2012.2.11(土)
再び、笑い声が聞こえた。
近かった。
ベランダ真下の道路だろう。
数人の男が立てる笑い声が、腰壁の下を移動していく。
彼らが見上げれば、街頭の明かりの中、貼り石に覆われたベランダが見えるはずだ。
そしてその内側には、男根を擦る女がいるのだ。
声が聞こえるうちに、絶頂を迎えたかった。
由美は戸外に背を向け、上体を折った。
尻を突きあげる。
肛門の照準はベランダの腰壁を越え、下弦の月に定まっているに違いない。
由美の股間では、男根の先端が、足元のコンクリートを指していた。
由美の身体が、塑像のように動きを止めた。
刹那……。
男根を握る手に、熱を感じた。
熱い液体だった。
雫として生まれた液体は、たちまち迸りに姿を変えた。
尿だった。
新たな潤滑を得た手の平が、再び始動した。
見下ろす手の平が、たちまち輪郭を消す。
擦る。
擦る。
街路の笑い声は、戯れてでもいるのか、マンション下に留まっていた。
きっと……、自分の尻を見上げて嗤っているのだ。
手の平を滑る液体が、熱を持ち始めた。
浮き出た血管を研ぎ卸す手業が、摩擦熱を生んでいた。
由美は、大きく口を開いた。
口を閉じていると、声が零れそうだった。
背後で、笑い声が弾けた。
同時に、由美は上体を起ちあげた。
ガラス窓に正対する。
グローランプの灯る室内が透けて見えた。
ベッドの上には、なだらかな膨らみが、タオルケットに包まれている。
こちらに背を向けた美弥子だった。
なだらかな丘は、静かに起伏していた。
平穏な眠りの世界が、そこにはあった。
由美は、視線の焦点を手前に絞った。
ガラス窓だった。
そこには、獣が映っていた。
無論、自分だ。
ネットで見たダッチワイフのように口を開けている。
髪の毛が、踊るように揺れていた。
むろん、男根を擦り立てているからだ。
由美は、視線の仰角を下げた。
獣の下半身が見えた。
両脚をパンタグラフのように拡げていた。
無毛の股間からは、長大な男根を起ちあげている。
陰茎を上下する拳は、輪郭を消している。
上体がよろめいて、足裏が勝手に歩んだ。
支えきれず、片手をガラスに突く。
窓枠が、思いがけないほど大きな音を立てた。
しかし、美弥子は眠りから覚めなかった。
なだらかなケットの丘は、静かな起伏を乱そうとしなかった。
ガラス窓を隔てた向こうは、別世界のように見えた。
そう。
これは、透明な檻なのだ。
檻の獣は、口を目一杯拡げ、無音の咆哮を放った。
近かった。
ベランダ真下の道路だろう。
数人の男が立てる笑い声が、腰壁の下を移動していく。
彼らが見上げれば、街頭の明かりの中、貼り石に覆われたベランダが見えるはずだ。
そしてその内側には、男根を擦る女がいるのだ。
声が聞こえるうちに、絶頂を迎えたかった。
由美は戸外に背を向け、上体を折った。
尻を突きあげる。
肛門の照準はベランダの腰壁を越え、下弦の月に定まっているに違いない。
由美の股間では、男根の先端が、足元のコンクリートを指していた。
由美の身体が、塑像のように動きを止めた。
刹那……。
男根を握る手に、熱を感じた。
熱い液体だった。
雫として生まれた液体は、たちまち迸りに姿を変えた。
尿だった。
新たな潤滑を得た手の平が、再び始動した。
見下ろす手の平が、たちまち輪郭を消す。
擦る。
擦る。
街路の笑い声は、戯れてでもいるのか、マンション下に留まっていた。
きっと……、自分の尻を見上げて嗤っているのだ。
手の平を滑る液体が、熱を持ち始めた。
浮き出た血管を研ぎ卸す手業が、摩擦熱を生んでいた。
由美は、大きく口を開いた。
口を閉じていると、声が零れそうだった。
背後で、笑い声が弾けた。
同時に、由美は上体を起ちあげた。
ガラス窓に正対する。
グローランプの灯る室内が透けて見えた。
ベッドの上には、なだらかな膨らみが、タオルケットに包まれている。
こちらに背を向けた美弥子だった。
なだらかな丘は、静かに起伏していた。
平穏な眠りの世界が、そこにはあった。
由美は、視線の焦点を手前に絞った。
ガラス窓だった。
そこには、獣が映っていた。
無論、自分だ。
ネットで見たダッチワイフのように口を開けている。
髪の毛が、踊るように揺れていた。
むろん、男根を擦り立てているからだ。
由美は、視線の仰角を下げた。
獣の下半身が見えた。
両脚をパンタグラフのように拡げていた。
無毛の股間からは、長大な男根を起ちあげている。
陰茎を上下する拳は、輪郭を消している。
上体がよろめいて、足裏が勝手に歩んだ。
支えきれず、片手をガラスに突く。
窓枠が、思いがけないほど大きな音を立てた。
しかし、美弥子は眠りから覚めなかった。
なだらかなケットの丘は、静かな起伏を乱そうとしなかった。
ガラス窓を隔てた向こうは、別世界のように見えた。
そう。
これは、透明な檻なのだ。
檻の獣は、口を目一杯拡げ、無音の咆哮を放った。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2012/02/11 07:50
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謎「すみませ~ん。
驚かせちゃいました?」
よく見れば、人間です。
しかし……。
顔面の面積は、人間離れしてます。
皮を剥いで伸ばしたら……。
八畳敷?
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201202052016115f6.jpg
