2011.11.18(金)
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木立の中に見えてきたのは、赤い屋根のログハウスだった。
急勾配のルーフからは、四角柱の煙突が突き出ている。
おとぎ話の挿絵のようだった。
由美の脚は、駆け出しそうに速まった。
ログハウスの前には、叔母のクルマが止められていた。
ダークグリーンのジャガーは、見間違えようがない。
扉には、真鍮製らしいドアベルが付いていた。
鳴らすと、軽やかな鈴音が響いた。
音符記号が、木の間を透いて昇っていく。
ほどなく、扉が開いた。
「こんにちは~」
「遅かったじゃない。
電話しようかと思った」
叔母は、純白のバスローブを纏っていた。
石鹸の香りに包まれている。
メイクも落としていた。
「ちょと、2人とも汗だくじゃない。
どうしたの?」
「バス停、ひとつ間違えちゃった」
「歩いたわけ?
電話くれたら、迎えに行ったのに」
「ほんの今さっき、それに気がついた」
「バカね。
とにかく上がって」
西欧の絵本に出てくるような外観だったが……。
玄関には上がり框があり、3人分のスリッパが揃えてあった。
2つは、由美と美弥子に用意されたもの。
あとひとつは……。
由美は改めて、ここに招かれた目的を思い出し……。
胸に微かな痛みが走った。
香純の弟は、まだ来ていないようだ。
リビングには、ほどよい冷房が効いていた。
別荘地にしては暑いと思っていたが、やはり冷房が欠かせない土地のようだ。
「いらっしゃい」
迎えてくれた香純も、純白のバスローブ姿だった。
叔母と同様、メイクを落としている。
剥き卵のような素顔が、若さを誇っていた。
はにかんだ笑顔とバスローブが、アンバランスな魅力を振りまいている。
叔母と並ぶと……。
どう見ても、叔母が男役だった。
しかし、今日の役柄は逆なのだ。
由美の胸の痛みは、いつしか股間の疼きに変わっていた。
木立の中に見えてきたのは、赤い屋根のログハウスだった。
急勾配のルーフからは、四角柱の煙突が突き出ている。
おとぎ話の挿絵のようだった。
由美の脚は、駆け出しそうに速まった。
ログハウスの前には、叔母のクルマが止められていた。
ダークグリーンのジャガーは、見間違えようがない。
扉には、真鍮製らしいドアベルが付いていた。
鳴らすと、軽やかな鈴音が響いた。
音符記号が、木の間を透いて昇っていく。
ほどなく、扉が開いた。
「こんにちは~」
「遅かったじゃない。
電話しようかと思った」
叔母は、純白のバスローブを纏っていた。
石鹸の香りに包まれている。
メイクも落としていた。
「ちょと、2人とも汗だくじゃない。
どうしたの?」
「バス停、ひとつ間違えちゃった」
「歩いたわけ?
電話くれたら、迎えに行ったのに」
「ほんの今さっき、それに気がついた」
「バカね。
とにかく上がって」
西欧の絵本に出てくるような外観だったが……。
玄関には上がり框があり、3人分のスリッパが揃えてあった。
2つは、由美と美弥子に用意されたもの。
あとひとつは……。
由美は改めて、ここに招かれた目的を思い出し……。
胸に微かな痛みが走った。
香純の弟は、まだ来ていないようだ。
リビングには、ほどよい冷房が効いていた。
別荘地にしては暑いと思っていたが、やはり冷房が欠かせない土地のようだ。
「いらっしゃい」
迎えてくれた香純も、純白のバスローブ姿だった。
叔母と同様、メイクを落としている。
剥き卵のような素顔が、若さを誇っていた。
はにかんだ笑顔とバスローブが、アンバランスな魅力を振りまいている。
叔母と並ぶと……。
どう見ても、叔母が男役だった。
しかし、今日の役柄は逆なのだ。
由美の胸の痛みは、いつしか股間の疼きに変わっていた。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2011/11/18 07:34
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老「それでは、遠慮無く」
み「家訓ね」
老「家訓じゃ」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111023111433c42.gif
み「ウソこけ。
はい、どうぞ」
老「……」
律「Mikiちゃん。
それは止めなさいって言ったでしょ」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111023111435c44.jpg
み「秘技、2ミリ酒。
お味わい下さい」
老「これでは、きき酒も出来んぞ」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011111310373669c.jpg
み「きき酒って、やり方があるの?」
老「まずは……。
静かな環境が必要じゃな。
特に、騒々しいオナゴが脇におらぬこと」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011111310365684f.jpg
み「誰のことを言っておるのだ」
老「酒は、きき猪口に七分目まで注ぐ。
ほれ、注ぎんしゃい」
み「ほんまかよ。
まぁ、いい。
作法を見せていただきましょう。
ほれ、七分目」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111113103657a01.jpg
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2. Mikiko- 2011/11/18 07:35
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老「それでは……。
……」
み「何してんの、早く飲みんしゃい」
老「いきなり飲んでどうする。
まずは、色を見るんじゃ。
利き猪口には、底に蛇の目が描かれておるじゃろ」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111113103655cf9.gif
老「その藍色の部分で、酒の透明度を見……。
白い部分で、酒の色を見る」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111113103654a71.jpg
み「見た?」
老「うむ」
み「次は?」
老「せわしないのぅ。
次は、香りじゃ。
きき猪口を、軽く揺り動かす」
み「目が回るじゃないの」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111113103737797.jpg
老「そんなのはお前さまだけじゃ。
このとき立ち上がる香りを、『上立ち香』と呼ぶ」
み「嗅いだ?」
老「うむ」
み「鼻の穴が動いてないけど」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111113103654ad9.jpg
老「そういう下品な嗅ぎ方をしてはいかん」
み「次」
老「5~10ミリリットルほどの酒を口に含む」
み「おー、ようやく飲むんだね」
老「飲むのでは無い。
口に含むのじゃ。
啜るようにしながら舌の上で転がし……。
味の特徴や濃さを把握する」
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111113103653c4a.jpg
↑きき酒中
老「口に含んだときに感じられる香りを、『含み香』と云う。
鼻に抜ける香りも確かめる」
み「確かめた?」
老「うむ」
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2011/11/18 07:54
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>赤い屋根のログハウス
>急勾配のルーフ
>四角柱の煙突
>真鍮製のドアベル、軽やかな鈴音……
メルヘンしとるのう。
えー、律子叔母さんの車ってジャガーかい。
第二京浜あたりでブイブイいわしてるんではなかろうな。
香純の弟も来るのか。
てっきり精子瓶に用意してくるもんだと思ってたが。
そらあまあ、新鮮な方が精子も元気だけどのう。
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4. ハーレクイン- 2011/11/18 08:14
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>利き猪口に七分目
>まず目で見る、透明度と色合い。
>次に鼻。上立ち香と含み香。
>舌。味わいと濃度。
こいつを一杯飲み屋でやると嫌がられるぞ。
しかし、今日のコメは手抜きだなあ。反省。
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5. Mikiko- 2011/11/18 20:15
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こんな感じでしょうか?
