Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 0835
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 由美は踵を返し、扉の向こうの気配を探った。
 どうやら、待ち人はいないようだ。
 扉を細めに開け、外を確認する。
 誰もいない。
 由美は、もう一度女性を振り向いた。
 女性の肩に手を掛け、大きく揺さぶる。
 目蓋の下で眼球が動くのを確認すると、由美は身を翻して扉を出た。

 走るような早足で通路を抜け、座席に戻った。
 座ると同時に、トイレの使用中を示すランプが点灯した。
 由美は、ひやりとした。
 人が入ったのだろうか?
 いや、そんなことは無いはずだ。
 もし誰かが扉を開けたとしたら……。
 そこには先客がいるわけだ。
 そのまま中に入り、鍵を締めるということはあり得ない。
 鍵を掛けたのは、目覚めた女性だろう。
 今となっては、そう信じるほかはない。

 美弥子は、まだ眠ったままだった。
 由美は、美弥子の膝を揺すった。
 甘えるような小さな呻きと共に、ようやく美弥子は目覚めた。

「おはよう」

 由美が笑いかけると、美弥子は慌てて両脚を閉じ……。
 恥じらうような笑みを返した。
 なんだか新婚旅行のようだと、由美は思った。

「今、何時?」
「もう降りる時間だよ」
「え?
 そんなに?」

 美弥子は上体を反らせ、後ろを振り返った。

「おトイレ?」
「うん」
「使用中だね。
 時間的にも、ちょっと無理かな。
 我慢できそう?」

 美弥子が顔を寄せて来た。

「て言うか……。
 穿いてないじゃない。
 落ち着かないのよ」

 どうやら、トイレでショーツを穿きたかったらしい。
 しかし、諦めてもらうほかは無いようだ。
 チャイム音と共に、降車駅がアナウンスされ始めていた。
由美と美弥子 834目次由美と美弥子 836





コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2011/11/02 07:27
    • 老「ばかもん。
       美的概念を述べておるのじゃ」
      http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111030105053499.jpg
      み「いい歳して、言い訳しないの。
       で、衣装は二種類って云ったよね?
       もう一つは?」
      老「彦三(ひこさ)頭巾じゃ」
      み「“ずきん”って、頭に被る頭巾?」
      http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111030105055a27.jpg
      老「そうじゃ」
      み「ますます時代劇だね」
      http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011103010501047c.jpg
      ↑これは御高祖(おこそ)頭巾
      み「どんな頭巾なの?」
      老「歌舞伎や文楽に、黒子という介添え役がおるじゃろ」
      http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111030105009cd7.jpg
      老「あの黒子の頭巾に似ておる。
       実際、歌舞伎の舞台を見た人が……。
       黒子をヒントに考案したとも云われとる。
       そのとき黒子が介添えしておった役者が、坂東彦三郎だったことから……」
      http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201110301050073c9.jpg
      老「彦三頭巾と名付けられたらしい」

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2011/11/02 07:27
    • み「“ひこさ”って、そういう字を書くのか。
       黒子の頭巾って、顔の前に布が垂れてるじゃない」
      http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201110301050094e4.jpg
      み「透けてるの?」
      老「真っ黒じゃ」
      み「前が見えないじゃないの」
      http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201110301052054e1.jpg
      老「彦三頭巾には、目のところに、穴が2つ開いておるんじゃ。
       頭に、豆絞りの手拭いを巻いて留める」
      http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111030105053490.jpg
      み「“豆絞り”って、どういう意味なの?」
      老「柄じゃよ。
       白地に紺の水玉模様じゃな」
      http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011103010505423f.jpg

    • ––––––
      3. Mikiko
    • 2011/11/02 07:28
    • み「あぁ、あのドット模様ね。
       あれを“豆”に見立てたわけか。
       頭巾は……。
       黒なのよね?」
      老「黒い布が、帯のあたりまで垂れておる」
      http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011103010505529e.jpg
      み「なんか……。
       不気味な感じなんですけど」
      老「初めて見た子供は、泣くかも知れんな。
       確かに、ぎょっとするような出で立ちじゃが……。
       じっと見ていると……。
       あの世に引きこまれそうになるな」
      http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111030105015eec.jpg
      老「頭巾姿は、亡者を象徴しているとも云われる。
       『西馬音内盆踊り』が、“亡者踊り”とも云われる所以じゃな」
      http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111030105104972.jpg
      み「お盆に帰ってきた亡者が、一緒になって踊ってる?」
      老「踊りの輪の中には、この世のものではない者も、混じっておるかも知れんな」
      http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011103010500853d.jpg
      み「怖わー」
       続きは、次回。