み「な、何か?」
謎「お2人の会話が、ついつい耳に入っちゃいまして。
で、どーしても黙ってられなくなりました」
み「はぁ」
謎「こちらがわの座席で、ぜんぜん大丈夫ですよ。
ばっちり、日本海が波かぶりで見れます」
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201202052015510ce.jpg
↑かぶりすぎだろ
み「えー。
どうしてです?」
律「あの。
口の中のもの、飲みこんでからにしてくれません?
さっきから、ご飯粒が飛んでくるんですけど」
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20120205201551090.jpg
謎「すみません。
食後食を食べてまして」
み「食後食?」
謎「ほら、これです。
ご存知でした?
『白神鶏わっぱ』」
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20120205201551530.jpg
謎「けっこう、有名です」
み「お、美味しそうですね」
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20120205201550abf.jpg
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2. Mikiko- 2012/02/11 07:51
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謎「でしょー。
ちょーっと、彩りは地味ですが……。
中身は、比内地鶏のガラスープで炊き込んだ“あきたこまち”に……。
比内地鶏の肉煮とそぼろ、ハタハタのうま煮、舞茸煮、白神あわび茸煮、じゅんさい酢の物、とんぶり、蜆佃煮、みずの実醤油漬け、人参漬物、いぶりがっこ、という豪華さです」
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20120205201550d52.jpg
み「ほー」
謎「ボクは秋田駅で買いましたけど……。
もちろん『しらかみ』の車内でも売ってます。
いかがです?
美味しいですよ」
み「あいにく……。
ホテルで朝食は済ませましたんで」
http://blog-imgs-35.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20120128102358a07.jpg
謎「もちろん済ませましたよー、ボクだって。
こんな時間まで、何も食べないでなんかいられませんからね」
み「てことは……。
ホテルで朝食を済ませ……。
今また、駅弁を食べてる?」
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20120205201551bed.jpg
謎「そうです。
だから、食後食って言ったじゃないですか。
駅弁の分量って、おやつにちょうどいいんです」
み「お、おやつって。
まだ、8時半ですけど」
謎「大丈夫。
10時には、また食べますから。
炊き込みご飯に乗った鶏肉が、ほんとにいい味出してます。
まいうー」
よく見ると、ホンジャマカの石塚に似てます。
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20120205201611ae9.jpg
体型が。
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20120205201611e38.jpg
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2012/02/11 08:41
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透明な檻の中の、両性具有の獣。
檻の外には静謐な日常が、獣の、愛してやまぬ人が。
檻の中は非日常の異形の世界。
獣はいずれ檻を破り、日常につなぎとめるあらゆる鎖を断ち切って、野に駆け出ていくのだろうか。
それが獣の望みならば……。
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4. ハーレクイン- 2012/02/11 08:44
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確かに美味そうだが。
「お高いんでしょうねえ」。
「お求めやすいお値段です」。
しかし、石ちゃん似の「謎」くん。
名前は仮名かあ。このままいくのか。
それにしても“食後食”とは……。
旅の道連れには、少し暑苦しそうだな。
結局「なぜ右側が波かぶり席なのか」の説明は後回しかい。
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5. 海苔P- 2012/02/11 09:14
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現実点で携帯アクセスでは9位でした。
おめでとうございます♪
あおい殿は7位にいたよ!