http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111118162633fc1.jpg
会社近くにときどき止まってるジャガーは、もうちょっと渋いグリーンですけど。
ジャガーはイギリスのクルマなので、右ハンドルで運転しやすそうですね。
買えまへんけど。
居酒屋でのきき酒。
こちらのお店に、「きき酒セット」というメニューがありました。
http://inaka.on.omisenomikata.jp/menu/11974
新潟の地酒4種「八海山」「緑川」「菊水」「鶴齢」がグラスに入って出てきて……。
すべて正解すると、おすすめ料理が1品サービスだそうです。
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6. ハーレクイン- 2011/11/18 22:20
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ジャガーは……結構、波瀾万丈の歴史を経てきたようですね。自動車産業界自体がそのような時代にあるのでしょうが。
しかしジャガーブランドは、英国王室御用達でもあります。
「おでん居酒屋ゐなか」さんの利き酒セット。
1000円です。
「すべて正解すると、おすすめ料理1品サービス」か。
“すべて間違うと、勘定倍付け”ではなかったです。
器はグラスで1合? 8勺くらい?
いずれにしても4杯で1000円はお買い得。
ただし、普通酒のようだからそんなに割安でもないか。
八海山は飲んだことあります。味は……忘れた。
今朝のコメで書き忘れたなあ。
「かしまし娘」のテーマソング。
♪うちら陽気なかしまし娘
誰が言ったか知らないが
女三人寄ったら
かしましいとは愉快だね
ベリィグッド~ ベリィグッド~
お笑いおしゃべりミュージック
明るく笑ってナイト・アンド・デイ
ピーチクパーチクかしいましい
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7. Mikiko- 2011/11/18 22:32
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例の相撲取りみたいな名前のお酒、「玉乃光」。
さっき飲みました。
たぶん……。
生まれて初めて飲んだ、純米大吟醸酒。
さて、その感想ですが……。
……わからん。
紙パックのお酒とは、違うような気もするのですが……。
黙って出されたら、気づかないかも。
どうやらわたしの舌は……。
日本酒を味わうためには出来てないようです。
「きき酒セット」の答えは、大外れでしょうね。
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8. ハーレクイン- 2011/11/18 23:33
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に似た名前の相撲取りといいますと、なんといっても第32代横綱「玉錦」明治36年(1903年)-昭和13年(1938年)。
例の昭和の三英傑、69連勝の大横綱「双葉山」の1時代前に活躍した横綱です。
小部屋所属の為、横綱昇進までに様々な苦杯をなめさせられたそうですが、実力は本物。
土俵外でも様々なエピソードを残した方。短気で喧嘩っ早く、武勇伝には事欠かない。その反面、師匠の二所の関親方が病床にあり、もう危ないというとき、本場所中にもかかわらず連日徹夜で看病した、というエピソードもあります。
昭和13年(1938年)虫垂炎から腹膜炎を発症、現役横綱のまま死去。享年34歳。
横綱 玉錦三右エ門。
生涯戦績、350勝114敗3分1預17休。
幕内優勝9回
横綱成績、104勝18敗1分15休、勝率8割5分2厘。
あとは、玉飛鳥、玉嵐、玉錨、玉海力、玉垣、玉春日、玉嵐、玉川、玉輝山、玉麒麟、玉櫻、玉椿、玉手山、玉ノ井、玉の海、玉之浦、玉乃島、玉ノ洋、玉ノ富士、玉輝、玉晃、玉響、玉力道、玉竜、玉鷲。
無茶苦茶多いな。
純米大吟「玉乃光」。味は……。
>……わからん。
>紙パックのお酒とは違うような気もする
んなことないって。
今度ためしに、両方同時に飲み比べてみ。
絶対違うから。
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9. Mikiko- 2011/11/19 07:23
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日本酒のアルコール度数は、わたしには高すぎるようです。
これからは、水割りで美味しいお酒を追求してみようかな。