Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 0838
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 半泣き顔であたりを見回していた美弥子だったが、ようやく覚悟を決めたらしい。

「わかった」

 トランクを手放すと、美弥子は身を屈め、脇の藪を覗いている。

「藪に入るつもり?」
「だって……。
 道の真ん中じゃ出来ないよ」
「藪は止めた方がいいよ。
 虫がいるから」

 美弥子の上体が跳ね起きた。
 美弥子の虫嫌いは、尋常ではなかった。

「あのクリちゃん見たら……。
 ぜったいに刺すと思う」
「イヤよ!」
「きっと、パンパンに腫れちゃうよ」
「止めて!」
「だから……。
 ここでしなって」

 べそを掻きながら立ち竦んでいた美弥子だが、突然トランクを引きずり始めた。
 諦めて戻るのかと思ったが、そうではなかった。
 トランクを立てたまま、道を塞ぐような角度に据えた。
 どうやらトランクを、目隠しの衝立にするつもりらしい。

「考えたね。
 その前にしゃがめば、後ろからは見えないよ。
 こっちは、わたしが塞いであげる」

 由美は、美弥子の正面に立った。

「お願いね」

 美弥子はトランクを振り返りながら、その場にしゃがみ込んだ。
 しかし、スカートはたくし上げないままだ。

「由美ちゃん……。
 向こうから見えちゃう」

 美弥子は、由美の後ろを見通していた。

「わたしもしゃがもうか」

 由美は、美弥子と向かい合ってしゃがんだ。
由美と美弥子 837目次由美と美弥子 839





コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2011/11/06 07:22
    • 老「泊まれるところなど、数えるほどしかないからの。
       大型バスでの、日帰りツアーのようじゃ」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111104195257d5c.jpg
      み「ほとんど、お金が落ちないんじゃない?」
      老「かも知れんの」
      み「わたし、混んでるとこ苦手だから……」
      http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110626200924890.jpg
      み「見物は無理かも」
      律「そうね。
       路線バスしか無いところじゃ……。
       帰りの足が心配よね。
       旅館なんて、取れないだろうし」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011110419525961f.jpg
      ↑街中には、こちらの1軒だけのようです(http://www.touhoku.com/kagaribisou.htm)
      み「西馬音内に、知り合いとかいない?」
      律「いるわけないでしょ」
      み「本町通りの二階家の窓が……。
       きっと特等席だよな。
       お酒飲みながらさ。
       あー、一度でいいから、そんな夏を過ごしてみたい」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111106072421733.jpg

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2011/11/06 07:25
    • 律「西馬音内にお嫁に行けば?」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011110419525687f.jpg
      み「なるほど、その手があったか。
       でも嫁が……。
       酒飲みながら見れるかな?」
      律「集まった親戚とかの接待で、てんてこ舞いかも」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011110419525869f.jpg
      み「だよな。
       そのシチュだけは……。
       ぜったいに避けたい。
       うーむ。
       何か、手がないものか……」
      律「本気で考えこまないの」
      み「そう言えば……。
       何の話から、盆踊りになったんだっけ?」
      律「お蕎麦じゃないの?」
      http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111022104223661.jpg
      み「よく覚えてますねー」
      律「お蕎麦には、興味があるからね」
      老「それでは……。
       続きを語ってよいかな?」
      み「許可する」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011110419525633e.jpg

    • ––––––
      3. Mikiko
    • 2011/11/06 07:25
    • 老「いちいち偉そうじゃな。
       まあ、よい。
       この西馬音内で、農家の七男坊に生まれた弥助には……。
       生来、放浪癖があったんじゃな」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201111041953199f0.jpg
      老「ひょっとしたら、亡者踊りを見たせいかも知れんの」
      み「あの彦三頭巾を、子供が見たら……。
       心の奥まで食い込むよね」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111104195320999.jpg
      律「そうね。
       夢に見るかもね」
      み「ナマハゲもそうだけど……」
      http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011021119573405e.jpg
      み「秋田って、トラウマになりそうな行事が多いんじゃないの」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111104195258a40.jpg
      老「続けてもよいかな?」
      み「許可する」
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011110419525633e.jpg
       続きは、次回。

    • ––––––
      4. ハーレクイン
    • 2011/11/06 08:04
    • そうか美弥ちゃん、虫は苦手か。
      それは残念。
      では野外うんこは無理だのう。
      ん?
      どうも位置関係がも一つわからぬ。
      美弥ちゃんは、やってきたバス通り側をトランクで塞いだのか。
      そして、バス通り側にお尻を向けてしゃがむと。
      んで、その反対側に美弥ちゃんと向かい合う形で由美ちゃんがしゃがむ。
      これで、ええのか?
      ということは、二人はおしっこをかけあう体勢というこということに……。