    • ––––––
      4. ハーレクイン
    • 2011/11/02 08:00
    • 由美ちゃん、大活躍だったな。
      車内で、美弥ちゃんと水色女、二人のオナニーをプロデュース。
      自分ではできず(あれがホームランだったらなあ)。
      それにしても水色女、この後どうするんだろ。
      由美美弥。
      今日の名台詞。
      >由美「なんだか新婚旅行のようだ」

    • ––––––
      5. ハーレクイン
    • 2011/11/02 08:34
    • >み「衣装は二種類って云ったよね」
      んなこと云ったかなあマスミン、で調べてみたら2回前(833回)、東北277-3/3で確かに仰せだな。
      >老「大きく分けて、二種類の衣装がある」
      これだな。
      なんせ話題が豊富だからなあ。
      話の流れがわからんくなるわ。
      >老「頭に、豆絞りの手拭いを巻いて留める」
      豆絞りの手拭い!
      和風猿轡(さるぐつわ)の定番じゃねえか。
      ボールギャグもええが、この手拭いをきりきりっと絞って女性に噛ます猿轡。
      ええのう。
      別に柄は何でもええと思うが、なんで「豆絞り」に決まってるんだろうな。
      これはもう、一種の「お約束」だな。
      で、ボールギャグなんかだと、涎がたらたら零れだす。これも捨てがたいがのう。
      「豆絞り」の場合、手拭いが女性の涎を吸ってしっとり、じっとり濡れてきおる。あたかも、責められる女性の涙を一緒に吸ったようにのう。
      ええのう。
      「西馬音内盆踊り」は“亡者踊り”!
      >老「踊りの輪の中には、この世のものではない者も、混じっておるかもしれん」
      うーむ、確かに。
      盆踊りはもともと、あの世から戻ってくる死者を供養するための行事だからなあ。
      踊り好きで陽気なばあ様の霊の一人や二人、混じっていてもおかしくないかもしれんのう。

    • ––––––
      6. Mikiko
    • 2011/11/02 20:12
    •  ボールを使ったギャグ、ではないんですね。
       モノは知ってましたけど……。
       そういう名称であることは、初めて知りました。
       さーて、明日から4連休じゃ。
       今日はあんまり嬉しいので、ネットで純米大吟醸を注文してしまった。
       もっとも、一合瓶だけど。
       525円でした(送料無料)。
       休み中に届くかなぁ。

    • ––––––
      7. ハーレクイン
    • 2011/11/02 23:27
    • >モノは知ってました
      ほんまかあ。
      とんでもない勘違いしてへんよなあ。
      あのプラ製の、中空の、穴がいっぱいあいたボールでっせ。
      これを女性の口に噛ませて、付属の紐をうなじの後ろで結んで止める。
      穴から涎がたらたらと……。
        gag〔名詞〕さるぐつわ(猿轡) 〔動詞〕さるぐつわをかける
      ま、“ボールを使ったギャグ”はお約束のボケだが……。
        gag〔動詞〕(芸人が)ギャグを言う。
      4連休かあ。
      うらやましい、つったら怒られるよなあ。
      「普段いっぱい休んでるやつが何言うねん!」
      こちらは見事にカレンダー通り。
      純米大銀525円か。
      送料無料で商売になるんかなあ。

    • ––––––
      8. Mikiko
    • 2011/11/03 07:26
    •  ↓ボールを使ったギャグは、こちら。
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111103064127da4.jpg
       わたしが買ったのは、“純米大銀”ではなく、“純米大吟”ね。
       現在、セブンネットショッピング(http://www.7netshopping.jp/all/)は、送料無料キャンペーン中。
       どんな買い物にも、送料がかからないんです。
       ↓購入したのは、こちら。
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111103064838335.jpg
       てっきり備前(岡山)の会社と思ってましたが……。
       調べてみたら、京都でした(http://www.tamanohikari.co.jp/)。
       ↓思い切って、こっちにすれば良かったかな。
      http://blog-imgs-47.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011110306572211a.jpg

