつも、逆らえなかったんじゃないでしょうか。
見つかったのが年寄りなら、逃がしてやったでしょうにね。
お玉も不運です。
でも……。
見つけたのが若い男のグループだったら、どうなったでしょう。
柵の間に、身動きの出来ない少女がいるんですよ。
お玉の裾を捲って、ヤッちゃったんじゃないでしょうか。
代わる代わる、次から次へと。
で、終わった後は……。
そのままにしておけませんね。
もし、誰かが通りかかったら、お玉の口から、自分らのしたことがバレるかも知れない。
いっそそれなら……。
ということで、哀れお玉は、強姦された挙句に絞め殺されて……。
山の中に埋められちゃったでしょうね。
でも、獄屋に2ヶ月閉じ込められて首を斬られるより、マシだったかも知れません。
神田お玉ヶ池。
こちらは、池の畔の茶屋の娘お玉が、身を投げた池だそうです。
お玉って、不運な名前なんでしょうか?
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––––––
6. ハーレクイン- 2013/03/03 13:44
-
えー、帰宅しました。
>江戸時代も半ばを過ぎると……。
>監視も緩くなって、賄賂を出せば通れた
これはほんとのようです。
あ、いや、別に「食」くんを疑っているわけではないが。
監視が緩くなったのは、それだけ德川の威光が通じなくなってきた、ということなんでしょうか。
箱根でさえそうなんだから、もっと地方へ行くと、ほとんどフリーパス、というより、地元の藩の都合で運営されてたんじゃないかね、関所。
大間越はどうだったんだろうね。
それにしても可哀想なのはお玉。
これじゃあ、いわゆる“見せしめ”にもならない。庶民の反感を買っただけなんじゃないかね。
そのあたり、どないだ? 德川はん。
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––––––
7. ハーレクイン- 2013/03/03 18:48
-
『うれしいひな祭り』
作詞:サトウハチロー
作曲:河村光陽
♪灯火(あかり)を点(つ)けましょ雪洞(ぼんぼり)に
お花をあげましょ桃の花
五人囃子の笛太鼓
今日は楽しい雛祭り
♪お内裏様とお雛様
二人並んで澄まし顔
お嫁に嫁(い)らした姉様に
よく似た官女の白い顔
♪金の屏風に映る灯火(ひ)を
微かに揺する春の風
少し白酒召されたか
赤いお顔の右大臣
♪着物を着替えて帯締めて
今日は私も晴姿
春の弥生のこの佳(よ)き日
何より嬉しい雛祭り♪
おみなごよ、健やかに美しく在れ、と願う歌。
世界中に、これ以上に美しい歌は……あるかなあ。
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8. Mikiko- 2013/03/03 19:50
-
ひょっとしたら……。
お玉は、幕府の放った隠密だったのかも知れん。
それを見破った小田原藩に謀殺されたのだ。
ひな祭り。
笹川流れのある村上市は城下町。
毎年、この時期……。
古くからの町屋に伝えられた雛人形が、展示公開されます。
http://www.uoya.co.jp/uoyasake/dolls.html
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9. ハーレクイン- 2013/03/03 20:09
-
>お玉は、幕府の放った隠密
どっからそんな発想が……。
隠密が、むざむざ柵の破れ目に引っかかったりするかい。
村上市は村上藩ですね。
村上の雛人形。
画像がいっぱいあって、も一つ判然としませんが、どうもお雛様(女性)が向かって左側、お内裏様(男性)が右側のような……。
この飾り方は京風ですね。
一般的には逆に、男・左、女・右ですよね。
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––––––
10. Mikiko- 2013/03/03 22:25
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柵に引っかかったというのは……。
後付けされた作り話。
実際には、柵際で斬り合いが行われたわけです。
お玉を演じていたのは、公儀隠密。
実際の歳は、二十歳を超えていたと云う。
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11. ハーレクイン- 2013/03/03 23:07
-
隠密が“演じて”いたというのもなんかなあ。
どうしても公儀隠密にしたいようだが、二十歳というのはどうなんだろうね。
いや、そうか。
運動能力ということになると、そうなのかなあ。
いやいやいやいや、やはり十七、八が最も……。
このあたり、是非八十郎さんのご意見を賜りたいものじゃ。
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12. Mikiko- 2013/03/04 07:44
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顔は誤魔化せても……。
身体はウソをつけない。
胸やお尻が、柵に引っかかってしまったのじゃ。
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13. ハーレクイン- 2013/03/04 11:48
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でか乳でか尻は採用されんはずだが(ウソ)。
香奈枝せんせは、でか乳の故、不採用になり梅ヶ丘に来たのじゃ(大ウソ)。