    • ––––––
      5. ハーレクイン
    • 2011/11/06 09:04
    • おー、バスガイドさん。
      秋田中央交通のガイドさんもよかったが、このこもよさげな娘じゃのう。
      “混んどる”はもうわかった!
      そうだな。
      西馬音内の嫁さん。
      ガキどもをひと夏預けられた安土の嫁さん(我が叔母じゃ)より大変だろうな。
      「許可印」は大阪税関、桜島出張所。
      鹿児島ではないぞ(ん? 引っ掛けかあ)。
      大阪環状線・西九条駅から分岐し、大阪湾へ向かう支線「桜島線」の終点が「桜島駅」。この近くに大阪税関の桜島出張所があるのだ。
      「桜島線」は総延長わずか4.1km。途中駅は2つ。
      かつてはほとんど貨物線の様だったが、沿線にユニバーサル・スタジオ・ジャパンUSJができて、大きく様変わりした。終着の「桜島駅」の一つ手前に「ユニバーサルシティ駅」が新設され、USJの玄関口になった。往時に比べ大変な賑わいじゃ。
      そういえば「桜島線」は「ゆめ咲線」という愛称で呼ばれるようになっておるのう。
      終着駅の桜島駅を利用するのは、今はほとんどがUSJの職員。日中は閑散としておる。
      よかったー。
      「み」さん、蕎麦を忘れてなかったか。
      一瞬考えたのち、不覚にも笑ってしまったぜ。
      「放浪」→「琺瑯」か
      トラウマの画像。
      加工か?

    • ––––––
      6. Mikiko
    • 2011/11/06 12:44
    •  そんなにわかりにくい?
       自分の頭の中には映像が見えてるので……。
       ついつい端折ってしまうのかも知れない。
       気を付けねばならぬな。
       「許可印」には……。
       何の意図もありません。
       そうか。
       税関だったのか。
       何の出張所かと思ってた。
       トラウマの画像は、拾いです。
       あんな加工をする技量、わたしにはありません。

    • ––––––
      7. Mikiko
    • 2011/11/06 12:44
    •  コメントをお読みになっている方は、すでにご存知かと思いますが……。
       ハーレクインさんから、作品をお寄せいただいております。
       夏実(第61章『脅迫者』から第63章『百鬼昼行』に登場)を主人公にした、サイドストーリーです。
       すでに、木曜日には『八十八十郎劇場』を掲載させていただいており……。
       更新のない日は、火曜日のみ。
       ということで、今週の火曜日、11月8日からの連載とさせていただきます。
       送っていただいてるのは、最初の3回分ですが……。
       面白いですよ。
       乞うご期待!

    • ––––––
      8. ハーレクイン
    • 2011/11/06 16:35
    • 判子の縁に CUSTOM HOUSE とあります。これが「税関」。
      この単語はゴルゴ13で覚えました。
      正体不明の敵に命を狙われたゴルゴ。
      その正体を暴くため、スイス銀行に預けてある自分の全財産を懸けようとするゴルゴ。
      以下ゴルゴと銀行の頭取との会話です。
      ゴ「全額引き出す。トラベラーズチェックに換えてくれ」
      頭「な、何百万ドルを全てですか」
      ゴ「俺には税関(カスタムハウス)も検査(インスペクション)もない」
      このゴルゴのセリフで覚えたんですね。税関の英語 CUSTOM HOUSE。
      で、ゴルゴが目星をつけた相手はイスラエルの元秘密諜報員。
      これを炙りだすため、第二次大戦中のドイツの戦闘機メッサーシュミットを2機、連合軍側の輸送機ダグラスDC8を1機、などなどとんでもない買い物に全財産をはたき、壮大なフェイクを仕掛けるゴルゴ……。
      何かのってきたぞ。
      ついでに、裏世界のなんでも調達屋の爺さんとゴルゴとの会話。
      ゴ「まず……メッサーシュミット109を2機」
      爺「ゴホッ(飲みかけのウィスキーを吐いた、あんたはあぶさんか)
        そ、そんなものがこの世にあるとでも……」
      ゴ「チェコ空軍に改良型があるはずだ。それを手に入れて塗り替えろ」
      爺「まったく……あんたって人は」
      ゴ「次にダグラスDC8を1機。各機の優秀な搭乗員、エキストラ20人。
        コスチュームはすべて大戦中のものを用意する。
        マッチ一箱に至るまでな」
      爺「ガッシャーン(手に持っていたウィスキーの瓶を床に落とした音。もったいねえ)
        わ、悪いことは言わん、やめた方がいい。
        これは一匹狼のやる領分の仕事じゃあない。
        やめるべきだ。あんたらしくない」
      ゴ「俺は自分が納得できるようにしたいだけだ」
      爺「き、聞かせてくれ、一言でいい。
        歴史を25年前に戻す理由は」
      ゴ「…………」
      爺「ハーケンクロイツ(ナチスドイツの紋章、鉤十字)を復活させようという理由は」
      ゴ「…………」
      爺「相手は……ユダヤ人だな」
      ゴ「すべて……俺自身が生きるための賭けだ」
      と長々書きましたが、現物は手元にありません。
      記憶をたどって書きましたが、そんなに大きな間違いはないはずです。
      自分でも「よう覚えてたな」と思いますが、それだけ印象の強い作品だったんでしょうね。
      作品タイトルは「最後の間諜 虫(インセクト)」だったかなあ。これは怪しいです。