    • ––––––
      9. ハーレクイン
    • 2011/11/03 08:39
    • 大銀、なんちゅう酒、少なくとも日本にはないぞ。
      大吟大吟。
      (中国にも韓国にもないと思うぞ)
      おー。
      玉の光酒造さん「純米大吟醸玉の光」
      なんで岡山と思いはったのだ?
      ひょっとして「雄町」からかあ。
      「雄町」は岡山県を主産地とする酒造好適米。
      最も主要な好適米は兵庫県産の「山田錦」。
      酒造好適米の米質には色々ありますが「大粒であること(精白作業がやりやすい)、「タンパク質含有量が少ない(雑味が出にくい)」などですね。
      雄町や、山田錦はこれらの特徴を兼ね備え、多くの酒蔵で用いられています。
      玉の光酒造さんは「純米」にこだわる酒蔵さん。
      売れてますよお。
      こちらでは、そこらのコンビニにも置いてあります。
      もちろん純米吟醸。
      アル添酒・普通酒を作ってはるかどうか……わかりませんが、あっても少量でしょうね。

    • ––––––
      10. Mikiko
    • 2011/11/03 12:49
    •  なんか、相撲取りみたいな名前ですね。
       ↓わたしが購入したページでは……。
      http://www.7netshopping.jp/drink/detail/-/accd/2101959971/subno/1
       『備前雄町』という表示がありました。
       “雄町”が酒米の名称であることは、ぜんぜん知らなかったので……。
       岡山のお酒だと思ったわけ。
       純米大吟醸、まだ届きません。
       で、ついつい今日は、バーボンを買って来てしまった。
       ゆうべ、『刑事鬼貫八郎』の再放送を見てたら……。
       夜遅くまで机に向かう鬼貫さんに……。
       奥さんが、「一杯だけよ」と水割りを持ってくる恒例シーンがありました。
       鬼貫さんは糖尿で、お酒を制限されてるんですね。
       一口飲んだ鬼貫さんのノドが、ぐびりと動くのを見て……。
       久しぶりに、ウィスキーを飲みたくなったんです。
       バーボンは、学生時代を思い出す味です。
       当時は格好つけて、バーボンばっかり飲んでたんですね。
       今、飲みながら書いてます。
       考えてみれば、グラスで飲むのも久しぶりだな。

    • ––––––
      11. ハーレクイン
    • 2011/11/03 13:55
    • 若いころはよく飲んだなあ。
      あの独特の香りがいいんだよね。
      一番好きなのはジム・ビーム、それからアーリー・タイムズかなあ。
      有名なワイルド・ターキーは何か口に合わない。
      私の中ではハードボイルド→バーボン、何ですよね。
      「探偵」にはバーボンがよく似合う。
       「刑事鬼貫八郎」
       知らんなあ、初めて聞いた。
      作者すら記憶にないのだが(おそらくコーネル・ウールリッチか、ウィリアム・アイリッシュ。この二人は同一人物だが)、若いころに読んだハードボイルドにこんな粗筋のがあります。
      ある殺人事件の犯人として逮捕され、死刑になった男。その後これは誤認逮捕で、犯人は別の人物であることが判明する(ひどい話や)。しかし、いわゆる「一事不再理」でどうすることもできぬ。
      もちろん警察は手を引くしかないのだが、ここに一人、正義感に燃える刑事が「許さん!」とかなんとか桃太郎みたいなセリフを吐いて、この真犯人を付け回す。今でいうストーカーだな。しかしもちろん始めの殺人事件ではどうすることもできぬ、闇討ちするか。それでは意味がない。この刑事、法による裁きを受けさせたいのだよ。
      で、肝心のその方法がうろ覚えなのだが、この刑事、真犯人を徹底してストーカーしてプレッシャーをかけ、ノイローゼ状態に追い込み、ついに別の殺人事件を起こさせることに成功する。被害者は刑事自身。で、かの刑事、薄れゆく意識の中で勝利を確信する……。てな感じなのですがね。
      うーむ。書いていて、なんか違うなあと思えてきたぞ。どうもかの刑事、自らを被害者にしたのではないような気がしてきた。
      んならどやねん。わからぬ。覚えていない。無念じゃ。
      何とかもう一度読みたいものだがのう。

    • ––––––
      12. Mikiko
    • 2011/11/03 14:06
    •  まさにその、『Early Times』。
       学生時代も、よく飲みました。
       安いよね。
       今日は、1,150円でした。
       スコッチとの味の違いはわかるが……。
       バーボン同士では、さっぱりわからん。
       鬼貫八郎を演じるのは、大地康雄。
       リアリティ、ありまくりです。

    • ––––––
      13. ハーレクイン
    • 2011/11/03 14:36
    • どちらかといいますと「味」よりも「香り」の違いの方が顕著ですね。
      だから“口に合わない”というよりも“鼻に合わない”と言うべきかなあ。

    • ––––––
      14. Mikiko
    • 2011/11/03 20:25
    •  わたしの鼻は、バーボンを嗅ぎ分けることなぞ出来ませぬ。
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