あ!まだ本編を読んでないよ♪
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6. Mikiko- 2012/02/11 09:52
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> ハーレクインさん
そうか、まだ値段のことを書いてなかったな。
ま、そう急ぐでない。
しらかみの旅は、まだ始まったばかりではないか。
バラしたくてしょうがないでしょうが……。
しばし我慢してもらいます。
> 海苔ピーさん
ありがとうございます。
携帯は、10位でページが変わっちゃうから……。
ベスト10に入るかどうかで大違い。
あおい殿に、も少し近づきたいものじゃな。
真下に付けて……。
カンチョーかましてやる。
> みなさん
PCからご覧の方は、とっくにお気づきでしょうが……。
サイトデザインを変えました。
といっても、サイドバーを増やしただけね。
コンテンツが多くなって……。
サイドバーが、凧の尻尾みたいに長くなってしまったので。
2本では足りない気がして、一気に3本にしてみました。
こんなアホな表示をしてるブログは、ほかに無いでしょう。
ノートパソコンからだと、右端が切れちゃってる人も多いかと思います。
あまり見づらいようなら、メールして下さい。
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7. ハーレクイン- 2012/02/11 11:51
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わたしのモニターは横長ワイド画面だから、楽勝で表示できますが、確かにノートだと苦しいでしょうね。
ま、それだけコンテンツが充実してきたということで結構なことですが、初めての方は迷子になるかもしれんなあ。
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8. Mikiko- 2012/02/11 12:15
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目次ページの下の方にもありあます。
右端が切れてしまう方は、そちらからも入れますので……。
どうぞご利用下さい。
スーパーに行こうとしたら……。
また、車庫の屋根がてんこ盛りになってたので……。
雪下ろしをしました。
先週、ぜんぶ下ろしたばっかりなのに……。
それ以上に積もってました。
またまたクルマが埋まってしまい……。
掘り出すのに、思いのほか時間がかかった。
汗だくになったので、お風呂に入ったら……。
出かける気力が無くなって、酒を飲み始めてしまった。
なんのために掘ったのかわからぬ。
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9. 海苔P- 2012/02/11 14:00
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現在の携帯アクセスでは
あおい殿を浣腸出来る位置に来てますよ!
8位落ちてました。
9位をキープ中ですよ♪
皆さん頑張って応援してね♪
昼間にランク落ちてるのに今日は維持してるよ♪
夜まで保つのかなぁ♪
PCで見てみる。
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10. ハーレクイン- 2012/02/11 15:38
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ブロラン、ベスト10のサイトさんをつくづく眺めていますと、Mikiko’s Roomは名前で損してるような気がするなあ。どんなサイトなのか、名前だけでは皆目見当つかんもんなあ(覗き部屋か?!)。
ま、この世界ではすでに“知る人ぞ知る”サイトなのでしょうが。問題は“知らない人”だよ。この方々に、どうやって覗いてもらうか。このあたりが今後の課題の一つなのかも、ですね。
あーああ。せっかくの雪下ろしの手間が元の木阿弥かあ。
酒飲みの性が悪い方に転んだのう。
ま、それも人生だ。
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11. 海苔P- 2012/02/11 19:02
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今、見てきたけど 落ちてるは
あおい殿 7位に浮上
10位ダウンしてる
夜中に多分11位まで落ちるんだな?
全体的に上がってるけど…
時間帯によって順位の変動があるからね!