    • ––––––
      9. ハーレクイン
    • 2011/11/06 18:02
    • 「桜島」とくると、一般にはまず「鹿児島」でしょうからね。
      府外の人は「え、大阪に桜島?」と驚かれるようです。
      夏実サイドストーリー。
      Mikikoさんに「面白いですよ。乞うご期待!」と持ち上げていただきましたが、どの程度の出来なのか、自分では全く判断付きません。出来は期待なさらないようにお願い申し上げます。
      今年3月の初めころでしたか、うっかり「裏夏実を書く!」と宣言してしまったのが運のつき。サイドストーリーがこんなに大変だとは思いませんでした。まあ、なんとか書き上げてMikikoさんとの約束を果たせ、ほっとしております。
      で、Mikikoさんのコメでは、「夏実の登場は第61章『脅迫者』から第63章『百鬼昼行』」とありますが、厳密にいいますと夏実の初登場は第56章『Sentimental Journey』の549回です。この回にも目を通しておいていただきますと、より興趣が増すと思います(番宣はよせ!)。

    • ––––––
      10. Mikiko
    • 2011/11/06 20:22
    •  よく、そんなに詳しく覚えてたね。
       何回も読み返したんじゃないの?
       ってことは……。
       ズバリ!
       その『ゴルゴ13』は、ラーメン屋に置いてあったでしょう!
       新刊がほとんど補充されない店なので……。
       油が染みた古い巻を、何度も読み返してた。
       どう?
       裏夏実。
       「面白い」とは言ったものの……。
       わたしも3回分しか読ませてもらってないので、先のことはわかりません。
       でも、出だしは、いい雰囲気です。
       ほっとしておらんと……。
       次作にとりかからんかい!

    • ––––––
      11. ハーレクイン
    • 2011/11/06 21:04
    • >その『ゴルゴ13』はラーメン屋に置いてあったでしょう
      これは残念ながらブッブーです。
      持ってたんですよゴルゴ。文庫版の第1巻から最新刊まで。当然何回か読み返しています。
      で去年の引っ越しのおり、家人から「書籍を処分せよ」との下命があり、持っていく分と処分する分を交渉して決めたんですね。で、まさか専門書や小説は処分できるはずもなし、処分したのはコミックのほとんどでした。この中にゴルゴも入ってたんですね(無念じゃ)。
      “ラーメン屋”で油じみた古い巻を何度も読んだのは「巨人の星」でした。
      次回作って、ちょっと待ってくれい。
      まだ夏実のけりもついておらんのに……。

    • ––––––
      12. Mikiko
    • 2011/11/06 21:59
    •  残念。
       実は、ラーメン屋で『ゴルゴ13』を読んでたのは、わたしなんです。
       しかし内容は、まったくといっていいほど覚えておらん。
       「俺の後ろに立つな」、くらいですかね。
       処分しないで、ラーメン屋に寄付すればよかったのに。
       そうすれば、通って読めるでしょ。
       ケリをつけてから送ろうとするから、大仕事になる。
       2,3回分書いたら、連載始めちゃえばいいんだよ。
       あとは、どーにかなるものです。

    • ––––––
      13. ハーレクイン
    • 2011/11/07 00:22
    • わたしはせこいですからね。ブックマート(古本屋、新潟にはないかな)に売り払いました。
      >2,3回分書いたら、連載始めちゃえばいいんだよ
      しかしそうなると、締め切りに追われることになるしなあ。
        (おお~、プロ作家みたいじゃねえか)
      管理人さんみたいな才能もないし、ストックもないし、開き直りもできんしのう。
      ま、しかし。
      途中で破綻してもケセラセラかな。アマチュアなんだし。
      いよいよとなれば「作者急病のため休載します」。
      わはは。
      ま、構想だけは考えておきます。
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