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12. Mikiko- 2012/02/11 20:39
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> 海苔ピーさん
ブロランのランキングは、1週間分の累計です。
切り替えてから、まだ1週間経ってないので……。
もう少し伸びしろがあると思う。
ま、じわじわ行きましょう。
PC、壊れてもいいから起ちあげて……。
クリックせよ。
> ハーレクインさん
『Mikiko's Room』ってサイト名は、確かにエロサイトとしては失敗ですね。
親切な相互リンクサイトさんの中には……。
サイト名を、『変態レズビアン小説』に変えて表示してくださってるところもあります。
『Mikiko's Room』じゃリンクが飛びません、とはっきり言われました。
雪掘りのおかげで、両肩が痛い。
新潟の雪は重いので、ほとんど土木作業です。
雪捨場が無いから、積みあげるしか無い。
駐車場脇の雪山は、わたしの頭を越えました。
今夜も降ると、また同じ事をしなきゃならん。
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13. ハーレクイン- 2012/02/11 21:12
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>『Mikiko's Room』じゃリンクが飛びません、とはっきり言われました。
あー、やっぱりねえ。
うーむ。
しかし今更サイト名を変えるってのもなあ、もう「Mikiko’s Room」で体に染み込んでしまってるもんなあ。
自分の場合はどうだったかなあ、と考えてみたのですが、どのような経緯でMikiko's Roomにたどり着いたかは全く記憶にありません。
ただ、とりあえず引き付けられたのは天井の看板だったことは覚えています。
「[斜体]ゴシック系[/斜体]長編レズビアン小説」
「女性しか出てきません」
「すべての女性が変態」
「文章は『[斜体]蒼古[/斜体]』を旨」
「[斜体]美しき変態たち[/斜体]の宴」などなどですね。海苔さんによると、今は削除された言い回しもあるそうですが……。
これらの惹句にもし気づいていなければ、素通りしていたかもしれません。
>雪捨場が無いから、積みあげるしか無い。
あー、これはきついですねえ。
TVで見かける、あの雪を流す“水路”みたいな。ああいうの、無いんですか……。
-
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14. Mikiko- 2012/02/11 22:59
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変える気はありません。
ずっと付き合っていくつもり。
それなりに、一生懸命考えた名前ですから。
新潟市は……
豪雪地帯じゃないので……。
雪に対する備えは、はなはだ脆弱なんです。
消雪パイプも無ければ、雪を流す“融雪溝”も無い。
除雪車だって、滅多に来ない。
朝の道路は、酷いものです。
その点、豪雪地の長岡市なんかでは……。
通勤時間帯には、道路の雪は綺麗サッパリ無くなってます。
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15. ハーレクイン- 2012/02/11 23:53
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>名称は変える気はありません。
善哉善哉。
>新潟市は……雪に対する備えは、はなはだ脆弱……。
へええー。
そおなんですか。
それは意外や意外でした。
いくら豪雪地帯ではないとはいえ、あれだけ連日降り続けるわけでしょう。何の備えもないというのは、それはあんまりではないか。
現に、住民の皆さんは苦労しているわけでしょう。
うーむ、本州日本海側唯一の政令指定都市が、それでいいのか。
北海道と東北の寒冷対策の違いみたいなものかなあ。
今はどうか知りませんがかつては……、
北海道の住宅は、暖房設備や、壁の断熱構造やら、二重窓やら、寒さ対策は万全なので、冬季の住宅内はかえって快適なほどであると。
対して東北では、冬季の低温自体は北海道ほどではないので、住宅の防寒対策はそれほどでもない。したがって冬季の室内は、東北が日本一寒いのだと。
なんか北海道=長岡市、東北=新潟市、のような……。
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16. Mikiko- 2012/02/12 07:33
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本来、雪はあまり積もらないんです。
30センチも積もれば大雪です。
それが今日現在では、中心部で51センチ。
南部の秋葉区では、72センチ。
排雪能力を超えてしまってます。
重機による除雪作業ってのは……。
中小建設会社への委託なんです。
ところが、建設不況のおかげで、その業者がバタバタ廃業してるんですね。
なんか、ここで暮らしていくことが、不安になってきます。